グラックス兄弟の改革
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ポエニ戦争、マケドニア戦争に勝利し、広大な領土を手に入れたローマでしたが、新たな問題も生まれてきます。
1つ目が騎士の台頭です。
長きに渡る戦争の中で新たに登場したエクイテスと呼ばれる騎士階級が力をつけてきました。
彼らは、属州の徴税請負や土木事業の管理、商業などで私服を肥やしていきます。当時のローマでは、「貴族によって構成される元老院議員は商業や金融に関わることができない」という法律があったので貴族たちが手を出せないところでうまく動いたんですね。
2つ目がラティフンディアの発展
ラティフンディアっていうのは奴隷を利用して大規模な農業経営を行うシステムのこと。
当時は、長い戦争によって農地は荒れ果て、属州から安い穀物がどんどん入ってくるようになっていました。これによって、中小農民はもう没落してしまうんです。彼らのことを無産市民っていいます。
そこに目をつけたのが貴族ら裕福な人々。彼らは奴隷を使い広い土地でオリーブやブドウなどの果実栽培などを行うんですね。
これによって貧富の差が拡大していくことになります。
これらローマの置かれた状況に危機感を抱き改革に乗り出す兄弟がいました。それがグラックス兄弟。
グラックス兄弟の改革
兄のティベリウスは大土地所有者を制限して、無産市民に土地を分配しようと考えます。これで中小農民の生活を再建しようとしたんです。
ですが、当然のように力をもった有力者たちは、これに反対!まぁ、そりゃそうですね。ティベリウスがよほどの権力者じゃなければ彼らを押さえつけることなんてできません。
そして、兄のティベリウスは暗殺されてしまいます。
弟のガイウスも兄の改革を進めようと努力しますが、やはり権力者たちの反対に遭い自殺に追い込まれてしまうんです。
このグラックス兄弟の改革の失敗後、ローマは、約1世紀もの間、内乱状態に陥ります。
内乱1世紀といわれる時代の突入です。
<マケドニア戦争
>内乱1世紀
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