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「病気は友達」

「サルコイドーシスの病因ついに解明か!」
サルコイ通信 ---通算144号---「病気は友達」---第38号---
     2004年 5月22日配信
======================Headline===============================

◆「サルコイドーシスの病因ついに解明か!!」  
■【サルコイドーシスの病状と経過】

======================Headline===============================

 みなさんこんにちは。お元気ですか。
 最近は天気は予報で言っていましたが、梅雨の走り、のような天候だと
言うことです。皆さんも体調には十分注意してください。

 先日医師をしている友人から「サルコイドーシス」の病因が解明された
というニュースがあるよ、という知らせを受けました。
 日頃の生活でどこまでが「サルコイドーシス」のよるものか、分からな
いことも多いのですが、病因が分かるということはビッグニュースです。
 新聞に掲載された記事を引用させて頂きたいと思います。

 サルコイドーシスでない方は、今日のお話しは読みづらいかも知れませ
ん。どうぞ読み流してください。

------------------------------------------------------------

 従来,サルコイドーシスは原因不明の疾患とされてきたが,近年の研究
により,Propionibacterium acnes(P.acnes)に対する遅延型アレルギー反
応に基づく内因性感染症と考えられるようになり,新たな治療法の開発が
期待されている。仙台市で開かれた第42回日本呼吸器学会(会長=東北大
学大学院老年・呼吸器病態学・佐々木英忠教授)においてシンポジウム「
サルコイドーシス」(司会=京都大学・泉孝英名誉教授,日本医科大学第
四内科・エ藤翔=教授)が持たれ,サルコイドーシスに関する最近の知見
が報告された。

   本態はP.acnesに対する遅延型アレルギー反応

 サルコイドーシスはリンパ節をはじめとする諸臓器に非乾酪性類上皮細
胞性肉芽腫が形成されるのを特徴とする。日本赤十字社医療センター病理
部の武村民子部長は,サルコイドーシスの病因および病理学的特徴につい
て述べ,サルコイドーシスではP.acnesが宿主側のさまざまな状況下で繰り
返し作用している可能性が示唆されると述べた。

   宿主の状況変化で繰り返される作用

 サルコイドーシスの病因については,1970年代に病変部リンパ節の嫌気
培養からP.acnesが80%近くの高率で検出された。またその後,武村部長
らの兵同研究者である東京医科歯科大学大学院病因・病理学の江石義信助
教授により,免疫組織学的にP.P.acnesの細胞壁成分リボティコ酸を認識
する抗体を用いてサルコイドーシスにおける肉芽腫やHamazaki−Wesenber
g(HW)体が陽性に染め出されることが明らかにされた。
 さらに,90年代になると,定量的PCR法により病変部リンパ節において
P.acnesのDNAが検出された。
 これらの結果から,最近ではサルコイドーシスの本態として,これまで
皮膚の常在菌として知られていたP.acnesに対する宿主側の遅延型アレル
ギー素因に基づく内因性感染症という概念が提唱されている。

 一方,病理学的には,類上皮細胞性肉芽腫の形成を特徴とするサルコイ
ドーシスだが,肺においては肉芽腫の大部分がリンパ管周囲に分布する。
 また,肺動脈や肺静脈の基部に形成された肉芽腫により血管壁の破壊を
伴う肉芽腫性血管炎が高頻度に認められる。さらに,肺胞壁にも肉芽腫の
形成がしばしば認められる。
 
 こうした肉芽腫は自然退縮する例が多いが,融合性のものや脈管侵襲を
伴う場合には巣状の線維化,気管支・血管束周囲の肺胞の虚脱による帯状
線椎化として残存する。少数例ではリンパ球・肉芽腫性胞隔炎が見られる
問質性肺炎のパターンを取る例もある。また,慢性例では上乗の収縮,蜂
巣肺を招来する。

 さらに,剖検例でしばしば新旧の肉芽腫が認められることを考え合わせ
ると,起因体であるP.acnesが宿主側のさまざまな状況で繰り返し作用し
ている可能性が示唆された,と武村部長は述べた。

         〜難治化対策〜
  NF−kB介するTNFaのシグナル伝達を制御

 自治医科大学呼吸器内科の坂東政司講師は,近年の免疫組織学,分子生
物学による基礎的検討を踏まえ,臨床から見た肺サルコイドーシスの坂東
政司氏難治化因子について概説。腫瘍壊死因子(TNF)αのシグナル伝達
を制御することにより,難治化に対する新たな治療法が見出される可能性
があると述べた。

   性酸素種やプロテインキナーゼがNF−kBを活性化

 サルコイドーシスの肉芽腫形成については,類上皮細胞,マクロファー
ジ,樹状細胞などと,Thl細胞,Th2細胞などとの免疫応答と相互反応メカ
ニズムが明らかになりつつある。また,肺の線維化過程には,肺胞上皮細
胞や血管内皮細胞,肺胞マクロファージやリンパ球などの炎症細胞,線維
芽細胞といった各種細胞,オキシダント,プロテアーゼ,サイトカインと
いった各種メテナィエータなどの関与が明らかになりつつあり,こうした
研究成果により肺の臓器障害や線経化の機序,あるいは難治化の機序が解
明されて,病状の悪化に関する早期予測の実現が期待ざれている。

 サルコイドーシス症例の難治化に関しては,気管支肺胞洗浄液(BALF)
中のTNFα高値群では正常値群に比べて病変の進行・再燃する症例の比率
が有意に高く,またIL−8やMIP−1αについても同様である。
 さらに,線経化の重要な因子であるTGFβに関しては,活動にかかわら
ず肺機能悪化例では,BALF中の活性型TGFβ,総TGFβともに増加してい
る(SalezF.ら,1997,1998)。

 これらのことから,サルコイドーシスにおいてはTNFαが,Tリンパ球増
殖,IL−2受容体誘導,Tし1,6,8,ICAM−1,iNOSなどの産生と誘導に
関与していること,線経化においては,肺胞上皮のアポトーシス誘導やTG
FβやPDGF産生増強に関与することが示唆されている。

 一方,TNFαのシグナル伝達にはNF−kBを介する転写活性の調節と制御
機構が存在する。また,このNF−kBは,TNFα以外にもサルコイドーシス
の病変進行に関与するIL−8やMIP−1などの転写活性をも調節・制御して
いる。さらに,NF−kBを介する転写活性の調節機構には,活性酸素種やプ
ロテインキナーゼが関与することが知られている。

 これらのことから,NF−kBを介するTNFαのシグナル伝達に関与する活
性酸素種ヤプロティンキナーゼを制御することが,肺サルコイドーシス
の難治化病態に対する新しい治療法となる可能性がある,と坂東講師は
述べた。

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 素人には読んでも余り意味は判らないのですが、原因が究明できたとい
うことは、大変な前進であると思います。

 とにもかくにも、自分の体内から発する声に耳を傾け、食事や睡眠にも
配慮して自分の身体は自分で管理するよう心掛けています。

五月は気温の変化も激しいので皆さんも体調には十分注意してください。



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■【サルコイドーシスの病状と経過】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 4月に無理をした疲れが出ましたが、ようやく落ち着いてきました。
ただ2ヶ月くらい前から、正座が出来ない状態です。正座すると右足に痛
みが走り、続けていることができません。

 もう少し様子を見てみようと思います。鍼とか整体の治療にいった方が
いいのかも、などと考えています。

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「治癒について」
サルコイ通信 ---通算125号---「病気は友達」---第37号---  
   2002年 3月24日配信
 みなさんこんにちは。お元気ですか。
 最近の山陰地方は連日の黄砂に悩まされています。せっかく車を洗車し
ても、ちょっと降った雨のあとはもう泥だらけです。先日、最近こちらに
引っ越してきたある知人が「いたずらで車に泥をかけられたかと思った」
といっていたほどです。とにかく経験してみなければ理解できない現象で
す。

 最近読んだ中で、医師でありカウンセラーでもある遠藤健市先生の文章
が目を引きました。今日はそれをご紹介したいと思います。


 人は苦難にあったり難病にかかったりすると、「なぜ私がこんなことに
」という問いを発します。病原菌、生活習慣、食べ物が悪かった、先祖の
因緑…。病気にはいろいろな原因が考えられます。
 人の発想の仕方は大きく二つに分けることができます。外的な方向性と
内的な方向性です。病気の原因について外的な方向性で考えれば、環境、
遺伝、食事などを挙げることができます。内的な方向性は、その原因を自
分やその内面におこうとする場合です。難しい病気と対する場合には、そ
の両方のバランスが必要になるのではないかと思います。

 命が脅かされるほどの難病に自分が侵されていると知らされたとき、心
の中には様々な思いが湧いてきます。哀しみ、「なんでこんなことに」と
いう怒り、落ち込み、現実を認めたくない気持ち…。しかし、心の底には
「何とか治りたい」という思いがあるはずです。
 医学的にはほとんど治療困難というタイプの白血病から回復したり−ド
・ヘンソンという人がいます。「長くもってあと数年」という診断をうけ
たときはさすがにショックが大きかったのですが、彼は治るためにできる
限りのことをしようと思い、必死にその方法を探求しました。医学的な
治療も大切にしながら、心理療法に重点をおいた癌の治療プログラム、ヒ
ーラーによる心霊治療などに参加したり、それらの分野の専門家と積極的
に交流したりしました。また、医学的には効果が確認されていないビタミ
ン剤を利用したりもしています。

 多くのものの中から、自分に合うと実感したものを取り入れながら、自
分の内面に対する気づきを深めていきました。それまでの自分はまるで全
てを把握していなければならないように思い込んでいたことに思い当たり
、人を非難しがちであるという癖も和らげようとしていきました。また、
宇宙全体は愛に満ちているという実感を得るようになっていきます。

 ある時、彼は非常に深い心霊的な体験をします。父親を責めたいという
気持ちを解決しようとイメージの中で父親と対話していました。そして突
然、「父に愛されていない」という誤解をずっと抱いていたことに気づき
、泣きじやくり始めます。「どうしてこうなる必要があったんだろう?」
とつぶやいていると、日常とは違う心の状態になり、次のような言葉が心
の中から現れたとのことでした。

 そんなふうになる必要などどこにもなかったのです。
 これはあなた自身が選んだ道なのです。
 今あなたが流している涙は、あなたが誤った道をたどっている間、私が
 あなたの ために流してきた涙です。
 あなたが誤解してきたのは、父親との関係だけではありません。
 健康を求めるあなたの切なる祈りを確かに聞きました。それはやがて叶
 えられる ことでしょう。

 このような体験が病気の回復とどれだけの関係があるのかはわかりませ
んが、彼の心に大きな変革をもたらしたのは確かだと思います。
 人は、幼い頃から小さな心の傷をつくっているのだろうと思います。そ
の痛みから逃れるために「自分は愛されていない」とか「どうせ自分はダ
メ」というようなイメージを作ってしまったり、逆に他の人が許せないと
いう反応に陥ります。そのマイナス・イメージやストレスが次第に身体に
ダメージを与えるということがあるのでしょう。さらに、「こんなふうに
なってしまった自分が情けない」「家族に迷惑をかけて申し訳ない」とい
うように、病気でつらい思いをしているはずの自分を責めてしまうという
ことにもなりがちです。

 幼い頃からのつらい思いを人知を超えた存在が胸を痛めながら分かち合
い、見守ってくれていたのだと気づいたことは、心のひずみを解放し、本
当に自分は大切な存在なんだという実感を高めたはずです。そして、自分
本来の治癒力を回復させることにつながったのではないかと感じるのです。
 もっとも、自分のイメージと深く関わる能力や体質・気質などには個人
差があり、ヘンソン氏のような体験は得にくいタイプの方もいらっしやる
かと思います。それでも、今の自分にとって重要な心の動きというものは
あるはずですし、見直さなくてはならない人間関係があるのかもしれませ
ん。その間いにできる限り前向きに取り組めたらと思いますし、周囲の方
々もそれを支えることができたら、と思います。それは同時に、病気が治
るか治らないかという問題を超えて、人がより良い一生を送り、終えてい
くために大切なことではないかとも思います。

*文中引用『がん治癒への道−サイモントン療法の新たな展開−』O・力
−ル・サイモントン他著 (堀雅明ほか訳)創元社


 以上が引用です。
私も病気になった初めの頃は、「どうしてこうなったのだろう。何か良く
ないことをしたのだろうか」とか、いろいろ考え、自分を責めたりもしま
した。
しかし今は、「自分がやりたいと思うこと、大切に思うこと」に全力を注
ぎ、一日一日を大切に生きていきたいと思っています。


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「シュバイツァー博士のこと」
サルコイ通信 ---通算120号---「病気は友達」---第35号---
2001年12月 1日配信
 みなさんこんにちは。お元気でいらっしゃいますか。
今日からいよいよ12月です。今年もあともう少しですね。今朝のニュー
スでは雅子様の入院、ご懐妊近しのニュースが大きく取り上げられていま
した。暗いニュースが多い中で久々の明るいニュースです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■「シュバイツァー博士のこと」     ー病気は友達ー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回もノーマン・カズンズ氏の「笑いと治癒力」という本から引用さ
ていただきたいと思います。

 アルバート・シュバイツァーはいつも、自分がどんな病気にかかろうと
、一番いい薬はすべき仕事があるという自覚にユーモアの感覚を調合した
ものであると信じていた。彼はかつて、疫病神は私の体内ではあまりいい
もてなしをしてもらえないから、さっさと立ち退くようだと冗談を言った


 シュバイツァー博士の本領は目的の意識と創造力とだった。彼の多面的
な才能と興味とを力づけるものは、自分の精神と肉体を生かして使おうと
いう、奔流のような内部の要求だった。ランバレーネでの病院で働いてい
る彼を見ていると、人間の目的の意識が超自然の域にまで肉薄しているの
を見る思いがした。彼は90歳を越えた後も病院における日課として、診
療をし、回診をし、力のいる大工仕事をし、重い薬の荷を運び、毎日おび
ただしい数の手紙を処理し、ひまを見て執筆中の原稿に向かい、またピア
ノを弾いた。

 「私は死ぬつもりはないんだ。仕事ができるうちはね。そして仕事をし
ていれば、何も死ぬ必要はない。だから私はうんと長生きするよ」とシュ
バイツァーは職員達に話したことがある。
 そしてその通り長生きしたー95歳まで。

 親友のパブロ・カサルスと同じく、アルバート・シュバイツァーも、一
日としてバッハを弾かない日はなかった。彼の最も好んだ曲は「トッカー
タとフーガニ短調」であった。この曲はオルガンのために書かれたものだ
。しかしランバレーネにはオルガンはなかった。あるのは二台のピアノだ
け。両方ともたて型で、大変な古物だった。湿気の立ちこめる熱帯の気候
のために、そのピアノは原形をとどめぬほどに損じていた。もう何年も調
律されていなかったが、たとえ調律されたとしても、すぐまた元通りに狂
ったことだろう。
私は病院を最初に訪問したときに、このピアノの前に腰掛けて弾きかけた
が、とんでもない、おかしな音色に驚いて、手を止めた。それなのに驚い
たことに、シュバイツァーは毎夜の夕食の時、それで讃美歌を弾くことが
でき、彼にかかるとそのピアノもおんぼろとは思えない音色を出すのだっ
た。音楽は彼の薬だった。

 しかし音楽だけが彼の薬ではなかった。ユーモアもそうだった。
シュバイツァー病院での生活は、若い医師や看護婦にとって、決して生や
さしいものではなかった。シュバイツァー博士はそれをよく承知していて
、彼らの精神に養分を補給することを自分の努めとしていた。職員の会食
の時には、シュバイツァーはいつも食卓でおかしい話と一つ二つ披露した
。食事の時の大笑いはあそらく最も大切な献立の一つになっていた。職員
達が彼のユーモアの妙味で生気を取り戻すのを見ていると実におもしろか
った。

 例えばある日の食事の時、シュバイツァー博士は職員達に次のような
告を行った。「諸君も皆ご存じのように、病院から75マイル以内には自
動車は二台しかない。今日の午後、不可避的な事件が起こった。その二台
が衝突したのだ。われわれは二人の運転手のかすり傷に治療を施した。
機械の信者はどなたでも車に治療を施されてよろしい」

 若い医師や看護婦達がその夜食卓から立ち上がったとき、みんな食物の
せいだけでなく、食卓の気分によって元気を取り戻し、上機嫌になってい
るのが、私にはよくわかった。シュバイツァー博士も、食堂に入ってきた
時には、ありありと疲れの色を見せていたが、もうそんなものは跡形もな
く消えて、次の仕事に立ち向かう気迫に変わっていた。
 ランバレーネでは、ユーモアが重要な栄養分だった。


 以上が引用文です。
シュバイツァー博士はとても有名になられたのですが、もし有名にならな
かったとしても、上記のような生き方は変わらなかったのではないかと思
います。

 自分が必要とされる仕事があって、そこに情熱を傾け、しかも明るく周
囲に喜びを与えることができたなら素晴らしいですね。
小さなことでもいいから、「必要とされる」何かを見出して役に立ってい
きたいものです。

 寒くなってきました。我が家では八畳の部屋には二つのストーブを用意
しました。この威力で今年の寒さへの武器にしたいと思います。
 皆さんも風邪など引かれませんように。


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■ ☆★プレゼントのお知らせ★☆
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 少し遅れていますが、もう少ししましたら、第11回プレゼントの募集
をはじめる予定です。
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「パブロ・カサルス」
サルコイ通信 ---通算119号---「病気は友達」---第34号---
2001年11月17日配信
 みなさんこんにちは。お元気でいらっしゃいますか。
ストーブの暖かさがうれしい季節になりました。この頃になりますと、こ
ちらでは、一日のうち何回も空模様が変わる日が多くなります。
絶えず北西の季節風が吹き、晴れていたかと思えばにわかに曇って、激し
く雨が降ったり、また止んだり曇ったりと、おおいそがしです。

 第十回プレゼントは締め切らせていただきましたが、今回の当選は「え
りママ」さんでした。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■「パブロ・カサルス」       ー病気は友達ー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回もノーマン・カズンズ氏の「笑いと治癒力」という本から引用させ
ていただきたいと思います。


 私がはじめてカサルスに対面したのは、プエルト・リコの彼の自邸で、
カサルスは後わずか二、三週間で第90回目の誕生日を迎えるところだっ
た。私は彼の毎日の日課に大きな興味をそそられた。大体午前8時頃、若
く美しいマルタ婦人が彼の朝の支度を手伝う。カサルスはさまざまな疾患
があって、自分で衣服を着ることが難しかった。
 彼のおぼつかない歩きぶりと両腕の伸ばし方から見て、病気は多分リュ
ウマチ性関節炎だろうと私は推察した。肺気腫にも罹っていることは、そ
の苦しそうな息づかいで明らかだった。
 カサルスはマルタ婦人の腕にすがって居間に入ってきた。ひどく腰が曲
がっていて、首を前につきだし、足を引きずって歩いた。両手はふくれ、
指は曲がっていた。

 カサルスは朝飯の食事は見向きもせずに、ピアノのところへ行った。そ
れが毎日の決まりなのだそうだ。彼はいかにも不自由そうにピアノの前の
椅子に腰を下ろし、ふくれて曲がった指をやっこらさとピアノの鍵盤の上
に持ち上げた。

 すると私の思いもかけなかった奇跡がそこに起こった。カサルスの曲が
った指が少しずつ開いて、まるで植物の芽が日光の方に向かって伸びるよ
うに鍵盤へ伸びた。彼の背もピンと真っ直ぐになり、息遣いもずっと楽に
なったように見えた。指がピアノの鍵盤の上に落ち着いた。すると深い情
感がこもり、しかも見事なコントロールのきいたバッハの「平均律クラヴ
ィヤ曲」の最初の小節が流れてきた。わたしは、カサルスがチェロを選ぶ
以前に、数種類の楽器に練達していたことを忘れてしまっていた。カサル
スはピアノを弾きながらハミングで曲を口ずさみ、それから「バッハが私
のここに呼びかける」と言って、片手で心臓の上を押さえた。

 と思うと、彼はいきなりブラームスのコンチェルトに入ったが、その指
はもう素早く、力強くなり、目もくらむような速度で鍵盤の上を走った。
彼の全身はさながら音楽と溶け合ってしまったようだった。こわばり縮ん
でいたいままでの姿はどこへやら、いかにもしなやかに優雅に変わって、
関節炎の患部もまったく苦にならないようだった。

 ブラームスの曲を弾き終えると、彼は一人で立ち上がったが、居間に入
ってきたときに比べて、姿勢もはるかに真っ直ぐで身の丈も高くなってい
た。今度は少しも足を引きずったりしないで、朝食の食卓へ歩いて行き、
元気よく食べ、賑やかに話し、食事が済むと海岸へ散歩に出掛けた。

 私は奇跡を見た。もう90歳近くで、種々の老年障害に悩まされている
人が何よりも大事な仕事があると知ると、少なくとも一時的には、苦しみ
を払いのけることができたのだ。その奇跡の起こり方には、神秘めいたと
ころなどなかった。それは毎日起こることなのだから。パブロ・カサルス
にとって、創造力こそ自分独特のコルチゾンの源泉だった。彼がどんなに
抗炎症薬を服用したとしても、それが彼の精神と肉体との相互作用で作り
出される物質程に強力で、安全であったかは疑問だ。

 カサルスの身体は華奢で、虚弱に近かったが、精神と創造力にかけては
、人並みはずれた巨人だった。彼の態度は明るく、思いやり深く、友人や
訪問客の用件や問題にすぐ親身になって打ち込める人で、人に対する応対
はゆったりと心がこもっていた。


 以上が引用です。
東京にいたとき、何度か、カザルスホールに行って、演奏や声楽を聴いた
ことを思い出します。

 人間の創造性による力は偉大ですね。
人間の創造力や情緒が、肉体にもたらす力の大きさに驚きました。
 家内のお父さんは満91歳になられますが、つい最近まで仕事を続けて
おられました。地元の歴史や考古学のことをやってこられたからでしょう
か。今まで積み重ねてこられたものは、どんなに年齢を重ねても、体力が
続く限り貴重な人材となっておられるのを感じます。

 人生において、そのような創造力を培うことができた人々は幸いだと思
います。しかし、たとえそのような機会に恵まれなかったとしても、フラ
ンクル教授の言葉ではありませんが、人生において「生きる必要」を見出
すことができていれば、私たちの身体はそれにこたえて最大限その能力を
発揮してくれるのではないでしょうか。

 今日も気持ちを前向きにして、周囲の人に役に立てるよう元気に出発し
てゆきましょう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━
■【サルコイドーシスの病状と経過】
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 寒くなってからときどき咳がでます。いつもの年でしたらインフルエン
ザの予防接種をするところですが、今年の一月のサルコイ通信「病気は友
達」に載せましたように、しばらく予防接種を続けてきましたが、今年は
見合わせようと思っています。

 うまくいけばいいのですが、風邪を引かないよう注意しながら、生活し
ています。


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 第十回のプレゼントの抽選も終わり当選者が決まりました。
山口の「えりママ」さんでした。
 喜びの声が届いています。

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「プラシーボ」
サルコイ通信 ---通算118号---「病気は友達」---第33号---
2001年11月10日配信
 みなさんこんにちは。お元気でいらっしゃいますか。
昼はそれほどでもないのですが、夜はかなり冷えます。我が家もついにス
トーブを出しました。風邪を引かないよう注意したいものです。今年は、
以前サルコイ通信でご紹介しましたが、インフルエンザの予防接種なしに
挑戦してみようと思っています。

 さて、今回もノーマン・カズンズ氏の「笑いと治癒力」という本から引
用させていただきたいと思います。

 プラシーボという言葉の起源はラテン語の動詞の「私は喜ぶだろう」と
いう意味である。そしてその古典的な意味は、明確に診断された器質的必
要性はないが、むしろ患者の気休めのために与えられる偽薬(通常本物の
薬のように見せかけた、無害の乳糖の錠剤)ということだ。しかし近年プ
ラシーボが最も頻繁に使われる用途は新薬のテストである。それはテスト
中の製剤の示した効果を、プラシーボすなわち偽薬の投薬後の効果と対照
して測定するのだ。

 何年か昔、わたしはガボンのジャングル地帯でアフリカの呪術医を実地
に見る機会に恵まれた。ランバレーネのシュバイツァー病院の晩餐の席で
私は何の気なしに、現地の住民達はシュバイツァー病院があるおかげで、
呪術医の超自然信仰に頼らずともすむ、幸運なことだと口走った。シュバ
イツァー博士は私に向かって、呪術医のことをどれだけ知っているかと尋
ねた。私は自分の無知の罠に落ちたのである。ーそして博士も、私もそれ
を悟っていた。
 その翌日、大先生は私を近所のジャングルの空き地へ連れて行って、「
私の同業者の一人」といって、年老いた呪術師を私に紹介した。うやうや
しく挨拶を取り交わしてから、シュバイツァー博士は、すまないが、この
アメリカの友人にアフリカの医学をみせてやって欲しいと頼んだ。

 それから二時間の間、私たち二人は脇に寄って、その呪術医のすること
を見ていた。呪術医はある患者に向かっては、薬草を茶色の紙袋に包んで
その用い方を指示するだけだった。別の患者に向かっては、薬草は渡さず
に、あたりに響き渡る大声で呪文を唱えた。第三の部類の患者に向かって
は、低い声で話して、シュバイツァー博士の方を指さした。

 病院への帰途にシュバイツァー博士は、その一部始終の説明をしてくれ
た。呪術医は、すぐに診断できるような諸々の症状を訴える患者には特別
の薬草を与えて、煎じて飲むようにと教えた。シュバイツァー博士は、そ
ういう患者の大半は器質性の障害ではなくて、むしろ機能性の障害だから
、すぐに直るだろうと見ていた。従って「投薬」は実は大して入用ではな
かったのだ。第二の部類の患者は心因性の軽症の病気だから、アフリカ式
精神療法を施したのだった。第三の部類の患者は著しいヘルニアとか、子
宮外妊娠とか、肩の脱臼とか、もっと重い肉体的疾患に罹っていた。その
多くは外科手術が必要だから、呪術医は目の前のシュバイツァー博士のと
ころへ患者を振り向けていたのだ。

 「私の上得意の中には呪術医がよこしてくれた人たちがいるんでね」と
シュバイツァー博士はほんのちらりと微笑をみせて語った。「だから私は
呪術医の悪口は決して言わないことにしている」

 私がどうして呪術医なんかに治療してもらって、すぐに治るようなこと
が起こるのか、その説明を求めると、シュバイツァー博士は、そんな問い
にはヒポクラテス以来、代々の医者が隠し続けてきた秘密を漏らせと言う
ようなものだと答えた。

 「しかしまあ教えてあげましょう」と博士はやはり例のかすかな微笑を
浮かべ続けた。
 「呪術医が治療に成功するのは、同業の私たち全てが成功するのと同じ
理由によるのですよ。どの患者も自分のなかに自分自身の医者をもってい
る。患者達はその真実を知らずに私たちのところにやってくる。私たちが
その各人のなかに住んでいる医者を首尾よく働かせることができたら、め
でたし、めでたしなんです」
 プラシーボは、その各人の中に住んでいる医者なのだ。


 以上が引用です。
わたしは、プラシーボという言葉をこの本を読むまで知りませんでした。
このプラシーボというものは、絶大な威力を持っているのですね。
私たちの身体の中には自分自身の医者をもっているののだということを知
りました。
 私たち自身がおのずからもっているその能力を医者が引き出してくれて
いるのですね。自分自身が持っている能力を如何に引き出すことができる
か、その役割をプラシーボが担ってくれていることがわかりました。

 強力な薬はさまざまな副作用を伴うことが多いのです。しかし、プラシ
ーボは副作用もなく、しかもそれらの薬に負けない効果を発揮することが
多いと筆者はいっています。

 医は仁術と言われてきましたが、プラシーボの効果は医師と患者との関
係がとても大切なのだそうです。私たちの身体は本当に不思議だと思いま
す。


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「積極的情緒」
サルコイ通信 ---通算117号---「病気は友達」---第32号---
2001年11月 3日配信
 みなさんこんにちは。お元気でいらっしゃいますか。
最近は夜など寒いくらいですね。もう少ししたら、こたつを出そうと思い
ます。サルコイ通信の読者の方から、ノーマン・カズンズ氏の「笑いと治
癒力」という本を愛読しているとメールを頂きました。
読んでみましたらなかなか興味深い本です。

 今日はその中からのお話しです。


 しかしともかく、私が重症の膠原病(結合組織の疾患)にかかっている
という点では意見は一致していた。全ての関節炎とリュウマチとはこの膠
原病の一種である。膠原というのは組織どうしを結合する繊維質のことで
ある。私は手足を動かすのも日自由で、ベッドの中で寝返りを打つことさ
えかなりむつかしかった。全身の皮下に砂利のような小結節が現れたが、
それはこの病気が全身性のものであることを示していた。病状が特に悪化
したときは、私は口を開くことさえおぼつかなかった。

 私はヒッツィグ博士(主治医)に全快の見込みはあるのかと聞いた。博
士は包み隠さず、専門家の一人が全快のチャンスは五百にひとつだと言っ
たことを私に打ち明けた。その専門家はまた、自分の経験ではこんな全般
的な症状から回復した例は見たことがないと話したという。

 そうヒッツィグ博士から聞いて、私は大いに考えさせられた。そのとき
まで私はどちらかと言えば、自分の病気のことは医者まかせという態度だ
った。しかしこうなってみると否でも応でも、自分で何とかしなければな
らないという気になった。その五百人中の一人になるつもりなら、当然の
こと、単に受け身の傍観者に甘んじていてはだめだと私は思った。

 私はヒッツィグ博士に、この病気の原因として考えられるものは何かと
尋ねた。
そこで私は発病直前の出来事を一所懸命思い出してみた。
私はいろいろと考えたことをヒッツィグ博士に相談してみた。博士は病因
に関する推測や、回復の障害を減らす手段についての私の素人考えにじっ
と耳を傾けていた。

 そして博士は、私の生への意欲の並々ならぬ強さがよくわかったといい
一番大切なのは私が自分の言ったこと全てに対する信念を失わぬことだと
励ましてくれた。博士はまた、回復の可能性について私と同じように希望
を持っており、博士と私の相互協力という考え方はまことに結構だといっ
た。

 私たちは、体内の化学作用増進法の一つとして、積極的情緒の完全発揮
を目指す計画を開始した。希望と愛情と信頼をもつことは難しくないが、
さて笑いとなるとどうしたものだろうか。
脊髄と関節の骨が一本残らず火がついたように痛みながらあおむけに臥せ
ているのは、おもしろいどころの騒ぎではない。そこで私は順序を立てて
計画を実行するように指図した。まず手始めは滑稽な映画がいいだろうと
思った。

 効果はてきめんだった。ありがたいことに10分間腹を抱えて笑うと、
少なくとも二時間は痛みを感ぜずに眠れるという効き目があった。
時には看護婦が、いろいろ集めてきたユーモアの本の中からあれこれと読
んでくれた。

 笑い(及び積極的な情緒一般)が私の身体の化学作用に好影響を及ぼし
ていると信ずるのは、どの程度科学的であろうか。
 そこで愉快な小話を聞く直前と、それから数時間後とに血沈の測定を行
ってみた。するといつも少なくとも5ポイント低くなっていた。その数字
の差自体はそう大きくはないが、しかしそれは持続的であり、累積的だっ
た。わたしは、笑いは身体の薬という昔からの説に病理学的な根拠がある
ということを知って、嬉しくてたまらなかった。

 この病気の経験全体から私が引き出した結論は何かと言えば、第一に、
生への意欲というものは単に理論的抽象ではなくて、治療的な特徴を持つ
生理学的実在だということだ。第二に、私の主治医はたまたま、医師の最
大の任務とは患者の生への意欲を最大限まで励まし力づけ、病気に対する
心身両面の自然の抵抗力を総動員させることだという認識を持つ人であっ
たが、それは本当に信じられないほどの幸運だった。

 現代の医師は強力な薬剤という、危険性を含む武器の膨大なストックを
握っているが、ヒッツィグ博士は、患者の方がそれに勝るものを持ち合わ
せているようだと納得したときには、すぐさまその武器を使う度量があっ
た。
また博士は、医療がいまだに未開拓の分野に挑む職業であることを知るだ
けの良識を備えた人でもあった。そして、確信はできないが、私の勘によ
ると、博士は私の回復の主な原因は患者本人が全面的に治療に関係し、そ
れに没頭したことだと考えているらしい。

 わたしはもう一つのことも学んだ。それは、たとえ全都がまったく絶望
的と思われる時でも、人間の心身の再生能力を決して過小評価してはなら
ないということだった。生命力というものは地球上で最も理解されていな
い力かもしれない。ウィリアム・ジェームズは、人類はともすれば、自分
で設けた枠の中に閉じこもって生き過ぎるといった。人間の精神と肉体の
双方に、生まれながらに完全性と再生を求めてつき進む力が備わっている。
われわれが自然の力にもっと十分敬意を払うようになったら、その枠がう
んと広がっていく可能性がある。。この自然の力を大切に守り育てること
こそ、人間の自由を最も見事に発揮する道かもしれない。


 少し長くなりましたが以上が引用です。
人間の生命力をはじめ、与えられた能力は偉大ものがあるのだと思います。
先日、家内のお父さんが危篤状態になり緊急入院されました。しかし持ち
こたえられています。周りの人たちもその生命力に驚いているそうです。
若いときは結核で入退院を繰り返されたのですが満91歳になられる今も
頑張っておられます。

 もちろん、強い信念と努力を重ねられても、筆者のノーマン・カズンズ
氏のようには回復はできなかった方々も多いに違いありません。しかし現
代の医療制度の中で、医者に任せきりだったり、さまざまな検査や薬に頼
らざるを得ないような環境の中で、人間自らがもつ生命力に目覚め、挑戦
されたノーマン・カズンズ氏の体験はとても貴重だと思います。

 私たちも自分自身の身体や、その生命力の偉大さを自覚し、ノーマン・
カズンズ氏の言われる、積極的情緒を取り入れていきましょう。
 そして、与えられた生命力に感謝し、その価値を発揮したいものです。


 今回仕事の都合や、体調のことがあって配信が遅れました。お詫び申し
上げます。



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「未来への生活目標」
サルコイ通信 ---通算112号---「病気は友達」---第31号---
2001年 9月  1日配信
 みなさんこんにちは。お元気でいらっしゃいますか。
 秋風が吹いて涼しくなりましたね。八月はお盆があり終戦の月だったか
らでしょうか、何度か「夜と霧」についての文章を目にしました。
2年ほど前に、「病気は友達」のコーナーで連載したことがあるので、覚
えておられるかもしれません。「夜と霧」という本は、自らユダヤ人とし
てアウシュヴィッツ収容所に囚われ、奇跡的に生還したフランクル教授の
書かれた本です。

 その中で、最近とても気がかりになっている一節がありますので、それ
をテーマに今日はご紹介したいと思います。

 それは、逆境にあっても未来の自分の姿を希望的に想像するというフラ
ンクル教授の試みでした。

------------------------------------------------------------
そこで私は一つのトリックを用いるのであった。突然私自身は明るく照ら
された美しくて暖かい大きな講演会場の演壇に立っていた。
私の前にはゆったりとしたクッションの椅子に興味深く耳を傾けている聴
衆がいた。・・・・そして私は語り、強制収容所の心理学についてある講
演をしたのだった。
そして私をかくも苦しめ抑圧するすべてのものは客観化され、科学性のよ
り高い見地から見られ描かれるのであった。

 これに対して一つの未来を、彼自身の未来を信ずることのできなかった
人間は収容所で滅亡していった。
------------------------------------------------------------

続いて次の文章をご紹介します。
------------------------------------------------------------
 1944年のクリスマスと1945年の新年との間にわれわれは、収容
所では未だかつてなかった程の大量の死亡者が出ているのである。収容所
の医長の見解によれば、それは過酷な労働条件によっても、また悪化した
栄養状態によっても、また悪天候や新たに現れた伝染疾患によっても説明
され得るものではなく、むしろこの大量死亡の原因は単に囚人の多数がク
リスマスには家に帰れるだろうという、世間で行われる素朴な希望に身を
委せた事実の中に求められるのである。

 クリスマスが近づいてくるのに収容所の通報は何ら明るい記事を載せな
いので、一般的な失望や落胆が囚人を打ち負かしたのであり、囚人の抵抗
力へのその危険な影響は当時のこの大量死のなかにも示されているのであ
る。

 既述の如く強制収容所における人間を内的に緊張せしめようとするには
まず未来のある目的に向かって緊張せしめることを前提とするのである。

 収容所生活のすさまじさに、内的に抵抗に身を維持するためには何らか
の機会がある限り囚人に、その生きるための「何故」を、すなわち生活目
的を意識せしめねばならないのである。

 何の生活目標ももはや眼前に見ず、何の生活内容も持たず、その生活に
おいて何の目的も認めない人は哀れである。彼の存在の意味は彼から消え
てしまうのである。そして同時に頑張り通す何らの意義もなくなってしま
うのである。
このようにして全く拠り所を失った人々はやがて倒れていくのである。あ
らゆる励ましの言葉に反対し、あらゆる慰めを拒絶する彼らの典型的な口
のきき方は、普通次のようであった。「私はもはや人生から期待すべき何
ものも持っていないのだ」これに対して人は如何に答えるべきであろうか。

 ここで必要なのは生命の意味についての問いの観点変更なのである。す
なわち人生から何をわれわれはまだ期待できるかが問題ではなくて、むし
ろ人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである。

 われわれが人生の意味を問うのではなく、われわれ自身が問われたもの
として体験されるのである。人生はわれわれに毎日毎時、問いを提出し、
われわれはその問いに、詮索や口先ではなくて、正しい行為によって応答
しなければならないのである。人生というのは結局、人生の意味の問題に
正しく答えること、人生が各人に課する使命を果たすこと、日々の努めを
行うことに対する責任を担うことに他ならないのである。
------------------------------------------------------------

 私たちは逆境の立場に立ったとき、自分は運が悪いとか、どこで道を間
違えてしまったのだろうとか愚痴をこぼしたり、人生に対して悲観的にな
ってしまったりしがちです。
 そして、年齢を重ねるほどその傾向が増すように感じます。

 フランクル教授は、そのようなときでも、 自分の人生に対して、自分
で判断してあきらめたりしないで、自分の未来を信じることがとても大切
であると言っておられます。
 自分の未来に対して夢や理想、目標などを思い描いていくことが大切で
あると。

 皆さんは未来に対してどのような夢や希望を描いていますか。
たとい私が人生に対して希望を失ったときでも、「私の人生」が逆に私に
問いかけてくるというのです。
 現在私が置かれている境遇のなかで、自身の人生をどのように演ずるか
を問い求めているというのです。
 意義ある人生にするように「私の人生」が私に対して求めているという
のです。

 そういった強い意志を持っていなければ、苦しいことの多い人生という
苦海の中で倒れてしまうと言っておられます。
 クリスマスが来れば解放があるのではないかと期待していた人々のよう
に。

 アウシュヴィッツとは比較はできませんが、人生を生きていく上にはた
くさんの苦難が待ち受けています。
 現代の高い失業率、不況、リストラなど、過去を振り返るよりこれから
の道を切り開いてゆかねばなりません。

そんな中にあっても、自分の未来を信じ大きな夢を描いて、現実に埋没し
ないよう、たくましく生きてゆきたいと思います。

 みなさんもいい夢を、大きな夢を思い描いてみては如何でしょうか。

 ではみなさん、来週もお元気でお過ごし下さい。


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 「第9回サルコイ君のプレゼント」の抽選を行いました。

 第十回のプレゼントは、今検討中です。

 少し準備期間をおいて次回のプレゼントの発表をさせていただきた
いと思います。お楽しみに。



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「内なる声を聴く」
サルコイ通信 ---通算100号---「病気は友達」---第30号---
2001年 5月 26日配信
 みなさんこんにちは。お元気でいらっしゃいますか。
 しばらく雨が降らない夏日が続いていたのですが、最近になって、ひと
たび降り出した雨は、毎日のように続き、このまま梅雨になるのではない
かという気さえします。

 私もいまの病気になって少し経った頃から、自分で自分の身体の調子を
チェックするように心掛けています。

 今日は、五木寛之さんの「大河の一滴」からのお話しをご紹介します。


 世間の常識には一般人間としてつきあう。しかし、もうひとりの個とし
ての自分のことを忘れるわけにはいかない。個としての自分の直感が「こ
の薬は飲みたくない」といえば飲まないことだ。「手術は受けない」とい
う声が内側から聞こえたら、それに従う。

 当然のことながらリスクはある。しかし、リスクというのもまた両方に
あるものなのである。人間の一般常識と、個としての自分の感覚と、どち
らにしたがっても五分五分のリスクはある。
だとすれば自分らしく生きて死ぬ方を選びたい、と私は思ってきた。これ
まで幾度となく倒れたり、異常をおぼえたりしながらも、病院と関わりあ
うことを避けてきたのもそのためだ。

 しかしそれは、私が幸運だったということだし、偶然ということもある
に違いない。それを納得した上で、それでもし病院に三度いく必要があれ
ば二度に、二度行かなければならぬときでも、できれば一度に、と心掛け
たいと思ってきた。
好きで治療を受ける人なんているものか、と思う前に、おかしいと感じた
らまず病院、という習慣化した感覚が自分のなかにないかを問う必要もあ
るだろう。

 たとえば人間の中心部は周辺部に支えられている、という直感である。
内臓や脳の血流は大事だが、身体各部の末端の血流の活性化が最重要では
ないかと考える。
戦争は半島から始まる、というのが私の持論だ。バルカン半島、インドシ
ナ半島、朝鮮半島、イベリア半島。
人間の半島になる部分を重要視せよ、と私の内なる声はいう。

 腹八分、という表現がある。これは正しいが、人間の一生を通じての数
値ではなかろうと感じてきた。私の直感では、30代の人間が腹八分であ
る。重大は腹十分。腹一杯食べればいい。二十代ですでに免疫の中核であ
る胸腺は成長を止める。すなわち二十代とは腹九分の年齢だ。
三十代を腹八分とすれば、四十代にさしかかった人間は腹七分がいい線だ
ろう。五十代で腹六分。60代になれば腹五分で十分ではないか。


以上です。
 私もかつては、体調が悪くなればまず病院、というタイプでした。
しかし最近は、「この痛みはどんな種類のものだろう。何か思い当たるも
のはないだろうか。もう少しこんな生活を心掛けてみよう」「自分の身体
は何を訴えているのだろう」など、自分の身体が発する声を、聴くように
しています。

 朝起きたら、「私の身体さん、今日の体調は如何ですか」と尋ねるよう
にしています。
そして、食べる量ですが、年齢と共にその加減が大切ですね。
夜九時以降は、食べない、飲まないという生活は定着しました。このほう
が朝起きたときの体調がいいですね。

 病院へ行く回数も五木さんがおっしゃるように、少しずつ減らすように
しています。

 皆さんはどうしておられますか。

それではこれからの一週間もお元気にお過ごし下さい。
今日はこの辺で。



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●「第8回サルコイ君のプレゼント」はかまぼこと野焼きです。
 山陰名物 長岡屋茂助の「あご野焼」「あご(とびうお)の野焼きと蒲
鉾」に致しました。

 皆さんの応募をお待ちしています。締め切りは5月27日とさせていた
だきます。

 ついに、締め切りが明日になりました!!

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