賢信の戦った日々

入院中のことを日記のようにしてつづっています。
この中のことはあくまでも私の記憶です。
かけられた言葉などはあやふやです。
相手はそんな意味で言ったのではないかもしれませんが、
私はそう感じたというのもあります
2003/08/06    目にガーゼあてる
透析をしてから腎臓の数値はわずかずつ良くなる。
しかし、白血球が7万と異常な数値。
DICの症状が収まってきているにもかかわらず 赤血球が減り続ける。免疫が異常に反応して自分で自分の細胞をやっつける血球貪食症候群のおそれがあると言われる。
 でもその治療には大量のステロイドがいるという。ステロイドには副作用がある。この病気がどうか調べるには髄液を取って、細胞が血液を食べているのを調べる必要がある。賢信は髄液をとれる状態ではないと言われました。「白血球が多いと言うことは免疫が過剰に反応していると言うことではないのですか?一か八かやって下さい、」と言ったのですが、この病気がどうか判断できないと無理だと言われました。これは仕方がないのかもしれません。一か八か実験的に治療するのは難しいと思います。
 ふと気が付くと 一度減っていた強心剤の量が再び増えていました。
あちらが良くなればこちらが悪くなるの状態。いつまで続くのか・・・
 賢信は入院してからうっすらと目が開いていました。途中より目が浮腫んで黄色く盛り上がっていたのです。初めてそれを見たときはすごくビックリしてショックでした。
 それ以来目薬をしていました。ガーゼをとも言われましたが、顔に物をかぶせるのがイヤだったので目薬にしていました。
 しかし、あまり効果がないのでガーゼをかぶせることにしました。
 時々、3女の部屋に行く。3女はお婆ちゃんが見てくれている。3女は4人部屋。入院なんて初めての我が家。
向かいで 肺炎で入院している小さい子が苦しそうに泣いている。
 それを看病疲れでイライラしたお母さんが 子供にあたっている。
「泣いているだけ言いやん 賢信の病室を見てみろ!」
食べない、じっとしていないと悩むのを聞くと羨ましく、妬ましく思う。
私も少し前まではああやって悩んでいた。子供の些細なことに悩んでいた。
 今は悩めることが羨ましい・・・
 夜中、3女が泣いているとお婆ちゃんが言う。
言ってみると3女は声を抑えて泣いている。私が声をかけるとこみ上げた物がこらえきれないと言う感じで、抱きついてきて大泣きするが、大部屋というのを気を使ってか何とか泣くのを押さえようとしている。
 まだ3才。よく頑張ったと思う。
 3女は天真爛漫という言葉がぴったりで、いつも楽しそうに歌っている。悔しくて泣くと言うことはあっても、悲しくて泣くなんてないことだ。
 思いっきり泣かせてあげたくて、待合室に行って、「いっぱい泣いていいよ。」と言う。
 少し落ち着いてから 病室へ戻り、横になるとしばらくしてから寝てくれた。
 家族みんなが頑張っている。それぞれに苦しい思いをしながら立ち向かおうとしている。
 賢信。人によってはね、賢信に沢山管がついてるのが可哀相という人もいるよ。
 でもねママはそう思わない。だって、可哀相なんて思ったら、頑張っている賢信に失礼だ。そう思う。だって賢信は居きるために頑張っている。生きるためにはこの治療が必要なんだモンね。
闘おう。頑張ろう。家族みんながまっているよ。
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Last updated: 2008/3/16