ご存知ですか?不妊・去勢手術 | |
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自然のままが良いという意見もあるかと思います。ただ、ヒトと共に生活するというワンちゃん・ネコちゃんの環境は、大自然の中で自由に行動する野生動物の環境とは明らかに異なるものなのです。 仔犬・仔猫を望まないのであれば早い時期の手術が勧められます。 |
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去勢手術(精巣摘出手術) |
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ねこ:ふくろの真ん中を切開し、睾丸(精巣)を切除します。 切開部は縫合しません。 いぬ:ふくろの少し前方を切開し、睾丸を切除します。 切開部は縫合し、2週間後に抜糸します。 ※陰睾(ふくろに睾丸が降りていない病気)では腹腔内あるいは そ径部に睾丸が停留し切開部が数箇所になり、手術が複雑に なります。 |
不妊手術(卵巣子宮全摘出手術) |
ねこ:お腹の真ん中あたりを切開し、卵巣・子宮を摘出します。 切開部は縫合しますが、抜糸の必要はありません。 いぬ:おへその近くを切開し、卵巣・子宮を摘出します。 切開部は縫合し、2週間後に抜糸します。 ※子宮蓄膿症、卵巣腫瘍、妊娠があれば切開創は大きくなり、 手術は複雑になります。 ※不妊・去勢手術は生後6〜8ヶ月齢から可能です。 特に乳腺腫瘍(乳癌)の予防には2回目の発情前の手術が 効果的です。 |
不妊・去勢手術のメリット |
1 繁殖を抑えることができます。 2 無用の性衝動を抑えてあげることにより精神的・行動的にも安定 させてあげられます。 また、発情期に発生する様々なトラブル(放浪癖、喧嘩、鳴き声 尿マーキングなど)の予防・防止にもなります。 3 病気の予防ができます。 メス:子宮蓄膿症、乳腺腫瘍(乳癌)、卵巣の疾病など オス:前立腺の疾病、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニア、 精巣(睾丸)の疾病など また交配に伴う各種伝染病の予防にもなります。 |
不妊・去勢手術のデメリット |
1 肥満になりやすくなってしまいます。 卵巣・精巣は細胞分裂を繰り返し行うなどエネルギーを 大量に消費している臓器です。それを摘出してしまう訳 ですから、手術後も手術前と同量の食餌を与えていると 体重が増加していく可能性があります。 手術後は食餌量のコントロールが必要となります。 2 手術には全身麻酔が必要です。 |
全身麻酔について |
不妊・去勢手術は健康な時に行う手術ですので、手術そのものに危険はほとんどありません。しかし手術には全身麻酔が必要になります。全身麻酔については100%安全ということはできません。非常にまれではありますが、麻酔に対する動物の特異体質により不測の事態が生じることがあります。年齢が若く健康であっても、わずかですが危険が伴います。 不妊・去勢手術は手術時間も短いため、通常は注射薬での全身麻酔にて行います。中高齢での手術や、シーズーやパグなど短頭種、またいびきをかくなど呼吸に問題があれば、気管にチューブを入れて呼吸と麻酔を調節しながら手術を行うガス麻酔という方法を選択する場合があります。ガス麻酔はより安全な麻酔方法です。 全身麻酔は、心臓や肺だけではなく肝臓や腎臓などの内臓の機能に負担をかけます。普段の生活ではわからないような病気が潜んでいた場合、全身麻酔の危険性は高くなり、また術後の体調が悪くなる可能性もあります。中高齢での手術や診察の結果必要がある場合には、術前に血液検査をおすすめすることがあります。術前の血液検査を希望される方はお申しつけ下さい。 |