…ドラム フェードイン
2001年9月。息子が産まれて9ヵ月。
引越を終え荷物だらけの新築の分譲マンションで妻と喧嘩。お互い余裕がなくなっていた。仲直りした直後Tから完成したばかりのドキュメント映画について賞賛の電話。
「よかったよ。しかし大変な世の中になったな。貿易センタービルに飛行機つっこむし」「…えっ」
TVではWTCが猛煙に包まれていた。映画の話どころちゃうやろ。新生活に何て幕開けや。傍らに息子の安らかな寝顔。
成長したダミアンは仲間たちと戦争を開始した。
PCとケータイの普及が加速度を増す。新たなエロ文化の普及。制御を失った匿名者達の不毛な批評と表現の無法地帯。
俺はどうもケータイが好きになれない。他者とのコミュニケーションの暗黙の拒絶。車内で、公道で、チャリに乗りながら、私今ケータイしてますので…
俺はいらん。一つぐらい不便なものがあっていい。
息子の夜泣きにもなれたが、好きな音楽聞く時間なんかなくなったな。思い通りにならん息子は俺にとって人生の師でもある。ぶちきれて風呂場で水をぶっかけたりした。こういうのが虐待になるのだ。成長しろ。
毎月の生活費が苦しい。妻は自己管理が大変なヤ○ルトの勤務をはじめた。俺は自他ともに認める協調性のない男だが最近社内でも暴走ぎみだ。妻に言えないパートナーができた。