またまた20年程前のお話。ある飲み屋のおばあちゃんに手相を観て頂いた事がある。
「あんた生活にゃ困らんやろけど、女に苦労するわ」…金言が身にしみる今日この頃である。
Jackson Browne は充実した創作活動の最中に最愛のパートナーを失った。デビュー当時は「宿命の女」ニコとも付き合っていたとか。まさに女難アーティストの筆頭株。どん底の体験から名作「PRETENDER」を発表した。そういえば「タクシードライバー」のトラビス(デ・ニーロ)も "LATE FOR THE SKY" をBGMに人格を破綻させてましたな。
だが私にとってJ.B.(≠ゲロッパ)とはこのアルバムである。
悲惨な状況にもネガティブに走らず自分の弱さとクソ真面目に向き合う男。そんなJ.B.にとってバンドのツアードキュメンタリー的なこの作品は「PRETENDER」後の息抜き的な意味合いもあったのだろう。殆どの曲が他のライターとの共作だが、アーティストとしてよりはライブで歌うプレーヤーとしてのJ.B.の人間味が伺える。まるでロードムービーのような曲の流れはツアー舞台裏の雰囲気を生々しく伝え、人生の苦労も知らず愛がどーとか言われてもピンと来なかった私にもリアルに響いた。
ガス欠車で街から街へ。グルーピーの変なネエちゃん。ドラッグ。ツアーバス中でのリハーサル。そしてコンサートのハイライト…