■音…ああ美しい
夜の10時に宮本むなしの自販機で1万円両替しておつりとるの忘れた。
鍋焼きうどんの途中で思い出したが当然どこにも見当たらん。バイト店員はロボットのごとく無機質な反応・・・文字通りビックバン級にむなしい・・・(2度と行かん!!)
ギネス級に間抜けなこの俺の怒りはどこに逝けばよいのか。
それはともかく、私が日本で一番好きなギタリストがこの方である。
フリクション〜E.D.P.S と来てちゃんと聞いたのは町田康の96年のアルバム以来だが相変わらずよい。テクとか何とかよりギターが感情を奏でる楽器である事をいつも認識させてくれる。
リズム隊もメンバーは変われど一貫してタイトで重くバンドの機能美を極めたそのサウンドはひたすらカッコいい。ヒステリックで時にメロディアス。よけいな添加物はいらねえ。
この人、日本画の才能にも秀でており美術界でも著名である。ジャケットも殆ど手がけている。
こういう自分の表現すべき事に真摯で地に足の着いた人は時代に埋もれたりしない。年齢を重ね自分のリズムが分かっているのである。パンタや花田裕之もそうだが、そろそろ聞きたいと思った頃にもの凄い手応えのアルバムをリリースする。ノスタルジーなどそこにはなく過去の蓄積を疎かにする事もない。聞く度に魂が揺さぶられる。
このアルバムも凄いわ。ここに来て最高傑作じゃないすか。ロックにこだわってるところがうれしい。ピアノやブラス、ヴァイオリンの使いどころも絶妙。パンキッシュな曲とバラッドの間にも温度差なし。ラストのギターは尺八の諸行無常の域に達しております。
ギミックやデジタルに頼らずともギターはここまでできる。いや勿論恒松正敏だから可能なのだが。何年か後のアルバムも恐らく最高傑作だろう。表現者とはかくも正しく美しいのであった。
( 失した1万円にクヨクヨ苦悩し続ける欲望の男・フジモト)
恒松正敏グループ
欲望のオブジェ
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リリース
2007年
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