士規七則(しきしちそく)
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士規七則とは、吉田松陰が従弟の玉木彦介の元服を祝い贈ったものです。武士の心得7カ条といったところですが、武士のあり方、人としての生き方について松陰の思想を読みとることができます。
(士規七則・現代語訳)
1.人間として生まれたからには、鳥や獣との違いを知らなければならない。人には守るべき5つの道がある。(父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信)。その中でも君臣の義、父子の親が最も大切である。ゆえに人が人であるゆえんは、忠考が原点である。
1.日本に生まれたからには、日本が世界の中で尊い理由を知らなければならない。日本の朝廷は万世一系であり、国民は天皇の下で禄と位を代々踏襲している。天皇は民を養い、先祖の事業を告ぎ、民は主君に忠義をもって、父の志を継ぐ。君臣一体、忠考一致は、ただ我が日本のみのことである。
1.武士の道は、義より大切なものはない。義は勇気をもって行われ、勇気は義を行うことで発揮される。
1.武士の行動は、質実で人を欺かないことが大切で、欺いたり言い繕うことは恥ずかしいことである。公明正大であることがすべての出発点である。
1.昔から今に至る歴史を知らず、立派な聖人や賢者に学ばなければ、心が卑しい人間になる。本を読み賢人を友とすることは立派な人間の行うことである。
1.仁徳を積み、才能を発揮するには、師の恩や友の導きによるところが大きい。ゆえに人との交際は大切である。
1.死ぬまでやり続けるという言葉は簡単であるが意味は深い。意志が固く、忍耐強く、心を変えないでいることは、この姿勢なくてはできないことだ。
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