平成17年3月27日(日)
透析患者さんのための栄養食事学習会
『よりよい透析生活を続けるために』
合併症予防の食生活
長期透析の合併症
・貧血・・腎臓からの造血ホルモンが分泌されないため、エリスロポエチン製剤が使用される。
使用時は、偏りない食事と良質の蛋白質摂取と十分な鉄分と各種ビタミン
(ビタミンB6、B12、C)が必要である。
鉄の必要量を食事だけで満たすのは難しい。調理用クッキンサプリFe【太陽化学(株)】
は、料理の味を変えずに毎日続けられるし、お勧めの調理用サプリである。
・心不全、高血圧・・水分摂取量のコントロール、減塩を心掛ける。
・高カリウム血症・・カリウムの多い食品を摂り過ぎず、エネルギー不足に注意。
・動脈硬化症・・コレステロールを多く含む食品を控え、動物性の脂肪(飽和脂肪酸)
を控え、オリーブ油(一価不飽和脂肪酸)や大豆油やなたね油、魚油(魚の脂身)
(多価不飽和脂肪酸)を摂るようにし、種類を選ぶ。
抗酸化物質(ビタミンE、ビタミンC,βーカロチンなど)、食物繊維を積極的に摂る。
アルコールや甘いものを控える。
・骨への影響・・高リン血症の2つの重要な合併症⇒蛋白質、リンの多い食品を摂り過ぎない。
1.二次性副甲状腺機能亢進症
血清リン濃度が上昇すると血清カルシウムが低下し、この低下が
副甲状腺ホルモン(PTH)分泌刺激。PTHが増えてくると、骨を溶かして
骨折が起こりやすくなる。
2.異所性石灰化
骨から溶け出したカルシウムがリンとくっついて骨以外の血管や筋肉、肺など
に蓄積する。心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくする。
・感染症(肺炎・尿路感染・結核)・・バランスの良い食事、良質の蛋白質摂取
・栄養障害・・エネルギー・たんぱく質を十分摂取する。栄養補助食品の利用。
大阪府栄養士会透析研究会に月1回参加しており、他施設の栄養士が集まって症例発表や
新聞を発行したり、意見交換しながら患者さんに役立つような情報も得ています。
研究会では、年に1回栄養食事学習会を企画しており、透析患者さんやその家族の方に
透析食事療法について、正しい知識・最新情報などを持っていただくことを目的としています。
今年は90名近くの参加者があり、講義内容も分かりやすく、質問も次々とあり、活気ある
勉強会でした。