はじめまして、突然お手紙を差し上げるぶしつけをお許しください。私は大阪で写真撮影業を営んでおるフォトデリック2号と申す者でございます。
この度、厚かましくも貴方様にお手紙を差し上げましたのは、ちょっとしたお願いがあるからでございます。実は私、自社のホームページにて、稚拙な文章ながらレコードレビューを書かせていただいております。
御存じでしょうか?貴方様がお亡くなりになってまもなく、パーソナルコンピューターなるものが世間に普及しはじめ、いまやネコも杓子もインターネット、インターネットと騒いでおる始末でございます。これについて詳しく説明いたしますと、長くなってしまいますので割愛させていただきますが、とにかく誰もが簡単に情報を提供したり取得したりできる世界規模の情報ネットワークに、私もホームページなるものを開き、お粗末ながら情報を提供させていただいておる次第であります。
さてさて本題に入らせていただきます。お願いと申しますのは、そのレコードレビューにて貴方様の「ワルツ・フォー・デビイ」を紹介させていただきたいのです。
なんと言ってもまず貴方様のフレージングに感銘を受けました。一聴するとリリカルなメロディのようで、実のところそれだけではない、心のとんがった部分にもヒットする音の選び方は貴方様ならではのハイセンスでございます。それは「ポートレート・イン・ジャズ」のジャケットでお見受けする貴方様のポートレートと、正真正銘のジャンキーであった貴方様の実際とのギャップのように不思議な感覚を私に与えるのであります。