五箇条の御誓文と五榜の掲示
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五箇条の御誓文(ごかじょうのごせいもん)とは、戊辰戦争(ぼしんせんそう)のさなか、新政府が打ち出した政治の基本となる5つの基本方針のことです。
内容は以下の通り。
「広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スヘシ」
(ひろくかいぎをおこしばんきこうろんにけっすべし)
何事も会議を開いて人々の意見をきいて決定しましょう。
「上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フヘシ」
(じょうげこころをひとつにしてさかんにけいりんをおこなうべし)
身分が高い人もそうでない人も、みんな心をひとつにして国が豊かになるようにがんばろう。
「官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス」
(かんぶいっとしょみんにいたるまでおのおのそのこころざしをとげじんしんをしてうまさらしめんことをようす)
役人も武士も庶民もそれぞれ願いがかなうような国にしよう。人々がこんな国は嫌だというような国にしてはいけない。
「旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ」
(きゅうらいのろうしゅうをやぶりてんちのこうどうにもとづくべし)
かつての慣習にしたがうのではなく、天然自然の原理に基づいた政治を行おう
「智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ」
(ちしきをせかいにもとめおおいにこうきをふんきすべし)
世界からいろいろなことを学び、天皇の国が栄えるようにがんばろう
一番目は、「公議世論の尊重」という今の国会の元となる考えが含まれていますよ。また、今までの攘夷思想をすてて諸外国の中でも活躍できるよう世界からいろいろなことを吸収しようと最後では言っていますね。
これらの方針は、木戸孝允(きど たかよし)が完成させて天皇が神々に誓うという形式によって発表されました。天皇中心の政治であるということを強調する意味もあったようですね。
また、この五箇条の御誓文と同時に民衆に対して五榜の掲示(ごぼうのけいじ)という5枚の立て札が出されています。これに書かれた内容は、キリスト教の禁止や一揆の禁止。また五倫の道といわれる儒教的な考え。まぁ、江戸時代の幕府と同じですね。五箇条の御誓文では、天皇中心の新たな政治を誓いながらも五榜の掲示では、崩壊した江戸幕府の政策を引き継ぎますといっているようなもんだから、矛盾してるともいえますね。
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