格差社会問題の原因と対策
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近年問題となっている、格差社会問題についてちょっと触れてみたいと思います。
所得格差を示す数字にジニ係数というものがあります。このジニ係数とは、1に近づくほど国民の間の所得格差が大きいことを表し、0に近づくほど、その所得格差が少ない社会といえます。
2008年では、このジニ係数が0.5318で2011年が0.5536です。高齢者世帯が増えれば、所得の少ない家庭が増えるため、租税や年金、医療保険などを再分配して計算すると2008年には0.3758、2011年が0.3791です。
数字だけでは、ピンとこないと思いますが、過去の日本に比べれば確実に所得の格差は出てきていおり、今後も横ばい、もしくは増加の傾向にあるといえます。
しかし、このジニ係数が0という社会が健全な社会なのかといえば、そんなことはありません。
例えば、サッカー選手の世界を例にとると、ワールドカップに出場しているような超有名選手と新人で試合にも出れない選手が同じ給料だったら、これはジニ係数が0ですが、そんな事はありえませんね。がんばり損です。
では、格差社会の何が問題なのか?
まず、格差社会の問題の原因の1つとして非正規社員、フリーターの拡大の問題があります。非正規社員やフリーターは年齢が高くなるほど正社員への転換が難しいといわれております。つまり、正社員になれず、フリーターを続けていると更に正社員への道が遠のく。すると、フリーターは将来にわたり低所得のままになる恐れがあるのです。また、企業側も賃金が安く、忙しい時に雇い、暇になったらやめてもらうというフリーターなどを必要としているという現実もあります。
この所得格差の固定というのが、格差社会の大きな問題の原因のひとつです。
また、セーフティネットの存在も格差社会の見直すべき点といえるでしょう。
昨日まで、現役でバリバリ働いていた人が不幸にして事故や病気で働けなくなる場合もあります。そうなれば、普通は所得が減り、保険や国の保障に頼るほかありません。社会復帰できた人でも病院通いを余儀なくされる人もいるでしょう。このような方には、生活の保障はもとより、健康であった頃と同様のチャンスが平等に与えられるような支援も広めていくことが大切でしょう。病気や事故のために働くことに希望が持てなくなるようではいけませんよね。
さらに教育の問題も格差社会の問題のひとつといえます。
ある調査では、親が高所得者の家庭では、教育に対して強い意識があり、結果としてその子供も高所得者になる傾向があるとされています。お医者さんの息子がお医者さんになるという話はよく利きますし、また普通の家庭で子供をお医者さんにしようと思えば、お金の問題で大変な苦労をしなければならないという話も耳にします。
これらは、高所得者と低所得者の階層が固定されかねない問題でありますので、親の財布の中身に関わらず、誰もが希望し努力すれば高い水準の教育を受けられるシステムも必要でしょう。
格差社会の対策
格差社会における問題点とは、決して努力し、汗を流した人がお金持ちになることが問題なのではありません。彼らから多くの税金をとり、努力する意欲をなくさせるような社会であるならば、むしろそちらの方が問題です。
格差社会の本当の問題点とは、上で述べましたように所得格差の固定、セーフティネットのあり方、高所得者と低所得者の階層の固定化にあります。
ただし、これらは社会としての問題ではあっても最終判断はその人、その人の価値観にあるともいえます。高所得者になることが幸福のすべてではないですし、フリーターを続けると不幸になるわけでもありません。病気や事故で働けなくなってもスポーツや絵画など新たな分野での生きがいを探し出す方も大勢います。
しかし、選択肢を与えられない社会ではいけません。自発的にフリーターを選択している方は問題ありませんが、就職したいと考えている人には支援できる社会が理想でしょう。現在でも、職業訓練所などは存在しますが、努力できる人にはより短期間でより高度な資格などを取得できる制度も検討の余地はあると思われます。
病気や事故で不幸にあえば、元の会社には戻れないこともあるでしょう。そうなれば、今まで培ってきたノウハウを捨て、新たな分野にチャレンジせねばなりませんが、その制度も十分とはいえないと思われます。
年齢がいくつであっても、いかなる不幸に見舞われようとも、その人が努力し、やる気さえあれば社会が後押ししてくれる。そんな社会が理想でありますが現在では十分とは言えず、それらが格差を生む原因ともなっております。これらの社会を実現する為には、政府、企業、地域が連携しがんばる人を支援していく姿勢が大切でしょう。
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