河原を歩いていると「ジィッ、ジィッ」とヨシの茎先にとまる小鳥の鳴き声が
聞こえて来ます。 おや、と思い双眼鏡を覗いていると、
もう1羽がすぐそばで鳴きはじめます。どうやらペアのようです。
更に、幼そうな鳥が現れたかと思うとすぐに、草むらに消えるのです。
ノビタキ親子に警戒されてしまったようです。
ゆっくりと歩み去ろうとしても、鳴きやみません。
6月下旬〜8月中旬に、散歩の度に毎度繰り返されるひとコマです。
鳴き声を出さなければ、それほど目立つ鳥ではないのですが、とにかく、
よく鳴いて居場所を教えてくれます。 |
物干しのノビ子 1999年7月上旬
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若鳥はやんちゃで冒険好きです。巣立って間もない、まだ上手に飛べない頃、
団地の家々の庭を道路づたいに飛び回ります。
たいがいは雄親が後から付いて来ていて、若鳥はその鬼ごっこを楽しむかのように、
不器用に−飛び立つ動作がぎこちなかったり、着地があぶなっかしかったりするのです−、
そして派手に飛び回り、一軒一軒、庭づたいに街中へと入って行きます。
そんな、わんぱく盛りの子供たちの注意をうながすために、
親鳥たちは必死に鳴きつづけるのでしょうか。次第に付近に鳥の数が増えてきます。
オオジュリンやホオアカも、ノビタキのそばへやって来ては、
そして茂みの中に帰ってゆきます。
彼らは草原の見張り屋さんなのかもしれません。
毎年堤防の町側斜面でも彼らを見かけます。
巣立ちのころ鳴き声を頼りに探してみると、
排水路際に生えた柳にカワラヒワやスズメまで集まっている事がありました。
彼らの必死の鳴き声は、別種の小鳥たちをも集めるようです。
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