■二者択一を選べない奴に別れのバラードを★
そもそも無理なんである。究極の選択なんていってどっちか選ばせる方が悪い。どっちも捨てがたいと言えば、贅沢だと指摘され、んじゃ、まぁ、どうかな、もうちょっと考えて・・・などと決めかねていると、優柔不断な奴と決めつけられる。
メガネをとっかえひっかえ1時間迷い、飛田で決めかね10周回る程度なら、まだキズは浅い。人生の岐路に立つその時点では迷わぬ度胸も欲しいよね。
二者択一、ショーケンのアルバムでいうと、「熱狂雷舞（以下“熱”）」か「DONJUAN LIVE（以下“D”）」、俺の場合。どっちか選べっていっても無理なんで、今回はゴージャスに両方ね。
まず、“熱”はバックが柳ジョージとレイニーウッドで、その上、イントロが「雨に泣いている」とくりゃもう！対する“D”のイントロの混沌とした不協和音から、突然のドラムフィルで始まる超攻撃的レゲエアレンジの「テンダーナイト」という一連の流れがカッコよすぎる！・・・これでどっちか選べまへん。
いや、でも、“熱”の方は、ジュリー（沢田研二）とショーケンのツインボーカルという伝説のバンドPYGの名曲「自由に歩いて愛して」が入ってるし、学生時代にコピーもして思い入れが深いから、やっぱこっちかな・・・。いやいやいや、“D”のツインドラムやらアレンジやら、バンドの厚みも捨てがたい。それに、もちろん、ショーケンの他の追随を許さぬというか、誰も真似できない、しようとも思わない、圏外の独自の裏返りーのボーカルがさらに円熟味を増してるもんね。そんなん、選べと言うほうが酷ですわ。
両盤とも24bitデジタル・リマスタリングの紙ジャケ仕様で再発されてるんで、ぜひ是非★
＊20数年ぶりに聴いたら、その当時とはまた違った感じで歌詞が入ってくるのが面白いね。年を取ったってことやね。
（1号）
萩原健一
熱狂雷舞
★ ★ ★ ★ ★
リリース
1979年
おすすめ曲
泣くだけ泣いたら
Donjuan Live
萩原健一
