孟子「性善説」・荀子「性悪説」
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孟子(もうし)の「性善説(せいぜんせつ)」。荀子(じゅんし)の「性悪説(せいあくせつ)」。人は生まれながらにして「善」なのか「悪」なのか?う〜ん。壮大なテーマですね。
では、この「性善説」と「性悪説」について学んでいきましょう。
孟子「性善説」
孟子は、紀元前4世紀の人物。孔子の教えを受け継ぎ、儒家では孔子の次に有名ですね。出身も孔子と同じ魯という国の人です。ただし、孔子のおよそ100年後に活躍していますので、直接教えを受けたわけではありませんよ。
当時の中国は戦国時代。その中で孟子は「性善説」を唱えます。「人間の本性は善である」と考えたんですね。ですから、「王道政治」というのをうったえます。「支配者たるものは力に頼るでなく、徳をもって人民を収まるべきだ。」つまり、民を大切にする政治を行いなさい!ってこと。このような発想を「徳治主義」と表現することもあります。「徳」で「治める」から徳治主義ですね。ちなみに「王道」の反対が「覇道」。力にのみ頼る政治です。
この「王道政治を行わずして支配者が力による支配を続けようとするならば、天から見放され支配者は交代することになるだろう。」とも考えました。これを易姓革命(えきせいかくめい)といいます。
荀子「性悪説」
孟子よりもさらに100年後に登場するのが荀子です。彼は「人間の本性は悪である」と考えました。「性悪説」です。この荀子は趙という国の人。荀子の考えは「人は本姓は悪なので、徳で政治を行っていてもダメ。ルールを決めて抑えないといかん!」とうったえます。この発想を「礼治主義(らいちしゅぎ)」といいます。「礼」とは儒教でいう礼節。まぁ、社会的なしきたりってとこです。これをしっかり守らせて国を治めるってことですね。
荀子は、楚という国で役人として用いられることになりますが、彼の考えの流れをくんで韓非子(かんびし)や李斯(りし)という法家の学者が現れることになります。法により、犯罪の抑制などを行うという考えですね。
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