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庭で大きさが違うハコベを見つけました(下の写真見て下さい)。
花の大きさは、上の写真のようにそれほど違いないようです. 大きさの他には、
葉の形や付き方が違います.同じ仲間の違う種類にも思えます。
そこで、このハコベを調べてみました.
大きさの違いから,小さいのが「ハコベ」で,大きいのは「ウシハコベ」ではと思い調べ始めました.
で,図鑑(北海道の花)の写真を見ると,ウシハコベの葉は柄が無いようです.
とすると,左がウシハコベでしょうか?
いえいえ,別の図鑑では,両方とも 上部のものは無柄 と書いてありました.
図鑑には似た仲間がたくさん並び、特徴が色々と書かれています。
全部読んで比較するのも面倒です。
花びらが多いもの. |
(ハコベの花びらは5枚だが,深く裂けているので10枚のように見える.)
このページ中ほどの写真を見てください. |
高さが低い(50cm以下). |
という2つの特徴を持つ花を「北海道の花」の「白い花」の写真から探してみました.
ノミノフスマ | ウシハコベ |
ハコベ | シラオイハコベ |
カラフトホソバハコベ | ナガツメクサ |
オオイワツメクサ | エゾイワツメクサ |
シコタンハコベ | ミヤマハコベ |
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目に止まったのは,上の10種でした.でも、
2行目の4種は 「葉が針のように細い」ので,
3行目の シコタンハコベ も花が大きいので除外できそうです.
次に,この残り5種の生育場所を比べみることにしました.
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図鑑名 |
ハコベの仲間の名前 |
北海道の花 |
植物検索図鑑1[春〜初夏] |
ノミノフスマ |
山地〜平地の林内・林のふち |
野原,田畑 |
ウシハコベ |
低地〜丘陵地に普通 |
野原,畑,道ばたなど |
ハコベ |
道ばた,畑地 |
畑,道ばたなど |
シラオイハコベ |
針葉樹林内 |
− |
ミヤマハコベ |
山地の渓流沿い・湿った斜面 |
谷川の林内 |
どうやら、下の2種は「庭」では見られそうにありません。
そこで、上の3種を比べると,毛のつき方が違うようです。
写真にも,毛が写っていました.ウシハコベかハコベと思ってよさそうです.
あらら,結局最初の疑問に戻ってしまいました.
では,ハコベとウシハコベ どこが違うのでしょうか?
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雌しべの先 |
タネの形(大きさ1mm程) |
ウシハコベ |
5つに裂ける |
楕円形で表面に鈍い突起 |
ハコベ |
3つに裂ける |
平たい円形で鋭い突起 |
雌しべを比べるといいみたいです.
*最初から,両方の説明文をちゃんと比較すれば良かったですね.
では、ルーペで拡大した写真を引っ張り出してきて、比べて見ましょう.
小さいほうの花
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大きいほうの花
花の直径約4mm (目盛の数字はmm) |
両方とも,雌しべの先は3裂しているようですネ.
つまり両方ともハコベ のようです.
でも、どうして大きさがこれほど違うのでしょう?
大きいのは、生ゴミを堆肥にするコンポスト周囲やよく耕した花壇で、
小さいのは,花壇を囲うブロックの穴や,放置した植木鉢などでよく見られます.
根を張る空間の広さ,水,栄養状態などの影響でしょうか?
(以上 June 20,2000)
上の写真は雌しべが問題とは思わずに撮影したので、雌しべの形が不明瞭です。
小さいほうの花
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大きいほうの花
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そこで,撮りなおしたました。
同じ形の雌しべがはっきりと見えています。
また、5枚の花びらが深く2つに裂け、10枚に見ることもなんとなく判ります。
ポイントを知らないと何度もやりなおす、見本となってしまいました。
あとは,葉の無柄/有柄と形が細長い/卵形と違うことが気になりました.
雌しべを撮りなおすとき、右の写真のハコベを見つけました.
1本のハコベに無柄で長楕円の葉(茎がC字になっている部分)と,
有柄で卵形の葉(左下隅から右斜め上に出ている茎)がで付いています。
この,有柄の葉のついた茎は軟らかく色も薄いので無柄より後から伸びたようです.
- このハコベからストーリーを考えてみました。
- 1.生育条件が良いと,大きく成長する.
- そのため,有柄の葉を付けながら茎を伸ばし,たくさんの花をつける.
- 2.生育条件が悪いと,とにかく花をつける.
- 取り敢えずコストのかからない無柄の葉を付けながら茎を伸ばし花をつけ,タネを作る.
- (写真の右上部では,花が終わり種になりかけていました)
- その後,条件が良くなると有柄の茎も伸ばし,株を成長させる.
といった、ハコベの生き残り戦略を想像したのですが,考えすぎでしょうか.
追加
Apl.07,2001
ミドリハコベとコハコベ
気まぐれで古いポケット図鑑「人里の植物U」をパラパラとめくっていると
「コハコベ」と「ミドリハコベ」というのを見つけました。
そして、コハコベの図は小さいハコベに、ミドリハコベは大きいハコベに似ているのです。
さらに、巻末の解説文中に「...しかもコハコベかミドリハコベかわからぬようなものおもふえている。
合の子ができたものか?」(p.112)とありました。
庭にハコベが育ってきたら、もう一度調べなおそうと思います。
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