インドの宗教対立
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インドには12億5000万人(2013年)もの人が暮らしています。北部に暮らすアーリア人と南部のドラヴィダ人、また両者の混血など多様な民族が住んできます。
宗教でもヒンズー教、イスラム教、シク教など様々な宗教があり地域の多様性による対立抗争は現在も続いております。
しかし、なぜインドでは、これら多様な民族、宗教、また言語が存在しているのでしょうか?
インドでは、紀元前3世紀の半ばにアウリア朝のアショーカ王がインド全土をほぼ統一しますが、その後は小勢力分立の時代が続きます。グプタ朝など比較的大きな王朝が出現する時期もありますが、このグプタ朝とて、その領域はインドの北部に限らていたんです。
15世紀前半のインドではゴンドワナ王国やサイッド朝、バーマン王国など多くの小勢力がありましたが、16世紀はじめ頃になるとイスラム系の王朝であるムガール帝国が現われ18世紀はじめにインドの大半を手に入れることになります。
つまり、インドでは非常に長い間、小勢力分立の時代が続いていたんですね。ムガール帝国によってインドほぼ全土が統一されるのは18世紀になってからです。
ムガール帝国はその後、イギリスの支配下に入り、第二次世界大戦後にインドは独立を成し遂げます。このイギリスからの独立で有名な人物がガンジーですね。彼は、ヒンドスタニー語を統一言語として用いることを主張しますが、ヒンズー教徒であったネールらが実権を握るとヒンディー語が共通語となるのでした。
これに不満をもつイスラム教徒はインドから独立しパキスタンになり、パキスタンも後にパキスタンとバングラデッシュに分かれます。
このようにインドでは、小勢力分立の時代からイスラム系のムガール帝国、そしてイギリスによる支配という時代を経て様々な言語が使われるようになっていきました。場所によっては、ヒンディー語が通じず英語なら通じるという地域も南の方にありますし、地域によってパハーリー語、ビリー語、カナラ語、タミル語・・・などなど多くの言語が使われています。
宗教においてもヒンズー教、イスラム教、シク教、バラモン教、仏教、キリスト教・・・などなど。地域によりインドは実に多様性に富んでいるんです。
現在のインドは着実な経済発展を遂げており、社会情勢は全体的に安定していますが、地域の多様性による対立抗争は現在も続いております。また、パキスタンとの間でも2003年以降停戦合意が継続しておりますが完全に臨戦態勢が解けたというわけではありません。
とはいえ、インドに住む人たちの多くがそれらの対立があってもインドはひとつであるとうい強い考えを持っています。また、インドの多様性はインドの魅力のひとつでもありますね。
では、魅力溢れるインドの歴史について学んでいきましょう。
>インドの歴史
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