窯の雑記帳

3. へこたれなかった ふくろう達

歪んでしまったふくろういつかの窯焚きの時のことです。
左の写真の ちびふくろう達が、窮地を救ってくれました。顔が歪み、頭がへこんでしまったのはその時の傷です。

窯手宮窯には、窯は灯油窯と電気窯がありますが今は殆ど電気窯を使っています。途中でプロパンガスを入れて還元焼成も出来るタイプのものです


窯詰めは、棚板という白い板の上に作品を置き、つくを支柱にして、またその上に棚板をのせていきます。つくは色々な高さのものがあります。
写真は、焼成が終わって30時間位冷ました後、これから窯出し...というところです。ティーカップの下にある板が棚板です。

ちびふくろうは、背の高さがコーヒー碗皿の皿より少し高く、窯詰めの時は棚板の上に皿を並べその隙間に置く事が多いです。効率を良くする為、同じ位の高さのものを、同じ段におきます。

そしてあの時。窯出しをしていて、皿の隣に頭のつぶれたふくろうを見つけました。なんとそのふくろう達が、つくの代わりに棚板を支えていたのです。窯詰めで、つくの上に棚板を置く時に、ぎりぎりに置きすぎて、その上の段にのっている物の重みで、棚板が つくからずれてしまっていました。
棚板1枚の重さは4.6s、それが数枚、そして品物の重さ...。小さな体で何10sもの重さを、窯詰めの時から支え通してくれたのです。顔や頭は焼成中に歪み、つぶれてしまったのでしょう。顔の歪んだふくろうは歯を食いしばっていたかのようです。

もしふくろう達が、へこたれて持ちこたえられなかったら、棚板が傾きその上の段にのっているものが倒れてしまっていたと思います。焼成時は、品物同士がくっついていると、そのまま焼きあがってしまいます。そうならなかったのは、このふくろう達のおかげです。

このような失敗はこの時限りですが、忘れないように、このふくろう達は窯の近くに置いています。感謝の気持ちも込めて...。
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