※2周年記念 「素直になれない愛情表現 10のお題」より。
俺が氷帝学園中等部へ進級してから2年、あなたは1年先輩の3年生。
自分が2年生ということを、これほど歯痒く感じている自分。
「先輩!」
ほら、やっぱり…振り向いたあなたは、先輩としての顔で俺を見る。
思わずしかめてしまう俺の表情に気付いたあなたは、心配そうな顔をする。
「鳳君、どうしたの?何か、あった?」
ありました…って、言ってもいいんですか?
あなたが、俺を後輩としてしか見ていないから、って。
そう言ったら、あなたは俺を男として見てくれますか?
「いえ、何もないです。大丈夫ですよ。」
「そう…良かった。鳳君って、気持ち抑え込んじゃいそ……。」
「何しとるん?…。」
背後に現れた人物に、あなたの言葉は遮られる。
あなたは、後ろから肩を抱くようにまわされた忍足さんの腕を、軽く叩いた。
「こんな所でくっつかないでよ、忍足!鳳君と、話してたんだから。」
「つれないこと言うなや。照れなくてもええやん。」
離れない彼に溜め息を零して、それでも無理に振り解こうとしないのは、あなたが、忍足さんのことを好きだから、ですか?
それとも、同じ学年というだけで、あなたに触れることが許されるんですか?
「俺、もう、行きますね。」
「鳳君!」
俺の名を呼ぶあなたの声に、振り向くことが出来ない。
その手を振り払って!俺を受け入れて!
そんなわがままを、言ってしまいそうだから。
END
WEB拍手公開。<2005.11.13>
サイトUP。<2006.1.14>
WEB拍手から、繰上げ。
サイトの2周年ということで、2年目のこじつけです。
2周年記念という事で、こんなのでよろしかったら、貰ってやってくださいな。
お持ち帰りの方は、一言くださると嬉しいです。
(こんなの、いらないって…(-_-;))
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