Some Girls The Rolling Stones
Some Girls
■ジャケットマニアとしては
 iTunesの登場以来、音楽を聴くのはこれが主流になってしまった。それ以前にもMP3再生ソフトはあったけれど、エンコードが別だったり、ソフトが期限付きだったり、ベータ版だったりで何かと不便で面倒だった。その点、iTunesはこのフリーソフトだけで事足りるし、何といっても自分でプレイリストを作成してお気に入りの曲だけ再生できるところが画期的だったのだ。それ以前はCDやレコードから曲を選んで、60分や90分のテープに曲の長さなんかを考慮にいれながら、1曲づつ録音してたから。。。とはいえ、当初は何百曲もMP3をパソコンに入れるってことはこれっぽっちも頭になかったと思う。だけど、今やハードディスクは大容量時代。ブロードバンドの急速な普及も手伝って、何百曲どころか何千曲もパソコンに入れておくことが当たり前になり、iTunesなしではもはや生きていけない俺。。。テアックのカセットデッキやソニーの5連奏CD+MDは既に棚の飾りと化し、テクニクスのプレイヤーもレコード→AIFF→MP3化が完了すれば(終わりそうな気配はないけど)、ただのスクラッチ練習マシーンという役目しか残されていないのだ。
 でも何かが違う。でーもーなにかがちーがうー♪(これ何の主題歌やったっけ?)いや、何か物足りないのだ。
 それはアルバムジャケット。
いくら最新版のCover Flowでジャケットがスクロールできようと、31×31cmのアナログレコードのアートにはかなわない。ちなみにビッグピンク(中古レコード屋)でCover Flowを真似てジャケットを素早く次々と見ていったら、店の親父に怒鳴られること間違いなしだ!「レコードが痛む!」
 ストーンズの「女たち」はレコードだから成立したといえるジャケットであろう。穴あきジャケットからのぞくインナースリーブのセレブやストーンズの面々。CDサイズで再現するには小さすぎるし、パソコン上では質感は表現できない。それらは、そもそもアナログから無理矢理リサイズされたものだから、当然といえば当然。CDジャケット専用ならば、アートディレクションも自ずと違ってくるはずだ。

 曲は時代を反映してか、ディスコやパンク系のストレートな感じが多い。ストーンズここ30年来唯一の全米ナンバーワンヒット"Miss You"を筆頭に、"Respectable"や"Shattered"など、ストーンズからのディスコ・パンクへの回答といった趣の曲が目白押し!そういう曲調を嫌ったイアン・スチュワートはこのアルバムやこの後のアメリカツアーには参加せず、イアン・マクレガンがキーボードでサポートしている。
 他にもテンプテーションズのカバー"Just My Imagination"やカントリー調の"Far Away Eyes"、名曲"Beast Of Burden"と充実の1枚となっている。おっと、キースの歌う"Before They Make Me Run"を忘れちゃいけない!この時期キースは麻薬所持で逮捕され、ミュージシャン人生が絶えようとしていたんである。その後、チャリティー・コンサートをすることで、刑は軽減されたけれど、そいういう経緯を知ってからこの曲を聴くと、一層、涙がちょちょぎれます!

 アナログを聴けない人は、レコードを模した「女たち(でかジャケ) 」CDでジャケットを堪能しよう★  (1号)
リリース 1978 Bush Doctor
おすすめ曲 Far Away Eyes
これも聴くべき!!
Peter Tosh / Bush Doctor
★ ★ ★ ★
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