寝覚月 ―― 長月の別名…9月の長い夜。
寝返りをうち、指先にふと温もりを感じ。
ぼやけた視界に、鍛えられた背中が浮んだ。
部屋の中は、まだ闇の帳に包まれたまま。
長い長い夜…隣で寝息をたてる姿が愛しい。
いつも、手の届かない…見上げる空に浮ぶ儚い月のようだと。
あれほどの熱情を秘めて、互いに求め合ったというのに。
いつでも、この手をすり抜けて姿を隠す…それは、雨夜の月の様に。
長く明けない夜は、そんな月を闇に縫い止める。
眠りの浅い先輩は、微々たる明かりにも微睡を解く。
一度覚醒してしまえば、再び眠りにつくことは難しい。
温もりを抱き締めている時間は、ほんの僅か。
冷ややかな輝きは、すぐに蘇る。
あなたが、長い夜に包まれて生を受けたことに、感謝しよう。
闇に抱かれて、この手に落ちてきた月を抱き締めよう。
そっと抱きしめた背中に、口付けを一つ。
小さく放たれた声でさえ、感情を昂らせるには充分。
首筋に証を刻み、その存在を確かめて。
どうしても今日だけは、いつまでもオレの手の中に。
運命とか、宿命とか、そんなもの関係なく。
オレは何度でも、あなたに堕ちる。
目覚めてもなお、明けない夜に。
END
おめでとう、ハニーvv
あなたと出会ってから、そろそろ4年になるですよ。
早いっすねぇ…ということで、突発的誕生日記念。
珍しく艶っぽくしよう…と思ったのに、これが限界らしい(苦笑)
きっと水支は、この後こっぴどく怒られるんですよ。
一応、見えづらいところに付けたのにね(^_^;)
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