実践のプライマリ・ケア 「どこまでやれるか、やるべきか」
 書評 ―

オールラウンドプレーヤーの実録
へき地に赴任した元外科医が、7年間に出会った様々な疾患を持つ患者さんに対していかにプライマリケアを行っかを記録した。豊富な画像や紹介先での情報までをフィードバックさせて一例一例を丁寧に示すことで、単なる記録にとどまらず、一次医療に必要な診療技術書的性格も備え持つ。高機能の機器をもてない状況で、基本的な視触診の診断能力を研ぎ澄ませるPC医の気迫が伝わる。
(朝日メディカル)
 平成17年5月に名古屋市で行われた日本外科学会総会に市民公開講座「あなたならどうする…手術と言われたら?」が行われた。
 私は東海医療工学専門学校長の阿部稔雄先生と共にその司会を行ったが、その時のシンポジストのお一人が著者大鐘先生であった。依頼大変昵懇にして頂いたが、この度出版された新刊書を頂いたので会員諸先生にご紹介する。
 まずこの本はパラパラと項をめくってみてどの項から読み出しても面白く、すぐに引き込まれてしまう。
 著者は生粋の外科医であると思っていたのに、この本には呼吸器・循環器も泌尿器分野などまでの症例が出てくる。しかも提示されている画像が極めて鮮明で、夫々の専門分野の本と比べても少しも劣らぬ程である。その理由は著者の経歴をみれば理解できる。
 著者は1968年に京都大学医学部卒業後母校関連病院を経て民間病院の外科部長・院長を歴任された後七年前に僻地医療を志して現在の診療所に就任されている。
 この地での七年間の悪戦苦闘の記録を纏められたのがこの本であることを思えば外科以外はお断りなどと言っておられなかった中で誕生した本なのだ。
 著者の切れ味鈍い診療記録を読むにつけ、著者の姿が諸国を修行して歩く剣士、中でも宮本武蔵に思えて仕方がない。決して大名お抱えの剣術指南ではない。つまり象牙の塔の大学の医局をとび出して実地医療の中で身につけられた診断力・治療技術の集大成であると思う。
 だからこそこの本から我々臨床医にすぐに役立つプライマリ・ケアの智識が学べると思う。
 この本の書評はすでに南あわじ市の中林病院の渡辺義博先生が、兵庫県医師会に掲載されているので転載させて頂くが、完璧な書評なので私が加えるべき処は何もないと考え、著者のお人柄を中心に私の駄文を加えてご紹介する。会員諸先生にぜひご一読頂きたい。
 (文責 豊橋市 森 澄)

真のプライマリ・ケアがみえる
30年執ったメスをおき、へき地の町立診療所に単身赴任した元外科医の著者が、自ら経験した症例を紹介。プライマリケア医として診療現場でいかにかかわったかを示した記録から、現場で遭遇することの多い症例が実践的に学べる。プライマリ・ケアの醐醍味が詰まった著者渾身の力作
(日経メディカル)

読んで学ぶプライマリ・ケアの実践
著者は、30年執ったメスを置き、僻地の診療所に赴任した元外科医。「プライマリ・ケアの真髄はオールラウンドに疾病を見て、対処することにある」とする実践の記録である。
症例は多岐にわたり、画像や写真などとともに、一次医療において必要となる診療技術を伝える。日夜プライマリ・ケアに取り組む医療者たちを勇気づけてくれることだろう。
日常診療のヒントが記されているコラムもあり、お役立ちの内容となっている
(エキスパートナース)

内容の濃さに驚いております。
一人一人の患者の病歴や病状をよく記録(記憶?)していることにも感心させられました。
病態写真、画像もよく整理されています。プライマリ・ケアで取扱う広範囲な疾患の病例に対し、詳細にかつ具体的に書かれてありますので、地域医療の現場にある若い医者たちにとっては本当に役立つ本だと思います。
特に興味深く読みましたのは、随所に挿入されている“Tea Time”です。著者の医師としての理念がよくわかります。
若い医師たちにじっくり読んでもらいたい本です。
赤坂庸子(自治医大名誉教授)

帯に「プライマリ・ケアの厳しさと醍醐味を満載した力作!!」と三ツ浪教授の推挙があり、まずそれに惹かれました。副題には「どこまでやれるか、やるべきか」とある大鐘稔彦氏の最新作の著書です。今春の内科学会総会(横浜)では早速に会場で展示されていました。
 私は、玉川正明先生ら外科医出身の仲間たちと話をしていて、どうも外科系出身の先生の方がプライマリ・ケア医に向いているとの印象を受けていたので、滋賀医大との共催で行われた、「プライマリ・ケアの明日を育てる」をテーマにした、日本プライマリ・ケア学会第19回近畿地方会のシンポジウム「日本プライマリ・ケア医に求めるもの」のシンポジストの一人に大鐘先生を推したところ三ツ浪教授は快く受けてくださり、総じて成功裡に終えることができたのは嬉しいことでした。
 これから卒後研修に入る若い医師には最適の入門書であり、現場のドクターたちには、今ひとたび初心にかえり、自分の診療を見直し、自信・自戒を深めるのに格好の書といえます。
 さすが教科書のみならず、新書、「メスよ輝け!!」などコミックの原作、小説など多くの著書を出しておられる大鐘先生だけあって、文はこなれていて読みやすく、薬名も一般的ではなく商品名なので、スーッと抵抗なく入っていけます。
 総論はじっくり読み込んでみたいです。診療・検査技術のレパートリーを広く持つこと、できる限り通院で治す努力をし、送り医者にならないこと、そのためにもいざというとき、バックアップしてくれる病院や診療所の仲間を持ち、普段より勉強会や学会に参加して、最先端の医療情報をつかんでいることなどを説いておられます。大鐘先生自身、患者・症例を大事にし、誤りは率直に認められ、ではなぜ、どこで間違ったのかを常に見直す努力を惜しまず、常に研鑚を積まれていることは並大抵の心構えではないことです。では硬い本かというと、ところどころに撒かれているコラムTea Timeが面白く、また軽い余禄かというと著者ならではの含蓄に富んだう〜んと考えされられる内容です。昨年の日本医事新報4月9日号書評欄で、「外科医べからず集―梶谷語録に学べ―」について栗栖茂氏も述べておられるように、“時に辛辣かつ的確な指摘に、読者は未熟さを叱られているようで身が引き締まる思いをすることもあるが、第一線現場での深い経験に基づいて、本音で書かれているから共感と反省をこめて面白く読める”のです。わたしにはそんな余裕もなくついつい落ち込んでしまうことも多々ありました。
 直腸診はともかく細胞診、注腸、DIPも外来でルーチンに取り入れるなど、ここまでやるかー!?ましてや小外科など内科系一本でやってきた自称プライマリ・ケア医には、つい及び腰なってしまいます。
 滋賀医大にも客員教授として講義に来られる、家庭医学のメッカ・ミシガン大学のDr.Fetterが紹介される家庭医学、プライマリ・ケアはまさしく大鐘先生が実践しておられる医療がそのものだといえます。
 ところで昨年5月の医協ニュースに、在滋賀県時代の大鐘先生のことを書かせていただきました。氏の人柄・略史?などのご参考になさってみてください。
実践のプライマリ・ケア:金原出版 
*外科医べからず集:金原出版
村田安雄(大津市)
 名著『実践の手術手技 教科書にないテクニックとコツ』(金原出版)から十七年、メスを置いた大鐘稔彦医師の近著は、淡路島の僻地の診療所における七年間の実績をまとめたプライマリ・ケアの指南書である。
 正しく「プライマリ・ケアの厳しさと醍醐味を満載した力作」(滋賀医科大学総合診療部教授 光ツ浪健一評)であり、地域医療を支える開業医や臨床医に必携・必読の一冊である。
(1)克明な記述
 どのページを開いても一人ひとりの患者について、問診→診察→検査→診断→治療→転帰の順に克明に記述されている。医師は日々の診療で患者に学ぶが、本書は日常の患者を的確に学べる「症例集」である。
(2)幅広い領域
 三百余ページに呼吸器・循環器・消化器領域から外科・整形外科・脳外科・泌尿器科・婦人科・皮膚科領域までカバーされている。医師には幅広い知識が必要であるが、本書はありふれた疾患を要領よく学べる「疾患集」である。
(3)豊富な写真
 心電図や胸部レントゲンから皮膚や爪まで写真が豊富に掲載され、紹介病院のCT/MRIや切除標本の写真も添付されているのに驚く。「百聞は一見に如かず」であるが、本書は病気を目で見て学べる「写真集」である。
(4)率直な考察
 診断の過程や治療の経過がわかりやすく具体的に書かれ、臨床医としての意見や感想が率直に示されている。医師は苦悩→決断→反省を繰り返しているが、本書は誠実な医師の率直な考察に学べる「診療集」である。
(5)役立つ助言
 総論の「プライマリ・ケア医の使命」と六十項目のコラムに書かれている実勢的なアドバイスも役立つ。先人の知恵や訓戒ほどありがたいものはないが、本書はすべての臨床医が知っておくべき「教訓集」である。
(安達洋祐:岐阜大学医師部腫瘍外科教授)
私はこれまで、このような医学書に出会ったことがない。分担執筆ならず、一人の医師によって、ほぼ全科に亘る患者の診断から治療、そしてその後の経過にいたるまで詳細に記述されている。しかもTea Timeというコラムには、数々のエピソードや筆者の本音、医者の心構えから失敗談までが実に興味深く書かれてある。
 一人の医師の能力には当然限界がある。どこで折り合いを付けるかは、個々人の考えや能力によって異なるであろう。医療訴訟も頻繁な折、「専門外にはなるべく手を出さない」というのが最近の風潮である。然るに筆者は、果敢にこの限界に挑戦し、その見事な実践の証詞である大作を上梓された。
筆者の挑戦は、かつての外科医時代のそれと相通じるものがあるようだ。妥協をしない最高の手術を手がけるべく、国手と呼ばれる外科医の許に通い詰めたその情熱が、本書には満ち溢れている。
 それにしても七年間に渡る膨大なカルテ、検査データ、画像などを整理し、その中からプライマリ・ケアに必要な情報を選び出す作業は並大抵のものではなかったはずだ。紹介先からデータをもらうために多くの時間を費やし、自らデジカメで写真をとるなど孤軍奮闘の日々であったろう。
 総論ではプライマリ・ケア医の使命が述べられているが、この気の遠くなるような作業を成し得たのも、まさにその使命感によるものではないだろうか。
 筆者の知識の幅と深さは、いわゆるゼネラリストの域をはるかに越えている。外科医として培われた医療技術を武器に高度なプライマリ・ケアを展開している。このような医療が、僻地指定域とされている淡路島南端の無床の一診療所で行われていることは、驚きという外ない。本書は、特にこれから開業を目指している先生方にはぜひ一読してもらいたい心の熱くなる良書である。  
渡辺義博(中林病院副院長・南あわじ市)



「外科医べからず集―梶谷語録に学べ
各誌書評―

本当に面白く、今までにないユニークなご本ですね。読みながら思わず心の中で拍手喝采していました。誰でも外科医なら何となくわかっていながら上手く言葉に現せないこと、よくぞうまく言って下さったとうれしくなりました。言いたくても口に出して言うわけにはいけないようなこと等々、これ程はっきり表現した人が居るでしょうか。本当に外科医ならでは書けない本ですが、一般の方や外科以外の医師の方も面白く読まれるでしょうが、何といっても外科医が内心でニヤニヤしたり、どきんとしたりして読む本だと思います。若いドクター達にも是非読んでもらいたい本です。(赤坂庸子氏 自治医大名誉教授)

梶谷鐶先生といえば癌研外科で長年メスを振るわれた伝説の大外科医。この大先生による「梶谷語録・べからず集」というものがあるということは以前から耳にしていたが、このたび大鐘稔彦先生が「外科医べからず集―梶谷語録に学べ」という一書を出された。著者は第一線外科臨床現場から数々のユニークな医学書を執筆してこられた方で、高山路爛のペンネームで小説からコミックの原作に至る多彩な文筆活動を繰り広げてこられたことでもよく知られている。
大鐘先生の著書はどの一冊をとっても本当に面白い。時に辛辣かつ的確なご指摘に、読者は未熟さを叱られているようで身が引き締まる思いがすることもあるが、第一線現場での深い経験に基づいて本音で書かれたものばかりであるから、共感と反省をこめてどの書も本当に面白く読めるのである。その大鐘先生が伝説の梶谷語録の解説書を書かれたのであるから、これはもう面白くないわけがない。
本書はマナー編、修行編、技術編と、まず梶谷語録に対して著者の体験に基づいた解説が述べられている。次いで第四章として「付け加えたいべからず集」というオリジナル項目が七項目あるが、マイホーム型人間になるべからず、経営本位の病院には勤めるべからず等、いかにも現在の世相を反映した内容となっており、いろいろと複雑な思いも抱かされた。
本書は若い外科医はもちろんのこと、ベテランを自称する外科医にとっても教えられるところがはなはだ多く、ぜひとも、読をおすすめしたい。外科医のみならず、すべての医療関係者にお勧めできる好著でもある。(栗栖 茂氏 県立淡路病院外科部長)


外科医べからず集は外科医たる姿勢を詳細にまとめた本ですが、なかなか面白く興味深く読むことができました。べからず集の原点は「患者さんにとって失礼のない最高の医療をしましょう」ということに集約されると思いますが、具体的にかつ系統的に多方面に書かれており、この手の本にしては珍しく飽きずに読みすすめられました。
現在、僕のいる大学では医療教育カリキュラムで医師としてのマナーなる講義は存在しません。僕自身医師としてのマナーも研修時代、先輩医師の厳しい指導のおかげである程度習得することができたと思います。(もしその先輩医師がマナーを重視しない、指導しない医師であったら僕はすでに訴えられているかもしれません)。しかし残念ながらまだ未熟な僕からみても、マナーとして失格であると思える医師は驚くほど多いと思います。たとえ教授であれ、自分より年上の患者さんに対する言葉使いは気を付ける必要があると思います。マナー失格の上級医師のもとで研修を積んだとしても若い医師のマナーが向上するはずがないと思います。このような状況を改善すべく、ぜひ、べからず集のような本を教科書に医学教育に盛り込むべきと思います。(MYさん 医師)

本書は、著者が自らの確固たる信念に基づいて外科医としての生き方を追い求める中で、「梶谷語録」(梶谷鐶氏は元癌研病院院長)に深く共感し、その魂に突き動かされて記されたものである。
第一章〜第三章は、同語録から引用された手術に取り組む外科医の姿勢を技術的なものも含めて具体的に解説したものであるが、第四章は著者のオリジナルであり、まさに「大鐘語録」である。特にこの章には、様々な運命との出会いの中で外科医としてひたむきに生きてきた著者の生き様が実にリアルに描かれている。そして断腸の思いでメスを置かざるを得なくなった著者が、これから育っていく外科医に自らの夢を託しているように思われる。
著者は、一線の外科医を退いた今でも、ゼネラリストとしてまさにメスのごとき鋭い眼識をもって一般診療に携わっており、日頃親しくその謦咳に接している者として外科医のみならず、全ての医師にお薦めしたい良書である。(南あわじ市 中林病院 副院長)


孤高のメス
読者からの感想―

以前に「メスよ輝け!!」というベストセラーコミックスの原作を書いた著者が、あらためて小説化した作品。上下1200ページ余という長篇だが、サスペンスに富んだ筋立てと巧みな筆致で一度に読ませる。
先日再放送された「白い巨塔」を連想させるが、練達の外科医だった著者がモデルの主人公は、財前五郎のようなアンチヒーロー型ではない。肝移植に挑むヒーローは、あくまでさわやかに行きぬく。(秦 郁彦 , 日本大学元教授)

一気に読み終えた。臨場感と緊張感に満ちたストーリー運びは、まさに推理小説にも匹摘する。主人公当麻鉄彦の周囲にいる医者たちも、それぞれ個性的で存在感がある。大学病院での権力争いはもちろん、地域医療、大学病院と民間病院の関係、外科医の技量、博士号の意味など、医療現場が抱えるもろもろの問題も興味深い。
読後の充足感の中に、醒めたものがあるとすれば、それは当麻鉄彦のあまりの完璧さだろうか。容貌は、すらりとした長身ですっと背筋が伸び、濃く長い眉、鼻筋は通り、日本人離れした深い眼窩に涼しげな目、秀でた白皙の額に自然なウェーブがかかった前髪、である。性格は清廉潔白、世間でいう出世欲もない。数人の美しく聡明な女性たちに慕われつつも、恋愛にうつつをぬかすことはない。彼の心を捉えているのは、地方における高度なオールラウンド医療の実現なのだ。ある意味、これはヒーロー物語かもしれない。( フリーライター U.Kさん)

主人公の真面目さや一途さ、ピュアなこころが、悪びれずに、まっすぐ書かれているところに、この本の魅力があると思います。医師の志とは本来そういうものであったと思うし、初心にもどるためにお医者さまに読んでもらいたい本です。一般の読者のためには、人体図の挿絵のようなものがあったほうがよかったかとも思いましたが、先生の表現力が無限の想像力」を広げてくださるので、かえって邪魔になるかもしれませんね。こんなお医者様の存在を信じたいです。まわりに病人は思いのほか多く、私もいつまで健康でいられるかと思うと、心細くなってきます。当麻医師が、フィクションや理想の人物で終わってほしくないとねがっています。(T.Rさん)

毎晩睡眠薬がわりに本を読むのが習慣ですが、「孤高のメス」を読み始めたら眠気などどこかへ行ってしまい、いつしか真夜中になっていました。
グングン引き込まれ、当麻医師の手術の場面では絶対に成功してほしいと祈るような思いで応援している自分に笑ってしまいました。
手術室の緊迫した空気がヒシヒシと伝わり、メスの音までが聞こえてくるようでした。
医学界の複雑な世界が包み隠さず書かれてありますが、患者を第一に考えてくださる先生がいかに少ないか、大切な命を託す患者の身になってもう少し真剣に医療に取り組んでくれないものかとため息の出る思いでした。
一方で、医者と看護婦の恋愛、別れのストーリーを心から楽しみました。
それにしても、この本を興味深く読み終えられたのは、自分が今のところ健康だからだと思いました。もし患っていたら果たして冷静に読めるだろうか?そんなことを深く考えさせられる内容でした。そして、当麻先生のような医師が一人でも多く居てくれることを願いつつ、現実は随分違うな、とも。(女性 : O.Fさん 65歳 会社員)

はじめまして。ママの友達に貸してもらって読みました。汚すと怒られそうで気をつかって大変でした。ちょっと手術の場面多くて疲れました。私は、当麻医師を追求する記者さんが、一番、人間くさくて、いやな人だけど、ひっぱられました。他の男の人たちも、こんなお医者さんがいるんだって、興味深かったです。当麻医師はかっこいいけど 女の人につめたいですよね。ほんとうには人をすきになったりしない人じゃないかと思います。
今は、お医者様として、他が、見えなくても、きっと翔子さんが、やさしく解かしてくれるのかもしれません。愛は育てるものだと思うから。読んでいる間、息をしていないくらい手術の場面に入れ込みました。だから、疲れたんです。いっきに読んだせいもあります。ゆっくり読めばいいじゃないとママに言われました。ママは、もったいないから、ゆっくり味わって読むそうで、まだ、上巻です。友達の感想が、すばらしく、送ってもらったのです。買って読んでと言われたそうですが。友達は、淡路の人ですよ。
私は、17才です。(女性 : T・Uさん)
こんにちは、「孤高のメス」読ませて頂きました。月2回ぐらい図書館へ行ってましてその時見つけました。購入者ではなく申し訳ありません。こんなにすばらしい本は久しぶりに読みました。最近テレビ放映された山崎豊子薯「白い巨塔」、私は35年前に読みましたがこの時と同じように感動しました。手術中の場面などは素人には中々理解できなく、人間の内臓の図をインターネットからプリントしてみながら読みました。又、医者や病院にかかる時はよくよく注意して行かなければとも思いましたね!約1週間で夜中目が覚めたときにもつづきが気になって読みました。読み応えのある2冊でしたがまだつづきが読みたいですね。当麻医師が台湾に行ったその後の続編「台湾編」などの予定はないのでしょうか?その後の台湾での活躍・はたして結婚はしたのか・子供は?その子は医者になるのか?又、日本に帰って来て活躍するのか・・などと勝手に空想しています・・・    (男性 : M・Sさん))
登場する女性が古風すぎる。みな同じに見える。作者の年齢のせいかとも思われるが、作者に接する女性が医師という立場を尊重してそのような態度をとるので今風の若い女性の話し方に触れる機会がないのかと。彼女らの言葉づかいが丁寧すぎる。恋愛感情があれば、こんな距離をおいた物言いはしないと私は思う。読み応えは、あった。当麻医師がよい人すぎる気がしたが孤高とはそういうことであろう。よい面も悪い面もふくめて医者の書いた小説という感じがした。
Yさん 男性)
凄いです。迫力ありました。人の命がほとんど医師の選択如何によって左右される恐ろしさも覚えました。それも又その人の運命なのでしょうか?
登場人物の男性はそれぞれとても現実味を帯びた個性が見事にえがかれているのに対して女性の無個性さは何と・・・。
泣いてしまった所は、やっぱりドナーの臨終の場面です。切の静の心情はもう少し書いて欲しかった。子供を持つ母親としては、それはそれはつらいことですから。Mさん 主婦61歳)
「孤高のメス」上巻を読み終えたところです。
そろそろ研修が本格的になってきますので、いつメールを書くことができなくなるやもしれず、今日書くことにいたしました。
どうしても私としましては「メスよ輝け」の漫画を何度も熟読してしまっているので、そのイメージと重なっているところがあると思います。だからある意味展開が読めてしまっているので、一番最初に読む興奮や、感動が他の人に比べて少ないかもしれません。
それだけ「メスよ輝け」を読みつくしてしまっています(笑)。
だから「メスよ輝けよりも強く出ている、大鐘先生の「日本医療への思い」を読み取っています。医局制度と関連病院の複雑な関係、肝移植への思い、外科医としてあるいは医師としての思い、保険医療への思い、数々の登場人物に先生の思いが、書き重ねられ、重厚かつ多彩なものになっています。これ以上の医療小説はありえないのではないかと感じます。「メスよ輝け」は医療マンガの最高峰と称されていましたが、この本もそうだと思います。
またここには先生ご自身の医療に対する情熱と、煮えきらぬ医療業界との間の矛盾、軋轢が痛いほど伝わってきます。私は全く先生の考えに賛成です。
個人的にはホスピスの話が好きです。患者さんの立場に立ってみると、ホスピスというものがいかに必要であるか、先生の書き方で島田院長からうまく伝わってきます。
もう一つ感じたのは、あまり難しい表現をなるべく使わないよう、工夫されているのかなと思ったことです。医療関係者でなくても読めるようなるべく(それでも難しいとは思いますが)、配慮されているように感じます。(AIさん 研修医)

医師の手によってしか描けないリアリティが随所にちりばめられ、しかもそれぞれのエピソードが胸に響く、たぐいまれな医療小説だと思いました。
漫画では表現できい人間の機微や、医療が抱える複雑な問題点が小説という形によってはじめて表現されたように思う。H.Gさん 男性)

この作品の登場人物は作者の前著でこちらはノンフィクションの「私が出会った外科医たち」に紹介されている医師がモデルと知れます。
その家族や同僚たちが絡み、外科医の立身出世への野望、女性をめぐる愛憎劇が絶妙に織りなされ、さしも大部な上下巻も息もつかせず読ませます。外出中も、早く帰って手術の場面を読まなければと、そんな気持ちにさせる小説でした。
K.Hさん 女性 主婦)

三日程かけて一気に読み終えました。「メスよ輝け!!」との相異も含めて、大変興味深く、ストーリーの展開に引き込まれました。
私がパーソナリティを務めるラジオ番組でも紹介させてもらいました。
I.Tさん 男性 フリーアナウンサー)

正月三ヶ日は何もしないでひたすら眠り続けようと思い定めていましたが、「孤高のメス」で予定が狂いました。この大作に読み耽る余り、眠れぬ毎日を過ごしました。
バスの中でも、分厚い本が場違いのように思われましたが、ひるまず読み続け、5日で読了しました。
当麻医師を、私も空港から翔子とともに見送った気分です
「本当になぜ台湾なんかに行っちゃうんですか?」と独り言を呟きながら。
一言で感想を求められれば、「すごいです。一気に読みました。当麻医師に私も惚れました。」と書くでしょう。病める人の命を助けるというただただ純粋な心がなせる神業のような技術の冴え。
血のにおいにさえ耐えられない私が、何度も作中の手術に立ち会っているうちに、いつしか医学用語にも慣れ、緊迫感と共に冷静なまなざしで術野を見ているのでした。(K.Yさん 女性 主婦)

入院、再手術を前にものすごい不安です。担当医が当麻医師のようであって欲しい。
K.Tさん 主婦 公務員)

「孤高のメス」大部な本でしたがあっという間に引き込まれ一日で読み切りました。久しぶりに心が洗われた気持ちです。
このような感動をいただき、本当に有難うございました。(S.Tさん 男性 医師)

 現在2回目を読み始めました。何度読んでも心があらわれます。
当麻医師のような方はなかなかいませんが、どうしようもない医師たちは思い当たることしきりです。


「私が出会った外科医たち」
各誌書評―

実際にあって話をしたことがある人の自伝的エッセイを活字本として読むのははじめてである。作者の当初のイメージは“都落ちしてきた光源氏”.こんなところへ来ると言うことなにかしら傷を受けた過去を持つお医者さまなのだろうと。
読み進めて思ったことは,容姿やその場での発言等で判断できる人となりなんて本当に表面的なものに過ぎないということ、生命を預かる張り詰めた最前線に生きてこられ常に外科的技術への飽くなき向上心と探究心をつき進められた経験の蓄積,生きていることの充実感と言うものに触れた感じがし、自分がいかに経験不足で狭い世界に生きてきたか,それなりの山や谷があり悩みがあるにしろ,ぬるい生き方をしてきたことにきづかせられたのだった。こういう生き方をしている人と対等に話をあるいは付き合おうとするには相当自分のレベルを上げなければならない。
本文中一番印象に残ったのは12章にかかれた御長男との件である。「坊主と取っ組み合いのけんかをして瞼を腫らしても,気分は不愉快極まりなくとも,主治医である以上翌日には手術室に出なければならない。そんな最悪の精神状態で執刀することは患者への冒涜であろう。刺し違えて死ぬかと言うような衝動に駆り立てる人間と同じ屋根の下にいては到底平常心は保てない」そうか!著者は父たり夫たるよりは医者たるほうが生きる価値として数段上であるという自負があるのだ.。単なるサラリーマンだったら非難に値する行動だが、やはり医者と言う職業は特殊なのだろう.。それで患者が救われるのだと思って正解なのだろう。(自営業/歌人/女性/兵庫県)

医療にまったく無知な私だが、わかり易く書かれていて抵抗無く読めた。素晴らしお医者様がいらっしゃるのだなとため息の連続だった。想像すれば怖い場面もなぜか興味深く、次はどんな医師が登場するのかと,ワクワクしながら読んだ。カットの似顔絵から実際の医師の風貌を想像しながら読むのも楽しかった。(女性・調理師)

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若い外科医は多くの手術を見て学んでほしい、という願いを込め、半世紀の外科医人生をまとめた本である。名医達の手術風景に自らの失敗談を織り交ぜ、「オールラウンドプレーヤー」の必要性を訴える。(毎日新聞)

著者は院長を兼務しながら手術の名手と聞くとその病院へ押しかけて手技を盗んで回った。本書は見学先の名人達の記録であり、彼らの手術の紹介は外科学の進歩の歴史とともに、素人にもよくわかる達意の文章である。(毎日ライフ)

登場する高名な外科医たちが手術室の内外で見せる人間味溢れる素顔が実に巧みに描かれ、本書の大きな魅力となっている。(メディカル朝日)

これはすごい本である。真似のできない武者修行の記録である。
(日本医事新報)

正しい医療のありかたへの、著者の強い正義感と主張に裏付けられた、まじめで、熱のこもった本だ。医療現場の実態を知ることができる貴重な記録として評価できる。(ばらんす)

著者自身の生き様も含め、飽くなき外科道を邁進する名医達の姿には、パワーが溢れている。(月刊看護誌エキスパートナース)

読者から寄せられた感想

実際に会って話をしたことがある人の自伝的エッセイを活字本として読むのは初めての体験である。私の著者に対する最初のイメージは「都落ちしてきた光源氏」こんなところへ来るということは何かしら傷を受けた過去を持つお医者さまなのだろうというものだった。しかし、読み進めて思ったことは,容姿やその場での発言等で判断できる人となりなんて本当に表面的なものに過ぎないということだった。
生命を預かる張り詰めた最前線に生きてこられ,常に外科的技術への飽くなき向上心と探究心を付き進められた経験の蓄積を知り,生きていることの充実感と言うものに触れた感じがし,自分が以下に経験不足で狭い世界に生きてきたのか,それなりの山や谷があり悩みも相応にあるにしろ、生ぬるい生き方をしていることにきづかされたのだった。こういう生き方をしている人と対等に話を,あるいは付き合おうとするには、自分のレベルを相当上げなければならない。この本で一番印象的だったのは,第12章の次の一説である。
「長男と取っ組み合いのけんかをして瞼を腫らし気分は不愉快極まりなくても,主治医である以上執刀しなければならない。そんな最悪の精神状態で執刀することは患者に対する冒涜であろう・・・.刺し違えて死ぬかと言うような衝動に駆り立てる人間と同じ屋根の下にいては到底平常心は保てない」
そうか!父や夫としてあるよりは医者としてあるほうが生きる価値として数段上であるという自負がこの著者にはあるのだ!単なるサラリーマンだったら非難に値する行動だが,やはり医者と言う職業が特別なのだろう。救われる命を思えば仕方ないと思って正解なのだろう。(自営業,主婦,兵庫県)


「わが愛はやまず」
読者から寄せられた感想

「わが愛はやまずの」を繰り返し読んだ。主人公は志津と佐倉だろうが、二人の不義の子として生まれた三宝の可憐さに惹かれた。源氏物語の紫の上を彷彿とさせる。初めて佐倉と会ったときから、彼が実の父親と知るまでの心の動きが切ないほどに伝わってくる。その父との再会に余韻をふくませたラストがすばらしい。〈石川靖子/72歳〉

この小説を読み始めてからの私は、主人公の中条志津に心を奪われ、生活の中に持ち込んでしまい、読み終わるまで落ち着かぬ毎日でした。それほどこの作品が新鮮で心理描写が緻密且つ構成の巧みさに富み、それらに魅了されたからでしょう。病理学の分からぬ私が、乳癌の志津の痛みをこの何日か共有し、未だに右胸に禍根を持つという仮想体験をしています。(日種和子・主婦・68歳)
すごいの一言に尽きます。引き込まれるように読んでしまいました。
もう一度じっくり読み返します。(斉藤礼子・主婦・58才)
読み始めたその日と次の日朝四時過ぎまで、時間を知らずに読み終えました。第44章「告解」、こここそがこの作品のすべてが濃縮されてつまっているところと読み取れました.読み進むうちに涙が込み上げてきて、この章のおわりころには涙が溢れ続きました。
命をみごもった、うまれでたその命に対して、ここまで「有難う」をいえる母としてヒロインをみた時、私との共通点、母としての生き様の中で、わが娘に、かくまで―自分が死に際した時にー「ありがとう」と言えるか、その様に自分は生きてきたか、との思いで、自らを点検しつつ、泣けて泣けてしかたがありませんでした。(藤本由紀子・言語療法士・61歳) 
ストーリーの展開、個々の内容が素晴らしい。ヒロインの夫が妻の不貞を疑い、自分の血液型がBBなのかBOなのかがわかれば証明できると、これを追及するトリックに息を呑んだ。かつて法医学を学んだことがある私でも、見事に一本とられた、という感じである。(東海林茂樹・医師・54歳) 
最後まで一気に読んだ。第一章の書き出しや挿絵からぐいぐいと引き込まれる作品で、次々と展開する物語は、読み手に様々な期待を起させ、結末に到るまでのすべての章が読み応えのある内容であった。作者が「入魂の作品」と言うに相応しい大作と感じた。(安達洋祐・医師・大学教授・46才)
実際には有り得ないような(有ったら素晴らしい)一女性の生き方に引き込まれ、一気に読んでしまいました。感動の一冊でした。(若槻幸子・63歳)
読み進んでいくうちにその場その場の光景が浮かび、その中に引き込まれるほど魅力ある内容でした。苦悩はあったにしても自分の思うがままに正直に生き、穏やかな最後を迎えることができた主人公志津の生き方はとても羨ましく思えました。(藤嶋照子・主婦・60歳)
最初は本の厚さに少し尻込みしたが、読み進むうちにどんどん惹かれて、いわゆる「はまってしまった」状態となり、最後の数頁は、新幹線の車中にもかかわらず、ボロボロと涙を流してしまった。とてもよく出来た「通俗小説」という印象である。こういう言い方は作者に失礼かも知れないが、私自身、優れた「通俗映画」を作る監督でありたいと願っているので、あえて言わせていただく。登場人物の一人一人が、よくありそうな人物設定でありながら、類型的になっていないところに、作者の人生経験の深さ、人間を見る目の奥行きを感じる。(大森一樹・映画監督・51歳)
愛とは底なしの昏迷なのか、神秘のベールに包まれた潤いの空間なのか。限りある生命を前にして、それを冷徹に見守る外科医と脚を絡めて灼かれるように絶叫しながら愛の確認を急ぐ女主人公。時の経つのを忘れ読了し、しばし呆然としていた。読書の愉悦を改めて思い出させてくれた小説である。(山口崇・俳優・68歳)
本好きではないので大作長編は滅多に読まないが、この本は面白くて次から次へとページを繰ってしまった。著者が医者であるだけに、医学的表現の場面では余人には出来ない作者の独壇場とも言える筆力で読者を引き込む。久しぶりに長編文学の世界に浸ることが出来た。(竹内克好・元埼玉県教育長・70歳)
登場人物のつながりがわかってくるに連れ、巧みな筋立てに引き込まれていきました。この長編小説は幾多のナースや入院の経験者に大きな感動を与えたであろうと想像しています。表紙の装丁や本文中の挿絵も、全章を読了して見直すと更に印象が深くなりました。この小説がテレビドラマ化される日を待つことにいたします。(菊川兼男・元高校長・89歳)