日記等には紹介したが、一目見て不覚にも心を奪われてしまった超小型の淡水フグ「アベニー・パファ」を飼うことになってしまった。まだまだ飼い始めて間もないので、飼育方法等は勉強中だが、とりあえずはこちらのコーナーで、アベニー導入を計画してから実際にわが家に迎えてしばらくまでの経緯を振り返ってみたいと思う。 ★フグっていいな・・・ 金魚を飼い始めて1年と半経ったある頃、いつものように熱帯魚のHPを見ていると目にとまったある魚、それは「ミドリフグ」という魚だった。ヒレをパタパタ動かしてアカムシをパクパク食べ、満腹したり寝ぼけているときにポケ〜っと漂う、そのまん丸の愛らしい姿に釘付けになった。しかしちょっと調べているうちにミドリフグは汽水環境が必要ということがすぐにわかった。汽水というのは、ご存じの通り川の河口付近の海水と淡水が混じり合うあたりの水だ。塩分を含むが海水ほど濃くはない。しかしながら水槽で飼うことを考えると、海水に準じた設備と管理が必要になる。水換え一つとっても、カルキ抜きしてから、海水の素を溶かして、比重を同じにしてから水槽に入れる必要がある。仕事が忙しい現状で、とてもそこまでの管理を続けていく自信がない。あと、水換えのたびに塩水を流すことになり、多かれ少なかれ環境に良くない影響を与えることも気になった。 「フグは買いたし時間は惜しいし・・・」などとは昔の人は言わなかったかもしれないが、飼いたい→飼えないのジレンマを頭の中で繰り返す日々がしばらく続いた。 そのような状況にあったある日、いろいろなフグのHPを見て回っていたときに、淡水でも飼えるフグが居ることを知った。それが「アベニー・パファ」であるしかもミドリフグよりもさらに小さくてかわいい!私の心はすごく揺れた。「飼いたい!」でも、今忙しい日々の中で、金魚の世話もやっとなのに、果たして飼うことができるのか?しかもヒーターが必要なこともちょっとだけ気になった。 それからしばらくはペット屋を回っては、ミドリフグやアベニー・パファの水槽をボケ〜っと眺めることが度々あった。 それからまたしばらく経って、あるホームセンターでテトラの「ネオンテトラ飼育セット」が特価で売られていた。17センチキューブのプラケースに、26℃固定ヒーター、外掛けフィルターのセット。当然私には「アベニー飼育セット」としか映らなかった。買おうかどうしようか迷った。しかし、もしアベニーを飼わなくても、「金魚の稚魚飼育用とすれば問題無いし・・・」という訳のわからない理由付けをして、最終的には買ってしまった。 それから1週間、ペット屋でアベニーを眺めたり、アベニー関係のHPを見て回ったりしているうち、水槽は小さくてもいいし、金魚水槽の上に置けばエアポンプも分岐して使えるし、濾過器は金魚に2つ入れている水作の片方を使えば良いし・・・と、どんどん「買ってもだいじょうぶな理由(言い訳)」が浮上してきた。 そしてある日わが家の奥さんになんとなく切り出してみたのだが、「飼いたいなら飼えば」とあっさりOK。さすがはつきあい初めて15年以上にもなる奥さん。私が「言い出したらいつまでも言い続ける」(あくまで「言い出したら聞かない」ではないことを補足しておく)性格の持ち主だということをよくわかっている。 こうなると話は早い。早速導入計画の策定及び実行に移るだけである。 ★アベニーを買いに行こう 購入が決定した次の日曜、子供を連れていざ、ペット屋へ。するとそこにはヒレをかじられた跡もない元気なアベニーがたくさん泳いでいた。問題は尾数。本来ならフグはケンカの心配があるので単独飼いが原則だが、将来的には繁殖にも挑戦したい。そうなると後で買い足すと、力関係に優劣が付いてケンカが起こりやすい。そういう事情なら最初から複数飼いしたほうが良いかな、と思った。ネットの情報によると、2匹だとケンカが起きやすく、奇数飼育の方が良いこと、また2匹よりも3匹のほうが♂♀が偏る可能性が低いことから、3匹買って帰ることとした。 しかしここからが一騒動(?)あったのだ・・・。 この店は、以前日記にも書いたことがあるが、「ヤマトヌマエビ」を3匹ばかり買うときに、私が「できるだけ大きいのください」と無理を言ったにもかかわらず、笑顔で対応、網を片手に奮闘してくれた好感度No1の女性店員が居るお店だ。できれば今回のアベニーも彼女に取ってもらいたかったのだが、生憎その時は見あたらなかった。しかたなく他の店員に頼もうと辺りを見回すと、付近に見える店員は男性と女性1人ずつ。このうち男性店員は、髪がボサボサ、小太りで無精髭を生やしており、いかにもガサツそうで、こちらの細かな要求に対応してもらえそうにない。私は迷わず女性店員にお願いすることにした(結果的にこれが判断の誤りだった・・・)。 私 「あのぅ・・・いただきたいんですが」 女 (ブスッとしながら)「どれですか??」 私 (意外な対応に驚きながら)「あ・・・アベニーです」 女 (返事もなく無言で、つかつかとアベニーの水槽に向かう) 私 (あわてて後を追う) 女 (水槽の前でおもむろに構え魚を掬いはじめる) 私 「あ、あのぅ〜、選ばせてほしいんですけど・・・」 女 (ビックリしたような表情で一瞬止まり、超無愛想&無言で網と入れ物を私に突きつける) 私 「あれれ・・・」 私 「(そういう意味じゃなくて選んだのを取って欲しいってことなんだけど・・・)」 私 (あきらめて、自分でしばらくがんばるも、やはり無理。網を女に返して) 私 「すいません、やっぱ、とってください」 女 (このオッサン!といういかにも怒りの表情で、網を奪い取り、魚を掬い始める) ・・・数分後 女 (魚の入った袋に酸素を注入して無愛想に)「はい!(というより「ほれ!」という感じ)」 私 「あ、どうも・・・」 私 (いったんレジに向かいかけるも、ふとあることを思い出して引き返す) 私 「・・・あの、水温教えてほしいんですけど」 女 (間髪入れず&しつこいな〜という表情で)「26℃です!」 私 「あ、そう」(この時点で私、相当ブチ切れ) 私 「(このバカ女!水温計の仕様を聞いてるんじゃね〜よ!その水槽で今水が何℃か教えてくれって聞いとるんじゃい!前のお姉さんは何もいわず水温計で測ってくれたぞ!)」 ・・・といった具合で、このバカ女店員、昨日男にでも振られたのか、それとも忙しかったのか、相当虫の居所が悪かったようで、完全に客をなめきった態度。わざと客を怒らせようとしているのか。(それならそれでこちらも望むところだが・・・←店長にでもいうなり怒鳴り上げるなり、徹底的に痛めつけてやることもできるぞい) 結局そこまでやるのも時間がもったいないし、怒り心頭、レジで勘定を済ませて帰路についた。 それにしても以前エビを買ったときの店員とは天地の差。まあ所詮ペット屋といえばそれまでなのだが、いかんせん社員教育がなってない。店員毎に個人差がありすぎる。 「(次はこいつには絶対頼まんぞい!)」 ★水草も欲しいかな・・・ 超無愛想な女店員に腹が立った帰り道、そういえば近所のHCでAnナナが安く売っていたのを思い出し、寄ることに。そこではミクロソリウムも安売り。いろいろ迷ったが、結局両方買って帰ることに。あとは家に帰って、水槽をセットするだけだ。楽しみ楽しみ・・・。 ★帰宅、そして水槽のセット 家に帰ると魚を奥さんに見せる。 奥 「かわいい〜」 アベニーなぞ見るのは初めてなので、その小ささとかわいさにたいへん気に入ってもらえた様子。良かった良かった。そして早速水槽セット。寒い季節なので、アベニーの入ったビニール袋の水温はどんどん下がっているはず。早くしてやらないとかわいそう。水草はとりあえず後からだ。ここからは淡水魚の導入時のセオリーどおり。 ・まずテトラのはプラケースをセット。そこに金魚水槽の水の上澄みと、沸騰したお湯を混ぜて25℃くらいに調整した水をプラケに満たす。 ・次に、昔金魚で使っていた大磯を底に軽く敷き詰める。 ・ヒーターをセット ・金魚水槽の水作エイトを軽く濯いでプラケに設置。 ・アベニーの入った袋をプラケの水に浮かべる→待つこと20分くらい ・ビニール袋の水を1/3くらい捨て、プラケの水を少し入れる。プラケには減った分の水(25℃に調整済み)を足す。→待つこと20分くらい ・ビニール袋の水を半分くらい捨て、プラケの水を少し入れる。プラケにはまたまた減った分の水を追加。→待つこと20分。 ・いよいよアベニーを投入 ちなみに今回は新たなケースに全く新たな魚だけを入れるということで、特にトリートメントはしませんでした(病気がでてもプラケごと治療すれば良いから) 新しい住処に入れられたアベニー3匹は、驚いたのか目新しいからか、落ち着かない表情でプラケの中をウロウロいったりきたり。とにかくやりにくかったのは、アベニーが小さいくせによく跳ねるので移すとき苦労したこと。小赤など比較にならないくらいの小ささなので、相当気を使った。 後から、ガラス製のフラワーポットにAnナナとミクロソリウムを差し込み、プラケに投入。同士のケンカが絶えないアベニーにとっては良い隠れ蓑になりそう。ただ、ミクロソリウムは17センチプラケにはやや大きすぎたようなので、束ねて金魚水槽に放り込んでおいた。 あらためてプラケの中のアベニーを眺めてみて、やっぱりかわいい。小さくてピョロピョロ動く様は、なんとも言い難い癒しを与えてくれる。わが家の金魚がさらにデカく見えてしまってしょうがない。 かくしてアベニー3匹ががわが家に住み着くこととなった。金魚水槽の上に置いているが、金魚が「なんやなんや?」と、階上でのドタバタを気にしているようだ。 ★脱出不可能! 翌朝、起きて早速プラケをのぞき込むと、なんと1匹がAnナナを放り込んでいたフラワーポットの中に入っている。ゆうゆうと余裕の表情で泳いでいるし、まあ、そのうち出てくるだろうと気にもとめていなかったが、仕事を終えて帰宅してみると、まだ中に居る。しかも朝と違って、あきらかに「出たいけど出れなくてオロオロ」している。仕方ないので手助けして脱出させてやる。そのポットは、口が先細りのタイプなので、なかなか上に抜けることができないのだろう。この件があってから、ポットは逆に口が拡がっているタイプのものに取り替えた。さすがに以後はこのような事件は起きていない。 (ポットの中であきらめの表情のアベニー・・・) ★アカムシ食べないの・・・?? 金魚と同じような感じだろうと飼い始めたアベニーだが、購入から一週間を経過して、ちょっと困ったというか心配なことがある。普通のアベニーなら好物のはずの「冷凍アカムシ」をなかなか食べないのだ。むろん、金魚用の人工飼料等も試してみたが、食べようはずも無い。水槽に落としても、ピンセットで口のそばまで運んでやっても、近くまでは寄ってくるのだが、どうも警戒しているのか、「パクッ」とまでいくことはほとんどない。水中に放り込んでおけば良さそうなものだが、沈んでしまったアカムシにはほとんど興味を示さず、すぐにカビが生えることになる。 なんか3匹のうち1匹は、わが家に来てからほとんど食べておらず、この1週間ですでにかなり痩せてしまった。このままでは餓死してしまう。なんとかならないか、という気持で、フィーディングカップ(?)なるものを買ってきてみた。これはキスゴムで取り付ける、ザルを超小型にしたようなもので、これを水面に設置し、このカゴの中にアカムシを入れておけば、下から魚がつついて食べるというものだ。 早速設置して使ってみた。とりあえず興味津々で、編み目からちょっと覗いているアカムシをつついたりしているので期待が持てそうだ。 なんとか餓死だけは避けたい。 はぁ・・・なんか金魚と比べてすごくデリケート・・・。 ★癒し系アベニー本領発揮 とあるアベニー関連のサイトで、アベニーが水草(Anナナ)の上で御就寝あそばされるという記事を読んで、「これはさっそくやってみるしかない」と考えた私は、アベニーを買った帰りに早速Anナナを買って帰ったのはご承知のとおりだ。 そして翌朝、プラケースを覗いてみると、おお、早速やってくれました。3匹のうち1匹が葉っぱの上でグ〜グ〜(いびきかいてるわけではないけど、聞こえてきそう)と爆睡中。 (急に照明をあてられ、寝ぼけ眼のアベ君) 私が光で刺激を与えたからかちょっと起きかけの状態で、少しずつ少しずつ、寝ぼけながら葉っぱの上を平行移動。そしてそのまま葉っぱの縁まで。お〜い、それ以上進むと寝床(葉っぱ)から落ちちゃうぞ〜。という私の心の叫びも空しく、もはや体は葉っぱから完全に外れ、なんとか尾びれの先っちょが葉っぱに引っかかっている状態に。「あ〜・・・」という悲痛な叫びも空しく、そのまま尻尾も外れて、ユラ〜と流されるアベニー。そこであわてて目が覚めてピョロピョロ泳ぎ出す。 まるで授業中に居眠りしてて、頭を机で打って大あわてで立ち上がる高校生のような感じだった。本人はあわてただろうが、見ているこちら爆笑もの。御就寝中の写真は撮った(上の写真)のだが、一部始終を動画で納めれなかったのが心残り。 しかしながら、葉っぱの上での御就寝を見せてくれたのは今のところこの時が最初で最後。ベッドから転がり落ちて、「もう二度とあそこで寝るのはゴメンだよ」とでも思っているのだろうか?? 以上、アベニー・パファを急遽買うことになった管理人の最初の一週間のドタバタをお送りしてみた。まだまだ飼い始めで、これからいろいろあると思うが、金魚ネタに交えて時折は触れていこうと思う。 なお、アベニー・パファはご承知のとおり淡水で飼える(というか淡水で飼わなければならない)フグであり、他の熱帯魚と比べておおがかりな設備も必要なく、金魚を買い慣れている人は、ヒーターと水質、エサだけ注意していればOKなので、機会があれば是非飼ってみていただきたいと思う。 |