墨家
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墨家(ぼくか)とは、墨子(ぼくし)が唱えた思想で「兼愛(けんあい)」の論理を説きました。
「兼愛」などと聞きなれない言葉が出てくると、ちょっと難しく感じちゃいますね。でも、この墨家は、儒学のライバルとしてテストや試験でも出ることが多いので覚えておきましょう。
墨子は、孔子が亡くなった頃に生まれた魯という国の人。墨子も実は、儒学を学んでいます。しかし、儒学の教える「愛」を不完全なものではないか?と異論を唱えるようになります。
まぁ、儒学では愛とはいわず「仁」「忠」「考」「悌」「恕」といいますね。思いやりや愛情を「仁」、主君に対しては「忠」、親に対しては「考」、兄弟には「悌」、夫婦では「恕」。このように対象が限定され一方的で差別的な愛はおかしいと墨子は考えたんです。
愛とは、普遍的且つ、差別なきものでなくてはならないと唱え儒学を非難します。この差別なき愛が「兼愛」です。現代風に兼愛を訳すと「博愛(すべての人を平等に愛すること)」っていうのが近いですかね。
また、戦争否定の発想である「非攻」の考えも説きます。しかし、これは、あくまで相手を攻めないという考えであって、自衛の為の戦争は認めていました。
他にも「交利」。これは、相互扶助。兼愛を実践すれば、お互いに利益を得られ、道徳も成立するという考えで、これらも墨家の思想として主張しました。
この墨家の開祖の墨子。名前に墨が入っていることから入墨をした囚人だったのでは?あるいは墨を製造する職人の家系?などいわれてしますが、詳しいことはわかっていません。
ただ、儒学を学んでいたという事実から、当時は家柄がよくないと学問をすることも書物を読むこともできなかったので、それなりの家柄の出ではなかったのか?と、いわれています。
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