岩男叔父は岡谷工業高校を卒業間近、突然その頃募集の始まった陸軍特別幹部候補生を志願して飛行兵になった。叔父は特攻出撃することは出来ず失意のうちに郷里に帰り、無理がたたったのか体を壊して25歳という若さで亡くなっている。ここに掲載の11片の絵は戦地において鉛筆にて画いたもので、良子叔母が保管し続けていたものだという。あまりにもうまく描けているので、そのままにしておくには惜しく小作品として掲載した。父も弟の思い出を『空』という私製本を造り、残している。特攻隊員としての叔父より、父の弟という人の非凡な才能を見て欲しいので掲載した。
右の写真の一番右で軍刀に手を掛けているのが、叔父である。それをその右にある絵と比べて欲しい。ほとんど構図が一緒である。絵はこの写真をもとに描いたものだろう。