ナチス ヒトラーはなぜユダヤ人を迫害したの?
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ナチスのヒトラーがユダヤ人を迫害したのは誰もが知るところです。しかし、なぜヒトラーはユダヤ人を迫害したのでしょう?
その理由は、当時のドイツや世界情勢、歴史などから読みとることができます。
ユダヤ人迫害の歴史
実は、ナチスのヒトラーがいきなりユダヤ人を迫害し始めたわけではなく、ずっと以前からユダヤ人は迫害されてきたんです。
もともとは、現在のイスラエルやパレスチナ自治区にいたユダヤ人たち。しかし、彼らはローマによって本拠を追われ各地に散らばっていくことになります。そんな中でも、ユダヤの人たちは勤勉で努力家、そして商売上手な人が多くいたので成功する人がたくさん出てきます。
ですが、彼らはユダヤ教のもとに団結を崩さず、キリスト教で構成されるヨーロッパでも、その中に溶け込まずにユダヤ人だけの閉鎖的ともいえる集団の中で生活していく人が多くいたんです。
このことでヨーロッパ人たちは彼らユダヤ人に警戒心を抱くと共に嫉妬や妬みも生まれてくるわけです。
スペインによるユダヤ人の国外追放や中世のペスト流行時のユダヤ人迫害など歴史上、ユダヤ人の迫害はいくつも見られます。
第二次世界大戦直前のドイツ
このようにヨーロッパではユダヤ人への迫害が以前からあったわけですが、ドイツは第一次世界大戦に敗戦し多くの賠償金を背負うことになります。さらに、追い討ちをかけるようにアメリカから端を発した世界大恐慌・・・。アメリカやイギリス、フランスは植民地や自治領を多く持っていたので、その中で経済をうまく回す政策に打って出ますが、植民地を持たない国はもう、どうにもならなくなるんです。
その植民地をもたない国の代表が第一次世界大戦で敗北したドイツ。第一次世界大戦では、勝利側にいながらもたいした植民地を得たわけではないイタリア。そして、日本ですね。
これらの国では、対外政策、つまりは戦争によって植民地を得よう!と考える人も出てくるんです。
ヒトラーのユダヤ人迫害
そんな中、ヒトラーは「東方生存圏」を主張します。ドイツから見て東側、つまりポーランドなどの東ヨーロッパにドイツの領土を拡大していこうという考えです。民族の発展、食料、資源の確保のために我々はそれを実現せねばならない!と強く訴えかけるんです。
また、ヒトラーは「ユダヤ人は文化を破壊する劣等な種族である」と論じます。当時、東ヨーロッパには多くのユダヤ人が住んでいました。この世界を危うくしかねないユダヤ人を抹殺し、ドイツ人の生活を守るためにも我々は東側に領土を拡張していく必要があるというわけです。
つまり、ここでユダヤ人迫害と東方拡張論がかみ合ったんですね。
貧窮した生活を強いられ、将来にも希望が持てない・・・。さらにユダヤ人に対する長年の嫉妬、警戒心などが渦巻いていたところにヒトラーのこの言葉。彼の言葉を信じてすがるように、ヒトラーを支持する人も多くでてくるんです。
人気とり的な要素や東方生存圏構想の実現など、ユダヤ人を迫害することによりナチスがめざした政策にとってメリットがあったということですね。
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