ベストサブタイトル特別編

はっきりいって、かなり個人的趣味がはいってることは、否めません。

しかしそれでもなお、ここまで強烈に私のこころの琴線に触れてくる第一話は、久しぶりであり、自らの目と魂を信じるならこれは、間違いなく、ベストサブタイトルに選出するに足るものであると思うのです。

勇み足であることを恐れずに、今後の期待も含めて、特別編として、ここで紹介したいと思います。


コメットさん☆ 第1話  2001.4.1放映
「星の輝きを持つ者」

脚本☆

おけやあきら(桶谷顕)

演出・絵コンテ☆

神戸守

作画監督☆

小丸敏之

物語は、一言で言ってしまえば、「魔法の国のお姫様が、地球にやってくる」という所謂「魔法少女アニメ」の王道パターンのひとつである。第一話では、王子さまを捜しに地球にいく、という目的が示され、その旅立ちが描かれる。

昔、母親の王女様が地球に言ったことがある、とさり気に旧作である実写作品「コメットさん」との関連性を示唆して、古いファンをにやりとさせる仕掛けも用意されている。しかしそれは、ファンサービスという以上にコメットさんが母親の話を聞いていて地球に憧れており、王子さま捜しより、「地球に行きたい」という動機の方が強く、「魔法の国のお姫さまが地球にやってくる」物語に必然性をもたせる機能を果たしている。

コメットさんの性格が、丁寧な作画と演出で、描かれそのキャラを立たせる事に成功しているといっていい。

「御付きのじいに説教されてる時に話を聞かない。」
「窮屈なドレスをしきりに気にする。」
「地球の服をきて「似合うかな?」」
「駅の改札口をまたいで、恥らう」

などなど、ひとつひとつの仕草も、ぐっとくるほど可愛くかかれている。

地球にきて最初は好奇心いっぱいで、歩き回っていたが、夜になり、泊まる所が泣く、雨の中泣きながら魔法で出したパンにかぶりつく所は、前半の奔放で明るいイメージと対比され深みのあるシーンになっている。そこに、おそらくは、コメットさんが御世話になる家族があらわれて、声をかけるという、引きも、次回への興味をもたせ、見事。

TVシリーズの第一話は、視聴者の期待に答え、次週も見てもらえるように、興味を抱かせる必要があり、営業的には、最終回よりも重要なわけだが、スタッフが作品の方向性や、雰囲気をつかみかね、うまくいかないことが、多い。要するにこ小慣れていない、スタッフで作られた作品ほど第一話で失敗しやすい(後半慣れて良さを発揮する作品もあるが)

第1話の完成度が高いことは、すなわち、スタッフ能力の総合値の高いことを、示し作品全体への期待を持てるのではないかと思わせる。そういう意味で「コメットさん☆」第一話は、演出、作画とも派手さはないが、計算されていて無駄がない。今後どのように展開されていくか実に楽しみである。


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