■BE HAPPY NEW YEAR
真面目な親父が病気で死んだ時悔しくてたまらなかった。
でも恋人が出来たら嬉しくてそんな感情はどこかに置き去りになった。
感情はめまぐるしく変化し絶望と至福の間で僕を翻弄する。
学習したかと思ったら同じ轍にはまり、計画どうりに進めたつもりが自暴自棄で破綻する。
愛する者を守るつもりが傷つけるだけに終わる。
あきらめたとたんに一筋の希望を発見する。
総括への希求はその都度新たな感情の波が押し流す。
また年が変わる。
いつもと同じようで全く異なる一年がまた繰り返される。
魅力的なアルバムは聴くたびに表情を変え、遠い記憶と新しい感情を呼び起こす。
R.E.M.の初期5枚のアルバムはどれも素晴らしい。
もっとも淡々としたこの3枚目が好きだ。
マイケルスタイプのヴォーカルは自己主張せず、全く無駄のないバンドサウンドが日々にちりばめられた忘れ去られるべき感情の痕跡を奏でる。
物語に結末はありえない。
終焉に向かいながら新しい発見と不安と喜びの毎日を抱きしめること。
そこで芽生えた感情だけが新たな物語を紡ぎ得る。
ご存知の通りこれが世界の終わり。
そして僕は気分がいい。 (フジモト)
R.E.M.
Fables of the Reconstruction
★ ★ ★ ★ ☆
リリース
1985年
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Feeling Gravity's Pull