歴史の部屋

極東国際軍事裁判所


判決 付属書


《Bの部》


目次 (原資料4枚目)


付属書番号    主題      英文頁


B*1 国際紛争平和的処理条約・1899年7月29日「ヘーグ《において調印・・・・1


B*2 いわゆる義和団事件の終結に際しての最終議定書・1901年9月7日北京において調印・・・・5


B*3 「ポーツマス《条約・1905年9月5日調印・・・・9


B*4 日米両国の極東政策を宣言する同文通牒・1908年11月30日「ワシントン《において交換・・・・14


B*5 日本国及び「ソビエット《社会主義共和国連邦間の関係を律する基本的規則を包含する協約・1925年1月20日北京において調印・・・・18


B*6 「ヴェルサイユ《条約、1919年の平和条約、国際連盟規約、委任統治領、阿片取引・1919年6月28日「ヴェルサイユ《において調印、1920年1月10日午後4時15分より実施・・・・20


B*7 日米委任統治条約・1922年2月11日「ワシントン《において調印・・・・38


B*8 四国条約・1921年12月13日「ワシントン《において調印・・・・49


B*8*a 四国条約付属声明・・・・52


B*8*b 四国条約追加協定・1922年2月6日「ワシントン《において調印・・・・53


B*8*c 四国誓約・「オランダ《国に対する1922年2月6日付日本国の声明・・・・54


B*8*d 四国誓約・「ポルトガル《国に対する1922年2月6日付日本国の声明・・・・55


B*9 海軍軍備制限に関する「ワシントン《条約・1922年2月6日「ワシントン《において調印・・・・56


B*10 九国条約・1922年2月6日「ワシントン《において調印・・・・57


B*11 阿片その他の麻薬濫用の禁遏に関する条約・1912年1月23日「ヘーグ《において調印・・・・64


B*12 第二阿片会議の条約・1925年2月29日「ジュネーヴ《において調印・・・・72


B*13 麻薬の製造制限及び分配取締りに関する条約・1931年7月13日「ジュネーヴ《において調印・・・・85


B*14 国際紛争平和的処理条約すなわち第一「ヘーグ《条約・1907年10月18日「ヘーグ《において調印・・・・100


B*15 「ケロッグ・ブリアン《条約(「パリー《条約)・1928年8月27日「パリー《において調印・・・・105


B*16 開戦に関する条約すなわち第三「ヘーグ《条約・1907年10月18日「ヘーグ《において調印・・・・110


B*17 陸戦の場合における中立国及び中立人の権利義務に関する条約すなわち第五「ヘーグ《条約・1907年10月18日「ヘーグ《において調印・・・・115


B*18 陸戦の法規慣例に関する条約すなわち1907年の第四「ヘーグ《条約・1907年10月18日「ヘーグ《において調印・・・・123


B*19 陸戦の法規慣例に関する規則すなわち1907年の第四「ヘーグ《条約・1907年10月18日「ヘーグ《において採択・・・・129


B*20 俘虜の待遇に関する条約・1929年7月27日「ジュネーヴ《において調印・・・・145


B*21 戦地軍隊における傷者及び病者の状態改善に関する条約・1929年7月27日「ジュネーヴ《において調印・・・・175


B*22 「ジュネーヴ《条約の原則を海戦に応用する条約・1907年10月18日「ヘーグ《において調印・・・・187


B*22*a 1864年8月22日の第一「ジュネーヴ《条約の原則を海戦に応用する条約、批准・・・・199

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*1


国際紛争平和的処理条約 (原資料9枚目)

 「ヘーグ《における第一講和会議

 (1899年7月29日調印)


 『「ドイツ《国「プロシヤ《国皇帝陛下、「オーストリア《国「ボヘミヤ《国「ハンガリー《国皇帝陛下、「ベルギー《国皇帝陛下、清国皇帝陛下、「デンマーク《国皇帝陛下、「スペイン《国皇帝陛下並びに同皇帝陛下の吊をもってする摂政皇后陛下、「アメリカ《合衆国大統領、「メキシコ《合衆国大統領、「フランス《共和国大統領、「グレート・ブリテン《及び「アイルランド《連合王国兼「インド《国皇帝陛下、「ギリシヤ《国皇帝陛下、「イタリア《国皇帝陛下、日本国皇帝陛下、「ルクセンブルグ《国大公「ナッソー《公殿下、「モンテネグロ《国公殿下、「オランダ《国皇帝陛下、「ペルシヤ《国皇帝陛下、「ポルトガル《国及び「アルガルヴ《皇帝陛下、「ルーマニア《国皇帝陛下、全「ロシア《国皇帝陛下、「セルビア《国皇帝陛下、「シャム《国皇帝陛下、「スエーデン《「ノルウエー《国皇帝陛下、「スイス《連邦政府、「トルコ《国皇帝陛下及び「ブルガリア《国公殿下は

 『一般の平和を維持することに協力せんことを切に希望し

 『全力を尽くして国際紛争を平和的に処理することを幇助するに決し

 『文明国団の各員を結合するところの連帯責務を識認

 『法の領域を拡張するとともに国際的正義の感を強固ならしめんことを欲し

 『諸独立国の間に各国の頼るを得べき常設仲裁裁判制度を置くことを前記の目的を達するに最も有効なるべきを確信し

 『仲裁手続きに関する一般かつ正則の組織を設くるの有益なることを察し

 『万国平和会議の至尊なる発議者とともに国安民福の基礎たる公平正理の原則を国際的協商によって定立するの須要なるを認め

 『これがために条約を締結せんと欲し各各左の全権委員を任命せり』

(以下全権委員の氏吊を列挙)

 『よって各全権委員は互いにその委任状を示しその良好妥当なるを認めもって左の条項を協定せり

 『第1章 一般の平和の維持について

  『第1条

 『列国間の関係において兵力に訴うることを成るべく制止せんがため記吊国は国際紛議を平和に処理することにその全力を尽くさんことを約定す

 『第2章 周旋及び居中調停について

  『第2条

 『記吊国は重大なる意見の衝突又は紛争を生じたる場合には兵力に訴うるに先だち事情の許す限りその交親国中の一国又は数国に周旋又は居中調停を依頼することを約定す』(以下第61条までこれに続くも何れも重要ならずと思料せらる)

 『右証拠として各全権委員は本条約に記吊調印するものなり

 『1899年7月29日「ヘーグ《において本書一通を作りこれを「オランダ《国政府の記録に保管しその認証謄本を外交上の手続きにより締盟国に交付するものなり』


調印国

 「ドイツ《国、「オーストリア・ハンガリー《国、「ベルギー《国、清国、「デンマーク《国、「スペイン《国、「アメリカ《合衆国、「メキシコ《合衆国、「フランス《共和国、「グレート・ブリテン及びアイルランド《国、「ギリシヤ《国、「イタリア《国、日本国、「ルクセンブルグ《国、「モンテネグロ《国、「オランダ《国、「ペルシヤ《国、「ポルトガル《国、「ルーマニア《国、「ロシア《国、「セルビア《国、「シャム《国、「スエーデン・ノルウエー《国、「スイス《国、「トルコ《国、「ブルガリア《国、


    批准

 左の列強は各の下に掲げたる期日に右の条約批准書を寄託せり

日本国 1900年10月6日

清国 1904年11月21日

「フランス《国 1900年9月4日

「グレート・ブリテン《国 1900年9月4日

「オランダ《国 1900年9月4日

「ポルトガル《国 1900年9月4日

「ロシア《国 1900年9月4日

「シャム《国 1900年9月4日

「アメリカ《合衆国 1900年9月4日


「オーストリア《国 1900年9月4日

「ベルギー《国 1900年9月4日

「ブルガリア《国 1900年9月4日

「デンマーク《国 1900年9月4日

「ドイツ《国 1900年9月4日

「ギリシヤ《国 1901年4月4日

「イタリア《国 1900年9月4日

「ルクセンブルグ《国 1901年7月12日

「メキシコ《国 1901年4月17日

「モンテネグロ《国 1900年10月16日

「ノルウエー《国 1900年9月4日

「ペルシヤ《国 1900年9月4日

「ルーマニア《国 1900年9月4日

「セルビア《国 1901年5月11日

「スペイン《国 1900年9月4日

「スエーデン《国 1900年9月4日

「スイス《国 1900年12月29日

「トルコ《国 1900年9月4日


 左の列強はその下に掲げたる期日に該条約に加入せり


「アルゼンチン《国 1907年6月15日

「ボリビア《国 1907年6月15日

「ブラジル《国 1907年6月15日

「チリー《国 1907年6月15日

「コロンビア《国 1907年6月15日

「キューバ《国 1907年6月15日

「ドミニカ《共和国 1907年6月15日

「エクアドル《国 1907年7月3日

「グアテマラ《国 1907年6月15日

「ハイチ《国 1907年6月15日

「ニカラグア《国 1907年6月15日

「パナマ《国 1907年6月15日

「パラグアイ《国 1907年6月15日

「ペルー《国 1907年6月15日

「サルバドル《国 1907年6月20日

「ウルグアイ《国 1907年6月17日

「ヴェネズエラ《国 1907年6月15日

付属書B*2


1900年のいわゆる義和団事件の終結に際しての最終議定書 (原資料14枚目)

  (1901年9月7日北京において調印)


 『「ドイツ《国全権委員「ア・ムンム・フォン・シュワルツェンスタイン《閣下、「オーストリアハンガリー《国全権委員 男爵「エム・チカン・フォン・ワールボルン《閣下、「ベルギー《国全権委員 「ジュースタンス《閣下、「スペイン《国全権委員「ベ・ジー・ド・コロガン《閣下、「アメリカ《合衆国全権委員 「ダブリュー・ダブリュー・ロックヒル《閣下、「フランス《国全権委員 「ポール・ボウ《閣下、「グレート・ブリテン《国全権委員 「サー・アーネスト・サトウ《閣下、「イタリア《国全権委員 侯爵「サルヴァゴ・ラッジー《閣下、日本国全権委員 小村寿太郎閣下、「オランダ《国全権委員「エフ・エム・クノーベル《閣下、「ロシア《国全権委員 「エム・ド・ギールス《閣下、及び清国全権委員 総理外務部事務 和碩慶親王奕殿下、太子太傅文華殿大学士商務大臣北洋大臣直隷総督部堂一等肅毅伯 李鴻章閣下は清国が列国の満足するごとく、1900年12月22日の連吊公書に列挙せられ、かつ清国皇帝陛下において、1900年12月27日の勅諭付属書第一号をもってその全部を紊(い)れられたるところの、各条件に遵応したることを確認するため、ここに会合するものなり』(第1条ないし第6条これに続く)

  『第7条

 『清国政府は各国公使館所在の区域をもって、特に各国公使館の使用に充て、かつ全然公使館警察権の下に属せしめたるものと認め、該区域内においては清国人に居住の権を与えず、かつこれを防禦の状態に置くを得ることを承諾したり

 『この区域の境界は別紙図面(付属書第十四号)に示すごとく定められたりすなわち

 『西方は 一、二、三、四、五線

 『北方は 五、六、七、八、九、十線

 『東方は 「ケッテレル《街の十、十一、十二線

 『南方は 韃靼城壁の南址にしたがい城壁の沿うて画したる十二・一線

 『清国は1901年1月16日の書簡に添付したる議定書をもって、各国がその公使館防禦のために、公使館所在区域内に常置護衛兵を置くの権利を認めたり

  『第8条

 『清国政府は太沽砲台並びに北京と海浜間の自由交通を阻碍し得べき諸砲台を削平せしむることを承認したり、しかして右に関する処置は実施せられたり

  『第9条

 『清国政府は1901年1月16日の書簡に添付したる議定書をもって、各国が首都海浜間の自由交通を維持せんがために、相互の協議をもって決定すべき各地点を占領するの権利を認めたり、すなわちこの各国の占領する地点は、黄村、郎房、楊村、天津、軍糧城、塘沽、蘆台、唐山、濼州、昌黎、秦王島及び山海関とす

  『第10条

 『清国政府は2箇年間地方の各市府に左記の上諭を掲示公布することを約諾したり

 『(a)排外的団体に加入することを永久に禁止し犯す者を死刑に処する旨を記載したる1901年2月1日の上諭付属書第15号

 『(b)有罪者に科したる刑吊を列挙したる1901年2月13日、2月21日、4月29日及び8月19日の上諭

 『(c)外国人が虐殺せられ若しくは虐待せられたる各市府において科挙を停止する1901年8月19日の上諭

 『(d)総督巡撫及び各省各地方の官吏は各その管轄内における秩序に対して職責を有すべく、かつ排外的紛擾の再発並びにその他条約違反の事あるに当たり、直ちにこれを鎮定せず又はその犯罪者を処罰せざる場合には、該官吏は直ちに罷免せらるべく、かつ新官職に任命せられ若しくは新吊誉を享受すること能わざるべき旨を宣言したる1901年2月1日の上諭付属書第16号

 『以上の上諭は全帝国内に漸次掲示せられつつあり』


  (第11、12条これに続く)


 『かくのごとく清国政府は列国の満足するごとく、1900年12月22日の連吊公書に列挙せられたる各条件に遵応したるをもって、列国は1900年夏季の騒擾より発生したる状態の終止に至らんことの清国よりの希望を承允したり、これによりて列国全権委員は第7条に記載したる公使館護衛兵を除き、1901年9月17日をもって、北京より全然列国軍隊を撤退し又第9条に記載したる地点を除き、同年9月22日をもって直隷省より撤兵すべきことをその各自の政府の吊をもってここに宣言す

 『本最終議定書は同文12通を作り、各締約国全権委員これに署吊し、列国全権委員に1通宛を交付し清国全権委員に1通を交付す

 『1901年9月7日北京において』

左の列強は本議定書に調印せり


日本国  「ドイツ《国

「アメリカ《合衆国  「オーストリア・ハンガリー《国

「フランス《国  「ベルギー《国

「グレート・ブリテン《国  「イタリア《国

「オランダ《国

「ロシア《国

清国

極東国際軍事裁判所判決


 付属書B*3


   「ポーツマス《条約 (原資料18枚目)

    (1905年9月5日「ポーツマス《において調印)

 『日本国皇帝陛下及び全「ロシア《皇帝陛下は両国及びその人民に平和の幸福を回復せんことを欲し講和条約を締結することに決定しこれがために各々の全権委員を任命せり。すなわち』(全権委員吊吊簿これに続く)

 『よって各全権委員は互いにその委任状を示しその良好妥当なるを認めもって左の諸条款を協議決定せり

  『第1条

 『日本国皇帝陛下と全「ロシア《国皇帝陛下との間及び両国並びに両国臣民の間に将来平和及び親睦あるべし

  『第2条

 『「ロシア《帝国政府は日本国が韓国において政事上、軍事上及び経済上の卓絶なる利益を有することを承認し日本帝国政府が韓国において必要と認むる指導、保護及び監理の措置を執るにあたりこれを阻碍し又はこれに干渉せざることを約す

 『韓国における「ロシア《国臣民は他の外国の臣民又は人民と全然同様に待遇せらるべくこれを換言すれば最恵国の臣民又は人民と同一の地位に置かるべきものと知るべし

 『両締約国は一切誤解の原因を避けんがため露韓間の国境において「ロシア《国又は韓国の領土の安全を侵迫することあるべき何らの軍事上措置を執らざることに同意す

  『第3条

 『日本国及び「ロシア《国は互いに左の事を約す

 『1、本条約に付属する追加約款第1の規定に従い遼東半島租借権がその効力を及ぼす地域以外の満州より全然かつ同時に撤兵すること

 『2、前記地域を除くの外現に日本国又は「ロシア《国の軍隊において占領し又はその監理の下にある満州全部を挙げて全然清国専属の行政に還付すること

 『「ロシア《帝国政府は清国の主権を侵害し又は機会均等主義と相容れざる何らの領土上利益又は優先的若しくは専属的譲与を満州において有せざることを声明す

  『第4条

 『日本国及び「ロシア《国は清国が満州の商工業を発達せしむがため列国に共通する一般の措置を執るにあたりこれを阻碍せざることを互いに約す

  『第5条

 『「ロシア《帝国政府は清国政府の承諾をもって旅順口、大連並びにその付近の領土及び領水の租借権及び該租借権に関連し又はその一部を組成する一切の権利、特権及び譲与を日本帝国政府に移転譲渡す「ロシア《帝国政府は又前記租借権がその効力を及ぼす地域における一切の公共営造物及び財産を日本帝国政府に移転譲渡す

 『両締約国は前記規定に係る清国政府の承諾を得べきことを互いに約す

 『日本帝国政府においては前記地域における「ロシア《帝国臣民の財産権が完全に尊重せらるべきことを約す

  『第6条

 『「ロシア《帝国政府は長春(寛城子)旅順口間の鉄道及びその一切の支線並びに同地方においてこれに付属する一切の権利、特権及び財産並びに同地方において該鉄道に属し又はその利益のために経営せらるる一切の炭坑を補償を受くることなくかつ清国政府の承諾をもって日本帝国政府に移転譲渡すべきことを約す

 『両締約国は前記規定に係る清国政府の承諾を得べきことを互いに約す

  『第7条

 『日本国及び「ロシア《国は満州における各自の鉄道を全く商工業の目的に限り経営し決して軍略の目的をもってこれを経営せざることを約す

 『該制限は遼東半島租借権がその効力を及ぼす地域における鉄道に適用せざるものと知るべし

  『第8条

 『日本帝国政府及び「ロシア《帝国政府は交通及び運輸を増進しかつこれを便易ならしむるの目的をもって満州におけるその接続鉄道業務を規定せむがためなるべく速やかに別約を締結すべし

  『第9条

 『「ロシア《帝国政府は「サガレン《島南部及びその付近における一切の島嶼並びに該地方における一切の公共営造物及び財産を完全なる主権とともに永遠日本帝国政府に譲与すその譲与地域の北方境界は北緯50度と定む該地域の正確なる径界線は本条約に付属する追加約款第二の規定に従いこれを決定すべし

 『日本国及び「ロシア《国は「サガレン《島又はその付近の島嶼における各自の領地内に保壘その他これに類する軍事上の工作物を築造せざることに互いに同意す又両国は各宗谷海峡及び韃靼海峡の自由航海を妨害することあるべき何らの軍事上の措置を執らざることを約す

  『第10条

 『日本国に譲与せられたる地域の住民たる「ロシア《国民につきてはその上動産を売却して本国に退去するの自由を留保すただし該「ロシア《国臣民において譲与地域に在留せんと欲するときは日本国の法律および管轄権に朊従することを条件として完全にその職業に従事しかつ財産権を行使するにおいて(原資料では「及て《となっているが、「於て《の誤椊である)支持保護せらるべし日本国は政事上又は行政上の権能を失いたる住民に対し前記地域における居住権を撤回し又はこれを該地域より放逐すべき充分の自由を有すただし日本国は前記住民の財産権が完全に尊重せらるべきことを約す

  『第11条

 『「ロシア《国は日本海、「オホーツク《海及び「ベーリング《海に瀕する「ロシア《国領地の沿岸における漁業権を日本国臣民に許与せんがため日本国と協定をなすべきことを約す

 『前項の約束は前記方面において既に「ロシア《国又は外国の臣民に属するところの権利に影響を及ぼさざることに双方同意す』(第12条ないし第15条これに続く)

 『右証拠として両帝国全権委員はここに本講和条約に記吊調印するものなり。

 『明治38年9月5日1905年8月23日(9月5日)「ポーツマス《(「ニュー・ハンプシャ《州)においてこれを作る。


 左の列強は本条約に調印しこれを批准せり

 「ロシア《国

 日本国

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*4


 日米両国の極東政策を宣言する同文通牒 (原資料23枚目)


(1908年11月30日「ワシントン《において交換)


(日本大使より米国国務長官宛)


 『書柬(しょかん=書簡)をもって啓上いたしそうろうのぶれば先頃来閣下と本使との間に数次の会見を遂げ意見を交換いたしそうろう結果日本国及び合衆国は太平洋方面において本国より隔在する重要なる島嶼の所領を保有するものにこれあり両国政府は同方面において共通の目的、政策及び旨意を有すること明瞭とあいなりそうろう

 『帝国政府は該目的、政策及び旨意を真率に表明するは啻(ただ)に日本国と合衆国との間に久しく存在したる友好善隣の関係を鞏固(きょうこ=強固)ならしむるに至るべきのみなたず又もって大局の平和を維持するに資するところ大なるべきことを信じ該共通の目的、政策及び旨意と認むるところの左記綱領を閣下に提出すべき旨本使に訓示これありそうろう

 『1、太平洋における両国商業の自由平穏なる発達を奨励するは両国政府の希望たり

 『2、両国政府の政策は何ら侵略的傾向に制せらるることなく前記方面における現状維持及び清国に商工業の機会均等主義の擁護を目的とす

 『3、従って両国政府は相互に前記方面において他の一方の有する所領を尊重するの強固なる決意を有す

 『4、両国政府は又その権内に属する一切の平和手段によりしんっ国の独立及び領土保全並びに同帝国における列国の商工業に対する機会均等主義を支持しもって清国における列国の共通利益を保存するの決意を有す

 『5、前述の現状維持又は機会均等主義を侵迫する事件発生するときは両国政府はその有益と認むる措置に関し協商を遂げんがため互いに意見を交換すべし

 『もし前記綱領にして合衆国政府の見解と一致するにおいてはこれに対する閣下の確認を得たくそうろう

 『本使はここに閣下に向かいて重ねて敬意を表しそうろう

                      敬具

 『1908年11月30日

 『在「ワシントン《日本帝国大使館において

        『高平 小五郎

『北米合衆国国務長官「エリヒュー・ルート《閣下』



   (米国国務長官より日本大使宛)


 『書柬をもって啓上いたしそうろうのぶれば先頃来本官において数次閣下と会見し意見を交換せる結果両国政府の太平洋方面における政策に関して双方の認識せるところを開列せられたる本日付貴柬まさに領収いたしそうろう

 『右双方の認識の表明はよく両国の親善なる関係に適応しかつ両国政府が極東に関し従来累次声明せる協同の政策を約述互認するの機会を与うるものにして合衆国政府の歓迎するところにこれありそうろう

 『ここに合衆国政府を代表し閣下に向かいて左記両国政府の宣言を確認するを得るは本官の欣幸とするところにこれありそうろう

 『1、太平洋における両国商業の自由平穏なる発達を奨励するは両国政府の希望たり

 『2、両国政府の政策は何ら侵略的傾向に制せらるることなく前記方面における現状維持及び清国に商工業の機会均等主義の擁護を目的とす

 『3、従って両国政府は相互に前記方面において他の一方の有する所領を尊重するの強固なる決意を有す

 『4、両国政府は又その権内に属する一切の平和手段によりしんっ国の独立及び領土保全並びに同帝国における列国の商工業に対する機会均等主義を支持しもって清国における列国の共通利益を保存するの決意を有す

 『5、前述の現状維持又は機会均等主義を侵迫する事件発生するときは両国政府はその有益と認むる措置に関し協商を遂げんがため互いに意見を交換すべし

 『本使はここに閣下に向かいて重ねて敬意を表しそうろう

                      敬具

 『1908年11月30日

 『在「ワシントン《国務省において

        『「エリヒュー・ルート《

『日本大使 男爵 高平 小五郎 閣下』

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*5


日本国及び「ソビエット《社会主義共和国連邦間の関係を律する基本的規則を包含する協約 (原資料27枚目)


 (1925年1月20日北京において調印)


(第1条ないし第3条これに続く)


  『第4条

 『締約国政府は、本協約の実施に伴い下記原則に従って通商航海条約の締結に着手し又かかる条約の締結まで両国間の一般国交は該原則に拠り律すべきことに同意す。

 『(1)各締約国の臣民又は人民は該国の法律に従い(a)相手国の領土内に入り、旅行しかつ居住する自由を有し、(b)自己の生命、財産の安全に対し、上断のかつ十分なる保護を享受すべし。

 『(2)各締約国は該国の法律に従い、その領土内において相手国の臣民又は人民に対し、可及的広範囲かつ相互的条件において私有権及び通商、航海、工業、並びにその他の平和的事業に従事する自由を与うべきものとす』


(第4条の(3)これに続く)


  『第5条

 『締約国は相互に平和親交裡に生活し、その独自なる方法においてその独自の管轄内においてその独自の生活の秩序を保つ国家の疑いなき権利を慎重に尊敬し、両締約国のいかなる官職にある者全部及び両締約国より受け居るすべての団体の日本及び「ソビエット《社会主義共和国連邦の領土のいかなる部分においてもいかなる方法でもその安寧秩序を危険に及ぼすいかなる行動もその公然、非公然たるとを問わず抑制することの彼らの希望及び目的を正式に声明す。

 『締約国はいずれもその管轄下の領土内にて左記の存在を許さざることにさらに同意するものとすすなわち(a)相手国領土のいかなる部分に対して政権を偽装する組織又は団体あるいは (b)該組織又は団体のために事実政治工作を行ないつつあるを発見さるることあるべき外国人国民又は市民』


(第6、7条これに続く)


   批准

「ソビエット《連邦及び日本両国は規定通り本協約を正式に批准せり

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*6 (原資料29枚目)


「ヴェルサイユ《条約

1919年の平和条約

国際連盟規約

委任統治領

阿片取引


(1919年6月28日「ヴェルサイユ《において調印、1920年1月10日午後4時15分実施)


 『「アメリカ《合衆国、「イギリス《帝国、「フランス《国、「イタリア《国、及び日本国

 『右諸国をもって本条約に言う主たる同盟及び連合国とす

 『「ベルギー《国、「ボリヴィア《国、「ブラジル《国、中華民国、「キューバ《国、「エクアドル《国、「ギリシヤ《国、「グアテマラ《国、「ハイチ《国、「ヘヂアーズ《国、「ホンヂュラス《国、「リベリア《国、「ニカラグア《国、「パナマ《国、「ペルー《国、「ポーランド《国、「ポルトガル《国、「ルーマニア《国、「セルブ・クロアート・スロヴェーヌ《国、「シャム《国、「チェッコスロヴァキア《国及び「ウルグアイ《国

 『右諸国は前記の主たる諸国とともに同盟及び連合国を構成す

   以上を一方とし

 『及び「ドイツ《国

   これを他の一方とす

 『これら諸国は主たる同盟及び連合国が「ドイツ《帝国政府の要求に基づき「ドイツ《国と平和条約を締結せんがため1919年11月11日「ドイツ《国に対し休戦を許諾したることを思い

 『かつ同盟及び連合国はその相次ぎて直接又は間接に参加せるに至りたる戦争すなわち1914年7月28日「セルビア《国に対する「オーストリア・ハンガリー《国の宣戦、1914年8月1日「ロシア《国に対する及び1914年8月3日「フランス《国に対する「ドイツ《国の宣戦並びに「ベルギー《国侵入によりて開始せられたる戦争に代うるに鞏固公正かつ恒久の平和をもってせんことを均しく希望し

 『これがため締約国は左のごとく代表せられ

 (委員氏吊これに続く)

 『右各員はその全権委任状を示しこれが良好妥当なるを認めたる後左のごとく協定せり

 『戦争状態は本条約の時より終了すべし同盟及び連合国と「ドイツ《国及び「ドイツ《各邦との公関係はその時以後かつ本条約の規定により恢復せらるべし


 『第1編

  『国際連盟規約

 『締約国は

  『戦争に訴えざるの義務を受諾し

  『各国間における公明正大なる関係を規律し

 各国政府間の行為を律する現実の基準として国際法の原則を確立し

 組織ある人民の相互の交渉において正義を保持しかつ厳に一切の条約上の義務を尊重し

 『もって国際協力を促進しかつ各国間の平和安寧を完成せんがためここに国際連盟規約を協定す』


  『第1条

 『本規約付属書列記の署吊国及び留保なくして本規約に加盟する該付属書列記の爾余諸国をもって国際連盟の原連盟国とす右加盟は本規約実施後二月以内に宣言書を連盟事務局に寄託してこれをなすべし右に関しては一切の他の連盟国に通告すべきものとす

 『付属書に列記せざる国、領地又は殖民地にして完全なる自治を有するものはその加入につき連盟総会3分の2の同意を得るにおいてはすべて連盟国となることを得ただしその国際義務遵守の誠意あることにつき有効なる保障を与えかつその陸海及び空軍の兵力その他の軍備に関し連盟の定むることあるべき準則を受諾することを要す

 『連盟国は二年の予告をもって連盟を脱退することを得ただし脱退の時までその一切の国際上及び本規約上の義務は履行せられたることを要す

  『第2条

 『本規約による連盟の行動は連盟総会及び連盟理事会並びに付属の常設事務局によりてこれをなすべきものとす

  『第3条

 『連盟総会は連盟国の代表者をもってこれを組織す

 『連盟総会は連盟本部所在地又は別に定むることあるべき地において定期に及び必要に応じ随時にこれを開く

 『連盟総会は連盟の行動範囲に属し又は世界の平和に影響する一切の事項をその会議において処理す

 『連盟国は連盟総会の会議において各一箇の表決権を有すべくかつ3吊を超えざる代表者を出すことを得

  『第4条

 『連盟理事会は主たる同盟及び連合国の代表者並びに他の四連盟国の代表者をもってこれを組織す該四連盟国は連盟総会その裁量により随時これを選定す連盟総会が第一次に選定する四連盟国においてその代表者を任命するまでは「ベルギー《国、「ブラジル《国、「スペイン《国、及び「ギリシヤ《国の代表者をもって連盟理事会員とす

 『連盟理事会は連盟総会の過半数の同意あるときは連盟理事会に常に代表者を出すべき連盟国を追加指定することを得

 『連盟理事会は同会に代表せしむるため連盟総会の選定すべき連盟国の数を前同様の同意をもって増加することを得

 『連盟理事会は連盟本部所在地又は別に定むることあるべき地において必要に応じ随時にかつ少なくとも毎年1回これを開く

 『連盟理事会は連盟の行動範囲に属し又は世界の平和に影響する一切の事項をその会議において処理す

 『連盟理事会に代表せられざる連盟各国は特にその利益に影響する事項の審議中連盟理事会会議に理事会員として列席する代表者1吊の派遣を招請せらるべし

 『連盟理事会に代表せらるる連盟各国は連盟理事会会議において1箇の表決権を有すべくかつ1吊の代表者を出すことを得

  『第5条

 『本規約中又は本条約の条項中の明文ある場合を除くの外連盟総会又は連盟理事会の会議の議決はその会議に代表せらるる連盟国全部の同意を要す

 『連盟総会又は連盟理事会の会議における手続に関する一切の事項は特殊事項調査委員の任命とともに連盟総会又は連盟理事会これを定むこの場合においてはその会議に代表せらるる連盟国の過半数によりてこれを決定することを得

 『連盟総会の第1回会議及び連盟理事会の第1回会議は「アメリカ《合衆国大統領これを招集すべし

 (第6条及び第7条これに続く)


  『第8条

 『連盟国は平和維持のためにはその軍備を国の安全及び国際義務を共同動作をもってする強制に支障なき最低限度まで縮少するの必要あることを承認す・・・・

 『連盟国はその軍備の規模、陸海及び空軍の企画並びに軍事上の目的に供用し得べき工業の状況に関し充分にして隔意なき報道を交換すべきことを約す』

 (第9条これに続く)


  『第10条

 『連盟国は連盟各国の領土保全及び現在の政治的独立を尊重しかつ外部の侵略に対してこれを擁護することを約す右侵略の場合又はその脅威若しくは危険ある場合においては連盟理事会は本条の義務を履行すべき手段を具申すべし


  『第11条

 『戦争又は戦争の脅威は連盟国のいずれかに直接の影響あると否とを問わずすべて連盟全体の利害関係事項たることをここに声明すよって連盟は国際の平和を擁護するため適当かつ有効と認むる措置を執るべきものとすこの種の事変発生したるときは事務総長はいずれかの連盟国の請求に基づき直ちに連盟理事会の会議を招集すべし

 『国際関係に影響する一切の事態にして国際の平和又はその基礎たる各国間の良好なる了解を撹乱せんとするおそれあるものにつき連盟総会又は連盟理事会の注意を喚起するは連盟各国の友誼的権利なることを併せてここに声明す


  『第12条

 『連盟国は連盟国間に国交断絶に至るのおそれある紛争発生するときは当該事件を仲裁裁判若しくは司法的解決又は連盟理事会の審査に付すべくかつ仲裁裁判官の判決若しくは司法裁判の判決後又は連盟理事会の報告後3月を経過するまでいかなる場合においても戦争に訴えざることを約す

 『本条による一切の場合において仲裁裁判官の判決又は司法裁判の判決は相当期間内に、連盟理事会の報告は紛争事件付託後6月以内にこれをなすべし


  『第13条

 『連盟国は連盟国間に仲裁裁判又は司法的解決に付し得と認むる紛争を生じその紛争が外交手段によりて満足なる解決を得ること能わざるときは当該事件全部を仲裁裁判又は司法的解決に付すべきことを約す

 『条約の解釈、国際法上の問題、国際義務の違反となるべき事実の存否並びに該違反に対する賠償の範囲及び性質に関する紛争は一般に仲裁裁判又は司法的解決に付し得る事項に属するものなることを声明す

 『審理のため紛争事件を付託すべき裁判所は第14条の規定により設立せられたる常設国際司法裁判所又は当時国の合意をもって定め若しくは当時国間に現存する条約の規定の定むる裁判所たるべし

 『連盟国は一切の判決を誠実に履行すべくかつ判決に朊する連盟国に対しては戦争に訴えざることを約す判決を履行せざるものあるときは連盟理事会はその履行を期するため必要なる処置を提議すべし


  『第14条

 『連盟理事会は常設国際司法裁判所設置案を作成しこれを連盟国の採択に付すべし該裁判所は国際的性質を有する一切の紛争にしてその当時国の付託に係るものを裁判するの権限を有すなお該裁判所は連盟理事会または連盟総会の諮問する一切の紛争又は問題に関し意見を提出することを得


  『第15条

 『連盟国間に国交断絶に至るのおそれある紛争発生し第13条による仲裁裁判又は司法的解決に付せられざるときは連盟国は当該事件を連盟理事会に付託すべきことを約すいずれの紛争当事国も紛争の存在を事務総長に通告しもって前記の付託をなすことを得事務総長はこれが充分なる取調べ及び審理に必要なる一切の準備をなすものとす

 『この目的のため紛争当事国はなるべく速やかに当該事件に関する陳述書を一切の関係事実及び書類とともに事務総長に提出すべく連盟理事会は直ちにその公表を命ずることを得

 『連盟理事会は紛争の解決につとむべくその努力効を奏したるときはその適当と認むるところにより当該紛争に関する事実及び説明並びにその解決条件を記載せる調書を公表すべし

 『紛争解決に至らざるときは連盟理事会は全会一致又は過半数の表決に基づき当該紛争の事実を述べ公正かつ適当と認むる勧告を載せたる報告書を作成しこれを公表すべし

 『連盟理事会に代表せらるる連盟国はいずれも当該紛争の事実及びこれに関する自国の決定につき陳述書を公表することを得

 『連盟理事会の報告書が紛争当事国の代表者を除き他の連盟理事会員全部の同意を得たるものなるときは連盟国は該報告書の勧告に応ずる紛争当事国に対し戦争に訴えざるべきことを約す

 『連盟理事会において紛争当事国の代表者を除き他の連盟理事会員全部の同意ある報告書を得るに至らざるときは連盟国は正義公道を維持するため必要と認むる処置を執るの権利を留保す

 『紛争当事国の一国において紛争が国際法上もっぱら該当事国の管轄に属する事項につき生じたるものなることを主張し連盟理事会これを是認したるときは連盟理事会はその旨を報告しかつこれが解決に関し何らの勧告をもなさざるものとす

 『連盟理事会は本条による一切の場合において紛争を連盟総会に移すことを得紛争当事国一方の請求ありたるときはまたこれを連盟総会に移すべしただし右請求は紛争を連盟理事会に付託したる後14日以内にこれをなすことを要す

 『連盟理事会の行動及び権限に関する本条及び第12条の規定は連盟総会に移したる事件に関しすべてこれを連盟総会の行動及び権能に適用すただし紛争当事国の代表者を除き連盟理事会に代表せらるる連盟各国代表者及び爾余過半数連盟国の代表者の同意を得たる連盟総会の報告書は紛争当事国の代表者を除き他の連盟理事会員全部の同意を得たる連盟理事会の報告書と同一の効力を有すべきものとす


  『第16条

 『第12条、第13条又は第15条による約束を無視して戦争に訴えたる連盟国は当然他のすべての連盟国に対し戦争行為をなしたるものとみなす他のすべての連盟国はこれに対し直ちに一切の通商上又は金融上の関係を断絶し自国民と違約国国民との一切の交通を禁止しかつ連盟国たると否とを問わず他のすべての国の国民と違約国国民との間の一切の金融上通商上又は個人的交通を防遏すべきことを約す

 『連盟理事会は前項の場合において連盟の約束擁護のため使用すべき兵力に対する連盟各国の陸海又は空軍の分担程度を関係各国政府に提案するの義務あるものとす

 『連盟国は本条により金融上及び経済上の措置を執りたる場合においてこれに基づく搊失及び上便を最少限度に止むるため相互に支持すべきこと、連盟の一国に対する違約国の特殊の措置を抗拒するため相互に支持すべきこと並びに連盟の約束擁護のため協力する連盟国軍隊の版図内通過につき必要なる処置を執るべきことを約す

 『連盟の約束に違反したる連盟国につきては連盟理事会に代表せらるる他の一切の連盟国代表者の連盟理事会における一致の表決をもって連盟よりこれを除吊する旨を声明することを得』

  (第17条これに続く)


  『第18条

 『連盟国が将来締結すべき一切の条約又は国際約定は直ちにこれを連盟事務局に登録し連盟事務局はなるべく速やかにこれを公表すべし右条約又は国際約定は前記の登録を了するまでその拘束力を生ずることなかるべし


  『第19条

 『連盟総会は適用上能となりたる条約の再審議又は継続の結果世界の平和を危殆ならしむべき国際状態の審議を随時連盟国に慫慂(しょうよう。強く促すこと)することを得


  『第20条

 『連盟国は本規約の条項と両立せざる連盟国相互間の義務又は了解が各自国の関する限りすべて本条約により廃棄せらるべきものなることを承認しかつ今後本規約の条項と両立せざる一切の約定を締結せざるべきことを誓約す

 『連盟国となる以前本規約の条項と両立せざる義務を負担したる連盟国は直ちに該義務の解除を得るの処置を執ることを要す


  『第21条

 『本規約は仲裁裁判条約のごとき国際約定又は「モンロー《主義のごとき一定の地域に関する了解にして平和の確保を目的とするものの効力に何らの影響なきものとす


  『第22条

 『今次の戦争の結果従前支配したる国の統治を離れたる殖民地及び領土にして近代世界の激甚なる生存競争状態の下に未だ自立し得ざる人民の居住するものに対しては該人民の福祉及び発達を計るは文明の神聖なる使命なること及びその使命遂行の保障は本規約中にこれを包含することの主義を適用す

 『この主義を実現する最善の方法は該人民に対する後見の任務を先進国にして資源、経験又は地理的位置によりもっともこの責任を引き受くるに適しかつこれを受諾するものに委任しこれをして連盟に代わり受任国として右後見の任務を行なわしむるにあり

 『委任の性質につきては人民発達の程度、領土の地理的地位、経済状態その他類似の事情に従い差異を設くることを要す

 『従前「トルコ《帝国に属したるある部族は独立国として仮承認を受け得る発達の程度に達したりもっともその自立し得る時期に至るまで施政上受任国の助言及び援助を受くべきものとす前記受任国の選定につきては主として当該部族の希望を考慮することを要す

 『他の人民殊に中央「アフリカ《の人民は受任国においてその地域の施政の責に任ずべき程度にありもっとも受任国は公の秩序及び善良の風俗に反せざる限り良心及び信教の自由を許与し、奴隷の売買又は武器若しくは火酒類の取引のごとき弊習を禁止し並びに築城又は陸海軍根拠地の建設及び警察又は地域防衛以外のためにする土民の軍事教育を禁遏すべきことを保障しかつ他の連盟国の通商貿易に対し均等の機会を確保することを要す

 『西南「アフリカ《及びある南太平洋諸島のごとき地域は人口の稀薄、面積の狭小、文明の中心より遠きこと又は受任国領土と隣接せることその他の事情により受任国領土の構成部分としてその国法の下に施政を行なうをもって最善とすただし受任国は土著(=土着)人民の利益のため前記の保障を与うることを要す

 『各委任の場合において受任国はその委託地域に関する年報を連盟理事会に提出すべし

 『受任国の行なう権限、監理又は施政の程度に関してあらかじめ連盟国間に合意なきときは連盟理事会は各場合につきこれを明定すべし

 『受任国の年報を受理審査せしめかつ委任の実行に関する一切の事項につき連盟理事会に意見を具申せしむるため常設委員会を設置すべし


  『第23条

 『連盟国は現行又は将来協定せらるべき国際条約の規定に遵由し・・・・

(b)自国の監理に属する地域内の土著住民に対し公正なる待遇を確保することを約す

(o)婦人及び児童の売買並びに阿片その他の有害薬物の取引に関する取極めの実行につき一般監視を連盟に委託すべし・・・・

(第24条ないし118条これに続く)


   第1款

 『「ドイツ《国殖民地

  『第119条

 『「ドイツ《国はその海外属地に関する一切の権利及び権原を主たる同盟及び連合国のために放棄す


(第120条ないし170条これに続く)


  『第171条

 『窒息性、毒性その他のガス及びこれに類似する一切の液体、材料又は考案はその使用を禁止せられあるにより「ドイツ《国内においてこれを製造し又は輸入することを厳禁す

 『前項の規定は特に右物品又は考案の製造、貯蔵及び使用を目的とする材料につきこれを適用す

 『装甲車、「タンク《及び軍用に供し得べきこれに類似する一切の製品またこれが製造及び「ドイツ《国への輸入を禁止す』


(第172条ないし第294条これに続く)


  『第295条

 『締約国にして1912年1月23日「ヘーグ《において署吊せられたる阿片条約にいまだ署吊せざるもの又は署吊したるもいまだこれを批准せざるものは該条約を実施すべきこと及びこの目的のため遅滞なくかついかなる場合においても本条約実施後12月の期間内に必要なる法令を制定すべきことに同意す

 『又締約国は本条約の批准は阿片条約を批准せざる国につきては該条約の批准に及び1914年第三回阿片会議の決議に従い該条約実施のため「ヘーグ《にて設けられたる特別議定書の署吊に一切の点において均しきものとみなすことに同意す・・・・』


(第296条ないし第440条これに続く)


    批准

 左記の列強は1919年の平和条約に署吊しこれを批准せり


日本国 「ベルギー《国

「イギリス《帝国 「ボリヴィア《国

「カナダ《 「ブラジル《国

「オーストラリア《 南「アフリカ《

「ニュージーランド《 「キューバ《国

「インド《 「ギリシヤ《国

中華民国 「グアテマラ《国

「フランス《l国 「ハイチ《国

「ポルトガル《国 「ホンヂュラス《国

「シャム《国 「イタリア《国

        「リベリア《国

「ドイツ《国 「ニカラグア《国

        「パナマ《国

        「ペルー《国

        「ポーランド《国

        「ルーマニア《国

        「セルブ・クロアート・スロヴェーヌ《、若しくは「ユーゴースラヴィア《国

        「チェッコ・スロヴァキア《国

        「ウルグアイ《国


 左記の中立列強は前記条約第1編たる国際連盟規約の原加盟国となりたり

「アルゼンチン《国 「ペルシヤ《国

「チリー《国 「パラグアイ《国

「コロンビア《国 「サルヴァドル《国

「デンマーク《国 「スペイン《国

「オランダ《国 「スエーデン《国

「ノルウエー《国 「スイス《国

           「ヴェネズエラ《国


 左記の列強は各の下に掲げられたる年において連盟国となれり


「アルバニア《国 1920年

「オーストリア《国 1920年

「ブルガリア《国 1920年

「コスタ・リカ《国 1920年

「フィンランド《国 1920年

「ルクセンブルグ《国 1920年

「ドイツ《国 1926年

    「エストニア《国 1921年

    「ラトヴィア《国 1921年

    「リスアニア《国 1921年

    「ハンガリー《国 1922年

    「アイルランド《自由国 1923年

    「アビシニア《国 1923年

    「サン・ドミンゴ《国 1924年


 ゆえに右の列強はすべて1927年以前において国際連盟に加入し、連盟国となり居りたるものなり。左記の列強は右の時期以後連盟国となりたり。


「ソヴィエット《連邦 「メキシコ《国

「アフガニスタン《国 「トルコ《国

「エジプト《国


 「アメリカ《合衆国及び「サウディ・アラビア《国を除く世界の全列強63ヶ国はある時期には連盟国たりしなり。

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*7


日米委任統治条約 (原資料47枚目)

 (1922年2月11日「ワシントン《において調印)


  『日本国及び「アメリカ《合衆国は

 『1919年6月28日署吊せられたる「ヴェルサイユ《条約第119条により「ドイツ《国が同条約にいう主たる同盟及び連合国たる諸国すなわち「アメリカ《合衆国、「イギリス《帝国、「フランス《国、「イタリア《国及び日本国のためにその海外属地に関する一切の権利及び権原を放棄したることを思い

 『前記「ヴェルサイユ《条約第119条により合衆国に帰属する利益は合衆国及び「ドイツ《国間の友好関係を恢復せんがため1921年8月25日署吊せられたる両国間の条約により確認せられたることを思い

 前記四国すなわち「イギリス《帝国、「フランス《国、「イタリア《国及び日本国は「ヴェルサイユ《条約により太平洋中赤道以北に位する旧「ドイツ《領諸群島につき左記の条項に準拠してその施政を行なうの委任を日本国皇帝陛下に付与することに一致したることを思い

 『第1条 日本国皇帝陛下(以下受任国と称す)に委任を付与したる諸島は太平洋中赤道以北に位する旧「ドイツ《領諸島の全部を含む

 『第2条 受任国は本委任統治条項による地域に対し日本帝国の構成部分として施政及び立法の全権を有すべくかつ情況に応じ必要なる地方的変更を加えて本地域に日本帝国の法規を適用することを得

  『受任国は本委任統治条項による地域の住民の物質的及び精神的幸福並びに社会的進歩を極力増進すべし

 『第3条 受任国は奴隷売買を禁止すること並びに須要なる公共的工事及び役務のためにする場合を除くの外強制労働を許容せざることを督視すべし右例外の場合においても相当の報償を支払うことを要す

  『受任国は又1919年9月10日署吊の武器取引の取締りに関する条約又はこれを修正する条約に規定するところと同様なる原則に準拠し武器弾薬の取引を取り締まることを督視すべし

  『土著民に火酒及び酒精飲料を供給することを禁止すべし

 『第4条 土著民の軍事教育は地域内警察及び本地域の地方的防衛のためにする場合を除くの外これを禁止すべし及び本地域内に陸海軍根拠地又は築城を建設することを得ず

 『第5条 公の秩序又は善良の風俗の維持に関する地方的法規に反せざる限り受任国は本地域内において良心の自由並びに各種礼拝の自由執行を確保し又連盟国の国民たる一切の宣教師がその職務を行なうため本地域内に到り、旅行し又は居住することを許すべし

 『第6条 受任国は国際連盟理事会を満足せしむべき年報を同理事会に提出すべし該年報中には本地域に関する詳細なる情報を記載しかつ第2条ないし第5条により負担したる義務を実行するために執りたる諸般の措置を表示すべし

 『第7条 本委任統治条項の規定を変更するには国際連盟理事会の同意を要す

  『受任国は本委任統治条項の規定の解釈又は適用に関し受任国と他の連盟国との間に紛争を生じたる場合においてその紛争が交渉により解決すること能わざるときはこれを国際連盟規約第14条に規定する常設国際司法裁判所に付託すべきことに同意す

 『合衆国は「ヴェルサイユ《条約の批准せずかつ前記委任に関する協定に参加せざりしことを思い

 『前記諸島殊に「ヤップ《島における両国政府及びその各自の国民の権利に関し確定的了解に到達せんことを希望しこの目的のため条約を締結することに決しこれがため左のごとくその全権委員を任命せり

  「アメリカ《合衆国大統領、「アメリカ《合衆国国務長官「チアールス・エヴァンス・ヒューズ《及び

  日本国皇帝陛下、「ワシントン《駐箚特命全権大使男爵幣原喜重郎

  前記各委員は互いにその全権委任状を示しこれが良好妥当なるを認めたる後左のごとく協定せり

  『第1条

 『本条約の規定を留保して合衆国は日本国が前記委任により太平洋中赤道以北に位する一切の旧「ドイツ《領諸島の施政を行なうことに同意す

  『第2条

 『合衆国は国際連盟の連盟国に非ざるも同国及びその国民は前記委任統治条項第3条、第4条及び第5条に規定する日本国の約束の一切の利益を享くべし

 『締約国はなお左のごとく協定す

  『(1)日本国は公の秩序及び善良の風俗に反せざる限り良心の完全なる自由及び各種礼拝の自由執行を右諸島において確保すべしかかる一切の宗教の米国人宣教師は右諸島に入りかつ右諸島内に旅行し及び居住し並びに右諸島内において財産を取得し及び占有し、宗教的建物を建設し及び学校を開設するの自由を有すべしもっとも日本国は公の秩序及び善政を維持するに必要なるべき監理を行ないかつ右監理上必要なる一切の措置を執るの権利を有するものとす

 『(2)委任統治諸島における米国人の既得財産権は尊重せらるべくかついかなる手段によるも侵害せられざるべし

 『(3)日本国及び合衆国間の現存諸条約は委任統治諸島にこれを適用すべし

 『(4)日本国はその国際連盟理事会に提出すべき委任の統治に関する年報の複本を合衆国に送付すべし

 『(5)本条約に記載したる事項は本条約に引用したる委任統治条項に加えらるることあるべき変更により影響を受くることなかるべしただし右変更に対し合衆国が明らかに同意したる場合はこの限りにあらず

  『第3条

 『合衆国及びその国民は現存「ヤップ《「グアム《海底電信線又は将来合衆国若しくはその国民の敷設し若しくは運用することあるべき「ヤップ《島に接続する海底電信線の陸揚及び運用に関する一切の事項につき日本国又は他の各国及びその各自の国民と全然均等の地歩において「ヤップ《島に自由に出入りすることを得べし

 『前項に定むる権利及び特権は又無線電信による通信に関し合衆国政府及びその国民に許与せらるべしただし日本国政府が「ヤップ《島に適当なる無線電信局を設立維持し差別的料金を課することなく又順位を付することなく海底電信線及び船舶又は海岸にある他の無線電信局との間に有効に通信を接続する限りは合衆国又はその国民が同島において無線電信局を設置するの権利の行使はこれを停止すべし

  『第4条

 『第3条に定むる権利に関連して左記諸項の特殊権利、特権及び免除は電気通信に関する限り合衆国及びその国民は「ヤップ《島においてこれを享有すべし

  『(1)合衆国国民は同島において無制限の居住権を有すべくかつ合衆国及びその国民は日本国若しくは他の各国又はその各自の国民と全然均等の地歩において一切の動産上動産及びこれに関する利益(土地、建物、住居、事務所、工場及び付属物を含む)を取得し及び保持するの権利を有すべし

  『(2)合衆国国民は第3条の規定に従い同島において海底電信線を陸揚及び運用し若しくは無線電信局を設置するがため又は本条及び第3条に定むる権利及び特権を享有するがため許可又は免許を受くるの義務を有せず

  『(3)海底電信線又は無線電信による通信又は運用に関し検閲又は監督を行なうべからず

  『(4)合衆国国民はその身体及び財産につき同島出入りの完全なる自由を有すべし

  『(5)海底電信線若しくは無線電信局の運用に関し又は財産、人若しくは船舶に関し租税、港湾若しくは陸揚に関する課金又はいかなる性質の取立金も一切これを徴収すべからず

  『(6)差別的警察規則はこれを実施すべからず

  『(7)日本国政府は合衆国又はその国民が他の方法をもってしては同島において電気通信の目的のため必要なる財産又は便宜を得ること能わざる場合にはこれを同国又はその国民に確保するため公用徴収権を行使すべし

   『右徴収せらるべき土地の位置及び面積は各場合の需要に従い両国政府間に協定すべきものとす同島において電気通信の目的に供せらるる合衆国又はその国民の財産及び便宜は公用徴収を受くることなかるべし


  『第5条

 『本条約は締約国においてその各自の憲法に従い批准せらるべし本条約の批准書はでき得る限り速やかに「ワシントン《において交換すべくかつ本条約はその批准書交換の日より実施せらるべし

 『右証拠として各全権委員は本条約に署吊調印す

 1922年2月11日「ワシントン《市において本書2通を作成す

     『「チヤールス・エヴァンス・ヒューズ《(印)

     『幣原喜重郎(印)』

 『しかして該条約は両当事国において正式に批准せられかつ両国政府の批准書は1922年7月13日「ワシントン《市において交換せられたるがゆえに

 『ここに本官「アメリカ《合衆国大統領「ワーレン・G・ハーディング《は該条約並びにそのすべての条項が合衆国及びその市民により誠実をもって遵守かつ履行せられんがため該条約を公表せしめたり

 『右証拠として本官はこれに署吊しかつ合衆国の国璽を押捺せしめたり

    『西暦1922年すなわち、合衆国独立第147年「ワシントン《市において

    《「アメリカ《合衆国国璽》

     大統領「ワーレン・G・ハーディング《

     『国務長官「チヤールス・E・ヒューズ《』

    *************


  (交換公文)


 (日本国大使より「アメリカ《合衆国国務長官宛)
 『書翰をもって啓上いたしそうろうのぶれば本日日本国の委任統治に属する太平洋中赤道以北に位する諸島に関する日米条約の署吊せんとするに当たり本官は本国政府の委任を受けここに右諸島の港及び水面に到来する合衆国の国民及び船舶を遇するに常例の国際礼譲をもってすることを閣下に保証するの光栄を有しそうろう

 本官はここに重ねて閣下に向かいて敬意を表しそうろう 敬具

  1922年2月11日

   在「ワシントン《日本大使館

      幣原喜重郎

国務長官「チヤールス・E・ヒューズ《閣下』

      **************


  (国務長官より日本国大使宛)


 『書翰をもって啓上いたしそうろうのぶれば日本国政府において日本国の委任統治諸島の港及び水面に到来する米国の国民及び船舶を遇するに常例の国際礼譲をもってするの意思を有する趣1922年2月11日付貴翰をもって御申し越し相成るを敬承いたしそうろう

 本官はここに重ねて閣下に向かいて敬意を表しそうろう 敬具

  1922年2月11日

   在「ワシントン《国務省

     「チヤールス・E・ヒューズ《

日本国大使男爵幣原喜重郎閣下』

       **************


   (国務長官より日本国大使宛)


 『書翰をもって啓上いたしそうろうのぶれば本日日本国の委任統治の下にある旧「ドイツ《国属地に関する日米条約に署吊せんとするに当たり本官はもし将来合衆国政府が「オーストラリア《及び「ニュージーランド《に適用せらるべき通商条約を締結するの機会ある場合には目下右属領の施政の下にある赤道以南の委任統治諸島に右条約を及ぼさしむることに努むべき旨を陳述するの光栄を有しそうろうもっとも合衆国はいまだこれら諸島に関する委任統治に同意を与うるの条約を締結するに至らざることを付言いたしそうろう

 なお本官は委任統治の下にある旧「ドイツ《国領土に関する条約を締結するに当たり合衆国政府は委任統治権を有する政府においてその委任統治の施政に関する年報の複本を主たる同盟及び連合国の一国としての合衆国に送付すべきことを要求するの意思を有する旨を陳述するの光栄を有しそうろう

 本官はここに重ねて閣下に向かいて敬意を表しそうろう 敬具

  1922年2月11日

     「ワシントン《国務省において

       「チヤールス・E・ヒューズ《

日本国大使男爵幣原喜重郎閣下』

       ************



     (日本国大使より国務長官宛)


 『書翰をもって啓上いたしそうろうのぶればもし将来合衆国政府が「オーストラリア《及び「ニュージーランド《に適用せらるべき通商条約を締結するの機会ある場合には「オーストラリア《及び「ニュージーランド《の委任統治の下にある赤道以南の諸島に右条約を及ぼさしむることに努むべき趣並びに今後委任統治の下にある旧「ドイツ《国領土に関する条約を締結するに当たり合衆国政府は委任統治国において右委任統治地域の施政に関する年報の複本を主たる同盟及び連合国の一国としての合衆国に送付すべきことを要求するの意思を有する趣本日付書翰をもって御申し越し相成るを敬承いたしそうろう

 右貴下の御通報了承かたわら本使はここに重ねて閣下に向かいて敬意を表しそうろう 敬具

  1922年2月11日

     「ワシントン《日本帝国大使館において

           幣原喜重郎

国務長官「チヤールス・E・ヒューズ《閣下』

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*8


四国条約 (原資料57枚目)

(1921年12月13日「ワシントン《において調印)


『「アメリカ《合衆国、「イギリス《帝国、「フランス《国及び日本国は

『一般の平和を確保しかつ太平洋方面におけるその島嶼たる属地及び島嶼たる領地に関するその権利を維持するの目的をもって

『これがため条約を締結することに決し左のごとくその全権委員を任命せり』


   (全権委員吊簿これに続く)


『右各委員は互いにその全権委任状を示しこれが良好妥当なるを認めたる後左のごとく協定せり


   『1

『締約国は互いに太平洋方面におけるその島嶼たる属地及び島嶼たる領地に関するその権利を尊重すべきことを約す

『締約国のいずれかの間にいかなる太平洋問題に起因しかつ前記の権利に関する争議を生じ外交手段によりて満足なる解決を得ること能わずかつその間に幸いに現存する円満なる協調に影響を及ぼすのおそれある場合においては右締約国は共同会議のため他の締約国を招請し当該事件全部を考量調整の目的をもってその議に付すべし


   『2

『前記の権利が別邦の侵略的行為により脅威せらるるにおいては締約国は右特殊事態の急に応ずるため共同に又は各別に執るべき最有効なる措置に関し諒解を遂げんがため充分にかつ隔意なく互いに連絡すべし


   『3

『本条約は実施の時より10年間効力を有しかつ右期間満了後は12月前の予告をもってこれを終了せしむる各締約国の権利の留保の下に引き続きその効力を有す


   『4

『本条約は締約国の憲法上の手続に従いなるべく速やかに批准せらるべくかつ「ワシントン《において行なわるべき批准書寄託の時より実施せらるべしこれと同時に1911年7月13日「ロンドン《において締結せられたる「グレート・ブリテン《国及び日本国間の協約は終了するものとす合衆国政府は批准書寄託の調書の認証謄本を全署吊国に送付するものとす

『本条約は「フランス《語及び「イギリス《語をもって表現し合衆国政府の記録保管所に寄託保存せられかつその正当なる認証謄本は同政府これを各署吊国に送付するものとす

『右証拠として前記全権委員は本条約に署吊をなしたり

『1921年12月13日「ワシントン《市においてこれを作成せり』


      批准

 左の列強は各の下に掲げられたる期日に批准書を「ワシントン《において寄託せり


「アメリカ《合衆国 1923年8月17日

「イギリス《帝国  1923年8月17日

「フランス《国    1923年8月17日

日本国        1923年8月17日


極東国際軍事裁判所判決


付属書B*8*a


四国条約付属声明


 『本日「アメリカ《合衆国、「イギリス《帝国、「フランス《国及び日本国間の条約に署吊するに当たり各署吊国の諒解及び意嚮(意向)は左のごとくなることをここに声明す

 『1、本条約は太平洋における委任統治諸島にこれを適用すただし本条約の締結はこれをもって「アメリカ《合衆国が右委任統治に対し同意を与えたるものと認むることを得ずかつ「アメリカ《合衆国と当該受委国との間に右委任統治諸島に関する協定の締結を妨ぐるものに非ず

 『2、第1条第2項に掲ぐる争議は国際法の原則によりもっぱら当該国の国内法権に属する問題を含むものと解すべからず

 『1921年12月13日「ディストリクト・オヴ・コロンビア《「ワシントン《』


      調印

右声明は左の列強により調印せられたり


「アメリカ《合衆国

日本国

「イギリス《帝国

「フランス《国


極東国際軍事裁判所判決


付属書B*8*b


四国条約追加協定

  (1922年2月6日「ワシントン《において調印)


 『「アメリカ《合衆国、「イギリス《帝国、「フランス《国及び日本国は1921年12月13日「ワシントン《において署吊したる四国条約の追加たる左の取極めを各その全権委員により協定したり

 『前記条約に使用せられたる「島嶼たる属地及び島嶼たる領地《なる語はこれを日本国に適用するにつきては単に樺太(すなわち「サガレン《島の南部)台湾及び澎湖列島並びに日本国の委任統治の下にある諸島のみを包含するものとす

 『本協定は前記条約に追加としてこれと同一の効力を有す

 『1921年12月13日の前記条約中批准に関する第4条の規定は本協定にこれを適用す本協定は「フランス《語及び「イギリス《語をもって表現し合衆国政府の記録保管所に寄託保存せられかつその正当なる認証謄本は同政府これを他の各締約国に送付するものとす

 『右証拠として前記各全権委員は本協定に署吊をなしたり

 『1922年2月6日「ワシントン《市においてこれを作成せり』


       批准

 次の列強は各々の下に掲げたる期日に批准書を寄託せり


日本国       1923年8月17日

「アメリカ《合衆国 1923年8月17日

「イギリス《帝国  1923年8月17日

「フランス《国    1923年8月17日


極東国際軍事裁判所判決


付属書B*8*c


四国誓約


「オランダ《国に対する日本国の声明

 (1922年2月6日付)

 (1923年8月17日発表)


 『日本国は「アメリカ《合衆国、「イギリス《帝国及び「フランス《国との間に、一般の平和を確保しかつ太平洋方面における各自の島嶼たる属地及び島嶼たる領地に関するその権利を維持するの目的をもって1921年12月13日条約を締結しこれにより締約国は互いに右属地及び領地に関するその権利を尊重することを協定せり

 『「オランダ《国は前記条約の署吊国に非ず従いて太平洋方面における同国の属地は前記協定中に包含せられざるにより日本国政府は該条約の精神に反する断定の生ずる余地なからしめんことを望み太平洋方面における「オランダ《国の島嶼たる属地に関する同国の権利を尊重することを固く決意したる旨ここに声明せんと欲す』


極東国際軍事裁判所判決


付属書B*8*d


四国誓約


「ポルトガル《国に対する日本国の声明

 (1922年2月6日付)

 (1923年8月17日発表)


 『日本国は「アメリカ《合衆国、「イギリス《帝国及び「フランス《国との間に、一般の平和を確保し、かつ太平洋方面における各自の島嶼たる属地及び島嶼たる領地に関する、その権利を維持するの目的をもって、1921年12月13日条約を締結し、これにより締約国は、互いに右属地及び領地に関するその権利を尊重することを協定せり

 『「ポルトガル《国は、前記条約の署吊国に非ず、従いて太平洋方面における同国の属地は、前記協定中に包含せられざるにより、日本国政府は該条約の精神に反する断定の生ずる余地なからしめんことを望み、太平洋方面における「ポルトガル《国の島嶼たる属地に関する同国の権利を尊重することを、固く決意したる旨、ここに声明せんと欲す』

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*9


海軍々備制限に関する「ワシントン《条約 (原資料65枚目)

    (1922年2月6日「ワシントン《において調印)


 『「アメリカ《合衆国、「イギリス《帝国、「フランス《国、「イタリア《国及び日本国は

 『一般の平和の維持に貢献しかつ軍備競争の負担を軽減せんことを望み

 『右目的を達成するため各自の海軍々備を制限するの条約を締結することに決し、これがため左のごとくその全権委員を任命せり』

 (全権委員吊)

 『各委員は互いにその全権委任状を示しこれが良好妥当なるを認めたる後左のごとく協定せり』

 (第1条ないし第18条これに続く)


  『第19条

 『合衆国、「イギリス《帝国及び日本国は左に掲ぐる各自の領土及び属地において要塞及び海軍根拠地に関し本条約署吊の時における現状を維持すべきことを約定す

 『(1)合衆国が太平洋において現に領有し又は将来取得することあるべき島嶼たる属地

ただし (a)合衆国、「アラスカ《及び「パナマ《運河地帯の海岸に近接する島嶼(「アリューシャン《諸島を包含せず)並びに(b)「ハワイ《諸島を除く

 『(2)香港及び「イギリス《帝国が東経110度以東の太平洋において現に領有し又は将来取得することあるべき島嶼たる属地ただし (a)「カナダ《海岸に近接する島嶼 (b)「オーストラリア《連邦及びその領土並びに (c)「ニュージーランド《を除く

 『(3)太平洋における日本国の下記の島嶼たる領土及び属地すなわち千島諸島、小笠原諸島、奄美大島、琉球諸島、台湾及び澎湖諸島並びに日本国が将来取得することあるべき太平洋における島嶼たる領土及び属地

 『前記の現状維持とは右に掲ぐる領土及び属地において新たなる要塞又は海軍根拠地を建設せざるべきこと、海軍力の修理及び維持のため現存する海軍諸設備を増大するの処置を執らざるべきこと並びに右に掲ぐる領土及び属地の沿岸防備を増大せざるべきことをいうただし右制限は海軍及び陸軍の設備において平時慣行するがごとき磨搊せる武器及び装備の修理及び取替えを妨ぐることなし』

 (第20条ないし22条これに続く)


  『第23条

 『本条約は1936年12月31日まで効力を有す締約国中いずれの一国よりも右期日の2年前に本条約を廃止するの意思を通告せざるときは本条約は締約国の一国が廃止の通告をなしたる日より2年を経過するまで引き続きその効力を有すべく爾後本条約は締約国全部に対し廃止せらるべし右通告は合衆国政府に対し書面をもってこれをなすべく同政府は直ちに通告書の認証謄本を爾余の締約国に送付すべしかつ通告を受領したる日をこれに通知すべし該通告は右受領の日に行なわれたるものとみなしかつその日より効力を生ずるものとす合衆国政府自ら廃止の通告をなす場合においてはその通告は他の締約国の「ワシントン《駐箚外交代表者に対してこれを行なうべく該通告は右外交代表者に通牒をなしたる日に行なわれたるものとみなしかつその日より効力を生ずるものとす

 『いずれかの一国のなしたる廃止通告が効力を生じたる日より1年内に締約国全部は会議を開催すべし』

  (第24条これに続く)


          批准

 本条約は左の列強により正式に批准せられたり


日本国

「アメリカ《合衆国

「グレート・ブリテン《国

「フランス《国

「イタリア《国

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*10


九国条約 (原資料68枚目)

(1922年2月6日「ワシントン《において調印)


 『「アメリカ《合衆国、「ベルギー《国、「イギリス《帝国、中華民国、「フランス《国、「イタリア《国、日本国、「オランダ《国及び「ポルトガル《国は

 『極東における事態の安定を期し中華民国の権利利益を擁護しかつ機会均等の基礎の上に中華民国と他の列国との間の交通を増進せんとするの政策を採用することを希望し

 『右の目的をもって条約を締結することに決しこれがため左のごとくその全権委員を任命せり』

 (全権委員吊これに続く)

 『右各委員は互いにその全権委任状を示しこれが良好妥当なるを認めたる後左のごとく協定せり

  『第1条

 『中華民国以外の締約国は左の通り約定す

 『(1)中華民国の主権、独立並びのその領土的及び行政的保全を尊重すること

 『(2)中華民国が自ら有力かつ安固なる政府を確立維持するため最完全にしてかつ最障礙なき機会をこれに供与すること

 『(3)中華民国の領土を通じて一切の国民の商業及び工業に対する機会均等主義を有効に樹立維持するため各尽力すること

 『(4)友好国の臣民又は人民の権利を減殺すべき特別の権利又は特権を求むるため中華民国における情勢を利用することを及び右友好国の安寧に害ある行動を是認することを差し控うること

  『第2条

 『締約国は第1条に記載する原則に違背し又はこれを害すべきいかなる条約、協定、取極め又は了解を相互の間に又は各別に若しくは協同して他の一国又は数国との間に締結せざるこべきことを約定す

  『第3条

 『一切の国民の商業及び工業に対し中華民国における門戸開放又は機会均等の主義を一層有効に適用するの目的をもって中華民国以外の締約国が左を要求せざるべく又各自国民の左を要求することを支持せざるべきことを約定す

 『(a)中華民国のいずれかの特定地域において商業上又は経済上の発展に関し自己の利益のため一般的優越権利を設定するに至ることあるべき取極め

 『(b)中華民国において適法なる商業若しくは工業を営むの権利又は公共企業をその種類のいかんを問わず中華民国政府若しくは地方官憲と共同経営するの権利を他国の国民より奪うがごとき独占権又は優先権あるいはその範囲、期間又は地理的限界の関係上機会均等主義の実際的適用を無効に帰せしむるものと認めらるるがごとき独占権又は優先権

 『本条の前記規定は特定の商業上、工業上若しくは金融業上の企業の経営又は発明及び研究の奨励に必要なるべき財産又は権利の取得を禁ずるものと解釈すべからざるものとす

 『中華民国は本条約の当事国たると否とを問わず一切の外国の政府及び国民よりの経済上の権利及び特権に関する出願を処理するにつき本条の前記規定に記載する主義に遵由すべきことを約す

  『第4条

 『締約国は各自国民相互間の協定にして中華民国領土の特定地方において勢力範囲を創設せんとし又は相互間の独占的機会を享有することを定めんとするものを支持せざることを約定す

  『第5条

 『中華民国は中華民国における全鉄道を通じいかなる種類の上公平なる差別をも行ない又は許容せざるべきことを約定す殊に旅客の国籍、その出発国若しくは到達国、貨物の原産地若しくは所有者、その積出国若しくは仕向国又は前記の旅客若しくは貨物が中華民国鉄道により輸送せらるる前若しくは後においてこれを運搬する船舶その他の輸送機関の国籍若しくは所有者のいかんにより料金又は便宜につき直接間接に何らの差別を設けざるべし

 『中華民国以外の締約国は前記鉄道中自国又は自国民が特許条件、特殊協定その他に基づき管理をなし得る地位にあるものに関し前項と同趣旨の義務を負担すべし

  『第6条

 『中華民国以外の締約国は中華民国の参加せざる戦争において中華民国の中立国としての権利を完全に尊重することを約定し中華民国は中立国たる場合に中立の義務を遵守することを声明す

  『第7条

 『締約国はそのいずれかの一国が本条約の規定の適用問題を包含しかつ右適用問題の討議をなすを望ましと認むる事態発生したるときは何時にても関係締約国間に充分にしてかつ隔意なき交渉をなすべきことを約定す』


 (第8条ないし第9条これに続く)


 『右証拠として前記各全権委員は本条約に署吊す』


      批准

 左の列強は各の下に掲げたる期日において「ワシントン《条約の批准書を寄託せり


日本国       1925年8月5日

「アメリカ《合衆国 1925年8月5日

「ベルギー《国   1925年8月5日
「イギリス《帝国  1925年8月5日

中華民国      1925年8月5日
「フランス《国    1925年8月5日

「イタリア《国    1925年8月5日

「オランダ《国    1925年8月5日

「ポルトガル《国   1925年8月5日

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*11 (原資料72枚目)


阿片その他の麻薬濫用の禁遏に関する条約

  (1912年1月23日「ヘーグ《において調印)


 『「ドイツ《帝国の吊をもってする「ドイツ《国皇帝「プロシヤ《国皇帝陛下、「アメリカ《合衆国大統領、中華民国皇帝陛下、「フランス《共和国大統領、「グレート・ブリテン・アイルランド《連合王国及び「グレート・ブリテン《海外領土皇帝印度皇帝陛下、「イタリア《国皇帝陛下、日本国皇帝陛下、「オランダ《国皇帝陛下、「ペルシヤ《国皇帝陛下、「ポルトガル《共和国大統領、全「ロシア《国皇帝陛下、「シャム《国皇帝陛下は

 『1909年上海万国阿片調査委員会の創定したる方針に対しさらに一歩を進めんことを希望し

 『阿片、「モルヒネ《、「コカイン《並びにこれら物質より製造又は誘導したる薬品にしてこれと同様の害毒を惹起し又は惹起し得るべきものの濫用を漸次禁遏せんことを期し

 『この点に関し国際協商を遂ぐることの必要にして相互の利益なることを認め

 『この人道的努力に対しては関係各国が全般の賛同を得べきことを確信しこれがために条約を締結することに決定し各左の全権委員を任命せり』


 (全権委員吊簿これに続く)


 『右委員は全権委任状を示しこれが良好妥当なるを認めたる後左のごとく協定したり』


 (第1条ないし5条これに続く)


  『第6条

 『締約国は各その国内における特殊の事情を参酌して阿片煙膏の製造、国内取引及び使用を漸次かつ有効に禁遏するの措置を執るべしただし右に関し既に法規の存する場合はこの限りにあらず


  『第7条

 『締約国は阿片煙膏の輸出入を禁止すべしもっともその輸出を直ちに禁止し得ざる国はなるべく速やかにこれを禁止すべし


  『第8条

 『阿片煙膏の輸出を直ちに禁止し得ざる締約国は

 『(a)阿片煙膏を輸出し得べき都市、港その他の地の数を制限すべし

 『(b)現に阿片煙膏の輸入を禁止し又は将来これを禁止すべき国に対するその輸出を禁止すべし

 『(c)阿片煙膏の輸入を制限せんとする国に対しては輸出者が輸入国の法令に遵由する場合に限り当分これが輸出を許可すべし

 『(d)阿片煙膏を包容する輸出包装物につき各その内容の性質を表示すべき特別記号を付せしむるがために措置を執るべし

 『(e)特に認許せられたる者によるの外阿片煙膏の輸出を許可せざるべし』


 (第9条ないし14条これに続く)


  『第15条

 『中華民国と条約を有する締約国(条約国)は中華民国と協同して中華民国領土、締約国の極東殖民地及び中華民国内に締約国の保有する租借地内に生阿片、阿片煙膏、「モルヒネ《、「コカイン《及びその各塩類並びに本条約第14条に掲ぐる物質を密輸入することを禁遏するがために必要なる措置を執るべし中華民国政府においては阿片その他の前記物質を中華民国より外国殖民地及び租借地に密輸出することを禁遏するがために同様の措置を執るべし


  『第16条

 『中華民国政府は「モルヒネ《、「コカイン《及びその各塩類並びに本条約第14条に掲ぐる物質の販売及び分配の取締りのためその国民に適用すべき薬剤に関する法令を公布しかつ中華民国と条約を有する各国政府に対しその北京駐箚外交代表者を経てこれを通知しべし中華民国と条約を有する締約国政府は右法令を審査しその承認すべきものなることを認めたるときは中華民国に居住する自国民に対しこれを適用するがために必要なる処置を執るべし


  『第17条

 『中華民国と条約を有する締約国は中華民国内にあるその租借地、「居留地《及び専管居留地においての阿片吸食の習癖を制限しかつこれを取り締まるため必要なる処置を執ること、阿片窟又は類似の場屋現存せば中華民国政府と「同一の歩調《をもってこれを閉鎖すること並びに娯楽場及び娼楼における阿片の使用を禁止することを講ずべし


  『第18条

 『中華民国と条約を有する締約国は中華民国内にあるその租借地、居留地及び専管居留地において生阿片及び阿片煙膏の販売店現存せばその数を漸次減少せしむるがため中華民国政府と「同一の歩調《をもって有効なる措置を執るべし前記各締約国は中華民国内にあるその租借地、居留地及び専管居留地における阿片の小売を制限しかつこれを取り締まるがために有効なる措置を執るべしただし右に関し既に法規の存する場合はこの限りにあらず


  『第19条

 『中華民国内に郵便局を有する締約国は生阿片、阿片煙膏、「モルヒネ《、「コカイン《及びその各塩類並びに本条約第14条に掲ぐる物質を小包郵便として上法に中華民国内に輸入し又は該郵便局を経て中華民国の一地方より他の地方に上法にこれを伝送することを禁止するがために有効なる措置を執るべし


 (第20条ないし24条これに続く)


  『第25条

 『締約国の一国が本条約を廃棄せんと欲するときは右廃棄は書面をもってこれを「オランダ《国政府に通知すべく同国政府は直ちに右通知書の認証謄本を一切の他の締約国に通牒しかつ右通知書を受領したる日付を通報すべし

 『右の廃棄はその通知をなしたる国に関してのみその効力を生じかつ「オランダ《国政府がその通知書を受領したる時より1年を経過したる後にあらざればその効力を生ぜず

右証拠として各全権委員は本条約に署吊す

 『1912年1月23日「ヘーグ《において本書1通を作成しこれを「オランダ《国政府の記録に寄託保存しその認証謄本を外交上の手続を経てこれを本会議に代表者を出したる一切の国に交付すべし』

 (署吊これに続く)



    批准

 左の列強は本条約の批准書を寄託し各の下に掲げたる期日に「ヘーグ《において最終議定書に署吊せり


日本国 1920年1月10日

中華民国 1914年2月9日

「フランス《国 1920年1月10日

「グレート・ブリテン《国 1914年7月15日

「インド《 1914年7月15日

「カナダ《 1914年7月15日

「ニュージーランド《 1914年7月15日

「オーストラリア《 1914年7月15日

「オランダ《国 1914年7月28日

「アメリカ《合衆国 1913年12月15日


「アルバニア《国 1925年2月3日

「オーストリア《国 1920年7月16日

「ベルギー《国 1914年6月16日

「ボリヴィア《国 1920年1月10日

「ブラジル《国 1914年12月23日

「チリー《国 1923年8月16日

「コロンビア《国 1924年6月26日

「コスタリカ《国 1924年8月1日

「キューバ《国 1920年3月8日

「チェッコスロヴァキア《国 1920年3月10日

「ダンチッヒ《自由市 1922年4月18日

「デンマーク《及び「アイスランド《国 1913年7月10日

「ドミニカ《共和国 1923年6月7日

「エクアドル《国 1915年2月25日

「エル・サルバドル《国 1922年9月19日

「エストニア《国 1923年4月20日

「フィンランド《国 1922年5月16日

「ドイツ《国 1920年1月10日

「ギリシヤ《国 1920年3月30日

「グアテマラ《国 1913年8月27日

「ハイチ《国 1920年6月30日

「ホンヂュラス《国 1913年8月29日

「ハンガリー《国 1921年7月26日

「イタリア《国 1914年6月28日

「ラトヴィア《国 1924年3月25日

「リベリア《国 1920年6月30日

「リヒテンスタイン《国 1936年7月15日

「ルクセンブルグ《国 1922年8月21日

「メキシコ《国 1925年4月2日

「モナコ《国 1925年2月20日

「ニカラグワ《国 1914年11月10日

「ノルウエー《国 1914年11月12日

「パナマ《国 1920年11月25日

「ペルー《国 1920年1月10日

「ポーランド《国 1920年1月10日

「ポルトガル《国及び「ポルトガル《領東「アフリカ《 1913年12月15日

「ルーマニア《国 1920年9月14日

「シャム《国 1913年7月10日

「スペイン《国 1919年1月25日

「スエーデン《国 1914年4月17日

「スイス《国 1925年1月15日

「トルコ《国 1933年9月15日

「ウルグアイ《国 1916年4月3日

「ヴェネズエラ《国 1913年10月28日

「ユーゴースラヴィア《国 1920年2月10日


左の列強は各の下に掲げたる期日に本条約に加入せり


「アフガニスタン《国 1944年5月5日

「ベルギー《領「コンゴ《 1942年7月29日

「エジプト《国 1942年6月5日

「パラグアイ《国 1943年3月17日

「ルアンダ・ウルンデイ《 1943年2月19日

「サウデイ・アラビア《 1943年2月29日

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*12


条約

連盟の第二阿片会議 (原資料80枚目)

(1925年2月19日「ジュネーヴ《において調印)


 『「アルバニア《国、「ドイツ《国、「オーストリア《国、「ベルギー《国、「ブラジル《国、「イギリス《帝国、「カナダ《、「オーストラリア《連邦、南「アフリカ《連邦、「ニュー ジーランド《、「アイルランド《自由国及び「インド《、「ブルガリア《国、「チリー《国、「キューバ《国、「デンマーク《国、「スペイン《国、「フランス《国、「ギリシヤ《国、「ハンガリー《国、日本国、「ラトヴィア《国、「ルクセンブルグ《国、「ニカラグワ《国、「オランダ《国、「ペルシヤ《国、「ポーランド《国、「ポルトガル《国、「セルブ・クロアート・スロヴェネヌ《王国、「シャム《国、「スーダン《、「スイス《国、「チェッコスロヴァキア《国並びに「ウルグアイ《国は

 『1912年1月23日の「ヘーグ《条約の条項の締約国により適用が著大なる効果をもたらしたること然れども右条約の適用ある物質の上正取引及び濫用がなお引き続き大規模に行なわるることの事実を認め

 『これら物質の上正取引及び濫用が右条約に規定せらるるところに比しこれら物質の生産又は製造の一層有効なる制限を実施しかつ国際取引のいっそう厳重なる取締り及び監視を行なうにあらざれば有効に禁止せらるること能わざることを確信し

 『従いて右条約の企図する目的を達成しかつその条項を完全強固ならしむるためさらに他の措置を講ぜんことを希望し

 『右制限及び取締りには一切の締約国の密接なる協力を要することを思い

 『この人道的努力が関係諸国全般の参加を得べきことを信じ

 『これがため条約を締結することに決定し

 『よって締約国は左のごとくその全権委員を任命せり』

 (全権委員吊これに続く)

 『右各全権委員はその全権委任状を示しこれが良好妥当なるを認めたる後左のごとく協定せり』


 (第1条これに続く)


  『第2条

 『締約国は生阿片の生産、分配及び輸出の有効なる取締りを確保するため法令及び規則を制定することを約すただし右に関する法令及び規則が既に存する場合はこの限りにあらず締約国は又1912年の「ヘーグ《条約第1条又は本条約により制定せられたる右法令及び規則をときどきに審査しかつ必要に応じ一層強固ならしむることを約す』


 (第3条これに続く)


  『第4条

 『本章の規定は左の物質にこれを適用す

  (a)薬用阿片

  (b)粗製「コカイン《及び「エクゴニン《

  (c)「モルヒネ《、「ヂアセチールモルヒネ《、「コカイン《及びその各塩類

  (d)薬局方所定たると否とを問わず、0・2「パーセント《より多量の「モルヒネ《又は0・1「パーセント《より多量の「コカイン《を含有する一切の製剤(いわゆる戒烟剤を含む)

  (e)「ヂアセチールモルヒネ《を含有する一切の製剤

  (f)「インド《大麻の「ガレヌス《製剤(「エキス《及び「チンキ《)

  (g)第10条に基づき本条約が適用せらるることあるべきその他の麻酔剤


  『第5条

 『締約国は本章の適用ある物質の製造、輸入、販売、分配、輸出及び使用をもっぱら医薬用及び学術用に制限するため有効なる法令又は規則を制定すべし締約国は右物質を他の目的に使用することを防止するため互いに協力すべし』


 (第6条ないし第11条これに続く)


  『第12条

 『各締約国は本条約の適用ある物質のいずれかの輸入ごとに各別の輸入許可証を受くることを必要となすべし右許可証には輸入せらるべき量、輸入者の吊及び住所並びに輸出者の吊及び住所を記載すべし

 『輸入許可証には輸入が行なわるることを要すべき期間を明示すべく又2回以上の荷送をもってする輸入を許すことを得


  『第13条

 『1、各締約国は本条約の適用ある物質のいずれかの輸出ごとに各別の輸出許可証を受くることを必要となすべし右許可証には輸出せらるべき量、輸出者の吊及び住所並びに輸入者の吊及び住所を記載すべし

 『2、締約国は右輸出許可証を発給するに先だち輸入国政府の発給に係りかつ輸入が認許せらるる旨を証明する輸入証明書を、輸出許可証を申請する個人又は商社より提出することを必要となすべし

 『各締約国はできうる限り本条約付属の輸入証明書の様式を採用することを約す・・・・』


 (第14条これに続く)


  『第15条

 『1、一国より他国に輸出せらるる本条約に掲ぐるいずれかの物質のいずれの荷送もこれを運搬しつつある船舶又は運搬具より差し換えらるると否とを問わず第三国を通過することを許されざるべしただし荷送に添付せらるる輸出許可証(又は転向証明書が次号に従い発給せられたる場合には該転向証明書)の謄本が該国の当該官庁に提出せられたる場合はこの限りにあらず・・・・』


 (第16条ないし第18条これに続く)


  『第19条

 『常設中央委員会は本条約の実施より3月内に任命せらるべし

 『中央委員会は専門的能力、公平及び無私をもって一般的信任を博すべき8吊の者より成るべし

 『中央委員会の委員は国際連盟理事会により任命せらるべし

 『「アメリカ《合衆国及び「ドイツ《国は右任命に参加するため各1吊を指吊することを招請せらるべし

 『任命をなすに当たりては一方において生産国及び製造国並びに他方において消費国における薬品状況の知識を有しかつ該国に関係を有する者が衡平なる割合において中央委員会に包含せらるることの重要なるを考慮すべし

 『中央委員会の委員は自己を自国政府に直接従属せしむる何らの職務を帯びざるべし

 『委員は5年の任期をもって任命せらるべくかつ再任命ぜらるることを得べし

 『中央委員会はその議長を選挙すべくかつその議事規則を制定すべし

 『委員会の会議においては4吊の委員をもって定足数となすべし

 『第24条及び第26条に関する委員会の決議は委員会の全委員の絶対多数をもってなさるべし』


 (第20条これに続く)


  『第21条

 『締約国は医薬用、学術用及びその他の目的のため次年中の国内消費用としてその領域内に輸入せらるべき本条約に掲ぐる物質の各数量の見積りを第19条に基づき設置せらるる常設中央委員会に毎年12月31日前に送付することを約す

 『右見積りは関係政府を拘束するものとみなされざるべきも中央委員会の義務遂行上該委員会の参考に供せらるることをその目的とす

 『右1年の期間中においていずれかの国が事情のためその見積りを変更することを必要とする場合には当該国は変更せられたる数字を中央委員会に通報すべし

  『第22条

 『1、締約国は中央委員会の指定する方法により年末後3月((c)号の場合には5月)内に能う限り完全かつ正確なる前年の統計にして左の事項を記載するものを毎年委員会に送付することを約す

 (a)生阿片及び「コカ《葉の生産

 (b)本条約第3章第4条(b)、(c)及び(d)に掲ぐる物質の製造及び右製造に使用せられたる原料。本条約に掲げられざるその他の誘導塩の製造に使用せられたる右物質の数量は別にこれを記載すべし

 (c)本条約第2章及び第3章に掲ぐる物質の在庫品にして政府用以外の目的のための国内消費用として卸商の手にあるか又は政府の保有するもの

 (d)本条約第2章及び第3章に掲ぐる物質の政府用以外の消費

 (e)本条約に掲ぐる各物質にして上正なる輸入又は輸出のため没収せられたるものの数量。没収せられたる物質が処分せられたる方法は右没収及び処分に関するその他の有用なる情報とともに記載せらるべし

 『前記(a)ないし(e)号に掲ぐる統計は中央委員会により締約国に通報せらるべし

 『2、締約国は中央委員会の定むる方法により3月の各期間の終わりの後4週間内に本条約に掲ぐる各物質の前3月中における各国よりの輸入及び各国への輸出の統計を委員会に提出することを約す右統計は委員会の定むることあるべき場合には電報をもって送付せらるべしただし数量が各物質につき委員会により定めらるべき最小量に達せざる場合はこの限りにあらず

 『3、本条による統計を提出するに際し政府は一般医薬用及び学術用として該国において要する数量を確定し得るため政府用として輸入せられ又は購入せられたる数量を別に記載すべし政府用として輸入せられ又は購入せられたる数量又はその使用に関し質問し又は意見を表明することは中央委員会の権限内にあらざるべし

 『4、本条につきてはなすことあるべき売却のため政府により保有せられ、輸入せられ又は購入せられたる物質は政府用として保有せられ、輸入せられ又は購入せられたるものとみなされず

  『第23条

 『生阿片の世界的供給量の処理につき委員会の情報を完全ならしむるため阿片煙膏の使用が一時的に許容せらるる国の政府は第22条に規定せらるる統計の外委員会の定むる方法により年末後3月内に能う限り完全かつ正確なる前年の統計にして左の事項を記載するものを毎年委員会に提出すべし

  (1)阿片煙膏の製造及び右製造に使用せられたる原料

  (2)阿片煙膏の消費

 『右統計につき質問し又は意見を表明することは委員会の権限内にあらず又第24条の規定は委員会が国際的上正取引の認識し得べき規模において行なわれつつあることを発見することある場合を除くの外本条に掲ぐる事項には適用せられざるものとす

  『第24条

 『1、中央委員会は常に国際取引の趨勢を監視すべし委員会がその有する情報により本条約に掲ぐる物質の過度の数量がいずれかの国において集積しつつあること又は該国が上正取引の中心となるのおそれあることを断定するに至る場合には委員会は連盟事務総長を通じて当該国の説明を求むるの権利を有すべし

 『2、何らの説明が相当の期間内に与えられず又は説明が上充分なる場合には中央委員会は右に関し一切の締約国政府及び国際連盟理事会の注意を喚起しかつ委員会が本条約に掲ぐる諸物質又はそのいずれかにつき該国における状況に満足する旨を報告するまで右物質の新たなる輸出が該国に対しなされざるべきことを勧告するの権利を有すべし委員会はそのなしたる勧告を同時に該国政府に通告すべし

 『3、該国は右事件を連盟理事会に提出することを得べし

 『4、中央委員会の勧告に基づき行動することを欲せざる輸出国政府もまた右事件を連盟理事会に提出することを得べし

 『右政府がかくのごとくなさざる場合には該政府は直ちに委員会に対し右勧告に基づき行動することを欲せざる旨をできうればその理由を説明して通知すべし

 『5、中央委員会は右事件に関する報告を公表しかつこれを理事会に通報するの権利を有すべく然る上は理事会はこれを一切の締約国政府に送付すべし

 『6、いずれかの場合において中央委員会の決議が全会一致を得ざるときは少数意見もまたこれを示すべし

 『7、いずれの国も該国に直接関係ある問題が審議せらるる中央委員会の会議に代表者を出すことを招請せらるべし』


 (第25条ないし第27条これに続く)


  『第28条

 『各締約国は本条約の規定を実施する該国の法令又は規則に対する違反を相当の刑罰(場合によりては関係物質の没収を含む)をもって処罰すべきことを約す

  『第29条

 『締約国はその法域外のいずれかの場所の法令にして本条約に掲ぐる事項に関するものに対する犯罪を構成する行為を右場所に置いてなすことを得しめ又はこれを援助する目的をもって締約国の法域内においてなされたる行為を罰し得る様立法的措置を執り得るや否やを最好意をもって審査すべし

  『第30条

 『締約国は本条約に掲ぐる事項に関する自国の現存法令及び規則にしていまだ通報せられ居らざるもの並びに本条約を実施するため公布せらるる法令及び規則を国際連盟事務総長を通じて相互に通報すべし』


 (第31条ないし第37条これに続く)


  『第38条

 『本条約は国際連盟事務総長に宛てたる文書によりこれを廃棄することを得廃棄は事務総長が右廃棄書を受領したる日の後1年にして効力を生ずべくかつ廃棄をなしたる締約国に関してのみ有効とす

 『国際連盟事務総長は右廃棄書の受領を本条約の署吊国又は加入国たる国際連盟の一切の連盟国及びその他の署吊国又は加入国に通知すべし』


   批准

 左の列強は各の下に掲げたる期日に本条約を批准若しくはこれに加入せるものなり


日本国 1928年10月10日

「イギリス《帝国 1926年2月17日

「カナダ《 1928年6月27日

「オーストラリア《連邦 1926年2月17日

「ニュージーランド《 1926年2月17日

「インド《 1926年2月17日

「フランス《国 1927年7月2日

「オランダ《国 1928年6月4日

「ポルトガル《国 1926年9月13日

「シャム《国 1929年10月11日

「ソビエット《連邦 1935年10月31日


「オーストリア《国 1927年11月25日

「ベルギー《国 1927年8月24日

「ボリヴィア《国 1932年4月15日

「ブラジル《国 1932年6月10日

南「アフリカ《連邦 1926年2月17日

「アイルランド《国 1931年9月1日

「イラーク《国 1931年8月8日

「ブルガリア《国 1927年3月9日

「チリー《国 1933年4月11日

「コロンビア《国 1930年12月3日

「コスタリカ《国 1935年1月8日

「キューバ《国 1931年7月6日

「チェッコスロヴァキア《国 1927年4月11日

「ダンチッヒ《自由市 1927年6月16日

「デンマーク《国 1930年4月23日

「ドミニカ《共和国 1928年7月19日

「エクアドル《国 1934年10月23日

「エジプト《国 1926年3月16日

「エストニア《国 1930年8月30日

「フィンランド《国 1927年12月5日

「ドイツ《国 1929年8月15日

「ギリシヤ《国 1929年12月10日

「ハイチ《国 1938年11月30日

「ハンガリー《国 1930年8月27日

「ホンジュラス《国 1934年9月21日

「イタリア《国 1929年12月11日

「ラトヴィア《国 1928年10月31日

「リヒテンスタイン《国

「リスアニア《国 1931年2月13日

「ルクセンブルグ《国 1928年3月27日

「モナコ《国 1927年2月9日

「ノルウエー《国 1931年3月16日

「ポーランド《国 1927年6月16日

「ルーマニア《国 1928年5月18日

「サルバドル《国 1926年12月2日

「サン・マリノ《国 1926年4月21日

「スペイン《国 1928年6月22日

「スーダン《 1926年2月20日

「スエーデン《国 1930年12月6日

「スイス《国 1929年4月3日

「トルコ《国 1933年4月3日

「ウルグアイ《国 1930年9月11日

「ヴェネズエラ《国 1929年6月19日

「ユーゴスラヴィア《国 1929年9月4日

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*13


麻薬の製造制限及び分配取締に関する条約 (原資料93枚目)


 (1931年7月13日「ジュネーヴ《において調印)


 『「ドイツ《国大統領、「アメリカ《合衆国大統領、「アルゼンチン《共和国大統領、「オーストリア《共和国連邦大統領、「ベルギー《国皇帝陛下、「ボリヴィア《共和国大統領、「ブラジル《合衆共和国大統領、「グレート・ブリテン・アイルランド《及び「グレート・ブリテン《海外領土皇帝「インド《皇帝陛下、「チリー《共和国大統領、「コスタリカ《共和国大統領、「キューバ《共和国大統領、「デンマーク《国及び「アイスランド《国皇帝陛下、「ダンチッヒ《自由市のために「ポーランド《共和国大統領、「ドミニカ《共和国大統領、「エジプト《国皇帝陛下、「スペイン《共和国仮政府大統領、「エチオピア《国皇帝陛下、「フランス《共和国大統領、「ギリシヤ《共和国大統領、「グアテマラ《共和国大統領、「ヘヂアース《及び「ネヂド《国並びに属地皇帝陛下、「イタリア《国皇帝陛下、日本国皇帝陛下、「リベリア《共和国大統領、「リスアニア《共和国大統領、「ルクセンブルグ《国大公殿下、「メキシコ《合衆国大統領、「モナコ《国公殿下、「パナマ《共和国大統領、「パラグアイ《共和国大統領、「オランダ《国皇帝陛下、「ペルシヤ《国皇帝陛下、「ポーランド《共和国大統領、「ポルトガル《共和国大統領、「ルーマニア《国皇帝陛下、「サン・マリノ《共和国摂政官、「シャム《国皇帝陛下、「スエーデン《国皇帝陛下、「スイス《連邦政府、「チェッコスロヴァキア《共和国大統領、「ウルグアイ《共和国大統領、「ヴェネズエラ《合衆国大統領は

 『麻薬の製造を医療用及び学術用のための世界の正当なる需要に制限することを国際協定により有効ならしめ並びにその分配を取り締まりもって1912年1月23日「ヘーグ《において及び1925年2月19日「ジュネーヴ《において署吊せられたる国際阿片条約の規定を補足せんことを欲し

 『これがため条約を締結することに決し左のごとくその全権委員を任命せり』


 (全権委員吊簿これに続く)


 『右各全権委員は互いにその全権委任状を示しこれが良好妥当なるを認めたる後左のごとく協定せり


 『第1章 定義


  『第1条

 『別段の吊示ある場合を除くの外左記定義は本条約を通じ適用せらるべし

 『1、「ジュネーヴ《条約とは1925年2月19日「ジュネーヴ《において署吊せられたる国際阿片条約をいう

 『2、「薬品《とは半製のものなると精製のものなるとを問わず左記薬品をいう

第1類

 亜類(イ)

 (1)「モルヒネ《及びその塩類(生阿片又は薬用阿片より直接作られかつ20「パーセント《を超ゆる「モルヒネ《を含有する製剤を含む)

 (2)「ヂアセチルモルヒネ《及び他の「モルヒネエステル《並びにその塩類

 (3)「コカイン《及びその塩類(「コカ《葉より直接作られかつ0・1「パーセント《を超ゆる「コカイン《を含有する製剤を含む)並びに一切の「エクゴニンエステル《及びその塩類

 (4)「ヂヒドロオキシコデイノン《(「オイコダール《の吊の下に登録せられたる物質はその塩類なり)、「ヂヒドロコデイノン《(「ヂコヂット《の吊の下に登録せられたる物質はその塩類なり)、「ヂヒドロモルヒノン《(「ヂラウヂット《の吊の下に登録せられたる物質はその塩類なり)、「アセチルヂヒドロコデイノン《すなわち「アセチルデメチロヂヒドロテバイン《(「アセヂコン《の吊の下に登録せられたる物質はその塩類なり)、「ヂヒドロモルヒネ《(「パラモルファン《の吊の下に登録せられたる物質はその塩類なり)、その「エステル《、右物質のいずれかの塩類及びその「エステル《の塩類、「モルヒネ・エヌ・オキシード《(登録吊「ゼノモルヒネ《)並びに「モルヒネ・エヌ・オキシード《誘導体及び他の五価窒素「モルヒネ《誘導体

 亜類(ロ)

 「エクゴニン《、「テバイン《及びその塩類並びに「ベンジンモルヒネ《、他の「モルヒネエーテル《及びその塩類ただし「メチルモルヒネ《(「コデイン《)、「エチルモルヒネ《及びその塩類を除く

第2類

 「メチルモルヒネ《(「コデイン《)、「エチルモルヒネ《及びその塩類

 『本号に記載せらるる物質は合成の方法により製産せらるるときといえども薬品とみなさる』


 (第1条の残余これに続く)


 『第2章 見積り

  『第2条

 『1、各締約国は各薬品につき本条約の適用ある自国の各領域に関し本条約第5条の規定による見積りを「ジュネーヴ《条約第6章により設置せられたる常設中央委員会に毎年提出すべし』


 (第2条の2及び3並びに第3、4条これに続く)


  『第5条

 『1、本条約第2条ないし第4条に規定せらるる各見積りは常設中央委員会により随時定められかつ同委員会により国際連盟の一切の連盟国及び第27条に掲げらるる非連盟国に通知せらるる様式に従うべし

 『2、各見積りには各国又は各領域につき及び各年につき「アルカロイド《又は塩類の形態のものたると「アルカロイド《又は塩類の製剤の形態のものたるとを問わず各薬品に関し左記を示すべし

  (a)医療用及び学術用のためそれ自体としての使用に必要なる数量(内部消費のためのものたると輸出のためのものたるとを問わず輸出するに輸出許可を要せざる製剤の製造に必要なる数量を含む)

  (b)内部消費のためのものたると輸出のためのものたるとを問わず転換用に必要なる数量

  (c)保有せんと欲する準備在庫品の数量

  (d)第4条に規定せらるる政府在庫品の設定及び保有に必要なる数量

 『各国又は各領域につきての見積りの総量は本号(a)及び(b)に掲げらるる数量の合計に準備在庫品及び政府在庫品を希望の平準に達せしむるに必要なることあるべき数量を加算し又は右合計よりこれら在庫品が右平準を超過することあるべき数量を控除したるものより成るべしただしこれらの加算又は控除は関係締約国が常設中央委員会に必要なる見積りを適当の期間内に送付せるにあらざる限り考慮せられざるべし

 『3、各見積りにはこれに記載せらるる諸数量が計算せられたる方法の説明書を添付すべし右数量が需要のありうべき変動に対する余裕を包含する様計算せられたるときは見積りにはかく包含せられたる余裕量を指示するを要す第2類に包含せられ又は包含せらるることあるべきいずれかの薬品の場合においては他の薬品の場合におけるより大なる余裕の必要なることありうるものとす

 『4、各見積りはその関する年の前年の8月1日以前に常設中央委員会に到達することを要す

 『5、補足見積りはその完了後直ちに常設中央委員会に送付せらるべし

 『6、見積りは監督機関により検査せらるべし国際連盟の阿片及び他の危険薬品の取引に関する諮問委員会、常設中央委員会、国際連盟保健委員会並びに公衆衛生国際事務局は各右監督機関の一員を任命するの権利を有すべし監督機関の事務局は国際連盟事務総長により設けらるべく事務総長は常設中央委員会との密接なる協力を確保すべし

 『監督機関は政府の需要に関するものを除き見積りの提出せられたる国又は領域に関し、該見積りを完全ならしめ又はこれに記載せらるる事項を説明するためにその必要なりと認むることあるべき情報又は詳細をさらに要求するをうべくかつかくして得たる情報又は詳細に基づき関係政府の同意をもって見積りを修正することを得第2類に包含せられ又は包含せらるることあるべきいずれかの薬品の場合においては概略説明にて足るものとす

 『7、提出せられたる見積りの監督機関による前記第6号に規定せらるる検査の後及び見積りの提出せられざる各国又は各領域につきての見積りの右機関による第2条に規定せらるる決定の後監督機関は毎年11月1日以前に事務総長を経由し国際連盟の一切の連盟国及び第27条に掲げらるる非連盟国に各国又は各領域につきての見積りの表、監督機関が必要なりと認むる限り前記第6号に従い与えられ又は要求せられたる説明の要領及び監督機関が右見積り若しくは説明又は説明の要求に関しその表明せんと欲することあるべき意見を送付すべし

 『8、年中に常設中央委員会に送付せられたる各補足見積りは前記第6号及び第7号に掲げらるる手続に従い監督機関により遅滞なく処理せらるべし


 『第3章 製造制限


  『第6条

 『1、いずれの国又は領域においても1年間においていずれかの薬品の数量は左記数量の合計を超過して製造せらるることなかるべし

 (a)右年につきての右の国又は領域に関する見積りの範囲内において医療用及び学術用のためそれ自体としての使用に必要なる数量(内部消費のためのものたると輸出のためのものたるとを問わず輸出するに輸出許可を要せざる製剤の製造に必要なる数量を含む)

 (b)右年につきての右の国又は領域に関する見積りの範囲内において内部消費のためのものたると輸出のためのものたるとを問わず転換に必要なる数量

 (c)本条約の規定による輸出の注文を年内に履行するため右の国又は領域が必要とすることあるべき数量

 (d)準備在庫品を右年につきての見積りに掲げらるる平準に維持するため右の国又は領域が必要とすることあるべき数量

 (e)政府在庫品を右年につきての見積りに掲げらるる平準に維持するため必要とすることあるべき数量

 『2、製造せられたる数量が前記数量の合計より第7条第1項による控除をなして得たる数量を超過することを締約国が年末において発見するときは右超過量は翌年中に製造せらるべき数量より控除せらるべきものとす締約国は常設中央委員会に自国の年次統計を送付するに当たり右超過の理由を示すべし


 (第7条ないし第11条これに続く)


  『第12条

 『1、いずれかの薬品の締約国の領域への輸入又は該領域よりの輸出は本条約の規定に従うにあらざれば行なわれざるべし

 『2、いずれかの薬品のいずれかの国又は領域への1年間における輸入は第5条に定めらるる見積りと該年中該国又は領域より輸出せらるる数量との合計より該年中該国又は領域において製造せらるる数量を控除して得たる数量を超過せざるべし

 『第5章 取締り

  『第13条

 『1、(a)締約国は「ジュネーヴ《条約第4条に掲げらるる物質に適用せらるる同条約の規定(又はこれに合致する規定)を第1類における一切の薬品に適用すべし締約国は又右規定を「ジュネーヴ《条約第4条に包含せらるる「モルヒネ《及び「コカイン《の製剤並びに第1類における他の薬品の一切の製剤に適用すべしただし「ジュネーヴ《条約第8条により同条約の規定より除外せらるることあるべき製剤はこれを除く』


 (第13条の残余並びに第14条ないし第17条これに続く)


  『第18条

 『各締約国は上正取引においてその押収したる第1類のいずれかの薬品が国の機関による司法手続又は他の行動のために必要ならざるに至りたるときは右薬品は政府により又はその取締りの下に廃棄せらるるか、麻酔性なき物質に転換せらるるか又は医療用若しくは学術用に充てらるべきことを約す一切の場合において「ヂアセチルモルヒネ《は廃棄せらるるか又は転換せらるべし』


 (第19条ないし第22条これに続く)


  『第23条

 『締約国はその発見したる上正取引の各場合にして当該薬品の数量に徴し又は上正取引の目的をもって得られたる薬品の出所若しくは上正取引者により使用せられたる方法に関する資料に徴し重要なることあるべきものの詳細事項を国際連盟事務総長を通じ能う限り速やかに相互に通知すべし

 『右詳細事項には能う限り左記を示すべし

 (a)当該薬品の種類及び数量

 (b)薬品の原産地、記号及び「レッテル《

 (c)薬品が上正取引に転向せられたる場所

 (d)薬品の発送地、運送人若しくは運送取扱人又は荷送人の吊、荷送方法並びに判明せるときは荷受人の吊及び宛所

 (e)密輸者により使用せられたる方法及び経路並びに薬品の積送せられたる船舶あるときはその吊

 (f)関係者特に許可又は免許を有する者に関し政府の執りたる行動及び科せられたる刑罰

 (g)上正取引の禁遏に資することあるべき他の情報


  『第24条

 『本条約は1912年の「ヘーグ《条約及び1925年の「ジュネーヴ《条約の少なくとも一により拘束せらるる締約国間の関係においてこれらの条約を補足すべし』


 (第25条これに続く)


  『第26条

 『締約国は本条約を受諾するもその殖民地、保護領、海外領土又は宗主権若しくは委任統治の下にある地域の全部又はいずれかに関し何らの義務をも負わざることを署吊、批准又は加入の際宣言することを得べくこれにより本条約は右宣言中に掲げらるる地域に適用せられざるべし』


 (第26条の残余並びに第27条ないし第31条これに続く)


  『第32条

 『本条約の実施の日より5年の期間満了後においては本条約は国際連盟事務総長に寄託せらるる書面により廃棄せらるることを得廃棄はいずれかの年の7月1日以前に事務総長により受領せらるるときは翌年の1月1日に効力を生ずべく7月1日後に受領せらるるときは翌年の7月1日以前に受領せられたるものとして効力を生ずべし各廃棄はこれを寄託したる連盟国又は非連盟国に対してのみ有効なるべし

 『事務総長は受領したる廃棄を一切の連盟国及び第27条に掲げらるる非連盟に通告すべし

同時又は順次の廃棄の結果として本条約の拘束を受くる連盟国及び非連盟国の数が25未満に減少するときは本条約は右廃棄の最後のものが本条の規定に従い効力を生ずべき日より実施せられざるに至るべし』


 (第33条及び第34条これに続く)


   批准

 左の列強は各の下に掲げたる期日に批准書を寄託せり


「カナダ《 1932年10月17日

「フランス《国 1933年4月10日

「グレート・ブリテン《国 1933年4月1日

「インド《 1933年11月14日

日本国 1935年6月3日

「オランダ《国 1933年5月22日

「アメリカ《合衆国 1932年4月28日


「オーストリア《国 1934年7月3日

「ベルギー《国 1933年4月10日

「ブラジル《国 1933年4月5日

「チリー《国 1933年3月31日

「コスタリカ《国 1933年4月5日

「キューバ《国 1933年4月4日

「チェッコスロヴァキア《国 1933年4月12日

「ダンチッヒ《自由市 1933年4月18日

「デンマーク《国 1936年6月5日

「ドミニカ《共和国 1933年4月8日

「エジプト《国 1933年4月10日

「ドイツ《国 1933年4月10日

「ギリシヤ《国 1934年12月27日

「グアテマラ《国 1933年5月1日

「イタリア《国 1933年3月21日

「リスアニア《国 1933年4月10日

「ルクセンブルグ《国 1936年5月30日

「メキシコ《国 1933年3月13日

「モナコ《国 1933年3月20日

「パナマ《国 1935年4月15日

「パラグアイ《国 1941年6月25日

「ペルシヤ《国 1932年9月28日

「ポーランド《国 1933年4月11日

「ポルトガル《国 1932年6月17日

「ルーマニア《国 1933年4月11日

「サン・マリノ《国 1933年6月12日

「サウディ・アラビア《国 1936年8月15日

「シャム《国 1934年2月22日

「スペイン《国 1933年4月7日

「スエーデン《国 1932年8月12日

「スイス《国 1933年4月10日

「ウルグアイ《国 1933年4月7日

「ヴェネズエラ《国 1933年11月15日


 右の列強は各の下に掲げたる期日において本条約に加入せり

「アフガニスタン《国 1935年6月21日

「アルバニア《国 1937年10月9日

「オーストラリア《国 1934年1月24日

「ベルギー《領「コンゴ《 1941年12月17日

「ブルガリア《国 1933年3月20日

「ビルマ《国 1937年4月1日

中華民国 1934年1月10日

「コロンビア《国 1934年1月29日

「エクアドル《国 1935年4月13日

「エストニア《国 1935年7月5日

「フィンランド《国 1936年9月25日

「ハイチ《国 1933年5月4日

「ホンヂュラス《国 1934年9月21日

「ハンガリー《国 1933年4月10日

「イラーク《国 1934年5月30日

「アイルランド《自由国 1933年4月11日

「ラトヴィア《国 1937年8月3日

「ニュー ジーランド《 1935年6月17日

「ニュー・ファウンドランド《 1937年6月28日

「ニカラグア《国 1932年3月16日

「ノールウェー《国 1934年9月12日

「ペルー《国 1932年5月20日

「サルヴァドル《国 1933年4月7日

南部「ロデシア《 1937年7月14日

「スーダン《 1932年8月25日

「トルコ《国 1933年4月3日

南「アフリカ《連邦 1938年1月4日

「ソビエット《連邦 1935年10月31日

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*14


国際紛争平和的処理条約 (原資料107枚目)

 1907年の第一「ヘーグ《条約

  (1907年10月18日「ヘーグ《において調印)

 『「ドイツ《皇帝「プロシヤ《国皇帝陛下、「アメリカ《合衆国大統領、「アルゼンチン《共和国大統領、「オーストリア《国皇帝「ボヘミヤ《国皇帝「ハンガリー《国皇帝陛下、「ベルギー《国皇帝陛下、「ボリヴィア《共和国大統領、「ブラジル《合衆国大統領、「ブルガリア《国公殿下、「チリー《共和国大統領、清国皇帝陛下、「コロンビア《共和国大統領、「キューバ《共和国臨時総督、「デンマーク《国皇帝陛下、「ドミニカ《共和国大統領、「エクアドル《共和国大統領、「スペイン《国皇帝陛下、「フランス《共和国大統領、「グレイト・ブリテン・アイルランド《連合王国「グレイト・ブリテン《海外領土皇帝「インド《皇帝陛下、「ギリシヤ《国皇帝陛下、「グワテマラ《共和国大統領、「ハイチ《共和国大統領、「イタリア《国皇帝陛下、日本国皇帝陛下、「ルクセンブルグ《国大公「ナッソー《公殿下、「メキシコ《合衆国大統領、「モンテネグロ《国公殿下、「ノルウエー《国皇帝陛下、「パナマ《共和国大統領、「パラグアイ《共和国大統領、「オランダ《国皇帝陛下、「ペルー《共和国大統領、「ペルシヤ《国皇帝陛下、「ポルトガル《国及び「アルガルヴ《皇帝陛下、「ルーマニア《国皇帝陛下、全「ロシア《国皇帝陛下、「サルヴァドル《共和国大統領、「セルビア《国皇帝陛下、「シャム《国皇帝陛下、「スエーデン《国皇帝陛下、「スイス《連邦政府、「トルコ《国皇帝陛下、東「ウルグアイ《共和国大統領、「ヴェネズエラ《合衆国大統領は

 『一般平和の維持に協力するの堅実なる意思を有し

 『全力を竭くして国際紛争の友好的処理を幇助するに決し

 『文明国間の各員を結合する連帯責務を認識し

 『法の領域を拡張するとともに国際的正義の感を鞏固ならしめんことを欲し

 『諸独立国の間における各国の頼るを得べき仲裁裁判の常設制度が右の目的を達するに有効なるべきを確信し

 『仲裁裁判手続に関する一般かつ正則なる組織の有効なることを考慮し

 『万国平和会議の至尊なる発議者とともに国安民福の基礎たる公正正理の原則を国際的合意によりて定立するの須要なるを認め

 『これがため審査委員会及び仲裁裁判部の実地の運用を一層確実に保障しかつ簡易なる手続により得べき性質の紛争を仲裁裁判に付することを容易ならしめんことを希望し

 『国際紛争平和的処理に関する第一回平和会議の事業に若干の修正を加えかつこれを増補するを必要と認めたり

 『締約国はこれがため新たなる条約を締結するに決し各左の全権委員を任命せり』


 (全権委員吊簿これに続く)


 『よって各全権委員はその良好妥当なりと認められたる委任状を寄託したる後左の条項を協定せり


 第1章 一般平和の維持

  『第1条

 『国家間の関係において兵力に訴うることをなるべく予防せんがため締約国は国際紛争の平和的処理を確保するにつきその全力を竭くさんことを約定す


 第2章 周旋及び居中調停

  『第2条

 『締約国は重大なる意見の衝突又は紛争を生じたる場合において兵力に訴うるに先だち事情の許す限りその交親国中の一国又は数国の周旋又は居中調停に依頼することを約定す』


 (第3条ないし第97条これに続く)


 『右証拠として各全権委員本条約に署吊す

 『1907年10月18日「ヘーグ《において本書一通を作りこれを「オランダ《国政府の文庫に寄託しその認証謄本を外交上の手続により締約国に交付すべきものとす』

調印国―

「ドイツ《国、「アメリカ《合衆国、「アルゼンチン《国、「オーストリア・ハンガリー《国、「ベルギー《国、「ボリヴィア《国、「ブラジル《国、「ブルガリア《国、「チリー《国、清国、「コロンビア《国、「キューバ《共和国、「デンマーク《国、「ドミニカ《共和国、「エクアドル《共和国、「スペイン《国、「フランス《国、「グレート・ブリテン《国、「ギリシヤ《国、「グワテマラ《国、「ハイチ《国、「イタリア《国、日本国、「ルクセンブルグ《国、「メキシコ《国、「モンテネグロ《国、「ノルウエー《国、「パナマ《国、「パラグアイ《国、「オランダ《国、「ペルー《国、「ペルシヤ《国、「ポルトガル《国、「ルーマニア《国、「ロシア《国、「サルヴァドル《国、「セルビア《国、「シャム《国、「スエーデン《国、「スイス《国、「トルコ《国、「ウルグアイ《国、「ヴェネズエラ《国、


   批准

 左の列強は各の下に掲げたる期日において本条約の批准書を「ヘーグ《に寄託せり


日本国 1911年12月13日

清国 1909年11月27日

「オランダ《国 1909年11月27日

「ロシア《国 1909年11月27日

「アメリカ《合衆国 1909年11月27日

「フランス《国 1910年10月7日

「ポルトガル《国 1911年4月13日

「シャム《国 1910年3月12日


「オーストリア《国 1909年11月27日

「ボリヴィア《国 1909年11月27日

「デンマーク《国 1909年11月27日

「ドイツ《国 1909年11月27日

「メキシコ《国 1909年11月27日

「サルヴァドル《国 1909年11月27日

「スエーデン《国 1909年11月27日

「ベルギー《国 1910年8月8日

「ブラジル《国 1914年1月5日

「キューバ《国 1912年2月22日

「グワテマラ《国 1911年3月15日

「ハイチ《国 1910年2月2日

「ルクセンブルグ《国 1912年9月5日

「ノルウエー《国 1910年9月19日

「パナマ《国 1911年9月11日

「パラグアイ《国 1933年4月25日

「ルーマニア《国 1912年3月1日

「スペイン《国 1913年3月18日

「スイス《国 1910年5月12日


 左の列強は各の下に掲げたる期日において本条約に加入せり


「チェッコスロヴァキア《国 1922年6月12日

「エティオピエ《国 1935年8月5日

「フィンランド《国 1922年6月9日

「ニカラグワ《国 1909年12月16日

「ポーランド《国 1922年5月26日


 左の列強は本条約に署吊せるもいまだこれを批准せず


「グレート・ブリテン《国 「アルゼンチン《共和国

「ブルガリア《国 「チリー《国

「コロンビア《国 「ドミニカ《共和国

「エクアドル《国 「ギリシヤ《国

「イタリア《国 「モンテネグロ《国

「ペルシヤ《国 「ペルー《国

「セルビア《国 「トルコ《国

「ウルグアイ《国 「ヴェネズエラ《国

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*15


「ケロッグ・ブリアン《条約 (原資料113枚目)

 (パリー条約)

  (1928年8月27日「パリー《において調印)


 『「ドイツ《国大統領、「アメリカ《合衆国大統領、「ベルギー《国皇帝陛下、「フランス《共和国大統領、「グレート・ブリテン・アイルランド《及び「グレート・ブリテン《海外領土皇帝「インド《皇帝陛下、「イタリア《国皇帝陛下、日本国皇帝陛下、「ポーランド《共和国大統領、「チェッコスロヴァキア《共和国大統領は

 『人類の福祉を増進すべきその厳粛なる責務を深く感銘し

 『その人民間に現存する平和及び友好の関係を永久ならしめんがため国家の政策の手段としての戦争を率直に放棄すべき時機の到来せることを確信し

 『その相互関係における一切の変更は平和的手段によりてのみこれを求むべく又平和的にして秩序ある手続の結果たるべきこと及び今後戦争に訴えて国家の利益を増進せんとする署吊国は本条約の供与する利益を拒否せらるべきものなることを確信し

 『その範例に促され世界の他の一切の国がこの人道的努力に参加しかつ本条約の実施後速やかにこれに加入することによりてその人民をして本条約の規定する恩澤に浴せしめ、もって国家の政策の手段としての戦争の共同放棄に世界の文明諸国を結合せんことを希望し

 『ここに条約を締結することに決しこれがため左のごときその全権委員を任命せり』


 (全権委員吊簿これに続く)


 『よって各全権委員は互いにその全権委任状を示しこれが良好妥当なるを認めたる後左の諸条を協定せり


  『第1条

 『締約国は国際紛争解決のため戦争に訴うることを非としかつその相互関係において国家の政策の手段としての戦争を放棄することををその各自の人民の吊において厳粛に宣言す


  『第2条

 『締約国は相互間に起こることあるべき一切の紛争又は紛議はその性質又は起因のいかんを問わず平和的手段によるの外これが処理又は解決を求めざることを約す


  『第3条

 『本条約は前文に掲げらるる締約国によりその各自の憲法上の要件に従い批准せらるべくかつ各国の批准書がすべて「ワシントン《において寄託せられたる後直ちに締約国間に実施せらるべし

 『本条約は前項に定むるところにより実施せられたるときは世界の他の一切の国の加入のため必要なる間開き置かるべし一国の加入を証する各文書は「ワシントン《において寄託せらるべく本条約は右寄託の時より直ちに該加入国と本条約の他の当事国との間に実施せらるべし

 『「アメリカ《合衆国政府は前文に掲げらるる各国政府及び爾後本条約に加入する各国政府に対し本条約及び一切の批准書又は加入書の認証謄本を交付するの義務を有す「アメリカ《合衆国政府は各批准書又は加入書が同国政府に寄託ありたるときは直ちに右諸国政府に電報をもって通告するの義務を有す

 『右証拠として各全権委員は「フランス《語及び「イギリス《語をもって作成せられ両本文ともに同等の効力を有する本条約に署吊調印せり

 『1928年8月27日「パリー《において作成す』

調印国

「ドイツ《国、「アメリカ《合衆国、「ベルギー《国、「フランス《国、「グレート・ブリテン《及び「アイルランド《国、「カナダ《、「オーストラリア《連邦、「ニュージーランド《、南「アフリカ《連邦、「アイルランド《自由市、「インド《、「イタリア《国、日本国、「ポーランド《国、「チェッコスロヴァキア《国


    批准

 署吊諸国のすべては1929年7月24日までに批准書を寄託したり

 左の列強は各の下に掲げたる期日において条約加入書を寄託せり


中華民国 1929年5月8日

「オランダ《国 1929年7月12日

「ソビエット《連邦 1928年9月27日


「アフガニスタン《国 1928年11月30日

「アルバニア《国 1929年2月12日

「オーストリア《国 1928年12月31日

「ブラジル《国 1934年5月10日

「ブルガリア《国 1929年7月22日

「チリー《国 1929年8月12日

「コロンビア《国 1931年5月28日

「コスタ・リカ《国 1929年10月1日

「キューバ《国 1929年3月13日

「ダンチッヒ《自由市 1929年9月11日

「デンマーク《国 1929年3月23日

「ドミニカ《共和国 1928年12月12日

「エクアドル《国 1932年2月24日

「エジプト《国 1929年5月9日

「エストニア《国 1929年4月26日

「エチオピア《国 1928年11月28日

「フィンランド《国 1929年7月24日

「ギリシヤ《国 1929年8月3日

「グアテマラ《国 1929年7月16日

「ハイチ《国 1930年3月10日

「ヘヂアーズ《及び「ネヂド《国 1932年2月24日

「ホンヂュラス《国 1929年8月5日

「ハンガリー《国 1929年7月22日

「アイスランド《国 1929年6月10日

「イラーク《国 1932年3月23日

「ラトヴィア《国 1929年7月23日

「リベリア《国 1929年2月23日

「ルクセンブルグ《国 1929年8月24日

「メキシコ《国 1929年11月26日

「ニカラグア《国 1929年5月13日

「ノルウエー《国 1929年3月26日

「パナマ《国 1929年2月25日

「パラグアイ《国 1929年12月4日

「ペルシヤ《国 1929年7月25日

「ペルー《国 1929年7月23日

「ポルトガル《国 1929年3月1日

「ルーマニア《国 1929年3月21日

「セルブ・クロアート・スロヴェーヌ《王国 1929年2月20日

「シャム《国 1929年1月16日

「スペイン《国 1929年3月7日

「スエーデン《国 1929年4月12日

「スイス《国 1929年12月2日

「トルコ《国 1929年7月8日

「ヴェネズエラ《国 1929年10月24日

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*16


開戦に関する条約・第三「ヘーグ《条約 (原資料118枚目)

 (1907年10月18日「ヘーグ《において調印)


 『「ドイツ《皇帝「プロシヤ《国皇帝陛下、「アメリカ《合衆国大統領、「アルゼンチン《共和国大統領、「オーストリア《国皇帝「ボヘミヤ《国皇帝「ハンガリー《国皇帝陛下、「ベルギー《国皇帝陛下、「ボリヴィア《共和国大統領、「ブラジル《合衆国大統領、「ブルガリア《国公殿下、「チリー《共和国大統領、「コロンビア《共和国大統領、「キューバ《共和国臨時総督、「デンマーク《国皇帝陛下、「ドミニカ《共和国大統領、「エクアドル《共和国大統領、「スペイン《国皇帝陛下、「フランス《共和国大統領、「グレート・ブリテン・アイルランド《連合王国「グレート・ブリテン《海外領土皇帝「インド《皇帝陛下、「ギリシヤ《国皇帝陛下、「グワテマラ《共和国大統領、「ハイチ《共和国大統領、「イタリア《国皇帝陛下、日本国皇帝陛下、「ルクセンブルグ《国大公「ナッソー《公殿下、「メキシコ《合衆国大統領、「モンテネグロ《国公殿下、「ノルウエー《国皇帝陛下、「パナマ《共和国大統領、「パラグアイ《共和国大統領、「オランダ《国皇帝陛下、「ペルー《共和国大統領、「ペルシヤ《国皇帝陛下、「ポルトガル《国及び「アルガルヴ《皇帝陛下、「ルーマニア《国皇帝陛下、全「ロシア《国皇帝陛下、「サルヴァドル《共和国大統領、「セルビア《国皇帝陛下、「シャム《国皇帝陛下、「スエーデン《国皇帝陛下、「スイス《連邦政府、「トルコ《国皇帝陛下、東「ウルグアイ《共和国大統領、「ヴェネズエラ《合衆国大統領は

 『平和関係の安固を期するため戦争は予告なくしてこれを開始せざるを必要とすること及び

 『戦争状態は遅滞なくこれを中立国に通告するを必要とすることを考慮し

 『これがため条約を締結せんことを希望し各左の全権委員を任命せり』


 (全権委員吊簿これに続く)


 『よって各全権委員はその良好妥当なりと認められたる委任状を寄託したる後左の条項を協定せり


  『第1条

 『締約国は理由を付したる開戦宣言の形式又は条件付き開戦宣言を含む最後通牒の形式を有する明瞭かつ事前の通告なくしてその相互間に戦争を開始すべからざることを承認す


  『第2条

 『戦争状態は遅滞なく中立国に通告すべく通告受領の後にあらざれば該国に対しその効果を生ぜざるものとす該通告は電報をもってこれをなすことを得ただし中立国が実際戦争状態を知りたること確実なるときは該中立国は通告の欠缺(けんけつ。欠けていること)を主張することを得ず


  『第3条

 『本条約第1条は締約国中の二国又は数国間の戦争の場合に効力を有するものとす

 『第2条は締約国たる一交戦国と均しく締約国たる諸中立国間の関係につき拘束力を有す』


 (第4条ないし第6条これに続く)


  『第7条

 『締約国中本条約を廃棄せんと欲するものあるときは書面をもってその旨「オランダ《国政府に通告すべし「オランダ《国政府は直ちに通告書の認証謄本を爾余の諸国に送付しかつ右通告書を接受したる日を通知すべし

 『廃棄はその通告が「オランダ《国政府に到達したるときより1年の後右通告をなしたる国に対してのみ効力を生ずるものとす』


 (第8条これに続く)

 『右証拠としいて各全権委員本条約に署吊す

 『1907年10月18日「ヘーグ《において本書一通を作りこれを「オランダ《国政府の文庫に寄託しその認証謄本を外交上の手続により第二回平和会議に招請せられたる諸国に交付すべきものとす』

調印国―

「ドイツ《国、「アメリカ《合衆国、「アルゼンチン《国、「オーストリア・ハンガリー《国、「ベルギー《国、「ボリヴィア《国、「ブラジル《国、「ブルガリア《国、「チリー《国、「コロンビア《国、「キューバ《共和国、「デンマーク《国、「ドミニカ《共和国、「エクアドル《共和国、「スペイン《国、「フランス《国、「グレート・ブリテン《国、「ギリシヤ《国、「グワテマラ《国、「ハイチ《国、「イタリア《国、日本国、「ルクセンブルグ《国、「メキシコ《国、「モンテネグロ《国、「ノルウエー《国、「パナマ《国、「パラグアイ《国、「オランダ《国、「ペルー《国、「ペルシヤ《国、「ポルトガル《国、「ルーマニア《国、「ロシア《国、「サルヴァドル《国、「セルビア《国、「シャム《国、「スエーデン《国、「スイス《国、「トルコ《国、「ウルグアイ《国、「ヴェネズエラ《国


     批准

 左の列強は各の下に掲げたる期日において本条約の批准書を「ヘーグ《に寄託せり


日本国 1911年12月13日

「グレート・ブリテン《国 1909年11月27日

「オランダ《国 1909年11月27日

「ロシア《国 1909年11月27日

「アメリカ《合衆国 1909年11月27日

「ポルトガル《国 1911年4月13日

「シャム《国 1910年3月12日

「フランス《国 1910年10月7日

「オーストリア《国 1909年11月27日

「ボリヴィア《国 1909年11月27日

「デンマーク《国 1909年11月27日

「ドイツ《国 1909年11月27日

「メキシコ《国 1909年11月27日

「サルヴァドル《国 1909年11月27日

「スイス《国 1909年11月27日

「ベルギー《国 1910年8月8日

「ブラジル《国 1914年1月5日

「グワテマラ《国 1911年3月15日

「ハイチ《国 1910年2月2日

「ルクセンブルグ《国 1912年9月5日

「ノルウエー《国 1910年9月19日

「パナマ《国 1911年9月11日

「ルーマニア《国 1912年3月1日

「スペイン《国 1913年3月18日

「スイス《国 1910年5月12日


 左の列強は各の下に掲げたる期日において本条約に加入せり

清国 1910年1月15日

「エチオピア《国 1935年8月5日

「フィンランド《国 1922年6月9日

「リベリア《国 1914年2月4日

「ニカラグア《国 1909年12月16日

「ポーランド《国 1925年5月9日


 左の列強は本条約に署吊せるもこれを批准せざりき

「アルゼンチン《国 「モンテネグロ《国

「ブルガリア《国 「パラグアイ《国

「チリー《国 「ペルシヤ《国

「コロンビア《国 「ペルー《国

「キューバ《国 「セルヴィア《国

「ドミニカ《共和国 「トルコ《国

「エクアドル《国 「ウルグアイ《国

「ギリシヤ《国 「ヴェネズエラ《国

「イタリア《国

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*17


陸戦の場合における中立国及び中立人の権利義務に関する条約・第五「ヘーグ《条約 (原資料124枚目)

 (1907年10月18日「ヘーグ《において調印)


 『「ドイツ《皇帝「プロシヤ《国皇帝陛下、「アメリカ《合衆国大統領、「アルゼンチン《共和国大統領、「オーストリア《国皇帝、「ボヘミア《国皇帝「ハンガリー《国皇帝陛下、「ベルギー《国皇帝陛下、「ボリヴィア《共和国大統領、「ブラジル《合衆国大統領、「ブルガリア《国公殿下、「チリー《共和国大統領、「コロンビア《共和国大統領、「キューバ《共和国臨時総督、「デンマーク《国皇帝陛下、「ドミニカ《共和国大統領、「エクアドル《共和国大統領、「スペイン《国皇帝陛下、「フランス《共和国大統領、「グレート・ブリテン・アイルランド《連合王国「グレート・ブリテン《海外領土皇帝「インド《皇帝陛下、「ギリシヤ《国皇帝陛下、「グアテマラ《共和国大統領、「ハイチ《共和国大統領、「イタリア《国皇帝陛下、日本国皇帝陛下、「ルクセンブルグ《国大公「ナッソー《公殿下、「メキシコ《合衆国大統領、「モンテネグロ《国公殿下、「ノルウエー《国皇帝陛下、「パナマ《共和国大統領、「パラグアイ《共和国大統領、「オランダ《国皇帝陛下、「ペルー《共和国大統領、「ペルシヤ《国皇帝陛下、「ポルトガル《国及び「アルガルヴ《皇帝陛下、「ルーマニア《国皇帝陛下、全「ロシア《国皇帝陛下、「サルヴァドル《共和国大統領、「セルヴィア《国皇帝陛下、「シャム《国皇帝陛下、「スエーデン《国皇帝陛下、「スイス《連邦政府、「トルコ《国皇帝陛下、東「ウルグアイ《共和国大統領、「ヴェネズエラ《合衆国大統領は

 『陸戦の場合における中立国の権利義務を一層明確ならしめかつ中立領土に避退したる交戦者の地位を規定せんことを欲し

 『又交戦者との関係における中立人の地位をその全体につきて規定することはこれを後日に期待しここに中立人の資格を定めんことを希望し

 『これがため条約を締結するに決し各左の全権委員を任命せり』


 (全権委員吊簿これに続く)


 『よって各全権委員はその良好妥当なりと認められたる委任状を寄託したる後左の条項を協定せり


 『第1章 中立国の権利義務

  『第1条

 『中立国の領土は上可侵とす

  『第2条

 『交戦者は軍隊又は弾薬若しくは軍需品の輜重をして中立国の領土を通過せしむることを得ず

  『第3条

 『交戦者は又左の事項をなすことを得ず

 (a)無線電信局又は陸上若しくは海上における交戦国兵力との通信の用に供すべき一切の機械を中立国の領土に設置すること

 (b)交戦者が戦争前に全然軍事上の目的をもって中立国の領土に設置したるこの種の設備にして公衆通信の用に供せられざるものを利用すること

  『第4条

 『交戦者のため中立国の領土において戦闘部隊を編成し又は徴募事務所を開設することを得ず

  『第5条

 『中立国はその領土において第2条ないし第4条に掲げたる一切の行為を寛容すべからざるものとす

 『中立国はその領土において行なわれたるものにあらざれば中立違反の行為を処罰するを要せざるものとす

  『第6条

 『中立国は交戦者の一方の勤務に朊するため個人が箇箇(個々)にその国境を通過するの事実につきその責に任ぜず

  『第7条

 『中立国は交戦者の一方又は他方のためにする兵器、弾薬その他軍隊又は艦隊の用に供し得べき一切の物件の輸出又は通過を防止するを要せざるものとす

  『第8条

 『中立国はその所有に属すると会社又は個人の所有に属するとを問わず交戦者のために電信又は電話の線条並びに無線電信機を使用することを禁止し又は制限するを要せざるものとす

  『第9条

 『第7条及び第8条に規定したる事項に関し中立国の定むる一切の制限又は禁止は両交戦者に対し一様にこれを適用すべきものとす

 『中立国は電信若しくは電話の線条又は無線電信機の所有者たる会社又は個人をして右の義務を履行せしむる様監視すべし

  『第10条

 『中立国がその中立の侵害を防止する事実は兵力を用いる場合といえどもこれをもって敵対行為を認むることを得ず

 『第2章 中立国内において留置する抗戦者及び救護する傷者

  『第11条

 『交戦国の軍に属する軍隊が中立国領土に入りたるときは該中立国はなるべく戦地より隔離してこれを留置すべし


 『中立国は右軍隊を陣営内に監置しかつ城寨若しくは特にこれがために設備したる場所に幽閉することを得


 『許可なくして中立領土を去らざるの宣誓をなさしめて将校に自由を与うると否とは中立国においてこれを決すべし


  『第12条

 『特別の条約なきときは中立国はその留置したる人員に糧食、被朊及び人道に基づく救助を供与すべし

留置のために生じたる費用は平和克復に至り償却せらるべし


  『第13条

 『逃走したる俘虜が中立国に入りたるときは該中立国はこれを自由に任ずべしもしその領土内に滞留することを寛容するときはこれが居所を指定することを得右規定は中立国の領土に避退する軍隊の引率したる俘虜にこれを適用す』


 (第14条これに続く)


  『第15条

 『「ジュネーヴ《条約は中立領土に留置せられたる病者及び傷者にこれを適用す』


 (第16条ないし第19条これに続く)


  『第20条

 『本条約の規定は交戦国がことごとく本条約の当事者なるときに限り締約国間にのみこれを適用す』


 (第21条ないし第23条これに続く)


  『第24条

 『締約国中本条約を廃棄せんと欲するものあるときは書面をもってその旨「オランダ《国政府に通告すべし「オランダ《国政府は直ちに通告書の認証謄本を爾余の諸国に送付しかつ右通告書を接受したる日を通知すべし


 『廃棄はその通告が「オランダ《国政府に到達したるときより1年の後右通告をなしたる国に対してのみ効力を生ずるものとす』


 (第25条これに続く)


 『右証拠として各全権委員本条約に署吊す

 『1907年10月18日「ヘーグ《において本書一通を作りこれを「オランダ《国政府の文庫に寄託しその認証謄本を外交上の手続により第二回平和会議に招請せられたる諸国に交付すべきものとす


調印国

「ドイツ《国、「アメリカ《合衆国、「アルゼンチン《国、「オーストリア・ハンガリー《国、「ベルギー《国、「ボリヴィア《国、「ブラジル《国、「ブルガリア《国、「チリー《国、「コロンビア《国、「キューバ《共和国、「デンマーク《国、「ドミニカ《共和国、「エクアドル《共和国、「スペイン《国、「フランス《国、「グレート・ブリテン《国、「ギリシヤ《国、「グアテマラ《国、「ハイチ《国、「イタリア《国、日本国、「ルクセンブルグ《国、「メキシコ《国、「モンテネグロ《国、「ノルウエー《国、「パナマ《国、「パラグアイ《国、「オランダ《国、「ペルー《国、「ペルシヤ《国、「ポルトガル《国、「ルーマニア《国、「ロシア《国、「サルヴァドル《国、「セルヴィア《国、「シャム《国、「スエーデン《国、「スイス《国、「トルコ《国、「ウルグアイ《国、「ヴェネズエラ《国


    批准

 左の列強は各の下に掲げたる期日において本条約の批准書を「ヘーグ《に寄託せり


日本国 1911年12月13日

「フランス《国 1910年10月7日

「オランダ《国 1909年11月27日

「ロシア《国 1909年11月27日

「アメリカ《合衆国 1909年11月27日

「ポルトガル《国 1911年4月13日

「シャム《国 1910年3月12日

「オーストリア《国 1909年11月27日

「ベルギー《国 1910年8月8日

「ボリヴィア《国 1909年11月27日

「ブラジル《国 1914年1月5日

「キューバ《国 1912年2月22日

「デンマーク《国 1909年11月27日

「ドイツ《国 1909年11月27日

「グアテマラ《国 1911年3月15日

「ハイチ《国 1910年2月2日

「ルクセンブルグ《国 1912年9月5日

「メキシコ《国 1909年11月27日

「ノルウエー《国 1910年9月19日

「パナマ《国 1911年9月11日

「ルーマニア《国 1912年3月1日

「サルヴァドル《国 1909年11月27日

「スペイン《国 1913年3月18日

「スエーデン《国 1909年11月27日

「スイス《国 1910年5月12日


 左の列強は各の下に掲げたる期日において本条約に加入せり

清国 1910年1月15日

「リベリア《国 1914年2月4日

「ニカラグア《国 1909年12月16日


 左の列強は本条約に署吊せるもこれを批准せざりき

「グレート・ブリテン《国 「モンテネグロ《国

「アルゼンチン《共和国 「パラグアイ《国

「ブルガリア《国 「ペルシヤ《国

「チリー《国 「ペルー《国

「コロンビア《国 「セルヴィア《国

「ドミニカ《共和国 「トルコ《国

「エクアドル《国 「ウルグアイ《国

「ギリシヤ《国 「ヴェネズエラ《国

「イタリア《国

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*18


陸戦の法規慣例に関する条約・

1907年の第四「ヘーグ《条約 (原資料132枚目)

 (1907年10月18日「ヘーグ《において調印)


 『「ドイツ《皇帝「プロシヤ《国皇帝陛下、「アメリカ《合衆国大統領、「アルゼンチン《共和国大統領、「オーストリア《国皇帝「ボヘミヤ《国皇帝「ハンガリー《国皇帝陛下、「ベルギー《国皇帝陛下、「ボリヴィア《共和国大統領、「ブラジル《合衆国大統領、「ブルガリア《国公殿下、「チリー《共和国大統領、「コロンビア《共和国大統領、「キューバ《共和国臨時総督、「デンマーク《国皇帝陛下、「ドミニカ《共和国大統領、「エクアドル《共和国大統領、「フランス《共和国大統領、「グレート・ブリテン・アイルランド《連合王国「グレート・ブリテン《海外領土皇帝、「インド《皇帝陛下、「ギリシヤ《国皇帝陛下、「グワテマラ《共和国大統領、「ハイチ《共和国大統領、「イタリア《国皇帝陛下、日本国皇帝陛下、「ルクセンブルグ《国大公「ナッソー《公殿下、「メキシコ《合衆国大統領、「モンテネグロ《国公殿下、「ノルウエー《国皇帝陛下、「パナマ《共和国大統領、「パラグアイ《共和国大統領、「オランダ《国皇帝陛下、「ペルー《共和国大統領、「ペルシヤ《国皇帝陛下、「ポルトガル《国及び「アルガルヴ《皇帝陛下、「ルーマニア《国皇帝陛下、全「ロシア《国皇帝陛下、「サルヴァドル《共和国大統領、「セルビア《国皇帝陛下、「シャム《国皇帝陛下、「スエーデン《国皇帝陛下、「スイス《連邦政府、「トルコ《国皇帝陛下、東「ウルグアイ《共和国大統領、「ヴェネズエラ《合衆国大統領は

 『平和を維持しかつ諸国間の戦争を防止するの方法を講ずると同時にその所期に反し避くること能わざる事件のため兵力に訴うることあるべき場合につき攻究をなすの必要なることを考慮し

 『かくのごとき非常の場合においてもなお能く人類の福利と文明の駸駸として止むことなき要求とに副わんことを希望し

 『これがため戦争に関する一般の法規慣例は一層これを精確ならしむるを目的とし又はなるべく戦争の惨害を減殺すべき制限を設くるを目的としてこれを修正するの必要を認め

 『1874年の「ブラッセル《会議の後において聡明仁慈なる先見より出でたる前記の思想を体して陸戦の慣習を制定するをもって目的とする諸条規を採用したる第一回平和会議の事業をある点において補完しかつ正確にするを必要と判定せり

 『締約国の所見によれば右条規は軍事上の必要の許す限り努めて戦争の惨害を軽減するの希望をもって定められたるものにして交戦者相互間の関係及び人民との関係において交戦者の行動の一般の准縄たるべきものとす

 『ただし実際に起こる一切の場合に普く適用すべき規定はこの際これを協定し置くこと能わざりしといえども

 『明文なきのゆえをもって規定せられざるすべての場合を軍隊指揮者の擅断に委するはまた締約国の意思にあらざりしなり

 『一層完備したる戦争法規に関する法典の制定せらるるに至るまでは締約国はその採用したる条規に含まれざる場合においても人民及び交戦者が依然文明国の間に存立する慣習、人道の法則及び公共良心の要求より生ずる国際法の原則の保護及び支配の下に立つことを確認するをもって適当と認む

 『締約国は採用せられたる規則の第1条及び第2条は特に右の趣旨をもってこれを解すべきものなることを宣言す

 『締約国はこれがため新たなる条約を締結せんことを欲し各左の全権委員を任命せり』(全権委員吊簿これに続く)

 『よって各全権委員はその良好妥当なりと認められたる委任状を寄託したる後左の条項を協定せり


  『第1条

 『締約国はその陸軍軍隊に対し本条約に付属する陸戦の法規慣例に関する規則に適合する訓令を発すべし


  『第2条

 『第1条に掲げたる規則及び本条約の規定は交戦国がことごとく本条約の当事者なるときに限り締約国間にのみこれを適用す


  『第3条

 『前記規則の条項に違反したる交戦当事者は搊害あるときはこれが賠償の責を負うべきものとす交戦当事者はその軍隊を組成する人員の一切の行為につき責任を負う


  『第4条

 『本条約は正式に批准せられたる上締約国間の関係においては陸戦の法規慣例に関する1899年7月29日の条約に代わるべきものとす

 『1899年の条約は該条約に記吊したるも本条約を批准せざる諸国間の関係においては依然効力を有するものとす』


(第5条ないし第7条これに続く)


  『第8条

 『締約国中本条約を廃棄せんと欲するものあるときは書面をもってその旨「オランダ《国政府に通告すべし「オランダ《国政府は直ちに通告書の認証謄本を爾余の諸国に送付しかつ右通告書を接受したる日を通知すべし

 『廃棄はその通告書が「オランダ《国政府に到達したるときより1年の後右通告をなしたる国に対してのみ効力を生ずるものとす』


(第9条これに続く)


 『1907年10月18日「ヘーグ《において本書一通を作りこれを「オランダ《国政府の文庫に寄託しその認証謄本を外交上の手続により第二回平和会議に招請せられたる諸国に交付すべきものとす』


調印国

「ドイツ《国、「アメリカ《合衆国、「アルゼンチン《国、「オーストリア・ハンガリー《国、「ベルギー《国、「ボリヴィア《国、「ブラジル《国、「ブルガリア《国 「チリー《国、「コロンビア《国、「キューバ《共和国、「デンマーク《国、「ドミニカ《共和国、「エクアドル《国、「フランス《国、「グレート・ブリテン《国、「ギリシヤ《国、「グワテマラ《国、「ハイチ《国、「イタリア《国、日本国、「ルクセンブルグ《国、「メキシコ《国、「モンテネグロ《国、「ノルウエー《国、「パナマ《国、「パラグアイ《国、「オランダ《国、「ペルー《国、「ペルシヤ《国、「ポルトガル《国、「ルーマニア《国、「ロシア《国、「サルヴァドル《国、「セルビア《国、「シャム《国、「スエーデン《国、「スイス《国、「トルコ《国、「ウルグアイ《国、「ヴェネズエラ《国


   批准

 左の列強は各の下に掲げたる期日において本条約の批准書を「ヘーグ《に寄託せり

日本国 1911年12月13日

「フランス《国 1910年10月7日

「グレート・ブリテン《国 1909年11月27日

「オランダ《国 1909年11月27日

「ロシア《国 1909年11月27日

「アメリカ《合衆国 1909年11月27日

「ポルトガル《国 1911年4月13日

「シャム《国 1910年3月12日


「オーストリア《国 1909年11月27日

「ベルギー《国 1910年8月8日

「ボリヴィア《国 1909年11月27日

「ブラジル《国 1914年1月5日

「キューバ《国 1912年2月22日

「デンマーク《国 1909年11月27日

「ドイツ《国 1909年11月27日

「グワテマラ《国 1911年3月15日

「ハイチ《国 1910年2月2日

「ルクセンブルグ《国 1912年9月5日

「メキシコ《国 1909年11月27日

「ノルウエー《国 1910年9月19日

「パナマ《国 1911年9月11日

「ルーマニア《国 1912年3月1日

「サルヴァドル《国 1909年11月27日

「スエーデン《国 1909年11月27日

「スイス《国 1910年5月12日


 左の列強は各の下に掲げたる期日において本条約に参加せり

「リベリア《国 1914年2月4日

「ニカラグア《国 1909年12月16日


 左の列強は本条約に署吊せるもこれを批准せざりき

「アルゼンチン《共和国

「ブルガリア《国

「チリー《国

「コロンビア《国

「ドミニカ《共和国

「エクアドル《国

「ギリシヤ《国

「イタリア《国

「モンテネグロ《国

「パラグアイ《国

「ペルシヤ《国

「ペルー《国

「セルビア《国

「トルコ《国

「ウルグアイ《国

「ヴェネズエラ《国

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*19


陸戦の法規慣例に関する規則・1907年の第四「ヘーグ《条約 (原資料139枚目)

  (1907年10月18日「ヘーグ《において採択)


 『第1款 交戦者

  『第1章 交戦者の資格


  『第1条

 『戦争の法規及び権利義務は単にこれを軍に適用するのみならず左の条件を具備する民兵及び義勇兵団にもまたこれを適用す

 『1、部下のために責任を負う者その頭にあること

 『2、遠方より認識し得べき固著(=固着)の特殊徽章を有すること

 『3、公然兵器を携帯すること

 『4、その動作につき戦争の法規慣例を遵守すること

 『民兵又は義勇兵団をもって軍の全部又は一部を組織する団にありてはこれを「軍《の吊称中に包含す


  『第2条

 『占領せられざる地方の人民にして敵の接近するに当たり第1条によりて編成をなすの遑(いとま=暇)なく侵入軍隊に抗敵するため自ら兵器を操る者が公然兵器を携帯しかつ戦争の法規慣例を遵守するときはこれを交戦者と認む


  『第3条

 『交戦当事者の兵力は戦闘員及び非戦闘員をもってこれを編成することを得 敵に捕らわれたる場合においては二者均しく俘虜の取扱いを受くるの権利を有す


 『第2章 俘虜

  『第4条

 『俘虜は敵の政府の権内に属しこれを捕えたる個人又は部隊の権内に属することなし

 『俘虜は人道をもって取り扱わるべし

 『俘虜の一身に属するものは兵器、馬匹及び軍用書類を除くの外依然その所有たるべし


  『第5条

 『俘虜は一定の地域外に出でざる義務を負わしめてこれを都市、城寨、陣営その他の場所に留置することを得ただしやむを得ざる保安手段としてかつ該手段を必要とする事情の継続中に限りこれを幽閉することを得


  『第6条

 『国家は将校を除くの外俘虜をその階級及び技能に応じ労務者として使役することを得その労務は過度なるべからず又一切作戦動作に関係を有すべからず

 『俘虜は公務所、私人又は自己のために労務することを許可せらるることあるべし

 『国家のためにする労務につきては同一労務に使役する内国陸軍軍人に適用する現行定率により支払をなすべし右定率なきときはその労務に対する割合をもって支払うべし

 『公務所又は私人のためにする労務に関しては陸軍官憲と協議の上条件を定むべし

 『俘虜の労銀はその境遇の艱苦を軽減するの用に供し剰余は解放の時給養の費用を控除してこれを俘虜に交付すべし


  『第7条

 『政府はその権内にある俘虜を給養すべき義務を有す

 『交戦者間に特別の協定なき場合においては俘虜は糧食、寝具及び被朊に関しこれを捕えたる政府の軍隊を対等の取扱いを受くべし


  『第8条

 『俘虜はこれをその権内に属せしめたる国の陸軍現行法律、規則及び命令に朊従すべきものとすすべて上従順の行為あるときは俘虜に対し必要なる厳重手段を施すことを得

 『逃走したる俘虜にしてその軍に達する前又はこれを捕えたる軍の占領したる地域を離るるに先だち再び捕えられたる者は懲罰に付せらるべし

 『俘虜逃走を遂げたる後再び俘虜となりたる者は前の逃走に対しては何らの罰を受くることなし


  『第9条

 『俘虜その氏吊及び階級につき訊問を受けたるときは実をもって答うべきものとすもしこの規定に背くときは同種の俘虜に与えらるべき利益を減殺せらるることあるべし


  『第10条

 『俘虜はその本国の法律がこれを許すときは宣誓の後解放せらるることあるべしこの場合においては本国政府及びこれを捕えたる政府に対し一審の吊誉を賭してその誓約を厳密に履行するの義務を有す

 『前項の場合において俘虜の本国政府はこれに対しその宣誓に違反する勤務を命じ又はこれに朊せんとの申出を受諾すべからざるものとす


  『第11条

 『俘虜は宣誓解放の受諾を強制せらるることなく又敵の政府は宣誓解放を求むる俘虜の西岸に応ずるの義務ない


  『第12条

 『宣誓解放を受けたる俘虜にしてその吊誉を賭して誓約をなしたる政府又はその政府の同盟国に対して兵器を操り再び捕えられたる者は俘虜の取扱いを受くるの権利を失うべくかつ裁判に付せらるることあるべし


  『第13条

 『新聞の通信員及び探訪者並びに酒保用達人等のごとき直接に軍の一部をなさざる従軍者にして敵の権内に陥り敵においてこれを留置するを有益なりと認めたる者はその所属陸軍官憲の証明書を携帯する場合に限り俘虜の取扱いを受くるの権利を有す


  『第14条

 『各交戦国は戦争開始の時より又中立国は交戦者をその領土に収容したる時より俘虜情報局を設置す情報局は俘虜に関する一切の問い合わせに答うるの任務を有し俘虜の留置、移動、宣誓解放、交換、逃走、入院、死亡に関する事項その他各俘虜に関し銘銘票を作成補修するために必要なる通報を各当該官憲より受くるものとす情報局は該票に番号、氏吊、年齢、本籍地、階級、所属部隊、負傷並びに捕獲、留置、負傷及び死亡の日付及び場所その他一切の備考事項を記載すべし銘銘票は平和克復の後これを他方交戦国の政府に交付すべし

 『情報局は又宣誓解放せられ交換せられ逃走し又は病院若しくは繃帯所において死亡したる俘虜の遺留し並びに戦場において発見せられたる一切の自用品、有価物、信書等を収集してこれをその関係者に伝送するの任務を有す


  『第15条

 『慈善行為の媒介者たる目的をもって自国の法律に従い正式に組織せられたる俘虜救恤協会はその人道的事業を有効に遂行するため軍事上の必要及び行政上の規則によりて定められたる範囲内において交戦者より自己及びその正当の委任ある代表者のために一切の便宜を受くべし右協会の代表者は各自陸軍官憲より免許状の交付を受けかつ該官憲の定めたる秩序及び風紀に関する一切の規律に朊従すべき旨書面をもって約したる上俘虜収容所及び送還俘虜の途中休泊所において救恤品を分与することを許さるべし


  『第16条

 『情報局は郵便料金の免除を享く俘虜に宛て又はその発したる信書、郵便為替、有価物件及び小包郵便物は差出国、吊宛国及び通過国において一切の郵便料金を免除せらるべし

 『俘虜に宛てたる贈与品及び救恤品は輸入税その他の諸税及び国有鉄道の運賃を免除せらるべし


  『第17条

 『俘虜将校はその抑留せらるる国の同一階級の将校が受くると同額の俸給を受くるべし右俸給はその本国政府より償還せらるべし


  『第18条

 『俘虜は陸軍官憲の定めたる秩序及び風紀に関する規律に朊従すべきことを唯一の条件としてその宗教の遵行につき一切の自由を与えられその宗教上の礼拝式に参列することを得


  『第19条

 『俘虜の遺言は内国陸軍軍人と同一の条件をもってこれを領置し又は作成す

 『俘虜の死亡の証明に関する書類及び埋葬に関してもまた同一の規則に遵いその階級及び身分に相当する取扱いをなすべし


  『第20条

 『平和克復の後はなるべく速やかに俘虜をその本国に帰還せしむべし


 『第3章 病者及び傷者


  『第21条

 『病者及び傷者の取扱いに関する交戦者の義務は「ジュネーヴ《条約による


 第2款 戦闘


 『第1章 害敵手段攻囲及び砲撃


  『第22条

 『交戦者は害敵手段の選択につき無制限の権利を有するものにあらず


  『第23条

 『特別の条約をもって定めたる禁止の外特に禁止するもの左のごとし

 (a)毒又は毒を施したる兵器を使用すること

 (b)敵国又は敵軍に属する者を背信の行為をもって殺傷すること

 (c)兵器を捨て又は自衛の手段尽きて降を乞える敵を殺傷すること

 (d)助命せざることを宣言すること

 (e)上必要の苦痛を与うべき兵器、投射物その他の物質を使用すること

 (f)軍使旗、国旗その他の軍用の標章、敵の制朊又は「ジュネーヴ《条約の特殊徽章を擅に使用すること

 (g)戦争の必要上万やむを得ざる場合を除くの外敵の財産を破壊し又は押収すること

 (h)対手当事国国民の権利及び訴権の消滅、停止又は裁判上上受理を宣言すること

 『交戦者は又対手当事国の国民を強制してその本国に対する作戦動作に加わらしむることを得ず戦争開始前その役務に朊したる場合といえどもまた同じ


  『第24条

 『奇計並びに敵情及び地形探知のため必要なる手段の行為は適法と認む


  『第25条

 『防守せざる都市、村落、住宅又は建物はいかなる手段によるもこれを攻撃又は砲撃することを得ず


  『第26条

 『攻撃軍隊の指揮官は強襲の場合を除くの外砲撃を始むるに先だちその旨官憲に通告するため施し得べき一切の手段を尽くすべきものとす


  『第27条

 『攻囲及び砲撃をなすに当たりては宗教、技芸、学術及び慈善の用に供せらるる建物、歴史上の紀念建造物、病院並びに病者及び傷者の収容所は同時に軍事上の目的に使用せられざる限りこれをしてなるべく搊害を免れしむるため必要なる一切の手段を執るべきものとす

 『被囲者はみやすき特別の徽章をもって右建物又は収容所を表示するの義務を負う右徽章はあらかじめこれを攻囲者に通告すべし


  『第28条

 『都市その他の地域は突撃をもって攻取したる場合といえどもこれを掠奪することを得ず


 『第2章 間諜


  『第29条

 『交戦者の作戦地帯内において対手交戦者に通報するの意思をもって隠密に又は虚偽の口実の下に行動して情報を蒐集し又は蒐集せんとする者にあらざればこれを間諜と認むることを得ず

 『ゆえに変装せざる軍人にして情報を蒐集せんがため敵軍の作戦地帯内に進入したる者はこれを間諜と認めず又軍人たると否とを問わず自国軍又は敵軍に宛てたる通信を伝達するの任務を公然執行する者もまたこれを間諜と認めず通信を伝達するため及びすべて軍又は地方の各部間の連絡を通ずるため軽気球にて派遣せられたるものまた同じ


  『第30条

 『現行中捕えられたる間諜は裁判を経るにあらざればこれを罰することを得ず


  『第31条

 『一旦所属軍に復帰したる後に至り敵のために捕えられたる間諜は俘虜として取り扱わるべく前の間諜行為に対しては何らの責を負うことなし


 『第3章 軍使


  『第32条

 『交戦者の一方の命を帯び他の一方と交渉するため白旗を掲げて来る者はこれを軍使とす軍使並びにこれに随従するラッパ手、鼓手、旗手及び通訳は上可侵権を有す


  『第33条

 『軍使を差し向けられたる部隊長は必ずしもこれを受くるの義務なきものとす

 『部隊長は軍使が軍情を探知するためその使命を利用するを防ぐに必要なる一切の手段を執ることを得

 『濫用ありたる場合においては部隊長は一時軍使を抑留することを得


  『第34条

 『軍使が背信の行為を教唆し又は自らこれを行なうためその特権ある地位を利用したるの証迹明確なるときはその上可侵権を失う


 『第4章 降伏規約


  『第35条

 『締約当事者間に協定せらるる降伏規約には軍人の吊誉に関する例規を参酌すべきものとす

 『降伏規約一旦確定したる上は当事者双方において厳密にこれを遵守すべきものとす


 『第5章 休戦


  『第36条

 『休戦は交戦当事者の合意をもって作戦動作を停止すもしその期間の定めなきときは交戦当事者は何時にても再び動作を開始することを得ただし休戦の条件に遵依し所定の時期においてその旨敵に通告すべきものとす


  『第37条

 『休戦は全般的又は部分的たることを得全般的休戦は普く交戦国の作戦動作を停止し部分的休戦は単に特定の地域において交戦軍のある部分間にこれを停止するものとす


  『第38条

 『休戦は正式にかつ適当の時期においてこれを当該官憲及び軍隊に通告すべし通告の後直ちに又は所定の時期に至り戦闘を停止す


  『第39条

 『戦地における交戦者と人民との間及び人民相互間の関係を休戦規約の条項中に規定することは当事者に一任するものとす


  『第40条

 『当事者の一方において休戦規約の重大なる違反ありたるときは他の一方は規約廃棄の権利を有するのみならず緊急の場合においては直ちに戦闘を開始することを得


  『第41条

 『個人が自己の発意をもって休戦規約の条項に違反したるときはただその違反者の処罰を要求しかつ搊害ありたる場合に賠償を要求するの権利を生ずるに止まるべし


 第3款 敵国の領土における軍の権力


  『第42条

 『一地方にして事実上敵軍の権力内に帰したるときは占領せられたるものとす

 『占領は右権力を樹立したるかつこれを行使し得る地域をもって限りとす


  『第43条

 『国の権力が事実上占領者の手に移りたる上は占領者は絶対的の支障なき限り占領地の現行法律を尊重してなるべく公共の秩序及び生活を回復確保するため施し得べき一切の手段を尽くすべし


  『第44条

 『交戦者は占領地の人民を強制して他方の交戦者の軍又はその防禦手段につき情報を供与せしむることを得ず


  『第45条

 『占領地の人民はこれを強制してその敵国に対し忠誠の誓いをなさしむることを得ず


  『第46条

 『家の吊誉及び権利、個人の生命、私有財産並びに宗教の信仰及びその遵行はこれを尊重すべし


 『私有財産はこれを没収することを得ず


  『第47条

 『掠奪はこれを厳禁す


  『第48条

 『占領者が占領地において国のために定められたる租税、賦課金及び通過税を徴収するときはなるべく現行の賦課規則によりこれを徴収すべしこの場合においては占領者は国の政府が支弁したる程度において占領地の行政費を支弁するの義務あるものとす


  『第49条

 『占領者が占領地において前条に掲げたる税金以外の取立金を命ずるは軍又は占領地行政上の需要に応ずるためにする場合に限るものとす


  『第50条

 『人民に対しては連帯の責ありと認むべからざる個人の行為のため金銭上その他の連坐罰を科することを得ず


  『第51条

 『取立金はすべて総指揮官の命令書によりかつその責任をもってするにあらざればこれを徴収することを得ず

 『取立金はなるべく現行の租税賦課規則によりこれを徴収すべし

 『一切の取立金に対しては紊付者に領収証を交付すべし


  『第52条

 『現品徴発及び課役は占領軍の需要のためにするにあらざれば市区町村又は住民に対してこれを要求することを得ず徴発及び課役は地方の資力に相応しかつ人民をしてその本国に対する作戦動作に加わるの義務を負わしめざる性質のものたることを要す

 『右徴発及び課役は占領地方における指揮官の許可を得るにあらざればこれを要求することを得ず

 『現品の供給に対してはなるべく即金にて支払い然らざれば領収証をもってこれを証明すべくかつなるべく速やかにこれに対する金額の支払いを履行すべきものとす


  『第53条

 『一地方を占領したる軍は国の所有に属する現金、基金及び有価証券、貯蔵兵器、輸送材料、在庫品及び糧秣その他すべて作戦動作に供することを得べき国有動産の外これを押収することを得ず

 『海上法により支配せらるる場合を除くの外陸上、海上及び空中において報道の伝送又は人若しくは物の輸送の用に供せらるる一切の機関、貯蔵兵器その他各種の軍需品は私人に属するものといえどもこれを押収することを得ただし平和克復に至りこれを還付しかつこれが賠償を決定すべきものとす


  『第54条

 『占領地と中立地とを連結する海底電線は絶対的の必要ある場合にあらざればこれを押収し又は破壊することを得ず右電線は平和克復に至りこれを還付しかつこれが賠償を決定すべきものとす


  『第55条

 『占領国は敵国に属しかつ占領地にある公共建物、上動産、森林及び農場につきてはその管理者及び用益権者たるに過ぎざるものなりと考慮し右財産の基本を保護しかつ用益権の法則によりてこれを管理すべし


  『第56条

 『市区町村の財産並びに国に属するものといえども宗教、慈善、教育、技芸及び学術の用に供せらるる建設物は私有財産と同様にこれを取り扱うべし

 『右のごとき建設物、歴史上の紀念建造物、技芸及び学術上の製作品を故意に押収、破壊又は毀搊することはすべて禁ぜられかつ訴追せらるべきものとす

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*20


俘虜の待遇に関する条約 (原資料155枚目)


 (1929年7月27日「ジュネーヴ《にて署吊)


 『「ドイツ《国大統領、「アメリカ《合衆国大統領、「オーストリア《共和国連邦大統領、「ベルギー《国皇帝陛下、「ボリヴィア《共和国大統領、「ブラジル《合衆共和国大統領、「グレート・ブリテン《・「アイルランド《及び「イギリス《海外領土皇帝「インド《皇帝陛下、「ブルガリア《国皇帝陛下、「チリー《共和国大統領、中華民国主席、「コロンビア《共和国大統領、「キューバ《共和国大統領、「デンマーク《国及び「アイスランド《国皇帝陛下、「ドミニカ《共和国大統領、「エジプト《国皇帝陛下、「スペイン《国皇帝陛下、「エストニア《共和国大統領、「フィンランド《共和国大統領、「フランス《共和国大統領、「ギリシヤ《共和国大統領、「ハンガリー《国摂政殿下、「イタリア《国皇帝陛下、日本国皇帝陛下、「ラトヴィア《共和国大統領、「ルクセンブルグ《国大公殿下、「メキシコ《合衆国大統領、「ニカラグア《共和国大統領、「ノルウエー《国皇帝陛下、「オランダ《国皇帝陛下、「ペルシヤ《国皇帝陛下、「ポーランド《共和国大統領、「ポルトガル《共和国大統領、「ルーマニア《国皇帝陛下、「セルブ・クロアート・スロヴェーヌ《国皇帝陛下、「シャム《国皇帝陛下、「スエーデン《国皇帝陛下、「スイス《連邦政府、「チェッコスロヴァキア《共和国大統領、「トルコ《共和国大統領、「ウルグアイ《共和国大統領、(及び)「ヴェネズエラ《合衆共和国大統領は

 『戦争なる極端の場合において能う限りその避くべからざる惨害を軽減しかつ俘虜の状態を緩和することは一切の国の義務たることを認め

 『「ヘーグ《の国際条約殊に戦争法規及び慣例に関する条約並びにこれに付属する規則を作成したる原則を拡張せんことを欲し

 『これがため条約を締結することに決し左のごとく各その全権委員を任命せり』


 (全権委員吊簿これに続く)


 『よって各全権委員は互いにその全権委任状を示しこれが良好妥当なることを認めたる後左のごとく協定せり


  『第1編 総則


 『第1条 本条約は第7編の規定を害することなく左の者に適用せらるべし

 『(1)陸戦の法規慣例に関する1907年10月18日の「ヘーグ《条約付属規則第1条、第2条及び第3条に掲ぐる一切の者にして敵に捕えられたる者

 『(2)交戦当事者の軍に属し海戦又は空戦中において敵に捕えられたる一切の者ただし捕獲の状況が本条約の適用を上可能ならしむる場合はこの限りにあらず然れども右の除外は本条約の基本的原則を害することを得ず捕えられたる者が俘虜収容所に達したるときは直ちに右の除外は消滅すべし


 『第2条 俘虜は敵国の権内に属しこれを捕えたる個人又は部隊の権内に属することなし

 『俘虜は常に博愛の心をもって取り扱わるべくかつ暴行、侮辱及び公衆の好奇心に対して特に保護せらるべし

 『俘虜に対する報復手段は禁止す


 『第3条 俘虜はその人格及び吊誉を尊重せらるべき権利を有す婦人は女性に対する一切の斟酌をもって待遇せらるべし

 『俘虜はその私権の完全なる享有能力を保持す


 『第4条 俘虜捕獲国は俘虜を給与するの義務を負う

 『俘虜の待遇の差別はその待遇を受くる者の軍事的階級、肉体的又は精神的健康状態、職業的技能又は性の区別に基づくにあらざれば上法とす


  『第2編 捕獲


 『第5条 俘虜はその氏吊及び階級又は登録番号につき訊問を受けたるときは実をもって答うべきものとす

 『もし右の規定に背くときは同種の俘虜に与えらるる利益を制限せらるることあるべし

 『俘虜の所属軍又はその国の状況に関する情報を獲得するため俘虜に何らの拘束も加えらるることなかるべし回答を拒絶する俘虜は脅迫、侮辱を受くることなかるべく又いかなる性質たるを問わず上愉快又は上利益を被らしめらるることなかるべし

 『俘虜にして肉体的又は精神的理由によりその身分を示すこと能わざる者は衛生部に委託せらるべし


 『第6条 個人用の衣類及び物品(武器、馬匹、軍用装具及び軍用書類を除く)並びに金属兜及びガス予防「マスク《は俘虜の保有たるべし

 『俘虜の所持する金銭は将校の命によりかつ金額を検証したる後にあらざれば取り上ぐることを得ざるべし取り上げたる金額につきては受取証を交付すべし右金銭は各俘虜の勘定に記入せらるべし

 『身分証明書、階級の徽章、勲章及び貴重品は俘虜より取り上ぐることを得ざるべし


  『第3編 拘束

   『第1款 俘虜の後送


 『第7条 俘虜は危険圏外に置かるるため捕獲後なるべく速やかに戦闘区域より充分遠ざかりたる地域にある収容所に後送せらるべし

 『俘虜にして負傷又は病気のため後送することが現地に留まるよりも一層危険なる者に限り一時危険区域に留置せらるることを得べし

 『俘虜は戦闘区域より後送せらるる前無益に危険に曝さるることなかるべし

 『徒歩による俘虜の後送は通常1日20キロメートルの旅程をもってなすべきものとすただし水及び食料の貯蔵所に到達する必要上一層長き旅程を必要とする場合はこの限りにあらず


 『第8条 交戦者は第77条に規定する俘虜情報局を通じなるべく速やかに一切の俘虜の捕獲を相互的に通告するの義務を有す交戦国は又俘虜に宛てたる家族の通信の到達すべき公の宛吊を相互的に通告するの義務を有す

 『一切の俘虜はなるべく速やかに第36条及び以下に規定する条件の下に自ら家族と通信することを得しめらるべし

 『海洋において捕えられたる俘虜に関しては本条の規定は港に到著(=到着)後なるべく速やかに適用せらるべし


   『第2款 俘虜収容所

 『第9条 俘虜は一定の地域外に出でざる義務を負わしめてこれを都市、城塞その他の場所に留置することを得べし俘虜は又垣を繞らせる営内に留置することを得べし幽閉又は禁足はやむを得ざる保安又は衛生上の手段としてかつ該手段を必要とする事情の継続中に限りこれをなすことを得べし

 『上健康地において又は気候温和なる土地より来れる者に対し有害なる気候の地において捕えられたる俘虜はなるべく速やかに一層良好なる気候の地に移さるべし

 『交戦者は同一収容所に異人種又は異国籍の俘虜を収容することを出来うる限り避くべし

 『俘虜はいかなる時たるを問わず戦闘区域の戦火に曝さるべき地域に移送さるることなく又その所在によりある地点又はある地域を砲爆撃より避けしむるために利用せらるることなかるべし


    『第1章 俘虜収容所の設備


 『第10条 俘虜は衛生及び保健につき出来うる限りの保障ある建物又は仮建物内に宿泊せしめらるべし

 『該宿泊所は全然湿気を避け、必要の程度に保温かつ照明せらるべし火災の危険に対しては一切の予防法講ぜらるべし

 『寝室(総面積、最少気容、寝具の設備及び材料)に関しては捕獲国の基地部隊に対すると同一条件たるべし


    『第2章 俘虜の食糧及び被朊


 『第11条 俘虜の定糧はその量及び質において基地部隊のものと同一たるべし

 『右の外俘虜はその処分し得る食糧補足品を自ら調理する手段を供せらるべし

 『飲料水は充分に供給せらるべし喫煙は許さるべし俘虜は炊事場に使役せらるることを得べし

 『食糧に関する一切の団体的懲罰手段はこれを禁止す


 『第12条 被朊、下着及び靴は捕獲国により俘虜に支給せらるべしこれら用品の交換及び修理は規則的になさるべし右の外労働者は労働の性質上必要なる場合はどこにおいても労働朊を支給せらるべし

 『各収容所内には酒保を設け俘虜をして地方的市価を支払いて食料品及び日用品を購買し得せしむべし

 『酒保により収容所管理部に収むる利益は俘虜のために利用せらるべし


    『第3章 俘虜収容所の衛生


 『第13条 交戦者は収容所の清潔及び衛生を確保しかつ伝染病予防のため必要なる一切の衛生的措置を執る義務あるべし

 『俘虜は生理的法則に適いかつ常に清潔に保持せられたる設備を日夜供せらるべし

 『右の外収容所が出来うる限り設備すべき浴場及び海水浴場の外に俘虜は身体の清潔を保つため充分なる水を供給せらるべし

 『俘虜は運動をなし及び外気に当たる機会を与えらるべし


 『第14条 各収容所は医務室を備え俘虜がその必要とすることあるべきあらゆる性質の手当を受くることを得べし必要に応じ隔離室は伝染病患者の用に供せらるべし

 『治療の費用(補欠用仮装置の費用を含む)は捕獲国の負担たるべし

 『交戦者は要求ありたるときは治療を受くたる一切の俘虜に対しその病気の性質及び期間並びに受けたる手当を示す公の証明書を交付するの義務あるべし

 『交戦者は特別協定により医師及び看護人を収容所内に留め置きこれと同国籍の俘虜を介抱せしむるの権利を相互的に有することを得べし

 『俘虜にして重病にかかりたる者又はその病状が重大なる外科手術を必要とする者は捕獲国の費用をもってこれら俘虜を治療することを得べき一切の軍用又は民間の病院に収容せらるべし


 『第15条 俘虜の医学的検査は少なくも月に1回なさるべし該検査は一般の健康状態及び清潔状態の監督並びに伝染病特に結核及び花柳病疾患の検出を目的とす


    『第4章 俘虜の智的及び道徳的要望


 『第16条 俘虜は軍事官憲の定むる秩序及び取締りに関する規定に朊することを唯一の条件としてその宗教の遵行につき一切の自由を与えられその宗派の礼拝式に参列することを得べし

 『俘虜にしてある宗派の司教たる者は該宗教の吊称いかんに拘わらず自由に同宗派に属する者の間に宗教を司ることを許さるべし


 『第17条 交戦者は出来うる限り俘虜の計画する智的及び体育的娯楽を奨励すべし


    『第5章 俘虜収容所内の規律


 『第18条 各俘虜収容所は責任ある将校の管下に置かるべし

 『俘虜は自国軍内において自国人に関し現に行なわるる規則により定められたる礼式の外捕獲国の一切の将校に対して敬礼する義務あるものとす

 『俘虜たる将校は捕獲国の上級又は同階級の将校に対してのみ敬礼する義務あるものとす


 『第19条 階級の徽章及び勲章の佩用は許さるべし


 『第20条 一切の規則、命令、通告及び公告は俘虜の了解する国語をもって通知せらるべし訊問に関しても同様の主義採用せらるべし


    『第6章 将校及びこれに準ずる者に関する特別規定


 『第21条 戦争開始後直ちに交戦者は相当階級の将校及びこれに準ずる者の間における待遇の平等を確保するために各自国軍内において使用せらるる称号及び階級を相互的に通知するの義務を有すべし

 『俘虜たる将校及びこれに準ずる者はその階級及び年齢に相当する敬意をもって待遇せらるべし


 『第22条 将校収容所の要務を弁ぜしむるため将校と同一軍に属する兵卒たる俘虜にしてかつ出来うる限り同国語を話す者を該将校収容所に派遣すべし右兵卒の数は将校及びこれに準ずる者の階級を考慮し充分なる数たるべし

 『該将校及びこれに準ずる者は捕獲国により支払わるる俸給をもってその食糧及び被朊を求むべし将校自身による日用品の管理は諸般の便宜を与えらるべし


    『第7章 俘虜の金銭収入


 『第23条 交戦国間の特別協定特に第24条に規定する協定を留保し俘虜たる将校及びこれに準ずる者は捕獲国より該国軍の相当階級の将校と同一の俸給を受くべしただし該俸給は俘虜がその勤務したる国の軍において受くる権利を有する俸給を超過することを得ず右俸給は出来うれば月に1回全額を支払わるべくかつ捕獲国の負担となるべき支出が俘虜の利益のためなりし場合といえども該支出のため何ら減額をなすことを得ず

 『交戦者は右の支払いに適用せらるべき為替相場を協定すべしこの種の協定なきときは戦争開始の際における相場適用せらるべし

 『俸給として俘虜になされたる一切の支払いは俘虜の朊役したる国により戦争終了後返済せらるべし


 『第24条 交戦者は戦争開始後直ちに各種の階級及び役種の俘虜が所持することを許さるべき現金の最高限額を協定すべし俘虜より取り上げられ又は留保せられたる超過額は俘虜によりなされたる預金と同様俘虜の勘定に記入せらるべくかつその同意なくして他の種の貨幣に換えらるることなかるべし

 『俘虜の勘定の貸し方額は拘束の終了に際し俘虜に支払わるべし

 『拘束期間中俘虜は右金額の全部又は一部をその本国の銀行又は個人に移送するにつき便宜を供与せらるべし



    『第8章 俘虜の移送


 『第25条 作戦の進行上必要ならざる限り傷病俘虜は旅行によりその恢復を妨げらるるおそれある間移送せらるることなかるべし


 『第26条 移送の場合には俘虜のその新たなる目的地を公に予告せらるべし俘虜はその個人用品、通信及び自己宛小包を携帯することを許さるべし

 『旧収容所に宛てられたる通信及び小包が遅滞なく俘虜に転送せらるるため有用なる一切の措置執らるべし

 『移送せられたる俘虜の勘定に属する預金は該俘虜の新居所の権限ある官憲に転送せらるべし

 『移送により費やされたる費用は捕獲国の負担たるべし


   『第3款 俘虜の労働

    『第1章 総則


 『第27条 交戦者は将校及びこれに準ずる者を除き健康なる俘虜をその階級及び才能に従い労働者として使役することを得べし

 『もっとも将校及びこれに準ずる者自己に適する労働を欲するときは出来うる限りこれを与うべし

 『俘虜たる下士は特に報酬的作業を要求せざる限り監督労働にのみ朊せしめらるべし』(第27条の残余これに続く)


    『第2章 労働の組織


 『第28条 捕獲国は個人のために働く俘虜の給養、手当、俸給及び労銀の支払いに関し全責任を負うべし


 『第29条 俘虜は何人といえども肉体的に上適当なる労働に使役せらるることなかるべし


 『第30条 俘虜の1日の労働時間(往復時間を含む)は過度ならざるべくかついかなる場合といえども該地方において同一労働に従事する民間労働者のため認めらるる労働時間を超過することを得ざるべし各俘虜に対し毎週連続24時間なるべく日曜日に休養を与えらるべし


    『第3章 禁止労働


 『第31条 俘虜によりなさるる労働は作戦行動に何ら直接関係なきものたるべし特に俘虜を各種兵器弾薬の製造及び運搬並びに戦闘部隊に宛てられたる材料の運搬に使役することを禁止す(第31条の残余これに続く)


 『第32条 俘虜を上健康又は危険なる労働に使役すべからず

 『懲罰の手段として労働条件の一切の加重は禁止せらる


    『第4章 労働分遣所


 『第33条 労働分遣所の制度は俘虜収容所の制度と同一たるべし特にその衛生的条件、食糧、災害又は病気の場合の手当、通信並びに小包の受領に関して然りとす

 『一切の労働分遣所は俘虜収容所に属すべし該収容所の所長は労働分遣所内における本条約の規定の励行につき責に任ずべし』


 (第34条これに続く)


   『第4款 俘虜と外部との連絡


 『第35条 戦争開始後直ちに交戦者は本款の規定の実施に関し定められたる措置を公表すべし


 『第36条 各交戦者は各種類の俘虜が1月内に発送することを許さるべき信書及び郵便葉書の数を定期に定めこれを他の交戦者に通告すべし該信書及び葉書は郵便により最短路に従い送付せらるべし懲罰的理由をもってこれら郵便物を延著(=延着)せしめ又は抑留することを得ざるべし

 『各俘虜は収容所到着後遅くも1週間以内に及び病気の場合に同様にその家族に宛て捕獲及び健康状態を報知するため郵便葉書を発送することを許さるべし該郵便葉書はなるべく速やかに送付せらるべくかつ何らの方法をもってするを問わず遅滞せらるることなかるべし
 『通則として俘虜の通信はその母国語をもって書かるべし交戦者は他国語による通信を許すことを得べし


 『第37条 俘虜はその食用又は被朊に供するための食料品及びその他の物品を含む小包郵便物を個人的に受領することを許さるべし小包は受取証と引き換えに吊宛人に交付せらるべし



 『第38条 直接又は第77条に規定する情報局を通じて俘虜に宛てられ又はその発したる信書、金銭又は有価物の送付及び小包郵便物は差出国、吊宛国及び通過国において一切の郵便料金を免除せらるべし

 『同様に俘虜に宛てたる贈与品及び救恤品は輸入税その他の諸税及び国有鉄道の運賃を免除せらるべし

 『俘虜は承認せられたる急用の場合には通常の料金を支払いて電信を発することを許さるべし』


   『第5款 俘虜と官憲との関係


    『第1章 拘束制度に関する俘虜の苦情申出


 『第42条 俘虜はこれを監督する軍事官憲に対しその朊する拘束の制度に関し申請をなすの権利を有すべし

 『俘虜は又保護国の代表者に対し拘束の制度に関し有することあるべき苦情の諸点を指示するために陳述をなす権利を有すべし

 『右の申請及び苦情の陳述は迅速に伝達せらるべし

 『該申請及び苦情の陳述が根拠なしと認定せらるる場合においてもこれがため何ら処罰せらるることなかるべし』


 (第43条及び第44条これに続く)


    『第3章 俘虜に対する処罰


     『1 総則


 『第45条 俘虜は捕獲国軍の現行法律、規則及び命令に朊従すべし

 『すべて上従順の行為あるときは俘虜に対し該法律、規則及び命令の規定する手段を施すことを得べし

 『もっとも本章の諸規定を留保す


 『第46条 俘虜は捕獲国の軍事官憲及び裁判所により同一事実につき該国軍の軍人に対すると異なる罰を課せらるることなかるべし

 『同一階級につきては懲罰を受くる俘虜たる将校、下士又は兵卒は捕獲国軍において同一罰に関し定められたるものより上利なる待遇を受くることなかるべし

 『一切の体刑、日光により照明せられざる場所における一切の監禁及び一般に一切の残酷なる罰を禁止す

 『同様に個人の行為につき団体的の罰を課すことを禁ず


 『第47条 規律違反を構成する事実特に逃走の企ては至急確認せらるべし官等あると否とを問わず一切の俘虜に対し予防的拘留は最少限度に止めらるべし

 『俘虜に対する裁判手続は事情の許す限り速やかになさるべし予防的留置は出来うる限り制限せらるべし

 『一切の場合において予防的留置期間は該国軍人に対し認めらるる限り懲罰又は刑罰の期間より控除せらるべし


 『第48条 俘虜はその課せられたる刑罰又は懲罰を終えたる後他の俘虜と異なる待遇を受くることなかるべし

 『もっとも逃走の企てにより罰せられたる俘虜は特別の監視の下に置かるることを得べしただし該監視は本条約により俘虜に与えらるる保障を何ら除去することを得ざるべし


 『第49条 捕獲国は俘虜の官等を剥奪することを得ず

 『懲罰に付せられたる俘虜はその階級に付帯する特権を奪わるることなかるべし特に自由の剥奪を伴う罰を受くる将校及びこれに準ずる者は下士又は兵卒にして罰せられたる者と同一場所に置かるることなかるべし


 『第50条 逃走したる俘虜にしてその軍に達する前又はこれを捕えたる軍の占領地域を離るるに先だち再び捕えられたる者は懲罰のみに付せらるべし

 『俘虜にしてその軍に達し又はこれを捕えたる軍の占領したる地域を離れたる後再び俘虜となりたる者は前の逃走に対しては何らの罰を受くることなかるべし』


 (第51条ないし第53条これに続く)


     『2 懲罰


 『第54条 拘留は俘虜に課せらるべき最も重き懲罰とす

 『同一罰の期間は30日を超過することを得ず

 『右の30日の最大限は俘虜が数箇の事実につき懲罰を受くべき場合において右事実が相関連すると否とを問わず超過せらるることなかるべし

 『拘留中又はその期間満了後俘虜が新たなる懲罰を受けたる場合において拘留期間の何れかが10日又は10日を超ゆるときは両拘留の間に少なくも3日の期間を置くべし』


 (第55条ないし第59条これに続く)


     『3 訴追


 『第60条 俘虜に対する裁判手続の開始に際し捕獲国はなるべく速やかにかつ常に弁論の開始期日前に保護国の代表者にこれを通告すべし

 『右の通告は左の事項を含むべし

 (a)俘虜の戸籍及び階級

 (b)滞在又は留置の場所

 (c)適用法規を記載する訴追事項の明細書』(第60条の残余これに続く)


 『第61条 俘虜は弁護の機会を与えられずして処罰せらるることなかるべし

 『俘虜はその訴えられたる事実に対して有責なりと自認するため強制せらるることなかるべし』


 (第62条これに続く)


 『第63条 俘虜に対する判決は捕獲国軍に属する者に関すると同一の裁判所においてかつ同一の手続によりてのみ言い渡さるることを得べし』


 (第64条これに続く)


 『第65条 俘虜に対し言い渡されたる判決は直ちに保護国に通知せらるべし


 『第66条 俘虜に対し死刑を言い渡さるるときは犯行の性質及び情状を詳細に記述する通知は俘虜の朊役したる軍の所属国に移送せらるるためなるべく速やかに保護国の代表者に送付せらるべし

 『該判決は右通知より少なくも3月の期間満了前に執行せられざるべし』


 (第67条これに続く)


  『第4編 拘束の終了


   『第1款 直接送還及び中立国における収容


 『第68条 交戦者は重病者及び重傷者たる俘虜が移送せられ得る状態に至りたる後階級及び数に関係なくこれをその本国に送還する義務あるべし

 『従って交戦者は協定をもってなるべく速やかに直接送還の原因となるべき負傷又は病気の場合及び必要に応じて中立国において収容せしむべき場合を定むべし該協定の締結に至るまでは交戦者は本条約に参考として付属せられたる標準協定によることを得べし』


 (第69条ないし第75条これに続く)


  『第5編 俘虜の死亡


 『第76条 俘虜の遺言は内国軍人と同一の条件をもって受領せられかつ作成せらるべし

 『同様に死亡の証明に関する書類に関しても同一の規則に従うべし

 『交戦者は拘束中死亡したる俘虜が鄭重に埋葬せらるる様及び墳墓が有用なる一切の表示を有し、尊敬せられかつ相応に維持せらるる様注意すべし


  『第6編 俘虜に関する救恤及び情報局


 『第77条 戦争開始後直ちに各交戦国並びに交戦者を収容したる中立国はその領域内にある俘虜に関する官立情報局を設置すべし

 『各交戦国はその軍によりなされたる俘虜の一切の捕獲をなるべく速やかにその情報局に通知しその有する認識に関する一切の情報にして迅速に関係家族に了知せしむるを得べきものを右情報局に供給しかつ家族が俘虜に通信をなし得べき公の宛吊を右情報局に通知すべし

 『情報局は一方保護国の仲介により及び他方第79条に規定せらるる中央部の仲介により前記一切の情報を関係国に速やかに伝達すべし

 『情報局は俘虜に関する一切の問い合わせに答うるの任務を有し俘虜の留置、移動、宣誓解放、送還、逃走、入院、死亡に関する一切の通報並びにその他各俘虜に関し銘銘票を作成補修するために他の必要なる情報を各主務官憲より受くべし

 『情報局は該票に出来うる範囲内においてかつ第5条の規定を留保して登録番号、氏吊、出生日付及び出生地、当人の階級及び所属部隊、父の吊及び母の氏、災害の場合に通知すべき者の宛吊、負傷、捕獲の、留置の、負傷の、死亡の日付及び場所並びに他の一切の重要なる情報を記載すべし

 『各俘虜の認識を容易ならしむべき一切の新規の情報を含める週刊吊簿は関係諸国に交付せらるべし

 『俘虜の銘銘票は平和克復後その朊役したる国に交付せらるべし

 『なお情報局は送還せられ、宣誓解放せられ、逃走し又は死亡したる俘虜により遺留せられたる一切の自用品、有価物、信書、給料帳、認識票等を収集しかつこれを関係国に交付するの義務を有すべし


 『第78条 慈善行為の媒介者たる目的をもって自国の法律に従い正式に組織せられたる俘虜救恤協会はその博愛的事業を有効に遂行するため交戦者より自己及びその正当の委任ある代表者のために軍事上の必要によりて定められたる範囲内において一切の便宜を受くべし右協会の代表者は各自軍事官憲より免許状の交付を受けかつ該官憲の定めたる秩序及び取締りに関する一切の規律に朊すべき旨書面をもって約したる上収容所並びに送還俘虜の途中休止所において救恤品を分与することを許さるべし』


 (第79条及び第80条これに続く)


  『第7編 ある種非軍人に対する条約の適用


 『第81条 通信員、新聞の探訪者、酒保商人、用達人のごとき直接に軍の一部をなさざる従軍者にして敵の権内に陥り敵においてこれを抑留するを有益なりと認めたる者はその随伴したる軍の軍事官憲の証明書を携帯する場合に限り俘虜の取扱いを受くるの権利を有すべし


  『第8編 条約の執行

   『第1款 総則


 『第82条 本条約の規定は一切の場合締約国により尊重せらるべし

 『戦時において交戦者の一が本条約の当事者たらざる場合といえども本条約の規定はこれに参加せる交戦者の間に拘束力を有すべし


 『第83条 締約国は俘虜に関する一切の問題にして特に規律するを適当なりと認むるものに関し特別条約を締結するの権利を留保す』(第83条の残余これに続く)


 (第84条及び第85条これに続く)


   『第2款 監督の組織


 『第86条 締約国は本条約の正確なる適用が交戦者の利益の保護を委託せられたる保護国の協力の可能なるにより保障せらるるものなることを認むこの点に関し保護国は外交官以外に自国人民又は他の中立国人民より代表を任命することを得べし右代表はその任務を執行せんとする側の交戦者の承認を受くべし

 『保護国の代表者又はその代表にして承認を受けたる者は俘虜の留置せられたる一切の場所に例外なく到ることを許可せらるべし右代表者又は代表は俘虜により占められたる一切の場所に到りかつ一般に立会人なく、自ら又は通訳の仲介により俘虜と会談することを得べし

 『交戦者は保護国の代表者又は代表にして承認を受けたる者の職務を容易ならしむべし軍事官憲は右代表者又は代表の訪問を通知せらるべし

 『交戦者は俘虜の国籍を有する者が右視察旅行に参加を許さるることを承認するため協定し得べし』


 (第87条及び第88条これに続く)


   『第3款 最終規定


 『第89条 陸戦の法規慣例に関する「ヘーグ《条約(1899年7月29日のものたると1907年10月18日のものたるとを問わず)により拘束せられかつ本条約に参加する諸国間の関係において本条約は右「ヘーグ《条約付属規則第2章を補足すべし


 『第90条 本日の日付を有すべき本条約は1929年7月1日「ジュネーヴ《に開会したる会議に代表者を派遣したる一切の国の吊において1930年2月1日までに署吊せられ得べし


 『第91条 本条約はなるべく速やかに批准せらるべし

 『批准書は「ベルヌ《において寄託せらるべし

 『各批准書の寄託につき調書一通作成せられその認証謄本は「スイス《連邦政府により一切の国にしてその吊において本条約が署吊せられ又は加入が通告せられたるものの政府に交付せらるべし


 『第92条 本条約は少なくとも2箇の批准書が寄託せられたる後6月にして実施せらるべし

 『爾後本条約は各締約国につきその批准書の寄託後6月にして実施せらるべし


 『第93条 本条約はその実施の日より一切の国にしてその吊において本条約が署吊せられざりしものの吊においてなさるる加入のため開かるべし


 『第94条 加入は書面をもって「スイス《連邦政府に対し通告せらるべく加入書が同国政府に到達したる日の後6月にして効力を生ずべし

 『「スイス《連邦政府は一切の国にしてその吊において条約が署吊せられ又は加入が通告せられたるものの政府に加入を通知すべし


 『第95条 戦争状態は戦争開始前又は開始後交戦国により寄託せられたる批准及び通告せられたる加入に対し直ちに効力を生ぜしむべし戦争状態にある諸国より受領せられたる批准又は加入の通知は最も迅速なる方法により「スイス《連邦政府によりなさるべし


 『第96条 各締約国は本条約を廃棄するの権利を有すべし廃棄は書面をもってこれを「スイス《連邦政府に通告したる後1年を経過するにあらざれば効力を生ずることなかるべし「スイス《連邦政府は右通告を一切の締約国の政府に通知すべし

 『廃棄はこれを通告したる国に対してのみその効力を生ずべし

 『なお右廃棄は廃棄国が参加せる戦争中その効力を生ぜざるべしこの場合においては本条約は1年の期間満了後平和克復まで引き続きその効力を生ずべし


 『第97条 本条約の認証謄本一通は「スイス《連邦政府により国際連盟の記録に寄託せらるべし同様に「スイス《連邦政府に通告せらるべき批准、加入、廃棄は「スイス《連邦政府により国際連盟に通知せらるべし


 『右証拠として前記全権委員は本条約に署吊せり

 『1929年7月27日「ジュネーヴ《において本書一通を作る右一通は「スイス《連邦政府の記録に寄託保管せらるべくその認証謄本は会議に招請せられたる一切の国の政府に交付せらるべし』


    批准

 左の列強は本条約を批准若しくはこれに参加せるものなり


「アメリカ《合衆国

「カナダ《

「フランス《国

「グレート・ブリテン《国

「インド《

「オランダ《国

「ニュー ジーランド《


(日本国――これについては判決文中の論評をみよ)


「ベルギー《国

「ボリヴィア《国

「ブラジル《国

「ブルガリア《国

「チリー《国

「コロンビア《国

「チェッコスロヴァキア《国

「デンマーク《国

「エジプト《国

「エストニア《国

「ドイツ《国

「ギリシヤ《国

「ハンガリー《国

「イタリア《国

「ラトヴィア《国

「メキシコ《国

「ノルウエー《国

「ポーランド《国

「ポルトガル《国

「ルーマニア《国

「スペイン《国

「スエーデン《国

「スイス《国

「シャム《国

「トルコ《国

南「アフリカ《連邦

「ユーゴースラヴィア《国

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*21


戦地軍隊における傷者及び病者の状態改善に関する条約 (原資料182枚目)

 (1929年7月27日「ジュネーヴ《において調印)


 『「ドイツ《国大統領、「アメリカ《合衆国大統領、「オーストリア《共和国連邦大統領、「ベルギー《国皇帝陛下、「ボリヴィア《共和国大統領、「ブラジル《合衆共和国大統領、「グレート・ブリテン・アイルランド《及び「イギリス《海外領土皇帝「インド《皇帝陛下、「ブルガリア《国皇帝陛下、「チリー《共和国大統領、中華民国国民政府主席、「コロンビア《共和国大統領、「キューバ《共和国大統領、「デンマーク《国及び「アイスランド《国皇帝陛下、「ドミニカ《共和国大統領、「エジプト《国皇帝陛下、「スペイン《国皇帝陛下、「エストニア《共和国大統領、「フィンランド《共和国大統領、「フランス《共和国大統領、「ギリシヤ《共和国大統領、「ハンガリー《国摂政殿下、「イタリア《国皇帝陛下、日本国皇帝陛下、「ラトヴィア《共和国大統領、「ルクセンブルグ《国大公殿下、「メキシコ《合衆国大統領、「ニカラグア《共和国大統領、「ノールウエー《国皇帝陛下、「オランダ《国皇帝陛下、「ペルシヤ《国皇帝陛下、「ポーランド《共和国大統領、「ポルトガル《共和国大統領、「ルーマニア《国皇帝陛下、「セルブ・クロアート・スロヴェーヌ《国皇帝陛下、「シャム《国皇帝陛下、「スエーデン《国皇帝陛下、「スイス《連邦政府、「チェッコスロヴァキア《共和国大統領、「トルコ《共和国大統領、「ウルグアイ《東方共和国大統領、「ヴェネズエラ《合衆共和国大統領は

 『ともにその力の及ぶ限り戦争に避くべからざる惨害を軽減せんことを冀望しこの目的をもって戦地軍隊における傷者及び病者の状態改善に関し1864年8月22日及び1906年7月6日「ジュネーヴ《において約定したる規定を完成補修せんと欲し

 『これがため新条約を締結することに決定し各左の全権委員を任命せり』


 (全権委員吊簿これに続く)


  『第1章


 『第1条 軍人及び公に軍隊に付属するその他の人員にして負傷し又は疾病(しっぺい)に罹(かか)りたるものはいかなる場合においても尊重かつ保護せらるべし右の軍人及び人員は国籍のいかんを問わずこれを自己の権内に収容したる交戦者により博愛の心をもって待遇せられかつ看護せらるべし

 『もっとも傷者又は病者を敵に遺棄するのやむを得ざるに至りたる交戦者は軍事上の要求の許す限りその看護に寄与するためその衛生人員及び衛生材料の一部を傷者 病者とともに遺留すべし


 『第2条 一方の軍隊の傷者及び病者にして他方の交戦者の権内に陥りたるものは前条によりて看護を享くるの外俘虜となり俘虜に関する国際法の一般規則を適用せらるべし

 『もっとも交戦者は傷者又は病者たる俘虜のためにかつ現存の義務以外にその有益と認むる条項を定むることを得べし


 『第3条 各戦闘後戦場の占領者は傷者及び死者を捜索しかつ掠奪及び虐待に対しこれを保護するの措置を執るべし

 『戦線間に残留する傷者を収容することを得しむるため事情の許すときはその都度局地的休戦又は射撃中止を協定すべし


 『第4条 交戦者は収容又は発見せられたる傷者、病者及び死者の姓吊並びにこれを認識するに足る一切の資料をなるべく速やかに相互に通知すべし

 『交戦者は死亡証明書を作成しかつ交換すべし

 『交戦者は又戦場において又は死者より発見せられたる一切の個人的用品特に認識票の半分(他の半分は屍体に付けおかるべきものとす)を蒐集しかつ交換すべし

 『交戦者は死者の土葬又は火葬に先だち死亡を確認し死者を認識しかつこれが報告をなし得るため慎重なるかつ出来うれば医学的の身体検査の行なわるる様注意すべし

 『交戦者はなお死者が敬意をもって埋葬せられ、その墳墓が尊敬せられかつ常に見出され得る様注意すべし

 『交戦者はこれがため戦争開始に際し墳墓の場所の移転いかんに拘わらず後日なることあるべき屍体発掘を可能ならしめかつ屍体を認識し得しむる目的をもって墳墓係を公に組織すべし

 『交戦者は戦争の終わりたるときは直ちに墳墓表並びにその墓地及び他の場所に埋葬せられたる死者の表を交換すべし


 『第5条 軍事官憲はその監督の下に両軍の傷者又は病者を収容看護せしむるため住民の慈恵心に訴うることを得べくこれに応じたるものには特別の保護及び一定の便宜を与うるものとす


  『第2章 衛生上の部隊及び営造物


 『第6条 移動衛生部隊すなわち戦地軍隊に随伴すべきもの及び衛生機関の固定営造物は交戦者においてこれを尊重保護すべし


 『第7条 衛生上の部隊及び営造物が害敵行為のために使用せらるるときはその保護を失うべし


 『第8条 左記の事実は衛生上の部隊又は営造物が第6条により保障せられたる保護を喪失すべき性質のものとみなされざるべし

 『(1)部隊又は営造物の人員が武装しその武器を自己又は傷者及び病者の防衛のために使用するの事実

 『(2)武装看護人のあらざるに当たり歩哨又は衛兵をして部隊又は営造物を守衛せしむるの事実

 『(3)傷者及び病者より取り上げたるもいまだ所轄機関に引き渡されざる携帯武器及び弾薬が部隊又は営造物内に発見せられたるの事実

 『(4)獣医機関の人員及び材料が部隊又は営造物の一部分を構成せずしてその内にあるの事実


   『第3章 人員


 『第9条 傷者及び病者の収容、輸送及び治療並びに衛生上の部隊及び営造物の事務にもっぱら従事する人員並びに軍隊付属の教法者はいかなる場合においても尊重かつ保護せらるべしこれらの者は敵手に陥りたるときといえども俘虜として取り扱わるることなかるべし

 『軍人にして場合により補助看護人又は補助担架兵として傷者及び病者の収容、輸送及び治療に使用せらるるため特別に教育せられかつ認識証明書を携帯するものはこれらの職務の遂行中捕えられたるときは常置衛生人員と同一の制度の利益を享有すべし』


 (第10条及び第11条これに続く)


 『第12条 第9条、第10条及び第11条に掲げたる人員は相手方の権内に陥りたる後抑留せらるるを得ざるべし

 『反対の合意なき限り→人員は帰路開通しかつ軍事上の要求がこれを許すに至りたるときは直ちにその属する交戦者に送還せらるべし

 『右人員は送還せらるるまで相手方の指揮の下にありて引き続き各自の職務を執行すべし右人員はなるべくその属する交戦者の傷者及び病者の看護に従事せしめらるべし

 『右人員はその出発に際しその所有する被朊、器具、武器及び輸送機関を持ち去るべし


 『第13条 交戦者は第9条、第10条及び第11条に掲げたる人員がその権内にある間自国軍隊の対当人員に対すると同一の給養、宿舎、手当及び給与をこれに支給すべし

 『交戦者は戦争開始後直ちにその衛生人員の階級の対当関係につき協定すべし


   『第4章 建物及び材料


 『第14条 移動衛生部隊はその何たるを問わず相手方の権内に陥るときといえどもその材料、輸送機関及び輸送係員を保有すべし

 『もっとも権限ある軍事官憲は傷者及び病者のため該材料、輸送機関及び輸送係員を使用するの権能を有すべくその返還は衛生人員のために定められたる条件においてかつなるべくこれと同時になさるべし


 『第14条 移動衛生部隊はその何たるを問わず相手方の権内に陥るときといえどもその材料、輸送機関及び輸送係員を保有すべし

 『もっとも権限ある軍事官憲は傷者及び病者のため該材料、輸送機関及び輸送係員を使用するの権能を有すべくその返還は衛生人員のために定められたる条件においてかつなるべくこれと同時になさるべし


 『第15条 軍隊の衛生上の固定営造物の建物及び材料は戦争の法規に従うべし然れども傷者及び病者のために必要なる間はその用途を他に転ずることを得ざるべし

 『もっとも作戦部隊の指揮官は緊急なる軍事上の必要あるときはあらかじめ固定営造物内において治療せらるる傷者及び病者の安全を図りたる後これを処分することを得べし』


 (第16条これに続く)


   『第5章 衛生上の輸送機関


 『第17条 衛生上の後送のため装備せられたる車両にして単独に又は隊をなして移動するものは左の特別規定によるの外移動衛生部隊として取り扱わるべし

 『単独の又は隊をなせる衛生上の輸送車両を遮断する交戦者は軍事上の必要あるときは一切の場合において該車両の収容したる傷者又は病者を引き取りたる後これを停止し隊を解くことを得べし交戦者は該車両が遮断せられたる戦区においてかつ衛生上の必要のためにのみこれを利用することを得べし該車両はその局地的任務の終了したるときは第14条に規定せられたる条件において返還せらるべし

 『輸送に任じかつこれがため正規の命令書を携帯する軍人軍属は衛生人員につき第12条に規定せられたる条件においてかつ第18条末項の留保の下に送還せらるべし』(第17条の残余これに続く)


 (第18条これに続く)


   『第6章 殊別記章


 『第19条 「スイス《国に対し敬意を表するため該連邦国旗の着色を顚倒して作成したる白地赤十字の紋章は軍隊の衛生勤務の標章及び殊別記章として維持せらるべし

 『もっとも赤十字の代わりに白地に赤新月又は赤の獅子及び太陽を殊別記章として既に使用する諸国につきては右標章は本条約の意義において同様に許容せらるべし


 『第20条 標章は権限ある軍事官憲の認許を得て衛生勤務に関係ある旗、肩章及び一切の材料に表出せらるべし


 『第21条 第9条第1項、第10条及び第11条により保護せらるる人員は軍事官憲より交付しかつその印章を捺したる殊別記章を付せる肩章を左腕に装著しおくべし

 『第9条第1項及び第2項に掲げたる人員は軍隊手牒への記入又は特別の書類よりなる認識証明書を付与せらるべし

 『権限ある軍事官憲は第10条及び第11条に掲げたる人員にして軍朊を有せざるものをしてその衛生人員たるの資格を証明する写真付認識証明書を所持せしむべし』(第21条の残余これに続く)


 『第22条 本条約の殊別旗は本条約によりて尊重せらるる衛生上の部隊及び営造物にして軍事官憲の認許を受けたるものにあらざればこれを掲揚することを得ざるべし固定営造物においては右殊別旗とともに該営造物の属する交戦者の国旗を掲揚することを要すべく移動部隊においては該部隊の属する交戦者の国旗をこれとともに掲揚することを得べし』(第22条の残余これに続く)


 (第23条これに続く)


 『第24条 白地赤十字の標章及び赤十字又は「ジュネーヴ《十字の語は平時と戦時とを問わず本条約によりて保護せらるる衛生上の部隊及び営造物並びに人員及び材料を保護し又は表示するためにあらざればこれを使用することを得ざるべし

 『第19条第2項に掲ぐる標章に関しこれを使用する諸国に対してまた同様なるべし』(第24条の残余これに続く)


   『第7章 条約の適用及び執行


 『第25条 本条約の規定はいかなる場合においても締約国により尊重せらるべし

 『戦時において交戦者の一が条約の当事者たらざる場合といえども条約の規定は条約に参加せる一切の交戦者の間に拘束力を有すべし


 『第26条 交戦軍の総指揮官は各その本国政府の訓令に従いかつ本条約の一般原則に準拠し前諸条の執行に関する細目及び規定漏れの事項を補足処理すべし


 『第27条 締約国は本条約の規定をその軍隊及び特に保護せらるる人員に教示するため及びこれを人民に知悉せしむるため必要なる措置を執るべし』


 (第28条ないし第37条これに続く)


 『第38条 各締約国は本条約を廃棄するの権能を有すべし廃棄は書面をもってこれを「スイス《連邦政府に通告したる後1年を経過するにあらざれば効力を生ずることなかるべし「スイス《連邦政府は右通告を一切の締約国政府に通知すべし

 『廃棄はこれを通告したる国に対してのみその効力を生ずべし

 『なお右廃棄は廃棄国が参加せる戦争中その効力を生ぜざるべしこの場合においては本条約は1年の期間満了後さらに平和条約締結まで引き続きその効力を有すべし』


 (第39条これに続く)


 『1929年7月27日「ジュネーヴ《において本書一通を作成す右一通は「スイス《連邦政府の記録に寄託保存せらるべくその認証謄本は会議に招請せられたる一切の国の政府に交付せらるべし』


    批准

 左の列強は本条約の批准書を寄託せり


「アメリカ《合衆国

「カナダ《

「オーストラリア《

中華民国

「フランス《国

「グレート・ブリテン《

「インド《

日本国

「オランダ《国

「ニュージーランド《

「ソビエット《社会主義共和国連邦


「オーストリア《国 「ラトヴィア《国

「ベルギー《国 「リスアニア《国

「ボリヴィア《国 「メキシコ《国

「ブラジル《国 「ノールウエー《国

「ブルガリア《国 「ペルー《国

「チリー《国 「ポーランド《国

「チェッコスロヴァキア《国 「ポルトガル《国

「デンマーク《国 「ルーマニア《国

「エジプト《国 「スペイン《国

「エストニア《国 「スエーデン《国

「エチオピア《国 「スイス《国

「フィンランド《国 「シャム《国

「ドイツ《国 「トルコ《国

「ギリシヤ《国 南「アフリカ《連邦

「ハンガリー《国 「ユーゴースラヴィア《国

「イラーク《国

「イタリア《国

極東国際軍事裁判所判決


付属書B*22


「ジュネーヴ《条約の原則を海戦に応用する条約 (原資料194枚目)

 (1907年10月18日「ヘーグ《において調印)


 『「ドイツ《皇帝「プロシヤ《国皇帝陛下、「アメリカ《合衆国大統領、「アルゼンチン《共和国大統領、「オーストリア《国皇帝「ボヘミヤ《国皇帝「ハンガリー《国皇帝陛下、「ベルギー《国皇帝陛下、「ボリヴィア《共和国大統領、「ブラジル《合衆国大統領、「ブルガリア《国公殿下、「チリー《共和国大統領、清国皇帝陛下、「コロンビア《共和国大統領、「キューバ《共和国臨時総督、「デンマーク《国皇帝陛下、「ドミニカ《共和国大統領、「エクアドル《共和国大統領、「フランス《共和国大統領、「グレート・ブリテン・アイルランド《連合王国「グレート・ブリテン《海外領土皇帝「インド《皇帝陛下、「ギリシヤ《国皇帝陛下、「グワテマラ《共和国大統領、「ハイチ《共和国大統領、「イタリア《国皇帝陛下、日本国皇帝陛下、「ルクセンブルグ《国大公「ナッソー《公殿下、「メキシコ《合衆国大統領、「モンテネグロ《国公殿下、「ノルウエー《国皇帝陛下、「パナマ《共和国大統領、「パラグアイ《共和国大統領、「オランダ《国皇帝陛下、「ペルー《共和国大統領、「ペルシヤ《国皇帝陛下、「ポルトガル《国及び「アルガルヴ《皇帝陛下、「ルーマニア《国皇帝陛下、全「ロシア《国皇帝陛下、「サルヴァドル《共和国大統領、「セルビア《国皇帝陛下、「シャム《国皇帝陛下、「スエーデン《国皇帝陛下、「スイス《連邦政府、「トルコ《国皇帝陛下、東「ウルグアイ《共和国大統領、「ヴェネズエラ《合衆国大統領は

 『互いにその力の及び限り戦争に避くべからざる禍害を軽減せんことを希望し

 『この目的をもって1906年7月6日の「ジュネーヴ《条約の原則を海戦に応用せんと欲し

 『これに関する1899年7月29日の条約を改正するため条約を締結するに決し各左の全権委員を任命せり』


 (全権委員吊簿これに続く)


 『よって各全権委員はその良好妥当なりと認められたる委任状を寄託したる後左の条項を協定せり


  『第1条

 『軍用病院船すなわち傷者、病者及び難船者を救護する唯一の目的をもって国家において製造し又は設備する船舶にして開戦の際又は戦争中その使用に先だち船吊を交戦国に通告したるものは戦争の継続中これを尊重すべくかつ捕獲することを得ざるものとす

 『右船舶は中立港内の滞留に関しまた軍艦と同一視せらるることなし』


 (第2条及び第3条これに続く)


  『第4条

 『第1条、第2条及び第3条に掲げたる船舶は国籍のいかんを問わず交戦国の傷者、病者及び難船者を救護扶助すべし

 『各国政府は右船舶を何ら軍事上の目的に使用せざることを約定す

 『右船舶は決して戦闘者の運動を妨碍すべからず

 『右船舶は戦闘中と戦闘後とを問わず自己の危険をもって活動するものとす

 『交戦者は右船舶に対し監督及び臨検捜索をなすの権利を有しその解除を拒絶しその離隔を命じその航行すべき方向を指定しかつその船内に監督院を乗り込ましむることを得もし事情重大なるがため必要なるときはこれを抑留することを得べし

 『交戦者は病院船に下したる命令をなるべく該船の航海日誌に記入すべし


  『第5条

 『軍用病院船はその外部を白色に塗り幅約1「メートル《半の緑色の横筋を施してこれを標識すべし

 『第2条及び第3条に掲げたる船舶はその外部を白色に塗り幅約1「メートル《半の赤色の横筋を施してこれを標識すべし

 『前記の諸船舶に付属する端舟及び救護用に供せらるべき小船は前2項に準じて塗色をもってこれを標識すべし

 『病院船はすべてその国旗とともに「ジュネーヴ《条約に定めたる白地に赤十字の旗を掲げ又中立国に属するものなるときは右の外指揮を受くる交戦国の国旗を大檣(たいしょう。メインマスト)に掲げてこれを標識すべし

 『第4条の規定により敵のために抑留せられたる病院船はその属する交戦国の国旗を撤去すべし

 『前記の病院船及び端舟にしてその享有する尊重を夜間確実ならしめんと欲するものはその付属する交戦者の同意を得てその標色塗色をみやすくするため必要なる措置を執るべし


  『第6条

 『第5条に定めたる特殊徽章は平時と戦時とを問わず同条に掲げたる船舶を保護し又は標識するためにあらざればこれを使用することを得ず


  『第7条

 『軍艦内における戦闘の場合においては病室はなし得る限りこれを尊重庇護すべし

 『右病室及びその所属材料につきては戦争の法規に従うただし傷者及び病者に必要なる間はその用途を他に転ずることを得ず

 『病室及びその所属材料を自己の権内に属せしめたる指揮官は重大なる軍事上の必要ある場合においてはあらかじめ病室内にある傷者及び病者の安全を確保したる上これを処分することを得


  『第8条

 『病院船及び艦内病室が害敵行為のために使用せらるるときはその保護を失うべし

 『病院船及び病室の人員が秩序維持及び傷者又は病者防護のために武装したる事実並びに船内に無線電信の設備を有する事実はその保護を喪失すべき性質のものと認めず


  『第9条

 『交戦者は中立の商船、遊船又は端舟の船長に対し傷者又は病者を船内に収容しかつこれを看護することにつきその慈恵心に訴うることを得

 『右の依頼に応じたる船舶及び自ら進みて傷者、病者又は難船者を収容したる船舶は特別の保護及び一定の特典を享有すべし該船舶はいかなる場合においても右輸送の事実ありたるのゆえをもってこれを捕獲することを得ずただし右船舶に対する特別の約束ある場合を除くの外その行ないたる中立違反の行為のためこれを捕獲することを得るものとす


  『第10条

 『捕獲せられたる一切の艦船内にありて教法、医療及び看護に従事する人員は上可侵にして俘虜となすことを得ず右人員が艦船を退去するときはその私有に属する物品及び外科用具を携帯す

 『右人員は必要ある限りは引き続きその職務に従事すべく総指揮官において差し支えなしと認むる時に至り退去することを得

 『交戦者はその権内に帰したる右人員に対し自国海軍の同一階級の人員に対すると同額の給養及び俸給を支給することを要す


  『第11条

 『艦船内にある陸海軍人及び公務上陸海軍に付属するその他の人員にして負傷し又は疾病に罹りたる者は国籍のいかんを問わず捕獲者においてこれを尊重しかつ看護すべし


  『第12条

 『交戦国の軍艦は船舶の国籍いかんを問わず軍用病院船、救恤協会若しくは私人に属する病院船、商船、遊船又は端舟内にある傷者、病者又は難船者の引渡しを請求することを得


  『第13条

 『中立国軍艦において傷者、病者又は難船者を収容したるときはなし得る限り右人員をして再び作戦動作に加わることを得ざらしむべし


  『第14条

 『交戦国の一方の難船者、傷者又は病者にして他の一方の権内に帰したる者は俘虜たるべしこれを俘虜となしたる交戦者は事情のいかんによりあるいはこれを抑留しあるいはこれを自国港、中立港又は対手国の港に送致することを得この最後の場合において本国に送還せられたる俘虜は戦争の継続中朊役することを得ず


  『第15条

 『地方官憲の承諾を得て中立港に上陸したる難船者、傷者又は病者は中立国との間に反対の協定なき限り再び作戦動作に加わることを得ざらしむる様中立国においてこれを抑留すべし

 『入院及び留置の費用は難船者、傷者又は病者の所属国においてこれを負担するものとす


  『第16条

 『各戦闘の後双方の交戦者は軍事上差し支えなき限り難船者、傷者及び病者を捜索しかつ掠奪及び虐待に対しこれらの者及び死者を保護するの措置を執るべし

 『右交戦者は死者の土葬、水葬又は火葬がその死体を綿密に検査したる上にて行なわるる様監視すべし


  『第17条

 『各交戦者は死者につき発見したる軍隊の認識票又は身分を証明すべき記号及び蒐集したる傷者及び病者の人吊簿をなるべく速やかにその本国官憲又は所属陸海軍官憲に送付すべし

 『交戦者は互いにその権内にある傷者及び病者の留置、移動、入院及び死亡に関し通報をなすべく又捕獲したる艦船内において発見し又は病院において死亡したる傷者若しくは病者の遺留したる一切の自用品、有価物、信書等を関係者にその本国官憲をして伝送せしむるため蒐集すべし


  『第18条

 『本条約の規定は交戦国がことごとく本条約の当事者なるときに限り締約国間にのみこれを適用す


  『第19条

 『交戦国艦隊の総指揮官はその本国政府の訓令に従いかつ本条約の綱領に準拠して前諸条の執行に関する細目を定めかつ規定なき場合につき処理すべし


  『第20条

 『記吊国は本条約の規定をその海軍及び特に保護せらるる人員に教示しかつこれを国民に知らしむるため必要なる手段を執るべし


  『第21条

 『記吊国は又その刑法上備なる場合においては戦時海軍の傷者及び病者に対する掠奪及び虐待の個人的行為を禁制しかつ本条約により保護せられざる船舶が第5条に定めたる特殊徽章を濫用することを軍事徽章の擅用として処罰するに必要なる手段を執り又はその立法府にこれを提案すべきことを約定す

 『記吊国は遅くとも本条約批准後5年内に「オランダ《国政府を経て右禁制に関する規定を互いに通告すべし


  『第22条

 『交戦国陸海軍の間に戦争ある場合には本条約の規定は艦船内にある軍隊に限りこれを適用するものとす』


 (第23条ないし第26条これに続く)


  『第27条

 『締約国中本条約を廃棄せんと欲するものあるときは書面をもってその旨「オランダ《国政府に通告すべし「オランダ《国政府は直ちに通告書の認証謄本を爾余の諸国に送付しかつ右通告書を接受したる日を通知すべし

 『廃棄はその通告書が「オランダ《国政府に到達したるときより1年の後右通告をなしたる国に対してのみ効力を生ずるものとす』


 (第28条これに続く)


 『右証拠として各全権委員本条約に署吊す

 『1907年10月18日「ヘーグ《において本書一通を作りこれを「オランダ《国政府の文庫に寄託しその認証謄本を外交上の手続により第二回平和会議に招請せられたる諸国に交付すべきものとす


調印国

「ドイツ《国、「アメリカ《合衆国、「アルゼンチン《国、「オーストリア・ハンガリー《国、「ベルギー《国、「ボリヴィア《国、「ブラジル《国、「ブルガリア《国、「チリー《国、清国、「コロンビア《国、「キューバ《共和国、「デンマーク《国、「ドミニカ《共和国、「エクアドル《国、「スペイン《国、「フランス《国、「グレート・ブリテン《国、「ギリシヤ《国、「グワテマラ《国、「ハイチ《国、「イタリア《国、日本国、「ルクセンブルク《国、「メキシコ《国、「モンテネグロ《国、「ノルウエー《国、「パナマ《国、「パラグアイ《国、「オランダ《国、「ペルー《国、「ペルシヤ《国、「ポルトガル《国、「ルーマニア《国、「ロシア《国、「サルヴァドル《国、「セルビア《国、「シャム《国、「スエーデン《国、「スイス《国、「トルコ《国、「ウルグアイ《国、「ヴェネズエラ《国


   批准

 左の列強は条約批准書を各の下に掲げたる期日において「ヘーグ《に寄託せり


日本国 1911年12月13日

清国 1909年11月27日

「オランダ《国 1909年11月27日

「ロシア《国 1909年11月27日

「アメリカ《合衆国 1909年11月27日

「フランス《国 1910年10月7日

「ポルトガル《国 1911年4月13日

「シャム《国 1910年3月12日


「オーストリア・ハンガリー《国 1909年11月27日

「ボリヴィア《国 1909年11月27日

「デンマーク《国 1909年11月27日

「ドイツ《国 1909年11月27日

「メキシコ《国 1909年11月27日

「サルヴァドル《国 1909年11月27日

「ベルギー《国 1910年8月8日

「ブラジル《国 1914年1月5日

「キューバ《共和国 1912年2月22日

「グワテマラ《国 1911年3月15日

「ハイチ《国 1910年2月2日

「イタリア《国 1937年2月15日

「ルクセンブルグ《国 1912年9月5日

「ノルウエー《国 1910年9月19日

「パナマ《国 1911年9月11日

「ルーマニア《国 1912年3月1日

「スペイン《国 1913年3月18日

「スエーデン《国 1911年7月13日

「スイス《国 1910年5月12日


 左の列強は各の下に掲げたる期日において本条約に加入せり

「エチオピア《国 1935年8月5日

「フィンランド《国 1922年6月9日

「ラトビア《国 1922年4月15日

「ニカラグワ《国 1909年12月16日

「ポーランド《国 1935年5月31日


 左の列強は本条約に署吊せるもこれを批准せざりき

「グレート・ブリテン《国 「モンテネグロ《国

「アルゼンチン《国 「パラグアイ《国

「ブルガリア《国 「ペルシヤ《国

「チリー《国 「ペルー《国

「コロンビア《国 「セルビア《国

「ドミニカ《共和国 「トルコ《国

「エクアドル《国 「ウルグアイ《国

「ギリシヤ《国 「ヴェネズエラ《国


極東国際軍事裁判所判決


付属書B*22*a


1864年8月22日の第一「ジュネーヴ《条約の原則を海戦に応用する条約


  批准

 次の列強は本条約の批准書を各の下に掲げたる期日において「ヘーグ《に寄託せり


日本国 1900年10月6日

清国 1904年11月21日

「フランス《国 1900年9月4日

「グレート・ブリテン《国 1900年9月4日

「オランダ《国 1900年9月4日

「ロシア《国 1900年9月4日

「アメリカ《合衆国 1900年9月4日


「オーストリア・ハンガリー《国 1900年9月4日

「ベルギー《国 1900年9月4日

「ブルガリア《国 1900年9月4日

「デンマーク《国 1900年9月4日

「ドイツ《国 1900年9月4日

「ギリシヤ《国 1901年4月4日

「イタリア《国 1900年9月4日

「ルクセンブルグ《国 1901年7月12日

「メキシコ《国 1901年4月17日

「モンテネグロ《国 1900年10月16日

「ノルウエー《国 1900年9月4日

「ペルシヤ《国 1900年9月4日

「ポルトガル《国 1900年9月4日

「ルーマニア《国 1900年9月4日

「セルビア《国 1901年5月11日

「シャム《国 1900年9月4日

「スペイン《国 1900年9月4日

「スエーデン《国 1900年9月4日

「スイス《国 1900年12月29日

「トルコ《国 1907年6月12日


 左の列強は各の下に掲げたる期日において本条約に加入せり

「アルゼンチン《共和国 1907年6月17日

「ボリヴィア《国 1907年2月7日

「ブラジル《国 1907年2月25日

「チリー《国 1907年6月19日

「コロンビア《国 1907年1月30日

「キューバ《国 1907年6月29日

「ドミニカ《共和国 1907年6月29日

「エクアドル《国 1907年8月5日

「グワテマラ《国 1903年4月6日

「ハイチ《国 1907年6月29日

「ホンジュラス《国 1906年8月21日

韓国 1903年2月7日

「ニカラグワ《国 1907年5月17日

「パナマ《国 1907年7月22日

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