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パレスチナ自治区


 パレスチナ自治区とは、地中海の東岸に位置するパレスチナ地域のパレスチナ人による自治が行われている地域をいいます。ヨルダン川西岸地区とガザ地区です。

 

 地図を見てわかる通り、パレスチナ自治区ってイスラエルの中でヨルダン川西岸地域とガザ地区と離れて位置していますね。なんで、こんな飛び地の地域になったのか?

 このパレスチナ自治区について少し詳しく見ていってみましょう。

 第一次世界大戦の前までは、オスマン帝国という国がこの地域を支配していました。現在のイスラエルとパレスチナ自治区の地域です。超でっかい国だったので、こんな地域は一部ですけどね。

 しかし、第一次世界大戦にてオスマン帝国側はイギリス、ロシア、フランスらの連合国に敗北してしまうんです。

 この第一次世界大戦の時にイギリスは、この地域にいるパレスチナ人(アラブ人)とユダヤ人にとんでもない約束をするんですね。

 パレスチナ人に対しては、「イギリスに協力してくれれば、君たちの国をつくってあげるよ」

 ユダヤ人に対しては、「資金を提供していただけるのでしたら、あなたたちの国をつくることを約束しますよ」

 結果、戦争に勝利したイギリスは、どっちの約束も破って、この地域を委任統治領としました。ただし、どちらかといえば、ユダヤ人を優遇していたので、だんだんユダヤ人は増えていきます。

 まぁ、この辺までは、まだ良かったんです。

 しかし、1930年代になるとユダヤ人がこの地に大量に押し寄せてくる事態となるんです。そう、ナチスによるユダヤ人迫害によって逃げてきたんですね。

 ちなみに、この地域って四国と同じくらいの大きさ・・・。そこに年間20万人づつユダヤ人が増えてくる・・・。

 そして、ついに第二次世界大戦後にはイギリスも、パレスチナ人とユダヤ人の対立が激しくなりすぎて嫌になっちゃうんですね。そして、国連に丸投げ・・・。

 国連は、それじゃ、仲良くパレスチナ人とユダヤ人で、この地を分けましょうってことにします。

 ただし、国連もユダヤ人優遇・・・。水利が整っている地域をユダヤ人。荒地をパレスチナ人・・・。

 なんでかというと、ユダヤ人には強い味方がいるんです。それがアメリカ・・・。アメリカにいるユダヤ人ってお金持ちが多いんです。ユダヤロビーなんていって彼らの組織力、影響力、投票率、資金力が半端じゃない・・・。なので、アメリカ大統領もいわゆる忖度をするわけです。そして、国連に圧力をかけるか、国連もまた忖度するのか・・・???。

 そして、1948年にイスラエル国が建国されます。パレスチナ人は当然黙ってません。近隣アラブ諸国の力を借りてイスラエルに乗り込みます。これが第一次中東戦争。その時にヨルダン川西岸に攻め込んだのがイスラエルの東隣のヨルダン。そして、ガザ地区にはエジプトが攻め込んでいました。

 まぁ、もともと国連による「パレスチナ分割案」。つまり、パレスチナ人とユダヤ人とで仲良く地域をわけましょうという案でパレスチナ人に割り当てられていた地域でもあったんですけどね。

 戦争中にパレスチナ難民たちは、このヨルダン川西岸とガザ地区に逃げ込むことになります。ヨルダン川西岸には187万人、ガザ地区には105万人もの住民が押し寄せることになりました。

 結局、この第一次中東戦争はアメリカの支援もあってイスラエル側が勝利!さらに、パレスチナ人にとって災難だったのは、ヨルダン川西岸地区もガザ地区も1967年の戦闘でイスラエルに占領されることになります。

 さすがに、これはひどすぎる…。と国際的な非難もあり、イスラエルはヨルダン川西岸とガザ地区から表面上、手を引いていっているように見えますが・・・。

 
パレスチナ自治区ってどうゆうものなのか?

 では、現在のパレスチナ自治区、つまり、ヨルダン川西岸とガザ地区は、すべてパレスチナが完全に自治できているのか?実は、そうではありません。 

 ヨルダン川西岸地区では、パレスチナの完全自治区として、政治、行政、治安維持もすべてパレスチナ自治政府が行っている地域も確かにあります。しかし、自治はパレスチナ自治政府だが治安維持はイスラエルが担当する地域。さらに、自治、治安維持ともにイスラエルという3つの地域が未だ多く存在している状態です。

 ヨルダン川西岸地域でのパレスチナの完全自治区というのは、2割ほどしかありません。

 しかも、まとまっているわけでもなく、小さな町が点在している状態・・・。パレスチナ自治区なのに一等地にはユダヤ人が住む住宅街があったりします。

 また、町と町とをつなぐ幹線道路はイスラエル軍が管理しているのでパレスチナ住民は隣町にいくにもイスラエル軍の検問所を通るわけです。パレスチナ自治区なのに・・・。

 一方のガザ地区ですが、こちらは2005年8月にガザ地区からはイスラエル軍は完全撤退しています。しかし、検問所はイスラエルとエジプトの管理下にありガザ地区に住む住人は自由にこの地区から出入りすることはできません・・・。

 ちなみにヨルダン川西岸とガザ地区は合わせても茨城県くらいの面積しかありません。パレスチナ自治区ってめちゃくちゃ小さいんですね。その地域の中でも完全にパレスチナが完全自治区としているのはさらに小さな地域というわけです。

 そんな小さな地域ですので、当然財政とか厳しそうですね・・・。

 
パレスチナ自治政府の財政

 パレスチナ自治政府の運営は、半分はEUなどの外国からの資金援助が頼りです。残りの半分は税収なのですが、この税収の6割が実はイスラエルから支払われているんです。仲が悪いはずなんですけどね。

 還付金っていうんですが、パレスチナ人がイスラエル産の商品を買うと、これにかかる税金をイスラエル政府がパレスチナ自治政府に還付します。

 なので、パレスチナがイスラエルに対して攻撃的な態度をとった時などにイスラエルは、この還付の割合を引き下げたりするんです。これでパレスチナに財政的な攻撃を与えるんですね。

 我々日本人には、こういった人種問題や宗教問題などピンとこないところがありますが、争いが貧困につながり、多くの人が難民として貧しい生活を送っている状態です。遠い国のお話と捉えず、こういったニュースや情報にも耳を傾けておきましょう。