福岡の博多にあった共進亭ホテルは、曾祖母りょうの兄 真平が経営していた。定職を持たなかった祖父は冬はここに行き、働いていたようだ。ここから葉書等をよこしている。

このホテルは外人向けのホテルとして1929年に開業している。このホテルにはあの「翼よ、あれがパリの灯だ」で有名なチャールズ・リンドバーグが夫人を伴って宿泊しているというから驚きだ。
リンドバーグは、九州、福岡の名島飛行場が開場した翌年の昭和6年9月17日に、婦人を伴ってシリウス号で名島飛行場に飛来している。夫妻はその夜、呉服町(現・博多区店屋町)の片倉ビルの共進亭ホテルに泊まり、博多っ子の大歓迎を受けたという。夫妻は博多の名産、博多織や博多人形を贈られたが、特に原田嘉平さん作の「桃太郎」が気に入ったという。というのも、夫妻はアメリカに満一歳になったばかりのオーガスタ君を残していたからであったといわれている。その後オーガスタ君に関し、夫妻が出会った悲劇は書くまでもない。