葛飾北斎は93回も引っ越しを繰り返した!
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葛飾北斎といえば「富岳三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」の「神奈川沖浪裏」(かながわおきなみうら)」「凱風快晴(がうふうかいせい)」などが有名な作品ですね。
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神奈川沖浪裏 |
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凱風快晴 |
しかし、引っ越しを93回もしたという有名な話もあります。
ちなみにMAXの時は、1日3回も引っ越しするものだから、当時の人名録には葛飾北斎は住所不定とされてしまっています。
では、なぜそれほどまでに引っ越しが好きなのか?
実は、引っ越しが好きなわけではなく、掃除が嫌いだったというのが引っ越しの理由なのです。
家が汚れてくれば、普通は掃除しますよね。しかし、北斎は掃除なんてしません!引っ越ししちゃえばいいやっ!ってことで引っ越しするんですね。料理も全くせず、出前などが多かったようです。食器ももっていなかったといいます。
独身時代の男性って、まぁ、こんなもんですよね。引っ越しはしないまでも、料理はせず、コンビニ弁当。ゴミは2週間くらいためっぱなしみたいな・・・。
北斎も絵を描くこと以外には、余計な時間を使いたくなかったんでしょうね。だって、現存している彼の作品は3万点以上もあるんです。北斎は88歳まで生きましたが、70年間で30万もの作品を描くとすると1年で430枚くらい。つまり、1日1枚以上書かなきゃならないんです。そりゃ、掃除や料理する時間も惜しくなるわけですね。
目的が掃除をせずにきれいな部屋に移りたいから・・・。ですので、遠い場所などには引っ越ししません。北斎は現在の墨田区の生まれですが、ほとんどがその周辺での引っ越しでした。
ですが93回目。最後の引っ越し先は、かつて自分が住んだことのある家。ところが、この家は北斎が出ていったあとに別の人が住むことがなかったようで、北斎が荒れ放題の状態で出ていったままの状態であったそうです。それを見て何か思うところがあったのでしょう。それを最後の引っ越しとしたといいます。
88歳で亡くなった北斎。最後を迎えるときに彼が言った言葉は「あと10年、いや5年でもいいから生きることができれば本当の絵が描けるのに・・・」と嘆いたといいます。
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