死刑制度
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死刑制度って世界的には廃止の方法に進んでいます。でも、日本には現在も死刑制度は残っていますね。今後、この問題は議論になっていく可能性があります。
今回は、少し死刑制度について考えてみましょう。
世界的には廃止の方向に進んでいる死刑制度
まずは、ヨーロッパ。EUですね。EUでは、基本的に死刑制度を認めていません。ですから、死刑制度のある国は、EUに加盟できないことになっています。
旧西ドイツではナチスドイツ時代の死刑の乱用された反省から1949年に死刑は廃止されています。フランスでも1981年の大統領選では、死刑制度を廃止するかどうかが論点となってミッテラン大統領が勝利し死刑制度は廃止となっています。
イギリスでも処刑された人が後に無罪であったことがわかったという事件があり、死刑廃止につながっていきました。
また、EUに入りたい国、トルコなんかは、死刑制度がありましたが、EUに加盟するために死刑をずっと執行はしていません。
次にアメリカ。アメリカは州によって死刑制度がある州とない州があります。しかし、過去に比べると死刑判決及び死刑執行は格段に少なくなっています。
アムネスティ・インターナショナルによれば、死刑を廃止している国は106ヵ国。また、事実上、死刑を執行していない国を含めると142ヵ国になります。
では、死刑執行をしている国はどこなのか?
世界で死刑制度を続けている国は56ヵ国です。
その中でも中国は死刑執行を国家機密としながらも年間1000人ともいわれています。次にイランが年間数百人(2017年では500人ほど)の死刑執行が行われているといわれています。
日本で死刑がなくならない理由
まずは、世論というところが一番大きいようです。みんなの意見ですね。
まぁ、なんとなくわかりますね。自分の家族、友人なんかが殺害されたらと思うと理解できますし、死刑があることで犯罪抑制になるという考えもあります。これまでも何度も世論調査をしていますが、死刑存続賛成が過半数、つまり半分以上の意見となっているんです。
また、終身刑が日本にはないというのも理由のひとつです。
終身刑とは、一生刑務所から出てこれないという刑罰です。日本にあるのは無期懲役。無期というのは、期間が決まっていないというだけで、実際には出てこれます。おおむね20年くらいで出所するケースが多いようです。
日本に終身刑が存在しない理由としてはコスト面があるようです。食事、医療費、人件費、その他にもいろいろと税金がかかります。
日本での死刑執行
日本では、2008年に15人の死刑執行が行われましたが、2011年には死刑執行は0人です。死刑が確定している人数は2008年が100人。2011年は131人と死刑確定者は多いのに執行していないんですね。これって何ででしょう。
実は、死刑執行の最終判断は法務大臣に託されるんです。大臣が署名しない限りは死刑は執行されません。ですから、大臣がかわると自分が人を殺すようなことはしたくないと拒絶する大臣。また、自分がサインをしなければと決断する大臣とでわかれるために時期によって執行される人数が違うんですね。
死刑によって苦しい決断、行動を迫られるのは法務大臣だけではありません。死刑執行時に絞首刑などでは最後にボタンを押す人がいますが、ボタンは5つ用意されており、5人が同時にボタンを押すことになっています。それと同時に床が開くわけですが、誰のボタンで床が開いたかはわからないようになっているわけです。誰だって自分が押したボタンで死刑囚が最後を迎えたと考えたくないですからね。
さらに我々にも死刑制度は無関係ではありません。
裁判員制度によって裁判員に選ばれる可能性が誰だってあります。その時に殺人事件を裁かなければならいことになれば・・・。死刑制度について自分なりに考えを持っておくことも必要なのかもしれませんね。
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