むち打ち症後遺症の原因がわかった!
むち打ち症の新しい病態の解明(低髄液圧症候群) 入場者数
はじめに
低髄液圧症候群について述べてみます。
『交通事故後に長い間、頭痛、首の痛み、背中の痛み、腰痛、手のしびれ、めまい、耳鳴り、目のかすみ、動悸、腹痛、激しい疲労感、倦怠感、思考力低下、物忘れ、睡眠障害、うつ症状などで悩んでいる患者さんはいったいどれくらいおられるのでしょうか。
 交通事故の件数や、交通事故後遺症の申請数から割り出して、少なく見積もっても一〇万人は下らないと推定されます。二〇万人、三〇万人かもしれません。
その中で、多くの患者さんが、さまざまな病院や診療所を受診しても、検査の結果には異常がないので、精神的なことに原因を求められ、なかには事故の補償金目当ての仮病扱いされてしまう方もおられるようです。あげくの果てには、さまざまな民間療法にすがり、経済的にも破綻していく患者さんを多く診てきました。痛みなどの身体的苦痛はもとより、症状を誰にも理解してもらえない精神的苦痛は堪えがたいものです。
 これらの患者さんの多くは、交通事故が原因で脳脊髄液が持続的に漏れ、脳脊髄液が減少して症状がでることがわかってきました。そして「ブラッドパッチ」などの治療法で症状が改善することもわかってきました。この病態はこれまでに知られていた病気のなかでは低髄液圧症候群がもっとも近いと考えられます。
 ところが、このことは医学会ではまだきわめて少数意見で、多くの医師の否定しているのが現状です。この病態は、なにも交通事故の後遺症のみならず、スポーツ外傷、転落、出産、手術などの医療行為でも引き起こされます。そして、これといった原因がみつからない慢性疲労症候群や慢性難治性頭痛、難治性めまい、線維性筋痛症も脳脊髄液減少が関与している可能性が考えられています。
 世界でもっとも読まれている内科の教科書は『ハリソン内科書』です。この中に興味深い記述があります。震盪後の頭痛・軽度の頭部外傷後や車両の追突事故後に、多くの患者が頭痛、ふらつき、めまい、記憶喪失を訴える。その他、不安、興奮、集中力の障害などの症状がある。----(中略)原因は不明であるが、一般的には心理的なものとは考えるべきではない。これらの症状は、係争中の賠償補償の終結後も 長く続くことがしばしばである
 このように考えてくれている医師がアメリカにいることに驚き、とてもうれしく思いました。
原因はほぼ解明できたと考えています。あとはこの事実を広めることです。本書がそのためにひと役買うことになればたいへんうれしく思います。多くの患者さんとこの考え方に同調してくださった何人もの医師、それを支えた多くのの医療スタッフによってこの本ができました。低髄液圧症候群(髄液減少症)はだれにでも起こりうる病気なのです。』
篠永著 「低髄液圧症候群の決定的治療法」より