| 闇ーー漆黒のドレスに身を包んだ死の貴婦人。その慈悲深い眼差しと冷たい抱擁は、全ての人間に平等だ。 血ーー生命の輝きを秘めた紅い葡萄酒。嫉妬、淫楽、恐怖といった感情を内包し、濃厚で芳醇な味を醸し出す。 吸血鬼ーー人を糧に永遠の時を生きる呪われた我が眷属。呪われている? 全ての生命は犠牲の上に成り立っているというのに。 今宵も私は獲物の血を求め、媒鳥を闇に放つ。 |
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| 血の色をした夕陽が差し込む放課後の教室は、昼間の生徒たちの喧噪が嘘のように静かだった。グランドで野球部が練習する声が、別の世界から響くように遠くから聞こえてくる。 小笠原美月は小さな胸の膨らみを両腕で抱えるようにして、ひとり教壇の前にたたずんでいた。肩の線に沿って流れる絹糸のような黒髪が、僅かに上気した白い頬と見事なコントラストを描いている。美月は何かに耐えるように色素の薄い大きな瞳で床を見つめ、形の良い小さな唇をグッと閉じていた。 白いブラウスと紺色のスカートの制服に包まれた細い体がわずかに震えているのは、六月の陽気のせいではない。微熱でもあるのか、頬が紅を指したように紅く染まり始めている。 突然、どこからともなく低いモーター音が発せられると、少女は大きく身震いし、かすかな溜め息を洩らした。膝から力が抜けて腰が床に着きそうになるのを、必死でこらえる。 「何だ、小笠原。もう限界か?」 西日の影になった教室の後ろから、男の声低いが響いた。ブランドもののセーターにジーパンというラフな格好の上から白衣を羽織った若い男が、最後列の机に足を組んで腰掛け、少女の様子を見つめている。 「せ、先生……止めてください。動かされると、立っていられないんです」 美月が泣きそうな声で、男に懇願した。事実、少女はひとりで立っていられずに、教壇に両手をかけて体を支えている。 「止めて欲しかったら、どうするんだ。この前の特別授業で、教えてやったろ。もう忘れたのか?」 先生と呼ばれた男は、ニヤニヤといやらしい笑いを浮かべながら、テレビのリモコンに似た小さな機械を右手で玩んでいる。その態度には、女生徒の懇願に心を動かした様子は無い。 「お願いです、黒崎先生。意地悪しないで、美月を許して」 「それは教えた言い方と違うな」 そう呟くと、黒崎浩平は手元の機械のボタンを操作した。ジージーとうなるモーター音が一際多くなり、教室中に充満する。 「ダメ! これ以上は、だ、ダメだよ。あ、い、いや、感じちゃう」 美月は今にも泣きそうな顔で、床に崩れ落ちた。切れ長の目は潤み、半開きになった唇の端からは透明な涎が一筋流れ出している。その姿は黒崎に、罠に捕らわれた小動物を連想させた。 「まだ先生は寝ていいと言ってないぞ。先生の言うことを聞けないない生徒には、お仕置きが必要だな」 黒崎がゆっくりと腰を上げる。意外に背が高い。小柄な美月より、頭一つは大きいだろうか。 「お仕置きは、いや。お仕置きだけは、お許しを……」 美月は震える腕で上半身を起こすと、自分に向かって近づいてくる教師に対して頭を下げた。自然と土下座の格好になるが、気にしてはいられない。 「なら、教えたとおりにするんだな」 少女の背中に叱責が飛ぶ。美月は教壇で体を支えながら、やっとの思いで立ち上がった。そのままスカートをギュッと握ったまま、床を見つめている。 「どうした? そいつを止めて欲しいんだろ。そのまま朝までそうしているつもりか?」 黒崎がねっとりとした口調で問いかけると、観念したようにその美しい顔を上げた。 「黒崎、先生、美月の、小笠原美月のいやらしい所を見てください……」 耳たぶまで真っ赤に染め上げながらそう言うと、美少女は自らの手で制服のスカートをたくし上げはじめた。布端がゆっくりと上に移動するにつれて白磁のような太股が付け根まで露わになり、無遠慮な教師の視線に晒される。自分の女生徒の股間を舐めるように見ると、黒崎は薄い唇の端で残忍な笑いを作った。 「ふん、言われたとおりにしてきたみたいだな。なかなか似合っているぞ」 美月が身につけているのは、とても下着と呼べる代物ではなかった。精巧なフリルで飾られたレース編みの小さな黒い絹布は、大切な部分を隠す最小限の大きさしかない。わずかな繊毛すら隠しきれずに、三角形の上辺から漆黒の絹草が顔を覗かせている。それが紅い縁取りがついたリボンで、かろうじて股間に張り付いていた。 少女特有のミルクのような白い肌のふくらみに黒いレースが浮かび上がり、なんとも艶めかしい。下着の中央にはスリットが入っているらしく、そこから肉色をした蟲のような一本の電気コードが這い出し、反対端は名刺ほど大きさのケースに繋がっている。プラスチックでできたそのケースは、下着の後ろの部分でヒップが描く柔らかな稜線に留められていた。コードの先に何があるのか、漏れ聞こえてくる機械音を聞けば明白だった。 黒崎がコードを指先で摘みながら、うつむいている美しい顔をのぞき込む。リモコン式ローターが肉洞内の敏感な部分を刺激するのか、少女が眉が歪める。 「こいつは、自分で入れたのかな?」 美月を苛むローターは黒崎がアダルトサイトのネット販売で購入したものを、放課後すぐに美月に手渡し、身につけるように命じていた。黒崎は美月を責めるとき、必ず言葉責めから楽しむことにしている。暴力で身体を弄ぶより精神を辱める方が興奮するのは、彼女を弄んだ一ヶ月間、自分の中で目覚めた嗜虐嗜好のひとつだった。 「……はい。さっき渡されてからすぐに、おトイレで」 美月が消え入りそうな声で答える。最後の方は聞き取れない。 (もっと泣け、もっとだ。その美しい顔を、歪めるんだ) 美月の頬を屈辱の涙が流れるのを見ながら、黒崎は股間が熱く勃起していくのを感じていた。 「先生、止めてください。も、もう限界なの。ああ、だめ、止めて! 止めて!」 スカートを持つ美月の手が震えていた。黒いレースの中心に染みが広がり、微熱があるかのように頬が上気し、大きな瞳が潤んでいる。最後が近づいているのは、黒崎の目にも明らかだった。 「いいだろう、止めてやる。だが、そんな生意気な頼み方しかできないのなら、こうだ!」 黒崎は淫具のコードを思いっきり引っ張る クチャッ と、淫靡な音を発して、レースで縁取りされたスリットから、大人の指ほどのローターが姿を現す。 「うわああっ!」 小さく叫ぶと、美月は両膝を床についた。小さな手で股間を覆い隠し、肩で息をしている。額からは脂汗を流し、綺麗な黒髪がべたりと張り付いていた。 「いやだ、いやだと言っていたわりには、ずいぶんと楽しんでるじゃないか」 美月を犯していた淫具は、愛液にまみれて輝きながら、まだ生き物のように蠢いていた。それをわざと鼻先に掲げて、目を細めながら観察する。美月は床にひざまずいたまま黒崎の様子を窺っていたが、耐えきれずに泣き出してしまった。 「小笠原美月の淫汁だ」 ゆっくりと口に出して言ってみる。 「透明で綺麗なもんだ。しかし、粘りは相当なものだな。糸を引いてやがる」 「いや! 言わないで。そんなこと、言わないで下さい」 美月が両耳を掌で覆って、黒崎の言葉を追いだそうとする。 (そろそろだな) 股間がますます熱い血でたぎるのを感じながら、手にした玩具を教壇の上に置いた。 「おい、自分だけいい気持ちになってるんじゃないぞ。先生にも奉仕するんだ」 女生徒の肩が、ビクッ、と震えた。残酷な教師が何を要求しているのか、頭では理解している。しかし少女の身にとって、慣れることのない屈辱だった。それでも逆らうことはできない。教師に逆らえばどうなるか、さんざん身をもって教えられていた。 美月はゆっくりと上半身を起こすと、仁王立ちになった黒崎のズボンのジッパーに手をかけた。白く細い指先に、手入れの行き届いた形の良い爪が美しい。震える指先で教師のズボンを膝まで下げると、目の前に天幕を張ったようなトランクスが現れた。その膨らみに肉厚の唇を、いやいや押しつける。アンモニアの微かな匂いが鼻孔内に広がるが、美月はこみ上げてくる吐き気を我慢して唇を肉棒に沿って移動させた。たちまちトランクスが唾液で湿り、肉棒の形が濡れた布に浮かぶあがる。 「よし、ここまでは合格点だ。そろそろ生でしてみろ」 興奮した黒崎の声が指示を与える。教師の下着を手で直接ふれることは許されておらず、ここから先の奉仕は口唇だけを使って行わなければならなかった。美月は真珠のような前歯で布端を噛むと、頭を下げてトランクスを脱がしにかかる。熱を帯びた嫌らしい肉の塊が徐々に姿を現し、髪を掻き分けて額に触れる。鈴口から湧き出たきらきら光る液体が、ナメクジが通った跡のように少女の肌に軌跡を残していく。 「今日は時間がないからな、十往復で勘弁してやる」 「は、はい、先生」 全身を露わした肉棒は血管が浮き出し、淫肉がヒクヒクと脈動していた。一瞬の躊躇の後、美月はピンク色の舌先を、その先端にあてがった。口中にゆっくりと広がる苦い、嫌な味を堪え、肉棒の根本に向けて舌を動かす。付け根の肉袋に軽くキスしてから、舌先を先端に戻していく。一回、二回と心の中で数えながら往復を繰り返し、命ぜられた回数に達した後に、小さな唇でそっと先端をくわえた。そのまま喉に達するまで、肉の塊を口の中に飲み込む。そこで一端動きを止め、長い舌をこれから自分を犯す肉の凶器に絡ませると、小さな頭を前後に動かし始めた。 グチュッ、チュバッ、グチュッ 真っ赤に染まった顔が動くたびに、淫猥な音が漏れ聞こえる。さらなる快感を与えるため、キュッと窄めた口端から涎の泡がこぼれ落ちた。 「空いている手で、自分のもいじってろよ。後で突っ込む時に乾いてたんじゃ、お前が辛いだけだからな」 容赦ない黒崎の命令に一瞬反抗的な目を向けたが、すぐに諦めの表情に戻ると、美月は細い指を下着のスリットに埋めた。 「は、はああっ」 かわいらしい口から、吐息と共に熱い呟きが漏れる。まだローター責めによる余韻が残っていたのだろう。すぐに顔の動きにあわせて、細い腕が上下しはじめた。ヌチャ、ヌチャという、湿った音が少女の股間から聞こえるような気がする。瞳を固く閉じているのは、屈辱に耐えているのか、それとも快楽に酔っているのか。 自分の生徒、しかもとびきりの美少女に口唇奉仕をさせながら、自慰を強制する。脳が痺れるような背徳の快感で、黒崎の嗜虐心は満足していった。 (あれから一月か……) 股間から全身に広がる淫楽に身を任せながら、黒崎は小笠原美月を初めて犯した日のことを思い出していた。 |
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| 黒崎浩平は、東京の郊外に位置したある名門女子校の数学教師を務めている。歳は二十八だが、学生時代にアメリカの大学に留学していたので、教師になってから三年しか過ぎていない。勉学一筋に生きてきた黒崎は、真面目で温厚な好青年として、同僚や生徒から慕われる存在だった。 発端は、女教師のクリスティーナ・デ・メディシィがもたらした。クリスティーナはネイティブな発音で喋れる英語教師として、今年から採用された東欧系のアメリカ人だ。仕事ぶりは真面目で、朝は誰よりも早く登校し、放課後は暗くなるまで生徒の話し相手をしている。日本語は生活に不自由ない程度にしゃべれるが、職員室の中でも英語が堪能な黒崎を何かと頼りにしていた。 その日の昼休みも、読み物をしていた黒崎の肩を軽く叩いて注意を引くと、単刀直入に本題に入ってきた。 「クロサキさん。あなた、オガサワラさんを知っていますか?」 「え、えっと、確かB組の生徒でしょ? 小笠原美月でしたっけ?」 クリスティーナと話すとき、黒崎の胸はいつも高鳴り、自分の心臓の音が相手の耳にも響くのではないかと、初だった中学生時代のような心配を本気でしてしまう。 母の家系が北欧の貴族の血を引いていると聞いた。鼻筋の通った卵形のノーブルな顔に、大理石の白さを持つなめらかな肌。瞳は湖の碧に知性の光を湛え、それとは対照に薔薇の花のように紅く肉厚の唇が蠱惑的だ。軽くウエーブしたブロンドの髪が肩にかかり、光の加減によって本物の金糸のように輝いて見えた。 百八十センチ近い長身に、ブランド物の黒いスーツがよく似合う。大きく開いた胸元から、花の香りの香水が匂い、豊かで形の良い胸の膨らみは熟れすぎた肉の果実のようで、スーツの上からでも扇情的な張りを誇っている。バイオリンのように柔らかな曲線を描いた腰は、いかにも柔らかそうな双丘に続いていた。短めのスカートから伸びた脚は無駄な肉が無く、それでいて筋肉の硬さを感じさせない。 アメリカ留学中、黒崎は何人も美しい白人女性に出会っている。西海岸まで遊びに行ったときには、たまたま入ったレストランで本物のハリウッド女優も見かけた。しかしその誰もが、目の前にいる女教師にはかなわない、と思う。ギリシャ彫刻のような、という使い古された文学的形容が、クリスティーナの前では現実味を帯びていた。 「そう、そのミツキが最近おかしなことを言うの。ヴァンパイアやアンデットって言って、わかるかしら?」 クリスティーナは親しい生徒のことを名前で呼ぶ。ややハスキーな、だが耳に心地よい声が、心配そうに小笠原美月の名を呼んだ。 「ヴァンパイアって、吸血鬼のことですか? そりゃあ、小笠原が夜中にホラー映画でも見たんじゃあ……」 成績か進路の相談かと身構えていたところに、あまりに場違いな単語が飛び出してきたので、黒崎はつい軽口になった。しかしクリスティーナの真剣な眼差しは、最後まで言わせない。 「冗談を言っているわけではないの」 クリスティーナの真剣さに押されて、読みかけていた数学の論文を机の端に置き、キャスター付きの椅子を移動させて彼女と向き合った。 「どういうことですか? まさか本当に吸血鬼に襲われたとでも?」 「彼女の話を聞く限り、そのようね。あ、英語でもいいですか?」 隣で小テストの採点をしている国語教師をちらっと見て、クリスティーナが英語に切り替えた。かなりの早口だがきれいな英語なので、黒崎には十分理解できる。しかし話の内容は、到底信じられるものではなかった。 小笠原美月は夢を見るという。それも毎晩、決まった悪夢を。 夢の中の美月はいつも、一糸まとわぬ裸体だ。白い靄で覆われた何処とも知れぬ場所に、ひとりで立ちつくしている。突然、水槽にインクに垂らしたように、粘りけのある黒い影が現れる。影は最初、実体を持たないが、やがて人の形にかたまり、緑柱石のような目が輝きだす。両腕を差し出すと、理由がわからず立ちつくす少女の裸体をそっと抱きかかえる。 だが見せかけの優しい抱擁はすぐに氷の拘束に変わり、美月は身動きひとつできなくなってしまう。二つの目は地獄の業火のように輝き、そのすぐ下、口に当たる部分には白銀でできた鋭い牙が見える。白く輝く牙が美月の喉に近づき、音を立てて柔らかな喉笛に噛みつく。それが全く苦痛を伴わず、噛みつかれた箇所から甘く痺れるような快感が広がるのを感じて、美月は恐怖の悲鳴を上げる。 目が覚めると体中が汗で濡れ、首筋にはまるで何かに噛まれたような痣が残っているという。 「その痣、先生は見ましたか?」 ひととおり話が終わったところでそう訪ねてみた。確かに痣らしい物があったが、それが噛まれた痕かどうか、クリスティーナには判断できないと言う。 (まあ普通に考えたら、ノイローゼか何かだろう。早めに医者かカウンセラーを紹介した方がいいなかな) 数学教師らしい、きわめて合理的な結論に達すると、美月の面倒を見ることを申し出た。 「わかりました。僕の方でも一度彼女から直接話を聞いて、しかるべき手を打ちます」 女教師が安堵の微笑みを浮かべた。まるで薔薇の花を咲かせたような笑顔に、年甲斐もなく顔が火照る。心中の動揺がばれないよう、当たり障りのない言葉を一言二言交わして、読みかけの論文を手に取った。クリスティーナは軽く頭を下げると、甘い香水の香りを残して自分の席に戻っていく。黒崎は残り香の余韻に浸りながらも、論文からふと顔を上げ、その後ろ姿を目で追った。彼女の最後の言葉が気になったのだ。 『せいぜいあの娘をかわいがってあげて。あなたがどこまでやるのか、楽しみにしているわ』 謝辞にしては奇妙な、と思う。しかし早口な上に小声の英語だったので、正確にそう言われたのかどうか、自信がない。微かな不安が頭をよぎったが、すぐにそんなことは忘れてしまい、黒崎は目の前の難解な数式に意識を戻した。 |
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| 「小笠原さん、ちょっといいかな」 その日の午後、帰ろうとしていた小笠原美月を、校舎の玄関口で引き止めた。教室以外の場所で、黒崎が彼女に声を掛けるのははじめてだ。 「あ、黒崎先生。何かご用ですか?」 怪訝そうな表情で、美月が振り返った。色素の薄い大きな瞳が、黒崎の顔を遠慮がちに見つめている。 「話があるんだ。クリスティーナ先生から頼まれてね」 美月の表情が変わった。クリスティーナの名前が出たので、察しがついたのだろう。安堵と不安が入り交じった複雑な視線が、助けを求めるかのように黒崎に投げかけられた。 「どうしたの、美月?」 「いいなあ、美月。黒崎先生とデートだ」 二人のわきを、下校する女生徒たちが声を掛けて通り過ぎいていく。 「ここじゃ話しにくいから、数学準備室にでも行くか。インスタントでよければ、コーヒーをごちそうするよ」 美月は黙ってうなずくと、黒崎の後に付いて歩き出した。 この学校には職員室の他にも、各教科ごとに準備室が用意されている。昼間は教師が待機して次の授業の準備をしているが、放課後は職員室の方に移動するので、使われることは滅多にない。この日も他の教師の姿は見えず、室内に居るのは黒崎と美月の二人だけだった。 「はい、コーヒー。ミルクと砂糖はそこにあるから、適当に使って」 「ありがとうございます」 そう言ったまま、美月は目の前に置かれたカップに手を付けようともせず、黙って椅子に座っている。いつまでこうしていても仕方ないので、黒崎の方から話を切りだした。 「クリスティーナ先生から大体の話は聞いてるよ。何か力になれることはないかと思ってね。よかったら、小笠原の口から、もう一度話を聞いてみたいんだけど」 美月はようやく顔を上げると、小さな鈴を転がすような声で話しはじめた。内容はクリスティーナの話と大差なかったが、当人から聞いてみると、やけに現実味がある。 (あの目のせいだ) 黒崎はその理由を、美月の瞳に求めた。大きな鳶色の瞳は真剣そのもので、その中に引き込まれそうになる。 改めて間近で見ると、小笠原美月は美しかった。黒髪に浮き出た白い肌は、緊張と興奮で、頬の部分だけ薄い桃色に染まっている。形の良いラインを描く眉の下には、切れ長で二重の大きな目が輝き、厚めの紅唇は濡れているようで蠱惑的だ。それらが小さな丸い顔にバランス良く収まることで、どことなく古風で優雅な印象を与えている。 クリスティーナが大輪の華ならば、美月はほころびかけた蕾の美しさだ。美月を見つめながら、黒崎は股間の肉茎に、熱い血が集まってくるのを意識していた。 「先生?」 「あ、ああ、悪い。それで、その痣は?」 話が終わったのも、気がつかなかった。微熱でもあるかのように、頭がはっきりしない。 「……それが、家の人も、クリスティーナ先生にも信じてもらえなくて。先生、見てください」 そう言うと、美月は制服の胸元を大きく開け、細い首をさらけ出した。呼吸に合わせて喉笛が艶めかしい動くと、暖めたミルクのような甘い香りがただよう。その匂いを嗅いで、黒崎は眩暈を感じた。 「先生、何に見えますか?」 美月が涙目で訴えるが、黒崎の舌は下顎に張り付いて何も答えられない。黒崎がいつまでも答えないので焦れたのか、膝が触れるほど美月の体が近づき、なめらかな柔肌が視界を埋める。 「もっと良く見てください」 美月の声がどこか遠くで聞こえる。全身の血が固くいきり立った肉棒に集まってしまったかのように、脳が働きを止めてしまう。ぼやけた視野の端に、大型の獣に噛まれたような傷跡を見た気がするが、黒崎の視線は制服の二つの膨らみに注がれていた。 「わたし、怖い!」 そう叫ぶと、いきなり美月が胸に飛び込んできた。突然ことで少女の身体を支えきれず、二人は床に崩れ落ちる。瞬間、黒崎の頭の中で、何かが切れた。 「えっ!?」 立ち上がろうとする美月の手首を取って、力任せに引き戻した。充血した目で、美月の顔を舐め回すように見る。 「先生? どうしたんです?」 教師のただならぬ様子に恐怖を感じ、その身体を振り解こうと必死で暴れるが、男の力に抗うことはできない。 気がつくと黒崎は、左手一本で両腕を床に貼りつけ、身体の下に美月を組み伏せていた。空いている右手で制服のボタンをはずしにかかるが、震えていてうまくいかない。なかなか外れようとしないボタンに苛立って、黒崎は力任せに引き裂いた。破れた布きれの間からブルーの下着に包まれた、小ぶりの乳房が露わになる。 「止めてください!! 離して!」 (おれは何をしてるんだ? 生徒を犯そうとしてるのか?) 美月の泣き声で一瞬正気に返った黒崎だが、頭に靄が掛かったように考えがまとまらない。黒崎の動きが止まったその隙に、美月は脚を跳ね上げ、再び逃げ出そうと試みた。 「くそっ! おとなしくしないか!」 慌てて両脚に力を込めて、少女の動きを押さえ込む。それでも抵抗を止めないその姿に興奮し、股間がさらに固く膨張した。服を通してでもはっきりとわかる肉の凶器を感じてか、美月が抵抗を増す。 (人が来てはまずいな) 黒崎の手がすばやく下着に伸びた。飾り気のない、いかにも清楚なブラがはぎ取られ、まだ膨らみきっていない白い双丘を現わす。お椀を逆さにしたような形の良い肉球の上で、ピンク色の果実が震えているのに、思わず見とれてしまう。 「いや! そんなとこ、み、見ないで。ひどい、ひどいよ」 抵抗を止めない美月の耳元に顔を近づけ、諭すように囁いた。 「かわいいおっぱいじゃないか。いいか、こんな格好を人に見られたくなかったら、これ以上騒ぐんじゃないぞ」 美月が信じられないといった表情で、教師の顔を見た。その暴挙を信じられないのは彼女だけではない。黒崎自身、自分の中に暴漢の血が流れていたことを、予想もしていなかった。しかし、もう後戻りはできない。 掌で乳房を覆うと、柔らかな肉の感触を楽しむ。まるで吸い付くような、肌理の細かい肌が心地よい。そのまま腰から太股へ滑らせ、スカートの下から手を差し入れる。パンティに指先をかけて脱がそうとすると、美月の身体がこわばった。 「そこは、そこはいや。もう、許して」 しかし黒崎は彼女の哀願を無視し、薄笑いを浮かべながら、下着を膝上まで引き下げる。 「ひっ!」 冷たい空気にふれ、美月の身体に鳥肌がたつ。黒崎は再びスカートの中に右手を埋め、女生徒の股間に触れた。細い繊毛が指先に絡みつき、その先にあるはずの肉の谷間をまさぐる。程なく生暖かい淫肉の感触を探り当てると、指先で何度も擦りあげた。最も秘めやかな部分を蹂躙され、少女の顔が嫌悪に歪む。 「いやっ、いやだよ。ううっ……いやあ」 制服は引き裂かれ、下着は上下ともはぎ取られ、美月の大切な部分はさらけ出されている。拒否の言葉を繰り返すが、大声を上げて助けを呼ばないのは、さっきの脅しが利いているからだろう。 「ちっ、なかなか濡れてこないな。少し痛いかも知れないが、我慢しろ」 黒崎は舌打ちをすると、亀裂を弄ぶ指先を止め、自分のズボンを脱ぎはじめた。カチャ、カチャとベルトの金具が鳴る音で、美月が目を開ける。その目は、これから自分の身に何が起こるのか理解して、怯えていた。 「黒崎先生、このことは絶対、人には言いません。な、何でも言うこと聞きますから、それだけは、お願い、許して」 哀願しながら、必死の力で太股を閉じる。しかし男の脚が易々と割って入り、裸になった下半身を沈めていく。 「先生、やめて、お願い、やめ、あっ!」 青筋だったペニスの先端が柔らかな湿地帯にふれた途端、美月の身体がビクッ、と痙攣した。女性経験が豊富とは言えない黒崎は、それだけで爆ぜそうになる。 「動くな! 動くと、このまま廊下に放り出すぞ」 とうとう諦めたのか、美月はおとなしく唇を噛んだ。黒崎の肉棒はしばらく入り口を探っていたが、ついに秘洞を発見すると、その扉をこじ開けようとゆっくり前進する。 「ひいっ!」 まだ濡れていないそこは、異物の侵入に抵抗する。美月の苦痛が、黒崎の獣欲の炎に油を注いだ。 「痛い! 先生、痛い! 痛いよ!」 美月の悲鳴を聞きながら、一気に肉槍と化したペニスを体内に埋め込んだ。わずかな抵抗があったが、すぐに深々と突き刺さる。 「あぐっ! あうあっ!」 灼熱の凶器が身体を貫く痛みに、美月が白目を剥いてのけ反った。ガクガクと細い身体が震える。その身体を両腕で抱きしめて、黒崎は夢中で腰を打ち付けた。上等の絹布で縛り上げられるような、強烈な快感が肉棒を包み込む。 「うっ、あぐう、せ、先生、止めて、お願い、壊れちゃう、お腹が破れちゃうよ……」 譫言のように黒崎を拒みながらも、美月の頬が上気していた。激しいピストン運動を受けて、淫肉が熱いぬめりを溢れさせる。少女は感じはじめているのだ。苦痛と屈辱、そして背徳の快感が入り交じったその美しい顔を見ると、黒崎は我慢できなかった。 「う、うおおおっ!」 低い呻き声を漏らして、黒崎が果てた。肉槍がドクドクと脈打って、青臭い白濁液を美月に流し込む。熱い滴りを胎内に感じたのか、美月が涙を流しながら、子供がいやいやをするように、顔を左右に振った。 射精の余韻ではっきりしない頭をふりながら、黒崎はなんとか立ち上がる。さすがに美月が心配になって目をやると、めくれたスカートの下に、下半身の白い肌が目に入った。美月は放心したように力の抜けた両脚を半ば開いたまま、陵辱されたばかりの秘処を晒けだしている。獣欲を受け入れた直後にも関わらず、ぴったりと合わさった淫肉の裂け目からは、ピンク色の粘液が溢れ出していた。 淫靡な光景だった。美月が嗚咽を洩らすたびに、亀裂から血を吸った精液が流れ出し、アヌスまで覆っていく。それを見て、空気の抜けたゴム風船のように萎んでいた肉塊が、再び硬さを取り戻すのを感じる。 「せ、先生、痛い……」 助けを求め、美月が呻き声をあげた。しかし黒崎の返事は無い。今や天を向くほど回復した肉茎を握りしめ、舌なめずりをしてる。 「先生?」 美月が上半身を起こそうとした時、再び黒崎の身体が覆い被さった。自分でも驚くぐらいの手際の良さで彼女の両腕を背中に回し、自分のベルトで一つに縛る。 「なに? い、いやよ! もう、許して」 自由を奪われた恐怖で、美月の大きな瞳が怯える。そのまま彼女を無視して放っておくと、黒崎は自分の机からデジタルカメラを取り出す。床に転がる半裸の美月にゆっくりとレンズを向け、シャッターを切った。 「写真はやめて!」 フラッシュの強烈な光を浴びて、美月が慌てて顔を背けるが、すでに遅い。デジカメのモニターには、美少女の泣き顔がはっきりと記録されていた。這いずって逃げようとする美月の身体を足で押さえつけ、黒崎は次々シャッターを切っていく。全身をくまなく取り終わると、その中から剥き出しの股間と、顔が同時に写っている一枚を選び出し、背面のモニターに呼び出した。 「これをみんなに見せたくはないだろ?」 デジカメを美月の鼻先に突きつけ、甘い声で囁く。とても正視できるような写真ではなかった。ましてや被写体は自分自身である。美月は慌ててうなずいた。 「誰にも見せないでください。どんなことでも先生の、言うとおりにしますから、お願い」 「よし、わかった。この写真は、先生と小笠原の秘密にしておいてやる」 恩着せがましい黒崎の言葉だが、それでも美月が安堵の表情を浮かべた。その髪を撫でながら、黒崎が猫なで声で続ける。 「その代わり、お前は先生のものだ。先生がやりたいと言ったら、いつでもどこでも、股を広げるんだ」 「!」 教師の言葉とは思えない要求に、美月が大きな目をさらに大きく見開く。その顔をがっちりと押さえつけ、まだ血と体液で濡れている肉の凶器をこすりつけながら、黒崎は引導を渡した。 「わかったなら、返事の代わりにこいつを舐めるんだ。その後で、もう一度、あそこに突っ込んでやる」 美月の大きな目から、涙がこぼれそうになる。それでも黒崎の言葉を受け入れ、操り人形のようにゆるゆると身体を起こして、表情を無くした顔を黒崎の股間に埋めた。 |
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| よくも露見しなかったものだと、今でも不思議に思う。もし誰か他の教師が、数学準備室から漏れ聞こえる美月の悲鳴を聞きつけたら、その後の二人は無かっただろう。それが幸運だったのか、不運なのか、黒崎自身、今でも判断に迷っていた。 その日から黒崎は美月の柔らかな淫肉に溺れた。朝礼前に屋上に呼び出し、青空の下で犯した。休み時間には、学校のトイレの狭い個室の中で後ろから貫いた。手錠で自由を奪い、素っ裸で真夜中の公園を引きずり回したこともある。休みの日にはホテルに連れ込み、縄で縛って半日犯し続けるのが常となっていた。 はじめて玩具を使って嬲ったのは、黒崎が住むマンションだった。さすがに激しく抵抗したので、デジカメの写真の中から顔が写っていないものを何枚か選び、その場でインターネット上の掲示板に公開した。次に逆らったら顔が写っている写真を公開すると脅したら、泣きながら許しを請う。罰として、コンピュータに表示された自分のヌードを見ながら、バイブレータで自慰するよう命じた。はじめは嫌がっていた美月だが、すぐにモーターの作り出す微妙の動きに反応しはじめ、最後には自分から腰を振ってバイブを突き立てる。その姿はビデオに撮っておいて、嫌がる美月に繰り返し見せた。 自分のどこに、こんなにも淫虐な血が流れていたのか黒崎は何度も疑問に思い、今まで知らなかった自分自身に恐怖した。その恐怖を追い払うため、さらに美月に淫靡な行為を強いる。今や美月をいたぶっている時だけが、自分を取り戻せる時間だった。 チュパ、チャパと、美月の唇がペニスをしゃぶる音を聞きながら、黒崎は白昼夢を見ていた。この一月で、美月に加えた陵辱の数々を思い返している。淫靡な思いでの中で、何か引っかかるものがあった。 (吸血鬼? ああ、そうだ、美月は吸血鬼の夢を見るんだと、クリスティーナに相談されたのが、ことのはじまりか) ようやく納得して、股間で必死に顔を動かす美月を見下ろす。自慰を強制されながらの口唇奉仕で、すっかり頬が上気してる。乱れた黒髪から覗く白い首筋に、紅い痣が二つ見えた。 (痣? 何かに噛みつかれた、痕?) 「先生……」 囁くような美月の声で、思考が中断された。 「あ、ああ、何だ?」 「お口でのご奉仕、まだ続けますか?」 時計を見ると、いつの間にか三十分以上経っていた。美月の小さな唇からは涎が筋を描いて垂れ落ち、色素の薄い大きな瞳が潤んでいる。さすがに疲れたのだろう。だが、わざと意地悪く応じる。 「自分でいじってて、指だけじゃ我慢できなくなったのか? それならば頼み方があるだろ?」 美月の腕を捻りあげて、今まで秘裂を責めていた指先を目の前に持ち上げる。黒崎の言葉通り、細く白い指先は、粘りけのある透明な液体でべっとりと濡れいていた。自分の愛液を見せられるのは、美月が最も嫌がる行為だ。身体に潜む淫乱な獣を暴かれるようだと、耳たぶまで真っ赤に染める。 「……い、入れてください」 「あ? 何を、どこに入れるんだ? ちゃんと言わないと、朝まで舐めさせるぞ」 「美月の、おまんこに、先生の、おちんちんを、入れてください」 あらかじめ黒崎に教えこまれたとおり、やっと聞き取れる声でそこまで言い終わると、美月はスカートを手繰り上げて床に手をつき、腰を高々と持ち上げる。見事な雪白の臀部が露わになり、二つの丘の間では、秘肉が紐のような下着を喰い込ませている。 たちまち黒崎の脳裏から、吸血鬼だの悪夢だのといった戯言が消え去った。しばらく白磁のような腰を撫でまわした後、下着に指をかけて美月の薄いセピア色をした菊花と、薄桃色の肉花弁を晒し出す。自らの指の刺激によって溢れ出た淫蜜で、二つの淫花はすでに十分濡れいる。口に溜まった唾を飲み込むと、黒崎は美月の中心に向かって腰を落とした。 「あっ!」 肉と肉が触れあう感触に、美月が小さな悲鳴をあげる。かまわずに腰を押さえつけ、ペニスを狭い肉洞内に押し進めた。 ヌチャッ と、いやらしい音をたて、薄い肉襞が絡みつく。最深部で一端動きをとめて、熱く煮えたぎった肉壷の感触を楽しんでから、腰を動かしはじめた。 「いやっ、先生、まだ、動かないで。はぁ、はぁ、ダメ、あっ、そこ、突いちゃ、いや」 美少女の唇と舌による愛撫を受けた黒崎のペニスは、そう長く保ちそうにない。そこでゆっくりと、しかし子宮口に届くほど奥まで貫いていく。たちまち淫口を出入りする肉棒が、白い蜜でヌメヌメと妖しく光る。 「い、いい。そこ、すごくいいの。先生、もっと、もっと」 美月が黒崎の動きに同調して、腰を動かしはじめた。ミルクを塗したような媚肉から、熟れすぎた南国の果実のような甘酸っぱい匂いが立ち上る。濡れた唇から荒い息が漏れ、鳶色の瞳が押し寄せる淫楽で妖しく光っている。 「あぐっ! ああん、ああーーっ!!」 声を上げて、美月の身体が床に崩れ落ちた。 「ぐっ、ううっ」 その後を追うように、黒崎のペニスから白い飛沫が発射され、青臭い腐臭を放つ体液が、丸みをおびた美尻を汚していく。 「熱い、先生、熱いの……」 うなされたように呟く美月の脇に、黒崎も両膝をつく。絶頂の余韻から肩で息をする二人には、人が入ってきた気配に気がつく余裕がなかった。 「あなたたち、何してるの?」 黒いスーツ姿のクリスティーナが、教室の入り口に立っていた。いつから見ていたのか、教師と女生徒の演じる痴態に、彫刻のように美しい顔が凍り付いている。 「いやーーっ!」 クリスティーナの顔を見た美月が悲鳴を上げ、教室の隅に逃げ込んだ。そうすれば消えて無くなれるかのように、膝を抱えこんで、背中を丸めている。 「お願い、先生、見ないで! 見ないでください、こんなとこ、見ないで……」 泣きわめく美月と対照的に、黒崎の思考は冷静だった。見られた以上、方法はひとつしかない。幸い、というか、相手は密かに憧れていたクリスティーナだ。 「クロサキさん、説明してください。教室で何をしてるのですか?」 「見ればわかるでしょ。セックスですよ」 美月の元に駆け寄って、震える肩を抱きしめるクリスティーナに、唇の端を上げて見せた。そのいやらしい微笑に悪意を感じ、クリスティーナが柳眉を逆立てる。 「勘違いしないでくださいよ。小笠原がここでしたいって言い出したんだ。その証拠に、そいつの格好を見てみなよ」 黒崎が指さした美月の足首には、まだ下着が引っかかっていた。しかしそれは下着と呼ぶには、あまりに淫らな代物だ。 「ミツキ、本当なの?」 「違うんです、黒崎先生に、写真を撮られて、脅されて、それで無理矢理……」 嗚咽をこらえてそこまで言うと、美月はクリスティーナの胸に顔を埋めて泣き出してしまった。 「写真って、これか?」 抱き合う二人の足下に、黒崎が美月の写真を放り投げた。全裸の美少女はこれ以上ないほど両脚を開き、恥じらいの谷間に指をかけて、レンズの前に内蔵までさらけ出している。犯された後に撮影されたのか、淫口からは白濁液が筋を引いて溢れ出していた。 「クロサキ! 今すぐミツキの写真を渡しなさい! 全部です!」 写真を見たクリスティーナの顔色が青ざめ、次の瞬間、怒りで紅潮した。 「はは、先生は怒っても美しいなあ。まあ、クリスティーナが言うことを聞いてくれるなら、渡してもいいけど」 「本当ですか?」 黒崎は内心でほくそ笑んだ。ここまで来れば後一押しで、クリスティーナも自分のものになる。 「まず、着ている服を脱ぐんだ」 「!?」 クリスティーナは一瞬、自分が何を言われているのか理解できないようだったが、すぐに激しい怒りの表情で黒崎を睨みつけた。自分が言うとおりにしなければ、黒崎が美月の写真を容赦なく公開することは、容易に想像がつく。クリスティーナは唇を噛みしめ、着ているものを脱ぎはじめた。 スーツの上着を脱ぎ捨て、ブラウスのボタンに手をかけていく。フリルで飾られた黒い下着に包まれ、たわわな胸の膨らみが顔を出す。はち切れんばかりに実った乳房にブラジャーが食い込み、胸元に深い谷間を作り出している。クリスティーナはしばし躊躇の後、スカートの留め具をはずして、細くくびれた腰から滑り落した。下には、やはり黒のパンティとレース編みのストッキングを身に付けている。すらりと伸びた筋肉質の脚に、セクシーな下着がよく似合う。さすがにそこでクリスティーナの動きが止まった。右手で胸を、左手で股間を隠して、立ち尽くしてしまう。その姿はいつか美術館で見た、ギリシャ神話の女神のようだ。 (すばらしい……) あまりの美しさに、黒崎は言葉を失った。先ほど放出したばかりのペニスも、青筋が浮き出るほど回復している。 暗くなった教室に美月のすすり泣く声だけが響く。その声を聞いて意を決したように、クリスティーナが下着を脱ぎはじめた。重力に反して張り出した巨大な肉球の上で、薄紅色の突起がつんと上を向いている。股間を飾る逆三角形は、肩に掛かった髪と同じく金色の繊毛だ。薄い茂みの下には、肉の亀裂がかいま見える。黒崎はこれ以上我慢できなかった。クリスティーナの元に駆け寄ると、一気に押し倒し、両腕を床に押さえつける。 「ひっ!」 悲鳴を上げるクリスティーナの胸に顔を埋め、乳首を舌先で転がす。脂ののった肌は舌に張り付くようで、慣れ親しんだ美月の若い肌と比べようもない。甘い汗の味が口中に広がるにつれ、股間の肉鞭が脈打つ。 異常な性行為に、どうやらクリスティーナも感じはじめているようだ。息づかいが荒くなり、頬がうっすらとピンク色に染まりはじめている。試しに両腕を解放しても、クリスティーナは全く抵抗しない。試しに股間に手をやってみると、淫裂から溢れ出る、熱いぬめりが指先に絡みついた。 「あうっ!」 クリスティーナが辛そうな声を上げる。黒崎の指先が、敏感な肉芽を探り当てたのだ。固くしこった肉の突起に微妙な振動を与えると、狂ったように腰を振る。 そのまま指でいかせてもよかったが、黒崎の方もが限界にきていた。うっすらと腺液で濡れた淫欲の先端で、クリスティーナの秘所を舐め回す。すぐに肉襞の中、淫口はすぐに見つかった。黒崎は迷わず腰を進める。蠢く肉襞の一枚一枚が、肉茎を優しく包み込んだ。 下半身を溶かすような快感に突き動かされ、両手で乳房を揉みしだく。クリスティーナの巨大な乳房は、黒崎の手に入りきらない。水を入れたゴムまりのように柔らかな白い肌が、指の間からこぼれ落ちた。 ペニスから脊髄をさかのぼり、脳をとろかすような、生まれて初めて経験する快感だった。黒崎は何もかも忘れ、ひたすら腰を振る。 「クロサキさん、ヴァンパイアは見つかった?」 腕の中で、クリスティーナが唐突に囁いた。 「吸血鬼? ああ、小笠原の夢の?」 「ふふふ、その様子だと見つけられなかったみたいね」 惚けたようにクリスティーナの淫肉を味わいながら、クリスティーナの碧の瞳が何も映していないことに、黒崎はいま気がついた。まるで地獄に続く穴のようだ。 「吸血鬼は人の血を飲む。だけど血にも優劣があってね。人の欲望が練り込まれ、熟成された血が好物なの。時には人の心を操って、そういった血を創り出すのよ」 「な、何にを、言ってるんだ?」 背骨に氷を当てられたような不安に駆られ、クリスティーナの身体から離れようとしたが指一本動かない。急速に冷めていく淫欲とはうらはらにペニスは固くいきり立ち、自分の意志とは関係なしに激しいピストン運動を続けている。 「まだわからないの。私がそのヴァンパイアよ。美月は獲物を呼び寄せる囮。さしずめあなたは、罠にかかった小鳥ね」 「そんな、馬鹿な。そ、そうだ、昼間だって、平気だったじゃないか」 黒崎は学校でクリスティーナと何度も会っている。吸血鬼の伝説によれば、彼らは日光を嫌うはずだ。少なくとも昔見た映画では、そうなっていた。 「確かに陽の光は苦手よ。でも建物の中ならば、耐えられないほどでもない。昼間私が外に出るのを、見たことがあったかしら?」 そう言われてみれば、クリスティーナは誰よりも早く職員室に出勤し、日が暮れてからでなければ退室しなかった。 「私たちにとっては便利な迷信よね。そのおかげで、この数十年、誰にも疑われたことがなかったわ」 そう言ってクリスティーナが微笑むと、官能的な紅唇の奥に真珠色をした牙が見えた。 「よくやってくれたわね、美月。この男の血、嗜虐の悦びと暗い淫欲で、とっても美味しそう」 「ありがとうございます」 顔を蒼白にした美月が、本当の主人に対して深々と頭を下げた。その言葉とは裏腹に、沈痛な表情を浮かべている。 「小笠原、助けて……」 黒崎は一縷の望みを掛けて、美月に助けを求める。だが返ってきたのは沈黙だけだった。 「諦めなさい。さんざんあの娘で、いい思いをしたんでしょ」 クリスティーナの美しい顔が近づいてきた。口元からこぼれた吐息の甘い香りが、黒崎の鼻孔をくすぐる。黒崎が最後に見たのは、青白く光る二本の鋭い牙だった。 |
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| 美月がまた泣いている。このくだらない男を私に差し出したことを後悔しているのだ。この国に渡ってきて間もなく、私は彼女を我が眷属に向かい入れた。それから六十年以上経つというのに、いまだに人間だった頃の倫理を引きずっている。 しかしいずれは、吸血鬼としての自分を確立するだろう。時間は問題でない。私たちは時の流れの外に生きる存在なのだから。吸血鬼として成熟するそれまでの間、彼女には媒鳥の役を務めてもらことにしよう。 さあ美月、泣くのはおよし。次の獲物を見つけに行くとしましょうか。 |
| 〈完〉 |
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