マジカルナンバー7


なんだか、クイズ番組のタイトルみたいなお題ですが、立派な心理学的テーマです。

手品をするマジシャンがいます。手品にも様々なジャンルがあり、トランプを使った手品、帽子を使った手品、大掛かりな水槽や、箱を使った手品など、挙げればきりがありません。そんな中で、鳩を使った手品をするマジシャンの人が、こんなことを言っていました。(鳩を使った手品は、カラダの色々なところに鳩を隠し持っていて、それをどんどん出していくものです。)そのマジシャンが言うには、「1羽目の鳩を見ると、観客からワッと歓声があがる。2羽目も、もう割れんばかりの大歓声。3羽目、4羽目と、観客の驚く顔、驚く顔って、すごいよ。それで、5羽目を出すと、またワーって歓声がでて、6羽目も喜んでくれる。7羽目をだすと、どこから出てくるか不思議そうな顔をしている。でも、8羽目をだすと、観客は7羽目に比べると、ちょっと反応が悪いんだ。」

このことは、今回の話と、結構深く関係しています。

ナンバー7というように、7という数字が今回のキーワードです。さて、7にはどんな意味があるのでしょう?実際、7という数字が使われている言葉を探してみると、七不思議 七転八起 親の七光りなどがあります。実は、私達は7という数字を「たくさんのもの、数えられるギリギリもの」という認識をしているのです。どういうことかというと、七不思議では不思議な事が7つもあれば、それは不思議な事はとてもたくさんある。7つも不思議があれば、それはたくさん不思議があると理解するのです。七転八起では、七回転べば、何度も何度も転んだ事になると思ってしまうのです。つまり、6と7の間には、大きな差があるのですが、7つのものが8つになっても、あまり大差は無く、どちらもたくさんなのです。なので、さっきの鳩の話では、7羽の時点でもうたくさん出てきたな、と私達が思っているため、8羽目が出てきても、ああいっぱいだな、と思うだけで、それほど驚かなくなるのです。

また、少し趣旨は異なるのですが、、人にランダムに数字を暗記させる課題をさせたところ、7桁までは記憶できるのですが、8桁以上になると、覚えきれなくなるという結果もあります。これは、心理学的にはしっかりとした裏づけはできていないのですが、こうした7という数字のもつ不思議な性質をマジカルナンバー7というのです。

まぁ、上記のように7と8の違いに気づいていたのかは分かりませんが、おそらく経験的に7を使った言葉を作った昔の人は、ある意味で尊敬に値するかもしれません。

補足として、この7という数字には個人差があるため、厳密にはマジカルナンバー7±2と言われています。意味するところはどちらも同じです。