脈はとうとう70台。1上がり下がりするだけで一喜一憂する。
マッサージを止めると脈が下がりそうで とめられない。
治療のための点滴も 脈を下がる物でしかない。
1週間持つかどうか・・・そういわれる。
信じられない。イヤ 信じたくない。まだいける必死にそう思いこもうとする。
最初の28日に子供達が入ろうとしたときに「ショックを受けるから」と言っていた看護師さんが「賢信君達はお姉ちゃんと会ったの?連れてきてあげたら?」と言われる。返事が出来ない。その言葉が賢信の状態を物語っている。
その日 久しぶりに家に帰る。賢信が座っていた椅子に3女が座っている。もともと3女の椅子だったのだが、賢信にあげると自ら差し出していた物だ。
「賢信が帰ってきたら返すわ」と座っている。
賢信が好きな玩具、賢信が良く座っていたソファ、賢信がよくイタズラした扉、スィッチ、賢信の服。賢信がイタズラするからと棒でふさいでいた扉の棒が取り除かれている。
主人の亡くなったお母さんの遺影を見て腹が立つ。「どうして助けてくれないの!」初宮参りで貰った矢をみて怒りがこみ上げる「どうして賢信をこんな目に遭わすの!賢信が何をした!私が悪いのなら私を罰すればいい!」呼吸器をつけて以来初めて大泣きをする。子供達に明日病院に連れていってあげると約束をし、病院に戻る。
病院に戻ると友人がいた。
その目の前で夫婦喧嘩をおっぱじめる。現実が迫ってくる。
賢信。あかん あかんねん!子供が親より先に死んだらあかんねん!わかるやろ・・・
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