衆議院の優越
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日本では、衆議院と参議院との二院制という制度がとられています。この二院制では、衆議院には「衆議院の優越」といって衆議院の判断を最終的に優先するといった制度が決められています。
たとえば、予算や条約なんかは、衆議院の先議権といって衆議院から先に審議することが決まっていますし、また衆議院と参議院で意見が分かれた場合は、衆議院の判断が優先されます。
つまり、衆議院と参議院では衆議院の方が強い力をもっているというわけです。
では、なぜ衆議院の方に強い力を与えているのか?
それは、衆議院の任期が参議院の任期に比べ短いこと。また、衆議院には解散という制度があることがあげられます。
衆議院の任期は4年。参議院の任期は6年です。参議院では、解散がないので一度当選してしまえば、6年間は安泰ですが、衆議院では解散、総選挙とせっかく当選してもまた選び直されるなんてこともあるんですね。
つまり、衆議院の方が選挙が多いんです。選挙が頻繁に行われるということは、それだけ国民の意見を政治に反映しているともいえます。国民から選ばれた、より新しい議員たちの意見を尊重しましょうということで衆議院の優越が存在するんですね。
また、衆議院と参議院で意見が対立した場合など、どちらかに優越を与えておかないと大切な予算の決議などがいつまでたっても決まらないといったことも考えられますからね。
ちなみに総理大臣には参議院でも衆議院でもなることはできますが、現在まで参議院から総理大臣が選ばれたことはありません。
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