初めて買ったLPレコードはビートルズの『HELP!』でした。1975年中学2年の時。当時ビートルズの英米日のオリジナル盤が一斉に再発売され、AMでも鈴木ヒロミツの「ビートルズ大全集」(だったか?)があったりして解散後初の大ブーム。今思えば渋谷陽一の文章を目にしたのも『HELP!』の解説が最初だった。
多感な時期に「アイドル→映画音楽→カーペンターズ」と王道を歩んできた中坊にとってビートルズとの出会いは必然。シングル盤は「LET IT BE」(これも定番)を皮切りに何枚か買ったのだが、当時の小遣いが月1200円ぐらいの状況でLPなど買えない。当然昼飯代の300円を週2〜3回の断食(級友のパンをあさるなどしヒンシュク)で積立てし、中2の9月初旬に買ったのがこれ。
とにかく初体験だけに失敗は許されない。数あるビートルズのリストからどれを選ぶべきか迷った。知ってる曲といってもラジオで聞く有名曲しかしらず「サージェントなんとか」いう長いタイトルのアルバムなど想像もつかん。映画ファンの流れからサントラならヒット曲も多くハズレないだろうとの直感で『HELP!』。
レコード屋でLPを買う大人な自分に興奮しつつ家に帰ってすぐにでも聞きたかったが、友達と野球の約束をしたばっかしに後ろ髪を引かれる思いでレコードを玄関に放ったまま公園へ(1秒でも早く帰りて〜!)。
このアルバムの選択は大正解だった。
ビートルズの名盤というと「ラバーソウル」からカルトな