「今年は、あの恒例行事を中止に…なんてこと、無理ですか。」
先輩は、困ったように眼鏡を押し上げて、「何故?」と聞く。
「そりゃぁ…おもしろくないですからね。
女性に取り囲まれる、先輩なんて。」
すると、思いがけずに出された禁止令。
「ならば、私にも条件がある。
お前が、誰からも受け取らない、と言えるなら。」
そんなことで、先輩を独り占めできるなら。
「そうか…。では、私も考えておこう。」
その笑顔だけで、他には何もいらない。
WEB拍手公開。<2007/2/11> サイトUP。<2007/3/14>