Ahead of Year Second



吹き付ける風が、初冬の冷たさを感じさせる。
ここは、深夜の妙義峠。
中里と慎吾は、数回流した後に頂上駐車場でゆっくり紫煙を燻らせていた。

 「なぁ、オレ等ってもう2年だよな。」
 「2年って…なんのことだよ?」
 「だから、オレ等が…その…んな風になってから…。」
 「へぇ…もうそんなになるのか。」

少し頬を赤らめて、照れ臭そうに言葉を濁す慎吾。
中里はそんな慎吾の言葉に、吸い込んだ煙草を静かに吐き出した。
慎吾は、特に気にもしていないような中里の態度に、少し表情を歪めた。

 「お前…それだけかよ…。」
 「何がだ?」
 「何も思わねえのかって、言ってんだよ!」

いつまでも落ち着き払った中里の態度が、慎吾を苛立たせた。
(オレばっか、惚れてるみてえじゃねえか!)
絶対に声には出さない台詞を、心の中で叫ぶ。
中里は、短くなった煙草を飲み干した缶の中に捨てた。
拗ねているような慎吾に向かって、溜め息混じりに呟く。

 「”まだ”2年だろ?この先も、まだずっとある。…言ったはずだ。トンズラは、許さねえってな。」

気まずさに視線を逸らす中里に、慎吾は思わず緩んでしまう表情を気付かれない様に俯いて。

 「言ってろ…バーカ!」

そして、次の煙草に火を付けた。

END



WEB拍手から、繰上げ。
サイトの2周年ということで、2年目のこじつけです。
2周年記念という事で、こんなのでよろしかったら、貰ってやってくださいな。
お持ち帰りの方は、一言くださると嬉しいです。
(こんなの、いらないって…(-_-;))

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