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ジハード(聖戦)とは?


 ジハードとは、イスラム教徒に課せられた宗教的義務で本来は必ずしも武力によるものだけではなく一定の目的に対する努力といった意味ですが、日本では一般的に聖戦と訳されます。

 しかし、聖戦といわれても日本に住む私たちには、あまりピントきません。それどころか、「神を信じる人たちが武力で争っちゃダメでしょ。」って考えちゃいますよね。

 今回は、このジハード(聖戦)について学んでいきましょう。

 イスラム教では「攻められたら守りなさい」という考え方があります。まぁ、簡単に言ってしまえば、これが「ジハード」。ですが、イスラムの聖典である「コーラン」には、「自分達から戦いを仕掛けてはいけない。攻められれば、攻撃するしかないけど、向こうが降参したらそれ以上の攻撃はするな」とも書いてあるんですね。

 ですから、本来は侵略行為や憎悪から生まれる過剰な復讐行為などはジハードとはいえないんです。

 とはいえ、このジハードとは多義的な言葉であるので歴史的にも、このジハードが善用されることもあれば、悪用されることもありました。

 現代においても「ジハード」を大義名分として呼びかけ過激な行動を起している集団もいますね。

 また、自爆テロに対しても、これが「ジハード」といえるのかどうか?考え方が分かれています。「コーラン」ではイスラムのために戦って死んだ人は天国に行けると書いてあるんですが、一方で自殺は認めていません。自殺は神の意思に背く行為なので地獄に落ちちゃうんです。

 多くのイスラム教徒の人が大勢の罪なき人々を巻き込む自爆テロなどには反対なのですが、イスラエル・パレスチナ問題ではイスラエル軍の圧倒的な武力の前にそれでも自分達の土地に戻りたいと考え自爆テロに走る若者たちがいるのも知っておきましょう。