歴史年代ゴロ合わせ暗記  

歴史年代ゴロ合わせ暗記>南シナ海問題

中国はなぜ南シナ海に固執するのか


 中国は、南シナ海を「自国の領海」であるとして周辺の国々との摩擦を招いていますね。でも南シナ海って東南アジア・・・。ちょっと、中国本土からは遠いような気もしますね。なぜ、中国は、南シナ海を自国の領土であると主張しているんでしょう。また、何が目的なんでしょう。

 
中国が南シナ海を自国の領海であると主張する理由

 まぁ、当然ながら何の根拠もなく、いきなり南シナ海を自国の領海であると主張しているわけではありません。一応、理由はあります。ちょっと強引ですけどね。

 中国が明の時代の15世紀に鄭和という人が大航海に出たんです。大航海時代っていうのは、学校で習いましたね。コロンブスのヤツです。あれは16世紀なのでそれより前に鄭和は大船団を率いて海に出たんです。

 その時に鄭和は南シナ海を通り、インド洋から東アフリカ、アラビア半島まで7回も航海を成功させています。

 ですから、中国は「鄭和の時代より、南シナ海は中国の領海だ」と主張しているんですね。

 鄭和の時代から南シナ海を開発し、行政管轄権を確立していたし、明の時代には朝貢外交を行っており、周辺諸国が明に貢物を送り、明の皇帝は、その国々を属国として承認していたんで、南シナ海の周辺の国々も明の時代より属国だったというわけですね。

 
なぜ、中国は南シナ海にこだわるのか?

 一つは、漁業資源や石油天然ガスが豊富であるというのがありますね。当然、これなら欲しいですよね。しかし、それ以外にもあります。

 中国といえば歴史的にも大陸国家でした。強敵であったモンゴルやロシアに対しても陸路で攻めてくるのでそれへの対抗策を常に考え、構えていました。しかし、近年になり、海上からの資源の調達が非常に重要になってきます。石油や天然ガスを中東から輸入するにしても南シナ海を通りますね。

 現在では、南シナ海には米海軍がおりますので何かあった時に南シナ海にいる米海軍が資源を中国に送らないようにしてしまえば、中国は窮地に立たされかねないと言われています。

 ですから、南シナ海を抑えてしまえば、邪魔な米海軍を排除することもできるんですね。

 鄧小平の時代には、「第一、第二列島線」という構想が生まれました。

 2010年までに沖縄から台湾、フィリピンを結ぶ第一列島線を中国が抑え、2020年までには小笠原諸島からグァムを結ぶ第二列島線を抑えるという構想です。



 冗談でしょ?と考えてしまいますが、南シナ海の領有権を巡り、中国は周辺諸国と激しい対立を繰り返し、ベトナムやフィリピンの近海を埋め立て人工島をつくるなどかなり強引なやり方で権利を主張しています。

 実質的に、この領海を押さえているのはアメリカですので、さすがに大々的な武力行使とまではいきませんが、あの手この手で米軍を撤退させようと狙っているようです。