Mar.12,2001
ノビタキ  ノビタキ  Saxicola torquata 石狩川河川敷 ヒタキ科
ツグミ亜科
草原

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4月〜9月
ヨシ原の目立ちたがり屋 やんちゃな若鳥
 河原を歩いていると「ジィッ、ジィッ」とヨシの茎先にとまる小鳥の鳴き声が 聞こえて来ます。 おや、と思い双眼鏡を覗いていると、 もう1羽がすぐそばで鳴きはじめます。どうやらペアのようです。  更に、幼そうな鳥が現れたかと思うとすぐに、草むらに消えるのです。 ノビタキ親子に警戒されてしまったようです。 ゆっくりと歩み去ろうとしても、鳴きやみません。
 6月下旬〜8月中旬に、散歩の度に毎度繰り返されるひとコマです。 鳴き声を出さなければ、それほど目立つ鳥ではないのですが、とにかく、 よく鳴いて居場所を教えてくれます。

物干しのノビ子
1999年7月上旬

 若鳥はやんちゃで冒険好きです。巣立って間もない、まだ上手に飛べない頃、 団地の家々の庭を道路づたいに飛び回ります。  たいがいは雄親が後から付いて来ていて、若鳥はその鬼ごっこを楽しむかのように、 不器用に−飛び立つ動作がぎこちなかったり、着地があぶなっかしかったりするのです−、 そして派手に飛び回り、一軒一軒、庭づたいに街中へと入って行きます。
 そんな、わんぱく盛りの子供たちの注意をうながすために、 親鳥たちは必死に鳴きつづけるのでしょうか。次第に付近に鳥の数が増えてきます。 オオジュリンやホオアカも、ノビタキのそばへやって来ては、 そして茂みの中に帰ってゆきます。
 彼らは草原の見張り屋さんなのかもしれません。
 毎年堤防の町側斜面でも彼らを見かけます。 巣立ちのころ鳴き声を頼りに探してみると、 排水路際に生えた柳にカワラヒワやスズメまで集まっている事がありました。
 彼らの必死の鳴き声は、別種の小鳥たちをも集めるようです。

意外と身近な鳥  
 シーズン中は、頻繁に我家の庭にやってきてくれます。 春はペアで来て、耕したばかりの花壇をちょんちょんと跳ね回ってゆきます。 巣立った若鳥は物干し台がお好きなようで、秋には、 ヒマワリをねらってやって来ます。

 彼らがヨシ原で見られるのは、オオジュリンの翌週、4月中ごろからです。 枯れ野原で飛び回り、5月に入ると、倒れずに残っているヨシにつかまり 「ジュッピーピィーチョチョチョピィ」などと、さえずり始めます。
 5月末、ヨシ原に緑が戻りはじめる頃、 一時的に気配が消えることがありますが、 6月中頃には幼鳥と一緒の元気な姿を見せてくれます。

 ノビタキは♂♀色合いが異なりますが、首が白く胸が橙色に近い褐色である ことから、正面さえ見られると比較的容易にそれと判ります。
 それより何より、初夏の草原でこれほど目立つのは彼ら以外いないのでは?
 黒っぽい雄も9月には褐色の雌と同じような色合いとなり、 次第に群れを作り、街中の広い空地で餌をあさっているのに出会います。 9月末くらいには旅立つようです。

ノビ雄
庭のノビ雄
1999年5月中旬 ノビ雌
庭のノビ雌
1999年5月下旬