出演: ニコール・キッドマン.
ロバート・ダウニーJr
監督: スティーヴン・シャインバーグ
■芸術と鬱
2号: 2ヶ月ぶりの映画対談よろしくお願いします。7号は環境も変わって忙しそうですけどよろしくです。
7号: はい、どうぞよろしくです。
1号: よろしく。
2号: 7号の字小さいですけど、元気ですか?
7号: あれ?そうですか?こっちからは普通に見えてますけど・・・ このくらいでどうでしょう?
2号: あー、そういえば初めてやったときもそんなこと言うてましたね。はい、このくらいでばっちりです。
7号: ウィンドウズだからかな?ではこのサイズで行きます。
2号: ウィンドウズだからでしょうね。っていうか僕らがマックだからといったほうが正しいのか。すいません。このサイズでお願いします。
7号: 了解です。
2号: さて「毛皮のエロス」どうでしたか?
7号: 私けっこう楽しめました。
1号: 面白かったです。
2号: 僕はダイアン・アーバスの伝記的な映画かと思ってましたが、ちょっと違いましたね。
1号: オマージュでしたね。
7号: 心象風景とか言ってましたね。
2号: どういう意味?ダイアン・アーバスから受けるイメージで作った映画ということ?
1号: そう。と思う。
7号: 映画の冒頭でそんな感じの説明ありましたよ。
1号: ありましたね。
2号: あー、そう?見逃した。
7号: 幻想的でしたね。
2号: 幻想的って?
7号: なんか・・・アダルト版、不思議の国のアリスみたいな・・・
1号: ライオネルの部屋がオシャレやったね。
2号: そういわれたら「不思議の国のアリス」みたいな感じやね。思ってたほどアダルト度数は高くはなかったけど。
7号: そうですね、ぜんぜん。
1号: タイトルとコピーがそれっぽいからね。
2号: R18って なってたけど、そうでもなかったね。ただたんにち ○こ…
1号: 冒頭のおっさんのちんこだけちゃう
2号: 写ってるからか?
7号: 冒頭のシーンね、ぼかしなくてびっくりした!
1号: ああいうのはOKなんやね。ヌーディスト村やからかな。
2号: ようわからんね。
7号: う・・・う〜ん・・・どうなんでしょう
1号: 芸術性が高いからか。
7号: う〜ん・・・
2号: おばちゃんが股開いて座ってなくてよかったよ。
1号: そういう人を選んでん。肉で隠れるような。
2号: 芸術性が高いのに?
1号: 肉も芸術やねん。
2号: それならキミもかなり芸術性の高い体つきやね。
1号: そうそう、自ら実践してん。
7号: じゃあ、2号が写真撮ってあげればいいじゃないですか。
2号: 僕はまだフリークスの写真を撮るだけの決心がついてないから。
1号: 失敬な!誰がフリークスや。
7号: それはそうだね
2号: あほか、フリークスは貴族やで。ダイアン・アーバスが言うてた。
7号: そうなんですか?なぜに貴族って?
2号: それはまだ僕にはわかりません。未熟なもんで。
7号: でも彼女がフリークスを崇拝してるのは映画でわかりますね。
1号: 映画でもライオネルが言うてたね。「ええとこのお嬢さんは変わり者が多い。」とかなんとか。
2号: なんか小さいときからモラルとか常識とかでがんじがらめにされるからちゃう?
1号: その反動か。
7号: ダイアンってちょっと鬱だったのかな?
2号: 死ぬ間際は鬱やったらしいけどね。
7号: いきなり泣いたりしてたので・・・
1号: 自殺らしいね。
7号: あ、そうなんですか・・・
2号: 芸術家って鬱みたいな人が多いのかな?
7号: たしかによく聞きますけどね。
2号: 僕にはそういう部分がほとんどないから、あんまりわかれへんねん。芸術家ではないね。
7号: 鬱=芸術家というわけではないとは思いますけどね。
2号: そうやね。感受性というとこでなんか関係してるのかもしれんけど。
7号: そうですね。
2号: でも精神的に安定しすぎてても、面白いもんは作ったり、表現したりでけへんかもね。
7号: もちろん、そうですよね。
2号: あと人間はできるだけ多くの人と性的交渉をもった方がいいらしいで。ダイアン・アーバスによると。
7号: へえ〜、どうして?
2号: 忘れた。性的って文字に気とられ過ぎて。
7号: ええ〜!!
1号: 肝心なとこ忘れがちやね。
7号: ほんとですよ・・・
2号: とりあえず7号、今度試してみる?理由に気付くかも。
7号: 理由がわかってからでいいです。
2号: なに!理由がわかったら試してみる気?了解!
7号: 理由にもよりますよ・・・
2号: もしかしたら単なるセックス依存症かもね…。鬱なところがあった人やから。また勝手に決めてるけど、僕の個人的な意見なので誤解のないように。鬱=セックス依存症ではありませんので。
1号: 誰でも鬱になる可能性はあると思うけどね。
7号: うん、それはそう思います。
2号: 僕が東大に入れる可能性もあるからね。
1号: 0.00001%ぐらい?
2号: わからんけど、そうやね。どんなことでもぜったいないとはいいきれませんから。
7号: うん。「絶対」はたしかにないですね
1号: あらゆることを受け入れられたら、鬱にも対処できると思うけどなぁ。
2号: どういう意味?
1号: どうしようもない自分をありのままに受け入れるとか。弱い自分が自分で受け入れられへんから、さらに落ち込むんじゃない?
2号: そう?その感覚が僕とはちょっと違うような気がする。
1号: 別に弱くてもええやん。ってこと。
2号: 弱くてもいいの?じゃ落ち込む必要ないやん。
7号: 私も弱さはべつに悪いことではないと思います。
1号: いや。ええ人はええけど。自分で自分が弱いって悩んでる人はさらに悩むわけやからね。
2号: えっ、なんて?ちょっと意味がわからん。
1号: だから、弱い自分も、自分でありのままに受け入れられたら、楽になると思うよ。って意味。
2号: まぁ、ようわからんけど、人間は一生かかって自分を成長させていくもんやと思うから。変わるべきところは変わっていくべきやし、日々成長やね。弱い自分を受け入れてそれでOKって言われても、周りが迷惑するってこともあるから、弱さをある程度克服していこうという気はないとダメやと思うね。誰でも一人では生きていかれへんから。
1号: いや、それはそう思うよ。鬱の人はそれがプレッシャーになるわけやからね。
7号: そうね、鬱の人に「がんばって」ってていう言葉は禁句らしいしね
1号: そうらしいね。
7号: 私のまわりにも鬱の友達いるけど、どの子ももともと頑張り屋な人ばかりですよ
1号: 真面目な人に多いんかな?
7号: そうだと思います。
2号: でも最近多過ぎひん?僕の周りでもよく聴くけど。なんでもかんでも鬱ってすましてるとこない?
1号: それはあるかもしれん。やたら、トラウマやっていう人、多いもんね。
2号: それも鬱と関係あるの?
1号: それは人それぞれと思うけどね。
7号: 前の会社で鬱になって辞めた人いてますよ。 鬱にも度合いがあるんですよね?
2号: うん、だからそういう人が最近多いよね。それってなんでやろ?
1号: パソコンのせいちゃう?
7号: ちょっとはあるかもしれないですね。
2号: 君ら真っ先に鬱になるやん。
1号: うわ〜。
7号: きゃ〜
1号: ひー
7号: ノー!
2号: だいたい鬱って何かはっきりわかってないけどね、僕は。
7号: そう言われると、私も分からないですけどね。
1号: 俺もはっきり定義はわかれへんけど、ひどく落ち込むイメージがあるな。最悪、自殺までいってしまうような。
2号: ほんなら女に振られたら鬱になるってこと?
7号: 人によってはそうなんじゃないですか?
1号: まぁ、そういう気持ちというか、心の問題が継続的に続くんでしょうね。そらしんどいわ。
7号: 何をするのも嫌になるんですもんね。
1号: そうみたいね、
7号: なんにも楽しみがなくなるんだもん・・・それはたしかに自殺したくなるかもしれないですね。
2号: 僕も女に振られたときは死にたくなるけど、時間とともに徐々にそうでもなくなっていくけど。
1号: だいたいそうですけどね。
7号: 健康な人はそうなんでしょうね。 底辺まで行ったらあとは起き上がるしかなくなるけど、 そのままさらに深いところまで落ちていくってこともあるのでしょう。
2号: 幻聴を聴いたり、幻覚を見たりする人もおるらしいからね。ある意味ちょっとうらやましいと思うわ。こんなこというたら不謹慎かもしれんけど。
7号: それはまた別の病気でしょ? 分裂病じゃないですか?
2号: いや、僕の知ってる人、鬱で病院通ってるけど、そういうてるもん。
7号: 鬱でもそうなんだ・・・
1号: 鬱から他の症状が出る場合もあるんでしょうね。
7号: なるほど・・・
■2号の説は…
2号: しかし、脳って不思議やね。…僕おかしいこというてる?
1号: 不謹慎発言はあったけど・・・。人間いろいろやね。
2号: ちょっと前に思ってんけど、人間ってラジコンちゃう?
1号: ラジコン?
7号: どういうことですか?
2号: ラジコンってコントローラーで本体を操作するやん。
1号: はいはい。
2号: 宇宙のどこかで魂がコントローラー操ってて、地球上の本体を動かしてんねん。だから精度の悪い受信機(脳)の人はいろいろ別の電波を受けとってしまうねん。 だから精神的に不安定になったり、普通の人が感じひん何かをキャッチして、すごい芸術をつくったりするわけ。
7号: 面白い発想ですね。
1号: 精度の悪い、っていうんが失礼やから、感度が良すぎて、にしたら。
2号: 感度が良過ぎてもちゃんと設定された周波数の電波だけ受け取ったらええわけやから、やっぱりちょっと精度が悪いねん。そのかわり思わぬ見返りがあるってこと。
1号: その見返りを芸術に昇華できない人は、しんどいね。
7号: そうですね。しんどいだけだもん。
2号: そらしゃあない。病気やから。
1号: 突き放した!
7号: しゃあないのか・・・
2号: いや、受信機の精度が悪いねんからしゃあない。顔が悪いとか足が短いとか自分でどうしようもないことってあるやん。別のことで補うしかない。
1号: まぁ、2号の架空話やから、そのままうけながしましょうか。ところで、映画の話は?
2号: そのうち学会で発表するから、ここではこの辺にしといたる。
1号: 助かります。
2号: あー、パソコンの電磁波や、携帯の電波で脳に伝わるはずの魂からの電波が影響うけてるんかもな。それで最近多いんや鬱の人。…やっぱり僕の学説は正しいかもね。
7号: 今度じっくり聞きますので・・・
2号: おー、じっくり聞かせてあげるベッドの上で。
7号: いえ・・・・場所の指定はさせていただきます。
2号: あーそう?どこでもええけどね、べつに場所は。車とか神社の境内とかでも。
7号: えっと・・・映画の話に戻るんじゃ?
■気を撮り直して「つるつるとボーボー」について
1号: メキシコかどっかに、顔まで毛が覆われてる種族がいるみたいですね。以前テレビで観ました。
2号: 種族って全員?
1号: うん。ドキュメンタリーで、家族で出てたけど、女の子も顔一面毛だらけでした。大人ほどではなかったけど。
7号: へえ〜、女の子も!?
2号: 家族全員じゃなくて、種族全員?
1号: うん。種族っていうと、何かジャングルに住んでるみたいなイメージですけど。その家族は俺らと変わらんような暮らしでした。 あ、うん。じゃない。他の人は知らん、
2号: その家族全員ってことか?
7号: ライオネルも遺伝やっていってましたもんね。
2号: DNAの突然変異やな。
1号: そういう種族の末裔と思う。他にもいるかとかは憶えてないけど。 そう。それで、そこの親父が娘にせがまれて町に顔を剃りにいってん。
7号: やっぱり嫌なんだ、娘は。
2号: 娘の顔?親父の顔?
7号: 娘はその時点で顔ぼーぼーなの?
1号: いや、嫌というか、「お父さんの素顔がみた〜い」って娘がせがんでん。テレビのやらせかもしれんけど。
7号: 自分の素顔は気にならないのかな。
1号: 娘は割と。地肌が見える感じ。親父はライオネル状態。
7号: へえ〜・・・
2号: ところでおかんはどうなん?
1号: おかんもぼーぼーやったと思うけど。はっきり憶えてないな。
2号: おかんも多毛症やったら、近場で結婚しすぎじゃない?もっと遠くの人と結婚せな。
1号: そやな。どれくらいの種族かわからんけど。で、親父、剃ったら、侍ジャイアンツの長嶋みたいに青々してて。何せ、久しぶりに肌をさらしたから。
7号: 毛、すぐ伸びちゃうのかな?
2号: 毛やからね。
1号: 「お父さんカッコイイ」か何か娘言うてたな。
7号: それは良かったですね。
2号: おー、いつも僕が言われてるセリフやん。
7号: それは良かったですね。
2号: ますます映画対談の趣旨からそれてない?
1号: いや、ライオネルの話をしようかなと思ったけど、前ふりが
長くなってしまいました。
2号: それでライオネルがどうしました?
7号: ライオネル、チューバッカみたいやなって思いました。
1号: そうやね。きれいめのチューバッカ。
2号: あーそういえば、アランもたいがい毛深くなかった?
7号: 腕毛もじゃもじゃでしたよね
2号: ヒゲもぼうぼうでしたよね。
7号: ダイアン、愛しそうに毛つまんだりしてましたね。
2号: 毛深い人って憧れるよね。
7号: えっ!?なにゆえ?
1号: つるつるのほうがええで。
7号: そう思います。
2号: いやどっちかいうたら体毛薄いから僕。毛深い人ってエネルギッシュな感じするやん。
1号: ないものねだりになるからな。人って。
7号: エネルギッシュっていうか、野性的。
2号: ひょろひょろってそよ風になびきそうなち○毛の人より、剛毛ギャランドゥな人の方がセックスアピールあるやん?
7号: 痛そう・・・
1号: プロピアしたらええ。
2号: 痛いのが好きやんみんな。
7号: そうですかあ?
2号: ダイアンも怖いのがステキっていうてたやん。
7号: 変わり者だからでしょ?
2号: あーそうなん?7号は?
7号: い・や
2号: 「・」ってなんかいやらしい。
7号: そうですか?
2号: 7号がいうからね。
7号: なんでですか・・・・もう。
2号: いや、だからつるつるとかぼーぼーとかもうええやん。もっと核心をついた話をしましょうよ。
1号: じゃ、核心ついてください。
2号: ええの?ついて?
1号: さあ。どうでしょう。
7号: お願いします!
■「本質」は疲れる?
2号: ダイアン・アーバスの写真って、僕が撮ってる写真と正反対な写真やねん。
1号: どういうところが?
2号: 僕ら写真屋が撮ってる写真って、人物にしろ物にしろ、実際よりきれいにうつさなあかんやん。ある意味世間の価値観に迎合してるわけ。
7号: はい。なるほど。では、ダイアンみたいな写真て撮ってみたいと思います?
2号: ちょっと待ってな。でもアーバスって、普段じっと見つめてはいけませんみたいな被写体をあえて選んでうつしてるやん。しかも真正面からパッカーンてストロボたいて。なんのギミックもないし、被写体にも私はここにいますって感じでうったえてるようやん。
1号: 生々しいもんね。
7号: うん
2号: あの人は何かひとつしかない真実を探してたような気がします。ようわからんけど。
セックスにしてもいろんな人とするのは本質とは何かを探してたのではないでしょうか?
じっと見つめてはいけないと言われてる物の中に本質がありそうな気がしませんか?
1号: タブーをなくすっていうことは本質に近づけるかもしれないけど、その人に相当な覚悟がないと、押しつぶされてしまうかもしれませんね。
2号: だからまだ僕はキミを撮影する勇気がありませんと言ったしょう。
1号: 俺の内面はドロドロやから・・・って、こら!!
7号: タブーだったんだ・・・
2号: 内面はしらんけど、とりあえず外見がタブーっぽいやん。
7号: 1号の本質を見極めたくないんですか?
2号: 別に…。1号の本質とかいらんねん。唯一の本質がほしい。
7号: 唯一の本質?世界の本質ってことですか?
1号: 唯一の本質なんてないんちゃう?
2号: えっ、本質ってひとつやろ?
1号: 絶対ってことはないやん。
7号: そうれは、そう。
2号: だから、本質やん。
1号: なんの?
7号: なんの?
2号: 誰かの価値観とかを超えた本質やん。
1号: 人それぞれ見つけるものとちゃう?
2号: だから、うまく言われへんけどそうじゃないねん。そんな人それぞれとかを超えた本質。
7号: 世界の理みたいな?
2号: まぁ、そうかな。わからん。
1号: それは人間を相対化せなあかんから、人間の人智をを越えたものが出現せんと、まとまらないんじゃない?
2号: まとまる?いや、もうあるねん本質は。
1号: 君が信じる本質は、他人が信じるとも限らないんじゃない?
7号: そうですよね。
2号: だから、僕が言うてる本質はキミが信じるとか誰が信じるとかちがうねん。もうそこにある本質やねん。
1号: 哲学?難しいな。
7号: もうそこにある本質?
2号: そらむずかしいで。本質やから。
1号: それが見つかったら、みんなどうなんの?
2号: 絶対的に存在する本質やねん。 それがみつかったらどうするとかちゃうねん。
1号: 無理に難しく言うてない?
7号: なんかね・・・
1号: 宇宙の真理?
7号: そう思いますよね?
1号: だね。
2号: 宇宙の真理かな。まぁいうたら。とにかくそれを探してる人がおるということやん。ダイアン・アーバスみたいに。
1号: 追い求めるのが美ってことか?
7号: 自分の魂がいきつく場所?
2号: ちょっと待って順番に聞いて。
1号: 質問攻めやで。頭回るか?
2号: 追い求めるのが美とかちゃうねん。本質を求める人もおるということ。そういう人がおってもええし、そんなこと興味ない人がおってもええということ。自分の魂が行き着く場所ではない。魂は自分とかだれとかないねん。魂はひとつだけ存在するねん。宇宙のどこかに。
1号: えらい断言的やな。
7号: どっちも違うって。
2号: いや、僕の意見やん。みんなもどんどんいうてや。
7号: ひとつだけの魂って?
2号: 僕の考えでは魂はどこかに塊であんねん。そこからみんな信号を受け取ってると思う。
1号: ちょっと、怖くなったきましたが・・・。
7号: それって、前半で言ってたラジコン説ですよね?
2号: こんなところで怖くなってたらついてこられへんで。そうラジコン説。
1号: あんまり、刺激しない方が・・・
ラジコンって言うのがおっさん臭い。
7号: ですね(笑)
2号: だって自分だけで完結するって考えるほうがおかしいやろ。自分も宇宙の一部やで。 宇宙の指令で今一瞬だけこの身体で動いてるだけやで、僕ら。僕だけの魂とかそんなんないねん。
1号: 宇宙の一部はわかるけど。指令は・・・。
2号: では、なんでキミは生まれてきた?なんのために生きてる?わからんやろ?だから生まれたからには人生面白おかしく生きたろと思う人がおってもええし、本質を探し求める人がおってもええわけ。
1号: うん、ええよ。悪いっていうてない。
2号: だからさっきも言うたけど、みつかったらどうなんのとか聞かれても困るねん。わかる?
2号: ついてこいよ、ふたりとも。
7号: ちょっとしんどくなってきました。
1号: 何か不毛地帯に足をつっこんだような、わかったようなわからんような感じです。
7号: 同じく。
2号: あたりまえやん、本質について話してるんやから。そんな簡単にはわかりません。
1号: 困ったもんやな、本質は。
2号: いや、キミのような求めてない人が考えるから困るだけで、本質はもうすでに存在してるねん。
1号: ありがたい。
7号: 本質に気付いたらどうなるの?
2号: たぶん…、これは僕の考えやけど…、生きてるうちにそれを理解する人はいない…。
1号: しんどいな、本質。
7号: 求めることに意味があるってこと?
2号: またいうてる。だからキミのように求めてない人が考えるからや。いや、意味があるかどうかはわからん。でも求める人もいるってこと。
7号: しんどい・・・
1号: 眠くなってきたよ、本質。
2号: 君たちは君たちの人生を生きたまえ!
1号: いわれなくれも、そうします。
7号: 私も。
1号: 本質。
7号: イエス!本質。
2号: 不毛な話し合いをしてしまいましたね。
1号: 最後に、本質さんが締めてください。
7号: お願いします!
2号: しめてええの?
1号: はい。ぜひ。
2号: ほんまに?
7号: よろしくお願いします。
1号: 本質を追い求める代表として。
2号: 代表?まだキミはよくわかってないようやね。長くなるからもうあんまりいわへんけど。とにかく人は生まれてやがて死ぬということです。
1号: あっ。すごい本質!恐れ入ります!!
7号: おみそれしました。
1号: めがさめました。
2号: いまさらやね、君ら。もうええわ。みなさん、ありがとうございました。
全員:また、来月もよろしくお願いします。
NY現代アートに衝撃を与え、写真界に変革をもたらした伝説の女性写真家ダイアン・アーバス。彼女の才能を開花させ、写真に人生を捧げるに至った、ある男性との出会いを描いた自伝的愛の物語。