眠り/欠片



  ■08.眠り 「頭文字D」(中里)
 「ゼミの課題が、詰まっててよ…。」

そう言ってウトウトしだすアイツを、寝室へ運ぶ。
やっぱり抵抗はあるみたいだが、睡魔には敵わないらしい。
そのうちに、ゆっくりと眠りに落ちていく。

疲れているのなら、わざわざ来なくても…とも思うけど。
二人の唯一の接点で、平日になれば別々の生活に戻るのだから。

週末は少しでも、同じ時間を、同じ場所で。
お互いに、同じ気持ちであればいいと思う。

少し早めの甘い欠片を、気持ちを込めて、熟睡している枕元に。
目覚めてからそれに気付くまで、グッスリと眠ればいい。

WEB拍手公開。<2007/2/11> サイトUP。<2007/3/11>


  ■13.欠片 「頭文字D」(慎吾)
先月の同じ週末、いつものように、あいつの部屋。
寝不足で早々につぶれたオレは、目覚めた瞬間、我が目を疑った。
だって、そうだろう?誰だって、そう思うさ!

自分の視界に、あんなものが、飛び込んできたら!

枕元には、赤い包装紙に包まれた四角い箱。
くるりと囲むのは、中央に金のラインが入った、光沢のある黒いリボン。
あいつは、どんなツラでそれを買ったっていうんだ?
あの時期特有の、女達が群がる売り場で、ムサイ面した野郎がさ!
想像するたび可笑しすぎて、その欠片がウザいほど甘く感じた。

しょうがないから口直しに、少し早めのビターな欠片を、叩き付けてやるさ!

サイトUP。<2007/3/11>



END


バレンタインと、ホワイトデーの、連作ということで。
たまには逆な、中里と慎吾です。
本当は、中里編だけのはずだったけど、
急遽続きが出来たのは、内緒の話です(笑)
中里が、どうやってバレンタインの用意をしたかは、
ご想像にお任せします(^_^;)

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