南北戦争の原因

　アメリカの南北戦争といえばアメリカ史上唯一の内戦ですね。では、この南北戦争の原因とは何だったのでしょうか？

　アメリカは独立宣言後、順調に国土を拡大していきます。しかし、西部の開拓が進むにつれて、南部と北部の対立が表面化していくことになっていきました。

　南部では、イギリスとの経済的結びつきも強く、イギリスから多くの輸入をしていた為に安い関税を求めます。また、南部の地域では黒人奴隷をつかった綿花栽培のプランテーションも発達していました。

　一方、北部では輸入品に高い関税をかけて国内の産業を発展させることを求め、さらに黒人奴隷にも反対していました。これは、北部では工業化が進んでいたのですが、新たな労働力確保の為、南部の奴隷が開放されれば、彼らを雇い入れることができるためです。

　このような状況の中で１８６０年１１月に大統領選挙が行われます。この時の争点のひとつがやはり奴隷制に関する問題。そして、この奴隷制に反対する共和党のリンカーンが当選することになります。

　こうなると、南部の人たちからしたら危機感が強まるわけです。そして、この大統領選挙の翌年には南部の7州が合衆国を脱退しジェファソン＝デヴィスを大統領とするアメリカ連合国の独立を一方的に宣言するのです。アメリカが北と南でわかれてしまったのですね。

　そして、対立が深まっていくことになります。１８６１年４月には武力衝突が発生。これが、南北戦争の始まりとなるのです。

　この南北戦争は、４年にもわたる激闘の末、北部が勝利します。そして、合衆国は再び、統一されることになるのでした。しかし、奴隷制に関してはリンカーンによる「奴隷解放宣言」がなされるものの黒人への差別や偏見がなくなるのはまだまだ先のお話です。

　＜アメリカの領土拡大

　＞米西戦争（アメリカＶＳスペイン）