とらぶる、うけおいます。

※ 主人公設定 及び ちょっと補足。


私には、ある才能がある。
それは、私にとってまったく必要の無い才能で、むしろ迷惑な才能だ。
私の周囲は、とらぶるに溢れている。


私、は、いたって普通の女子高生だ。
そう、思いたい…のだけど…どうやら無理らしい。
それは、私の体質の所為で…何故か私は、呼んでしまうんだよね。
その…いろいろと…。
でも、好きでこんな体質になったわけじゃないし!
それもこれも、御先祖様が悪いと思うんだけど。
だから、密かに先祖代々のお札やお守りなんて、持たされてるんでしょ。
小さな頃から、やけに透けてる人が見えてしまったり。
普通の虫だと思ってたら、人の顔が付いた甲殻虫だったり。
ただ、うちの両親が私のこの体質を理解していて、それに対処することの出来る人達だったから、
私はどうにか生きていたのかもしれない。

私の両親は、鎮守人(しずもり)と呼ばれる、異能者だったから。


古代より人々は科学では理解不能な恐怖と戦ってきた。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)や妖怪、霊など、元来、闇のものたちは人々の悪なる心、邪心から生まれるといわれている。
時代が変わっても、変わらない人の心。
一般には見えない存在となりつつも、確実に「それ」=「天魔(てんま)」は息づいている。

天照郷(てんしょうごう)とは―霊峰富士裾野に広がる神の加護を受けた土地。
富士を鬼門封じに控えさせ、時の政府が来るべき災厄に備え、さまざまな種の能力者を集結させた場所。
時は移り、近代化が進み、人々は魔の存在を忘れ去ろうとしている。
しかし、天照郷では現在もなお、能力者として素質のある者を集め、闇を打ち払う者を育成していた。

時は現代。
世の中に科学という名の哲学が浸透する世の中になってもなお、「天魔」の息づかいは絶えることはない。
彼らの存在が明るみにならないのは、いつの時代も人知れず討魔に勤しむ者たちがいたから。

その者たちを「鎮守人(しずもり)」と呼んだ。

―『転生學園幻蒼録』公式サイト より



私の両親は、富士の裾野にひっそりと構える秘境のような場所、天照郷の出身だ。
小さい頃に一度だけ行ったことがあるけど、自然がたくさんある…といえば聞こえがいい。
要するに、すっごい田舎ってこと。
でも、その郷の入り口にある大きな門をくぐった途端に、いろんなモノが見えなくなった。
いつも何かがくっついてる感じが、一瞬で消えた…まるで、母に祓ってもらったときみたいに。
この郷自体が、ある種の結界になっているというのを知ったのは、つい最近。
丁度、両親の職業を知った時。
両親は「鎮守人」という、魑魅魍魎(天魔と呼んでる)を退治(討魔)する力を持った人、らしい。
「鎮守人」って、一応「神祇庁」という国の機関に属している国家公務員だというから、驚き!
あまり、世間には大っぴらにはできない、影の組織みたいだけど…私も初めて聞いた。
この郷は、昔から「鎮守人」となる能力を持っている人を集め、育成している土地なんだって。
「鎮守人」をしてるって事は、二人ともその能力(験力)があるってことだから。
その血を受け継いでいる私にも、何か力があればよかったんだけどねぇ。
どういうわけか私には、見える力と霊感が少し…しか受け継がれなかったらしい。
中途半端な力しかないから、霊や天魔が寄って来やすいんだって。
そんな事言われたって、私にはどうすることも出来ないし。
望む望まないにかかわらず、あいつらは寄ってくる。
先祖代々のお札とお守り、それと簡単なお祓い方法だけで、守りきれると思う?

私は普通の女子高生でいたいのに…それって、前途多難な希望なのかもね。

DreamMaker


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