インフレとデフレ
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インフレとは、「インフレーション」を略した言葉で”膨張”を意味しています。膨らみ続けていくといったイメージですので物価がどんどん上がっていく状態のことですね。
デフレとは、「デフレーション」の略で”縮小”を意味しています。物価が継続的に下落していくといった状態です。
では、なぜこのような状態になってしまうのでしょうか?
インフレといっても、その原因は主に2種類あります。ディマインド・プル・インフレ(需要インフレ)とコスト・プッシュ・インフレ(輸入インフレ)です。
ディマインド・プル・インフレ
Demand(需要) Pul(引っ張る)l Inflation(インフレ)ということなんですが、例えば景気が良くなって給料が現在の2倍に増えたとしますね。するとみんないっぱい商品を買うようになります。売る方は作っても作ってもどんどん売れていく!!!そのうち、こんなに売れるっじゃ値段2倍でも売れるんじゃない?!ってことで商品の価格が上がっていくわけです。給料が3倍になれば、商品の価格は3倍でも売れる!
つまり、世の中のお金の量が増えたりすることにより、商品を欲しいという人(需要)が、商品の量(供給)を上回ると物価は上がっていくわけです。
<ディマインド・プル・インフレ>
需要が供給を上回ることにより物価の上昇が起こる。需要インフレともいう。
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人気のおもちゃなんかでよく起こる現象ですね。本来1万円の商品がネットなんかでは2万円で売られているといった話を聞いたことがあるでしょう。欲しいという人が商品の数を上回ると商品の価格は上がっていく傾向にあるわけです。これが社会全体で起こるわけですね。
実は、このディマインド・プル・インフレは意図的に起こすことが可能なんです。どうやってやるのか?
鍵を握っているのは「日銀」です。
日銀がお札を大量に作って世の中に出回らせちゃいばいいんですね。
さらに日銀では、「公開市場操作」も行っています。景気をよくしようと考えた時、日本で出回っているお金の量を増やさばいい。その為に日銀は、銀行が持っている「国債」なんかを買い取ってお金を銀行に渡すんですね。すると銀行はお金が入ってくるので個人や会社にお金を貸す。すると世の中にお金が出回るという仕組みです。
逆に景気が良すぎる場合には、銀行に国債を買い取らせて銀行にあるお金の量を減らしてしまえばいいというわけです。
つまり、理論上では、お札を沢山つくって銀行から国債などを買い取り、世の中にお金が出回るようにすれば需要が供給を上回りモノの値段は上がりインフレとなるというわけです。
ただし、実際は、銀行にお金を渡しても会社や個人が将来に不安を感じるなどしてうまく借りてくれない場合があります。また、お札を大量に刷れば世の中に出回るお金の量は増えるけど、どうじに商品の価格も上がってしまう。つまり、お金の価値が下がってしまうんですね。100円のジュースが10000円になってしまうという訳です。
インフレを引き起こすことは意図的にできるわけですが、景気を良くするのにはインフレにならないよう慎重に行わなければならないわけです。日銀って大変ですね。
コスト・プッシュ・インフレ
Cost(コスト) Push(押し上げる) Inflation(インフレ)という意味ですが、つまり、生産コストが上がりインフレを引き起こすということです。
生産コストは、商品を生産するためにかかる材料費や人件費なんかのお金のことです。例えば円安になり、日本円の価値が急激に下がった場合なんかは、今まで100円で輸入できていたネジが150円出さないと買えないなんてことになります。すると、当然、商品の価格をあげないとやっていけないわけですね。
また、社員が給料が安すぎる!給料あげろ!と会社に迫ったりしたら、これも商品の価格を上げないと社員に要求通りの給料を渡すことはできません。
このように生産コストが上がり、物価の上がっていくことをコスト・プッシュ・インフレといいます。
<コスト・プッシュ・インフレ>
生産コストが上がることによって物価の上昇が起こる状態をいう。生産コストの上昇の原因の原材料が輸入品の場合は、輸入インフレともいう。
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では、次はデフレについて学んでいきましょう。デフレはインフレを理解していれば簡単です。インフレの逆ですからね。
デフレとは?
デフレは、モノの値段が全体的に下がり続けていく状態のことをいいます。
「最近はテレビが安くなったねぇ」なんて思ったことはありませんか?まぁ、テレビだけならいいんです。喜ばしいことかもしれません。しかし、これが洗濯機も冷蔵庫も車も食品も洋服も・・・。なんて、社会全体でモノの値段が下り続けていく状態。これがデフレです。
例えば、電気屋さんがぜんぜん家電製品が売れないねぇ。なんてこといなったとします。すると、仕方なしに商品の価格を下げるでしょう。当然、利益は減るわけです。すると、社員に対して給料は今まで通りには払えないのでボーナスカットなんてことになるんです。家電製品を仕入れていたメーカーにも安くしないと売れないから今までの仕入れ値では買えないよ。なんてことでメーカーも仕方なしに今までよりも安く電気屋さんに商品を売ります。すると、メーカーも社員への給料を減らさざるをえなくなるわけです。こうなると、社員は給料が減るので食費を減らすなどする。スーパーや外食チェーン店なんかも景気が悪くなる・・・。
社会全体の景気が下れば、電気屋さんはさらに商品の価格を下げないと売れない…。これの繰り返しが「デフレスパイラル」です。
スパイラル、つまり、らせんのようにデフレの状況がグルグル回っていく状態なわけです。
1930年頃には日本でもこのデフレスパイラルによって多くの失業者がでました。当時は、社員なんかを簡単にクビにできたので会社の業績が悪くなれば、すぐにやめさせてしまったんですね。これも大不況を引き起こす原因となりました。
現在では、社員を簡単にクビにすることはできないし、失業しても失業保険があるので収入がまったくの0という状況に置かれる心配はそれほどありません。
ですから、急激なデフレにはならないといわれています。一見関係のないような社会保障も景気にかかわっているっていうことですね。
インフレ、デフレなどニュースでよく耳にする言葉かと思いますが、少しだけ、インフレの種類や原因、またデフレについてわかっていただけたかと思います。ただし、これらは理論であって実際、インフレ、デフレにならぬよう景気をよくしようとすると、これはすっごく難しいんですね。人間の心理なんかもかかわってきますからねっ!
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