最近、なんか様子が違ううちのチームの2トップ、中里さんと慎吾。
それは、しばらく顔を出さなかった慎吾が久し振りに戻ってきてから、特に感じるようになった。
どう変わったのかといえば、あれだけいがみ合っていたはずの2人の態度が、丸くなったというか…。
慎吾は顔を出さなくなる前辺りから中里さんに何かと絡んでたみたいだけど、刺々しさはなくなってたし。
中里さんも、そんな慎吾を持て余し気味だったけどはねのけたりはしてなかった。
慎吾が妙義に来なくなって、交戦再燃か!なんて思ってたけど、どうやらそうではないらしい。
まぁ、あの2人がいればうちのチームは安泰なんだけど。
それにしても、何が彼等をあそこまで丸くしたのか、気になるところではある。
…と、向こうでマシンに背中を預けて煙草をふかしている慎吾を見て思っちゃうわけだな。
なんたって、あのデンジャラスな慎吾を、中里さんがどう手懐けたのか、気にならない方がおかしいって、マジで。
そんな事を考えてたら、その本人登場!
いつ見ても圧倒される黒い車体、中里さんのR32が駐車場に滑り込む。
いつもの場所にマシンを収めると、ゆっくりとドアを開ける。
そこに、慎吾が近寄って…やっぱ、ありえないって!
慎吾が笑顔で出迎えるなんて!
それに答える中里さんの視線も、それまでの鋭さが感じられない!
それどころか、肩に手なんかかけてるし!
今までの、視線があっただけで一触即発状態は、どこに行ったんだ!?
一体、何があったんだー!
周りを見渡せば、自分と同じように2人を眺めて唖然としてる奴等が数人。
同志!!心の中で、がっちり握手!
あるスジの情報によると、慎吾が戻ってくる前の夜半、峠の連中が全て降りた後。
ものすごい速さで2本の光線が駆け下りてくるのを見たという。
多分、この妙義でそんな事が出来るのは(86パンダは例外として)あの2人しかいないだろう。
と、言う事は、誰もいなくなった妙義で、あの2人が密かにバトルをしたという事か?
バトルで友情が芽生えたって?
まさか、そんなどっかのスポ魂漫画みたいな…でも、結構熱血漢の中里さんなら、ありえないことも…。
いやいや、中里さんはともかく、あの慎吾がそんな事で丸くなるなんて思えないし…。
こんなに悩んでる人の気も知らないで、やっぱり雰囲気の違う2人…ため息がこぼれる。
どうやら、他にも疑問に思っている奴がいるという事で、一緒に真相を知っていそうな人物に直撃取材を敢行!
その人物とは、Night kid'sの影の統括と呼ばれる(?)高田氏。
あの2人を最初から見てきた彼なら、何か知っているはずだ。
ズバリ!どうなってんですか?あの2人!という疑問に、高田氏は穏やかな笑顔で答えた。
「やっぱり、気付いたか?」
そりゃ、気付きますって!で、高田氏の見解は?
「まぁ、収まるところに収まったってところだろうね。」
なんですか、それ?まだ、訳わかんないんだけど…。
「いいんじゃないか?いいコンビってことでさ。それにしても、やっとですか…。」
やれやれ、といった表情で高田氏は締めくくり、その場を離れて行った。
なんだかはぐらかされた感じもするが、納得する部分もあるし。
結局は、あの2人がいい感じだとチームもまとまるということで。
疑問は疑問のまま頭の片隅に残されているが、2人を温かく見守るという事がチーム全員の暗黙の了解となった。
END
チームのメンバーから見た妙義コンビ観察日記。
仲良し状態の2人を、外から見るとどんな感じなんだろう…という話ですね。
Night kid'sって、いいチームだなぁ。
なんか、ほのぼのだ…。
高田氏のつぶやきは、そのまま私のつぶやきです。
本当に、やっとだよ…。
さて、これからどうしましょうか(え?)
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