かみちゅ!感想ログ
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第9回「君に決定」
2005/9/6
脚本:倉田英之/絵コンテ:こだま兼嗣/演出:高島大輔
作画監督:櫻井親良
▼あらすじ
祀が生徒会長の選挙に、ゆりえを無理やり立候補させてしまう。
嫌がるゆりえだったが、祀に言いくるめられてその気になるが、対立候補の現生徒会書記西村に猛烈に対抗意識を燃やされ、「神対人間」の選挙戦が始まる。
▼コメント
生徒会長選挙ということで、如何にも学園コメディという話。
中学生が主人公の割に、6話のラブコメ回を除くと今までこういう学園ものっぽいエピソードがなかったので楽しかった。
正直もうちょっとこういうベタなエピソードは欲しいかも。

対立候補の校内活動の規制が、祀の「来福神社支部」の活動に支障になることを回避する為と、あわよくば生徒会室を来福神社支部の活動拠点にしようという祀の私利私欲のために、どう考えても生徒会長向きとは思えないゆりえを、「神さま」という知名度、注目度だけで、会長に立候補させる祀の陰謀ぶりがすさまじい。まるで「究極超人あ〜る」の鳥坂センパイのようだ。
一歩間違えると、ゆりえを無視した祀の強引さが鼻についちゃうところだけど、結局祀の陰謀はもろくも破綻という話の流れになっていてバランスよく面白かった。
それよりも今回の話の中心はむしろ、光恵がゆりえの応援演説を祀の原稿を無視してはじめるところで、普段汚れ役ばかりで貧乏くじの光恵にやっとおいしいい役が回ってきたってとこかな。
会長に当選したはいいけど、喜びのあまり力を暴走させて、学校を遊園地にしてしまうゆりえは、ほんとに「がんばろう」と素直に思って、サービス精神いっぱいでがんばりすぎちゃったんだなぁというのが想像できて、かわいいやら微笑ましいやら。

あと「努力とお賽銭なしのお願いなんてかなうわけないのよ!」と啖呵切るところで、おねえちゃんにぽーとなるみこと、みこにかっこいーといわれてでれでれする祀がかわいかった、この姉妹の絡みももっと見せてほしいなぁ。
第10回「ふしぎなぼうけん」
2005/9/13
脚本:倉田英之/絵コンテ:山本泰一郎/演出:畑博之
作画監督:長町英樹
▼あらすじ
祀が生徒会長の選挙に、ゆりえを無理やり立候補させてしまう。
嫌がるゆりえだったが、祀に言いくるめられてその気になるが、対立候補の現生徒会書記西村に猛烈に対抗意識を燃やされ、「神対人間」の選挙戦が始まる。
▼ コメント
神無月が終わり、出雲の中学校を後にするときクラスのみんなの前で「ゴメンナサイ!」とクラスに溶け込めなかったことを謝るくだりが、まさに「中学生日記」のような展開で、ゆりえの告白に触発されて椅子から立ちあがって「私たちの方こそ」とゆりえに謝る女の子たちは、「金八先生」かこれは、と思わせるシュチュエーションだったんだけど、ついほろっとしてしまった。
上手いのはそこへの持っていき方で、ゆりえが転校先で、神さまとして扱われるのをユーモラスに描きつつ、ゆりえはそれに戸惑い普通に扱って欲しいことをにじませながらも、臆病で、ゆりえから話し掛けることも出来ず一人落ち込んでゆき、一方でクラスメートの女の子の中には、ゆりえと友達になろうとなんとかきっかけを作ろうとするけれど、タイミングが悪くてすれ違ってしまうというシーンを積み重ねることで、ラストへカタルシスにつなげている。
祀や光恵と離れ離れになって心細いゆりえの描写とラストシーンでの二人との再会シーンが、ゆりえにとっての弁天様の言うところの頼れる「友達」というところにつながっていくのも上手い。

あとは今回はやはり神さまコンベンションに尽きます。
神無月で神さまが出雲に集まるのをオタクイベントのSF大会とか倉田氏や舛成氏もゲストで参加経験したことのある(とコメンタリでいってたので)海外のアニメコンベンションとして描いてしまう倉田先生のセンスに脱帽。
これがまたネタの宝庫でOkama氏のデザインが炸裂しまくっていてそれを見てるだけでも飽きない。
八島さまの憧れの弁天様も登場、七福神とともに歌を披露してゆりえにアドヴァイスまでして、おいしいとこもって行き過ぎ。
作画的にも所々原画マンの個性が炸裂していて(ラストシーンのゆりえを出迎える光恵と祀のとことか)「かみちゅ」という作品の色んな要素がつまっていて、ドラマ的な盛り上がりもあって過去1,2を争う好エピソードだったんではなかったかと。
▼その他
・神さまコンベンションに参加していた神さまたち。貧乏神さんとお話してた死神さまのキャラがものすごい立ってた。
あと新人神さまの中に、ファミコンの神さまがいたのに時代を感じさせます。後にきっとすごい神さまに成長するんだろうなー
あとルービックキューブみたいなのとか、ジュリアナ扇子を思わせるものとか、なんだか良くわからないのがたくさん、この辺はコメンタリで解説希望。
・タマつうか貧乏神さまがサンドイッチをなぜかハムだけ分けて食べてるのが、おかしかった
・二宮くんがゆりえのことをだいぶ気にするようになってきて、進展してるんだかしてないんだか。
・中間試験の順位を掲示してたけど、一学年108人?
第11回「夢色のメッセージ」
2005/9/20
脚本:倉田英之/絵コンテ・演出:山下祐
作画監督:薮野浩二
▼あらすじ

ゆりえの寝正月
▼コメント
あーすげー、もう極まってるなー
舛成監督の真骨頂というか、趣味全開というか。
こたつから一歩も出ないゆりえのだらだら寝正月を執拗に描写していくだけで、ゆりえが二宮君の年賀状がこないのに気を揉むというのを除けばほとんど物語性もないのに、一個一個の細かいネタの面白さと、丁寧な芝居作画、ゆりえの百面相、その積み重ねに終始することで1話もたせて面白く見せてしまうのだからたいしたものです。
今回は、ラジオの収録スタジオのみを舞台にした「アンドロイドアナMAICO2010」と「R.O.D−THE TV−」の2話「ダメ人間ども集まれ」を足して、更にそれを潤沢な作画でねちっこく描くという舛成監督作品のもっとも濃ゆい部分を凝縮したようなそんな回でした。
最早、舛成×倉田コンビはダメ人間のぐーたらな生態を描かせたら世界一だなと。
▼その他
突っ込んでるときりないけど、ツボにはまったものを列挙
・ゆりえ体液流しすぎ
・タマ=貧乏神さまが章吉くんに見られて黒豆食って逃げ出すところ
・TVの古さと石油ストーブなつかしすぎ、ウチも昔ああゆうのだった。
・お札が二世代前の聖徳太子と伊藤博文だった、これもなつかしい
・「ジュース50本買える」も当時まだ消費税がなくて缶ジュース一本百円だった時代だからというさりげないなつかしネタ
・新聞のTV欄「メガとメガネのメガ隠し 倉田亭眼鏡」は「R.O.D−THE TV−」にもあった小ネタ
・パンチラあったよ、パンチラ
第12回「ちいさな一歩で」
2005/9/27
脚本:倉田英之/絵コンテ・演出:舛成孝ニ
作画監督:千葉崇洋
▼あらすじ
バレンタインデー。ゆりえは二宮君に渡そうと作ったチョコを家に忘れてきてしまう。
昼休み、光恵はゆりえに代わりチョコを取りに戻り、ゆりえが二宮君にチョコを渡して告白できるように、祀はもちろんクラスの女の子も協力をはじめる。


▼コメント

「ざ・青春ドラマ」という感じのさわやかな最終回でした。
神さまであるはずのゆりえが、クラスのみんなだけでなく町の人やモノノケたちにまで、応援、祝福されて、普通の中学生の女の子として幸福を手に入れてと、まるで世界中が愛で満ち満ちているかのような善良な人々と幸福な世界。
そんなかみちゅの世界観を描き切った最終回だったんじゃないかと思います。
斜に構えて悪意をもってみちゃうと「そんなあほな」としか思えない話なんだけど、それを臆面もなく描いてしまうのがかみちゅなんだなぁと。
ただ、ちょっと残念に思えるのは、協力してくれるクラスの女の子たちの存在が各話エピソードや伏線的描写の中で背景化していて存在感がなく、今回の協力がすこし唐突に感じられてしまうところ。
それと、二宮くんみたいな男の子が、あんなにあっさり女の子の告白に答えられるもんかなぁ、とは思うんだけど、そこらは、やはり少女漫画的なものを目指していたってことなのでしょう。

なんにせよ、見てて、ほんと気持ちのいい作品でした。

いちおうDVD版にこの後のエピソードが入る予定ということだったけど、これが最終回といっても、特に違和感はないと思います。
1話で告白が不発、二度目の告白で成就という形で収まりは良かったんではないかと。
DVD版の最終話はむしろエピローグ的な扱いなのかも。
▼その他
・煮干の日はホントでした
・女の子がまわす手紙の折り方がバラエティに富んでて面白かった、ああいうのって今の中学生もやってるのかな、携帯メールにとって代わられてるのかな。



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